人々を”女体化”させる装置が完成したー。
女になることを望む人間を
女体化させる、その夢の力ー。
しかし、夢の力は暴走し”悪夢”を呼びこむことになってしまうー…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーついに、完成したぞー」
技術者たちが、嬉しそうに”それ”を見つめているー。
「ーーおぉぉぉ…素晴らしいー」
その技術者の中でも、特に嬉しそうにしていたのが
この”女体化プロジェクト”を推し進めていた研究主任・
村林(むらばし)主任だったー。
村林主任が推し進めていた女体化プロジェクトは、
文字通り、望む人間を”女体化”させる技術の開発を目的としたもので、
彼らは、5年以上の年月をかけて、ついに
その”人間を女体化させる力”を完成させたのだー。
特殊な光を放っている長方形のケースのような物体ー。
”特殊な光”を人体に照射することで、人間の体内の組織を
一瞬にして作り変えて女体化させるー、
そんな、夢の装置だー。
「ーーーーへへへへーそれにしても、
まさか本当に女になれるなんてー」
研究者の一人、安田 創(やすだ はじめ)が嬉しそうに
そう言葉を口にするー。
彼は既に、この装置を使って”女体化”していて、
自分の胸を、周囲に先程から自慢しているー。
「ーーはははー、で、安田くんー。
女体化した以外は身体は何ともないか?」
村林主任がそう声を掛けると、
他の研究員に胸を触らせていた創は、「あっ!はい!問題なしです!」と、
嬉しそうに報告を口にしたー。
動物実験なども含めて、入念にテストを繰り返した末の
使用ではあったものの、人間の女体化第1号となる人間には
当然リスクがあったー。
が、研究者の創は”俺がやります!”と、自ら立候補して名乗りを上げ、
そして今日、女体化を実際に試したのだったー。
その結果は、見事に成功ー、
先程、体内組織の検査も行ったもののー、
見た目だけではなく、完全に生物学的にも女性になっていることが
しっかりと証明されたー。
「ーへへへへーそういや、お前、童貞だったよな~?
俺が卒業させてやろうか~?」
創が、親友の研究員を揶揄っているー。
その親友は「うるせー!俺も女になるからいいんだよ!」と、
女体化装置の方を見つめながら笑うー。
「ーはははー
みんな、本当にご苦労だったー」
村林主任は、長い時をかけて完成させた
この女体化装置を前に満足そうに微笑むと、
そんな言葉を口にしたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それから1ヵ月かけて、村林主任や、
その仲間の研究者たちは”女体化装置”のお披露目のための
調整や最終確認を行ったー。
最初に女体化した研究員・創も、
その後に女体化した研究員たちの健康面にも問題なしー。
村林主任も、半月ほど前に自分自身も女体化し、
今では仕事が出来そうな雰囲気の女性研究員…とでも言うべき
雰囲気に変わっていたー。
「ーー明日はいよいよお披露目だなー」
女体化した村林主任がそう言うと、
「ーえへへへーわたしたち、有名になれますねー!」
と、最初に女体化した創が言うー。
「ーってか、お前、もうすっかり振る舞いも喋り方も
女になってるよなぁ~」
他の女体化した研究員が揶揄うようにして言うと、
「え~!せっかく可愛くなったんだから、心も女になりたいじゃん?」
と、にこにこしながら創が言葉を返すー。
「ーお前は分かってねぇなぁ~
女になったのに、こういう喋り方するのが興奮するんじゃねぇか~」
他の研究員の言葉が続くー。
村林主任は仲間たちのことを見つめながら、
満足そうに微笑むと、
”夢の力”を実現した女体化装置を見つめたー。
女体化装置にはー
”宇宙の技術”が使われているー。
今から50年ほど前に、人類初となる”火星”の調査が行われたー。
火星に実際に着陸して、色々な調査が行われたのだー。
その結果ー、
文明らしき痕跡が地下に発見されたほか、
”謎の光源”が発見されたのだー
地球に持ち帰られたその光を分析、応用した結果ー、
女体化装置が完成したのだー。
その光には、人間の細胞や体組織を変異させる力があり、
その力を、とある研究成果を用いて増幅させることにより、
人間を女体化させることに成功したー。
ただ、そのままその光を使うと、
周囲を通過しただけで人間が女体化してしまうために、
”望んだ人間”だけが女体化できるように、
特殊加工の長方形のケースに、その光源を閉じ込めることで、
女体化したいと願い、その装置内に手を突っ込むことで
女体化することができるようにしたー。
女体化は一方通行ー。
いずれ、男体化の研究も始めるつもりではあったものの、
今のところ、女⇒男 の研究はまだスタートしていないため
”間違って女体化してしまう”ことは避けなければいけない。
そのために、火星から持ち帰った謎の光源を
ケースの中に封じ込めることで、”女体化事故”が起きないよう、
安全性にも配慮したー。
全ては完璧ー。
明日の”お披露目”で、人類は新たなステージへと進むー。
望んだ人間が、いつでも女体化することができるー。
そんな世界がやってくるのだー。
”ーーーーー”
村林主任は、ふと自分のデスクの上に飾っていた写真を見つめるー。
”ーこんなことになるなら、女に生まれたかったー”
息子の”最後”の言葉を思い出す村林主任ー。
息子は、学生時代、”可愛くて人気者”だった女子生徒に
とある濡れ衣を着せられて、いじめを受けるようになり、
不登校になった末に自殺してしまったー。
”可愛ければ、この世界ってなんでも許されるんだなー”
”俺も、女に生まれたかったなぁ”
彼は、自ら命を絶つ前に、そんなことを口走っていたー。
もちろん、
可愛ければ何でも許されるー、というのは100%正しいことではないー。
が、世の中には”もしも、性別が違っていたら”違う人生を送ることが
できた人もたくさんいるだろうし、
自分の望む性別を選ぶことができれば、人生変わる人も
たくさんいるはずだー。
そんな想いで、村林主任は、女体化できる装置を開発してきたー。
将来的に男体化も実現させることができれば、
”性別”は選べるようになるー。
先に女体化の方を完成させたのは、
単に”自分の身体でテストできるから”だー。
流石に、部下にテストを押し付けて自分は危険を冒さない、なんてのは
主任としてどうかと考えていたし、
先に男体化技術を開発してしまうと、自分が男である以上、
自分自身で試すことができない。
そんな理由と、息子の件から、村林主任は先にこの女体化装置を完成させたー。
「ーーいよいよ明日ー、歴史は変わるー」
村林主任はそう言葉を口にすると、明日の”お披露目の場”を
頭の中で思い浮かべながら、笑みを浮かべたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー。
「ーーかねてから、研究を進めていた我々の”女体化プロジェクト”ー
それが、ついに先日、完成いたしました」
マイクを手に、村林主任がカバーで覆われた女体化装置の方を指差すー。
どよめく報道関係者や、その他の関係者たちー。
あえて、胸のふくらみを隠すような格好をして、
声も特殊なマイクで男のような声にし、
女体化したことを隠しつつ話していた村林主任は、
高らかに宣言したー
「成功の証拠がー、私自身ですー」
とー。
マイクの電源をOFFにして、
胸を隠すために着ていた上着を投げ捨てると、
「ー半月ほど前に、主任であるわたしも、この通り、女体化に成功していますー」と、
綺麗な透き通った声で、そう宣言したー。
会場のどよめきがさらに最高潮に達するー。
髪を隠すための帽子も脱ぎ捨てて、
バサッと髪を見せ付けると、
「ご覧に入れましょうー。これが、夢の女体化装置ー
コードネーム・アテナ ですー」
と、女体化装置・アテナを覆っていたカバーを取り外したー。
不思議な光に満ちた透明なケース。
その一角から、手を突っ込むことができるようになっていて、
手を入れると、その人間は女体化するー。
サイズはデスクトップ型のパソコンぐらいのサイズだー。
それが、夢の女体化装置ー。
「ーー我々も、その装置に手を入れれば、”女体化”とやらが
できるということですか?」
集まっていた報道陣の一人が、そう質問するー。
「えぇ、その通りですー。
この光は、火星から持ち帰られた未知の光源を
研究・調整したもので、
人間の体組織を変化させる力がありますー。
それに、我々がさらに改良を重ねた結果、
女体化が実現しましたー。
私自身がこうして、生物学的に”女性”になっていることが
何よりの証明ですし、
皆さんでも、誰でも望めば”こう”なることができます」
村林主任がそう説明すると、
別の報道関係者が手を上げるー。
「ー今、僕が試すことは可能でしょうか?」
とー。
「ーーもちろんですー。
ただー、一度女体化すれば、今のところは後戻りはできませんー。
将来的には、火星から持ち帰られた光源をさらに研究・改良して
男体化する装置も開発予定ですが
それにはまた数年はかかるでしょうー。
そのことはご理解いただければー」
村林主任はそう説明すると、
「ーそれでも構いませんよー」と、記者の男はそう言葉を口にしたー。
村林主任は、静かに頷くと、
「ではー、この装置に手をーー」と、
そう言葉をしながら、装置の方に視線を向けたー。
がー、夢の力のお披露目に、終始笑みを浮かべていた
村林主任はそこで表情を歪めたー。
”光が、強くなってるー?”
村林主任が言葉を止めて、”夢の装置”・アテナを見つめるー。
”主任、どうされましたか?”
舞台裏で、様子を見守っていた研究員が、
村林主任に通信で声を掛けるー。
「ーーーいや、光が今まで見たこともない反応をー」
村林主任がそう返事をしようとしたその時だったー。
さらに光が強まり、その光の色が今まで見たこともない色に
変わって行くー。
「ーーーーなんだあれはー!?」
急に光が強まったことに、お披露目の場に集まっていた記者や
関係者も声を上げるー。
「ーーーー!」
村林主任は、”光”を覆っているケースにヒビのような
亀裂が入り始めたことに気付くー。
「ー未知の反応が起きてるー!
緊急停止しろ!」
すぐに舞台裏にいる研究仲間に向かって、無線でそう指示を送る村林主任ー。
しかし、それは既に時遅くー、
光を覆っていた容器が砕け散るーー
”光”の力をコントロールし、
容器に手を突っ込んだ人間以外が女体化してしまうことを避けるための
”制御装置”的な役割を果たしていたそれが、壊れたことで
会場中に”浴びた人間を女体化させる”その光が照らされたーー
「ーーうぉぉぉぉぉぉぉ!?」
「ーうわああああっ!?お、俺が女にー!?」
「ーうへへへ!なんだこれ!やべぇ!」
お披露目の会場にいた男性たちが一斉に女体化していくー。
女性の記者や関係者たちは、その様子に困惑するー。
「ーそ、そんな馬鹿なー!
実験段階でこんな現象は一度もー…!」
元々、今日のお披露目よりも前に女体化していた
村林主任も、困惑の声を上げるー。
光はさらに強くなりー、
空中を漂い始めるー。
「ーー…き、緊急停止はどうなってる!?」
村林主任が叫ぶー。
いざと言う時のための”安全装置”として、
この光本体も、いつでも”シャットダウン”できるような
システムを組み込んでおいたー。
がー、
”ーー主任!停止処理をしても、光が消えません!”
そんな返事が返って来るー。
呆然としながら、謎の光源を見つめる村林主任ー。
数十年前に、人類が火星から持ち帰った謎の光源ー
複数持ち帰られたうちの一人を利用・研究・応用して
作り上げた女体化装置・アテナー。
が、それは人類にはまだ早すぎたのかもしれないー。
「ーーそ、そんなー」
呆然とする村林主任ー。
そんな中、光は分裂するようにして
会場の外にまで溢れ始めるー。
その様子を見つめながら、
成すすべなく呆然とする村林主任ー。
会場では女体化した記者たちの一部や
お披露目会に参加していた関係者の一部が
戸惑ったり、嬉しそうに胸を揉んだり、自分の顔を鏡で見て喜んだり、
「お、おい!この状況、どうするんだ!」と可愛い声で叫んだり、
混沌とした光景が広がっていたー…。
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
女体化装置が暴走…!
未知の力は、暴走してしまうと大変なので
扱い注意ですネ~…!
結末は、また明日のお楽しみデス~!

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