怪物が徘徊し、崩壊した世界ー。
そんな世界で何とか生き延びていた二人ー。
しかし、その二人は
”中身”が入れ替わっていて、
見た目通りの二人ではなかったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
世界は、崩壊したー。
宇宙から未知の物質が飛来し、
人類を含む生命体は次々と怪物化ー。
ごくわずかに、その物質に耐性を持っていたために、
”怪物化”を免れた人間たちも、
怪物となった他の人や、生物に襲われて命を落とし、
今や、ほとんどの人間が地球上から消滅していたー。
残された人間は、もうそう多くはないー。
しかし、それでもー、
決して希望がないこの状況でも、
必死に生き延びる者たちがいたー。
「ーーー…!」
”彼”もその一人ー。
長身の少し目つきが鋭い男・岩里 仁(いわざと じん)は、
怪物たちから逃げ惑っていたー。
背後には”人間だった”怪物ー
そして、鳥の怪物もいるー。
仁は必死に逃げながら、怪物化した人間一人を蹴り飛ばすー。
が、怪物たちの勢いは止まらないー。
すぐに振り返って、仁は必死に走り始めるー。
がー、ついに壁際に追い詰められてしまい、
目が真っ赤に染まった女と、牙を剥きだしにした男、
そして、鳥の怪物に追い詰められてしまうー。
「ーーーー」
怯えた表情を浮かべながら、仁は
観念して目を閉じるー。
がー、その時だったー。
銃声が聞こえて、怪物たちが次々と倒れていくー。
最後に残った鳥の怪物が、
その銃声がした方向に向かうと、もう1発、銃声がして
その鳥も地面に落下ー。
少し驚いた様子で、目を閉じていた仁が目を開くとー、
そこには、セーラー服姿の女子高生の姿があったー。
西澤 朱音(にしざわ あかね)ー。
数か月前ー、世界が崩壊するまでは
ごく普通の女子高生だった子だー。
「ーー……全くー…ずっと、隠れてろって言っただろー?」
朱音は、見た目の大人しそうな雰囲気からは
想像もできないような荒々しい口調で、
手にしているマシンガンを背中に背負うと、
そのまま仁のほうを見つめたー。
「大丈夫かー?」
朱音のその言葉に、
背の高い鋭い目つきの仁が、目に涙を浮かべながら
「う、うんー」と、呟くー。
朱音はそんな仁の様子を見つめながら
少しだけ息を吐き出すと、
「ー”俺の身体”で死なれちゃ困るんだー。頼むぜ?」と、
それだけ言葉を口にして立ち上がったー。
「ーた、助けてくれてありがとうー」
仁がそう言うと、朱音は「言ったろ?俺の身体に死なれたら困るだけだ」と、
そんな返事をしたー。
そうー、
二人は入れ替わっていたー。
女子高生の朱音と、仁は、
怪物だらけとなって崩壊した世界で
互いに逃げ惑っていた際に出会ったー。
がー、その出会いは”衝突”だったー。
喧嘩したわけではないー。
文字通り、”衝突”したのだー。
”出会い”の時ー…
怪物に追われて、路地裏を逃げていた二人ー。
朱音はただひたすらに逃げ、
仁は、怪物を銃撃しながら逃げていたー。
そんな中、路地裏の曲がり角で
偶然、同じタイミングで二人は反対側から
やってきてしまい、出会い頭に勢いよく衝突ー、
その際に身体が入れ替わってしまったのだー
「おいーこれはどういうことだー」
朱音になった仁は、そう言葉を口にすると、
仁になった朱音は涙目で「わ、わ、分からないですー…」と、
そう言葉を口にしたー。
そんな怯えた仁(朱音)の様子を見つめながら、
”怯えた俺の姿を見るってのはおかしな気分だな”と、
心の中でそう言葉を口にすると、
そのまま「それを貸せ」と、身体が入れ替わったことで、
仁(朱音)の手に握られたままになっていた
ショットガンを渡すように要求したー。
「ーこ、これを、ですかー…?」
仁(朱音)は震えたー。
目の前にいるのは”いつもより怖い目つきをしたわたし”ー。
とは言え、見た目は”朱音”だー。
が、相手が”わたし”の身体であっても、
朱音には分かってしまったー
”この人はとても怖い人だ”
とー。
その鋭い目つきに、身体から放たれるオーラ…
そして何よりも”ショットガン”などを持ってウロついていたことー。
とても、まともな相手ではないー。
”ショットガンを渡したら殺される”
そんな風に思った仁(朱音)は
ショットガンを渡すことを躊躇してしまうー。
がー
「ー馬鹿野郎!さっさとそれを渡せ!」
朱音(仁)が声を荒げるー。
”わたし”が、そんなに声を荒げることができるなんて
知らなかったー。
恐怖からか、そんなことだけを思いながら
無意識のうちに震える手でショットガンを
朱音(仁)に手渡すー。
すると、朱音(仁)は
「怖けりゃ、耳を塞いでろ」と、それだけ言葉を口にすると
ショットガンを放ち、近付いてきていた”元人間”の怪物を3体、
葬り去ったー。
「ふぅー…」
朱音(仁)は息を吐き出すと、
「ーー怒鳴って悪かったー」と、それだけ言いながら、
ショットガンを近くに置くー。
「ーがー、奴らが迫って来てたんでなー。
お前がこれを私てくれなきゃ、俺たちは
怪物どものエサになってたー」
朱音(仁)のその言葉に、
仁(朱音)は怯えた表情を浮かべながらも、
「あ、ありがとうー…ございますー」と、
そう言葉を口にしたー
「ーで?この状況は一体何なんだー…?」
朱音(仁)は自分の身体を見下ろしながら
少しだけ戸惑いの表情を浮かべるー。
「ーって…JKかー…
なんかー…気まずいなー…」
怪物が迫っている状況だったからか、
自分が入れ替わった相手の身体に今更気付いた様子の仁ー。
「ーーー…なぁ……ズボン持ってないかー?」
朱音(仁)は、自分の履いているスカートを見つめながら
落ち着かない様子でそう言うと、
「ー着替えを持ったまま、移動していたように見えますかー…?」と、
怯えた様子のまま、仁(朱音)はそう言ったー。
「ーははー…確かに持ってるようには見えねぇなー」
朱音(仁)はそう言葉を口にすると、
「ーで、こうなっちまった原因はー…?」と、もう一度
聞こうとしたものの、少し息を吐き出してから、
「まぁー…聞いても分からねぇよなー」と、
一人呟くー。
そしてー、少し間を置いてから
朱音(仁)は「ー俺は仁ー。岩里 仁だー」と、
そう言葉を口にすると、
仁(朱音)は、怯えた様子のまま、
「ーーに、西澤 朱音ですー」と、
そんな言葉を口にしたー。
「ーーーお前、家族は?
誰かと一緒か?」
朱音(仁)が、ショットガンを再び手にしながら言うと、
仁(朱音)は、寂しそうに答えたー。
「もう、みんな化け物になっちゃったー
一人だけ残ってた友達も、死んじゃったー」
とー。
「ーーーそうか」
朱音(仁)はそれだけ言うと、
ショットガンをいじりながら続けたー。
「なら、俺がお前を守ってやる」
とー。
「え…?」
仁(朱音)は不安そうにしながら、
朱音(仁)を見つめると、
朱音(仁)は言ったー。
「ー警戒するなー。
”俺の身体”のまま死なれちゃ困るってだけさー。
分かりやすい理由だろ?」
朱音(仁)のその言葉に、
仁(朱音)は、ある意味納得しながらも、
ふと、頭をよぎったことを口にしたー。
「ーそれってー…元に戻れたらわたしを殺すってことですかー?」
とー。
「ーーーははーおいおいー、いきなりそんな質問させるとは
思わなかったぜー」
朱音(仁)は、朱音の身体で笑うと、
「そんなことはしねぇよー。安心しなー」と、
そう約束するー。
「ーーーー」
朱音(仁)は、自分の身体を見下ろしながら
「セーラー服ってことは、高校生かー?」と、
そう確認すると、
仁(朱音)は「え、あ、はいー」と、返事をしつつ
「あ、あなたはー?」と聞き返してくるー。
朱音(仁)は少しだけ躊躇いつつも、
”まぁ、こんな状況の世界じゃ、隠す必要もねぇか”と、
そう心の中で呟くと、
「ーー殺し屋だ。 ま、元だけどな」と、そう言葉を口にしたー。
「こ、こ、こ、こ、こ、こ、こ、こ、
殺し屋!?!?!?!?」
仁(朱音)が吹き飛ぶようにして、慌てて後退していくー。
「おいおいおいおいおい待てよー
”元”って言ったろー?」
朱音(仁)が、すぐにそう言葉を付け加えるも、
「”元”でも十分怖いんですけど!?」と、
仁(朱音)は泣きそうになりながら、
そう言葉を口にするー。
「ーーっーー…まぁー、そういうもんかー」
朱音(仁)は髪を掻きむしりながら、
「ーーってか、女の髪ってーー
なんつーかー、邪魔じゃないのか?」と、
長い髪に改めて気付いたのか、そう言葉を口にするー。
「ーーべ、別にーーいつもそうなのであまり…」
怯えた様子でそう言い放つ仁(朱音)ー
「ーーーーふぅー」
朱音(仁)は”殺し屋”という肩書が想像以上に
怖がられていることを悟ると、
「安心しろー。世界はこんな状況になったんだー
もう、殺し屋も何もねぇし、
これ以上、人間を減らしてもどうにもならねぇだろ?」と
そんな言葉を口にするー。
仁(朱音)は、それでも、
「わ、わたしの顔と声なのに怖い…!」と、震えながら
目を逸らすー。
「ーー~~~~~」
朱音(仁)は、なおも怖がっている仁(朱音)を見て、
”じゃあー”と、心の中で呟くと、
「わたしは全然怖くないよ~!何も危害を加えないから安心して!」と、
わざと可愛らしく、女子高生っぽい振る舞いをイメージして
そう言ってみせたー。
「~~~~~~~~」
そんな朱音(仁)の振る舞いに仁(朱音)は
”な…何この人…”と言いたげな表情で、朱音(仁)を見つめるー。
「おいっ!!お前がいつまでも怖がってるから、
しただけだろ!!」
朱音(仁)は急に恥ずかしくなってそう叫ぶと、
「ーー余計に怖いので、普通でいいですー…」と、
仁(朱音)はそう言葉を口にしたー。
「~~~~~とにかく、俺がお前を守ってやるー」
朱音(仁)は気を取り直した様子で
そう言葉を口にすると、
仁(朱音)は少し戸惑いながらも、
「ーー…あ、ありがとうー…ございます?」と、
疑問形のような言い方でお礼を口にするー。
「ーーそれに、お前はラッキーと言えばラッキーだぜ?」
朱音(仁)は持っていたショットガンをいじりながら言うー。
「ーこんなバケモンだらけの崩壊した世界ー…
俺のような”元殺し屋”がいりゃー、
心強いだろ?」
朱音(仁)は、少し得意気な表情を浮かべながら
そう言葉を口にするー。
確かにー、逃げ惑う一般人よりは心強いのかもしれないー。
とは言えー…
「ーー…ーーか、怪物より先にーー
あ、あなたに殺されそうな気がするんですけどー…」
怯えた様子でそう言葉を吐き出す仁(朱音)ー
朱音(仁)はそんな仁(朱音)を見ると、
「ーー”仁”だー。」と、そう言葉を口にすると、
「ー”あなた”とか呼ばれるほど立派な人間じゃないしー、
仁でいいー」と、そう言い放つー。
が、仁(朱音)は戸惑った様子を見せると、
朱音(仁)は少しだけ首を傾げながら
「ん?」と、それだけ言葉を口にするー。
すると、仁(朱音)は少し戸惑った表情を見せながら、
ようやく言葉を口にしたー。
「ーーー…ーその、男の人を名前で呼んだことなくてー…」
恥ずかしそうに言葉を口にする仁(朱音)ー
「ーーーあ…?あ~~、そうかー
ならー、”岩里”でも、”岩里さん”でも、なんでもいいー」
朱音(仁)はそれだけ言うと、
仁(朱音)は「じゃあ、岩里さんでー」と、そう言葉を口にしたー
そしてー…
それから2人は、入れ替わった状態のまま
逃げ延び続けて来たー。
「どうして、俺が戻るまで隠れてなかったー?」
朱音(仁)がマシンガンを手にしながらそう言うと、
仁(朱音)は「子供の泣き声がしたからー」と、そう言葉を口にするー。
「ーーそうかー」
朱音(仁)は、仁(朱音)に隠れているように言ったのに
一人で飛び出して怪物に追われていたことを、
それ以上責めることはせずに、
それだけ言葉を口にすると、
「ーーどの方角から、子供の泣き声がしたんだ?」と
朱音(仁)はそう言葉を口にするー。
「ーーあっちの方からー…」
仁(朱音)が、子供の泣き声がした、という方向を指差すと、
朱音(仁)は少しだけ躊躇ってから、
「わかったー。見に行くぞー。俺から離れるなー」と、
そう言葉を口にしてから、
そのままマシンガンを手に、廃墟となったショッピングモールを
ゆっくりと歩き始めたー。
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
怪物だらけになってしまった世界で
生き抜いている二人の入れ替わりデス~!!
この先も楽しみにしていて下さいネ~!
今日もありがとうございました~!★!

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