<憑依>前世の記憶②~不安な記憶~

①にもどる!

自分の前世は”憑依”されて終わった…

そんなことをある日突然思い出してしまった彼女。

それでも彼女は前向きに生きようとするも、
現世においても”憑依”の影は迫りつつあったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

深夏の前世、幸恵は
幸恵に歪んだ愛情を抱く男によって憑依されー、
その人生は終わったー

憑依された幸恵は豹変ー、
連日、自分の身体を弄ぶようになり、
やがて、男遊びを繰り返すようになったー

身体が求める欲望に溺れて、
Hなことをひたすらに繰り返し続ける日々ー。

「ーわたし、エロすぎでしょ?ひひひっあはははは♡」
そこに、もう幸恵の面影は残っていなかったー

顔や、声が同じなだけの別人ー。
そう表現するのが最もしっくり来るだろうかー。

が、欲望の限りを尽くした幸恵は、
やがて幸恵が憑依されているとは知らずに
幸恵に騙されて人生を滅茶苦茶にされた男に”復讐”されて、
刺されて致命傷を負ったー。

そのタイミングで、男は幸恵を解放ー。
そのまま幸恵は死亡してしまったのだったー。

「ーーー」
深夏は、そんな前世の記憶を苦々しく思いながらも、
前世に振り回されちゃいけないよね、と、数日前から
前世のことを気にするのをやめて、
いつも通りの生活を続けていたー。

「ーーー」
圭太がチラッと深夏の方を見つめるー。

「ーーどうかした?」
深夏が不思議そうに、彼氏であり、幼馴染でもある圭太の方を見つめると、
「あ、ううんー。少し前まで元気なかったからー」
と、圭太が穏やかに笑うー。

「あ、うんー。ごめんねー。少し考え事をしてて」
深夏が、前世のことを思い出して戸惑っていた期間のことを
そう口にすると、
圭太は「あ、いや、別に責めてるわけじゃないよー
ただ、深夏に何か悩みがあるんだったら、僕が何とかしなくちゃって
そう思っただけでー」と、そう続けるー。

「ふふー、ありがとうー。でも、大丈夫ー。
 もう、スッキリしたから」
深夏が、圭太に対して感謝の気持ちも交えながら
そぷ言い返すと、
圭太は「そっか」と、そう言葉を口にして頷いたー。

「ーーあ、僕、職員室にノートの提出に行かないといけないから、
 一回、職員室に寄ってくね」
圭太はノートを手に、それだけ言うと
深夏は「あ、うんーわかった」と、頷いてから、
そのまま教室へと向かうー。

圭太と別れて教室に向かって歩き始めた深夏ー。
が、そんな深夏の前に、
先輩である寺門 譲司が姿を現したー。

「ーー!」
深夏がビクッとして、譲司の方を見つめると、
譲司はうすら笑みを浮かべながら言ったー。

「ーなぁ、笹島のやつと付き合ってるんだろー?」
ニヤニヤしながらそう言葉を口にすると、
ゆっくりと近づいて来る寺門 譲司ー。

しかしー、深夏にこの”寺門先輩”との接点は何一つなく、
同じ高校には通っているものの、
学年は違うし、部活や委員会活動も別の所属、
その他学校行事でも、深夏は寺門 譲司とは
関わったことがなく、急に”彼氏”の名前を口に
出されて困惑していたー。

「ーあ、あなたはー?」
深夏が困惑しながら言う。

服装から、同じ学校の生徒であることは流石に分かる。
だが、それ以上が分からないー。

深夏からすれば、急に現れて、
急に彼氏と別れるように、そう言葉を投げかけて来た
完全に”謎の人物”でしかないー。

「ーー別れろって言ってんだよー」
ニヤニヤしていた顔から、突然笑顔が消えて
真顔でそう言葉を口にする譲司ー。

その目に”狂気”を感じた深夏は
「ーーど、どうして別れないといけないんですかー?
 ーー…わ、わたしは彼と別れるつもりはありませんから」と、
寺門先輩に対してそう言い放つと、
足早にその場を後にするー。

「ーーーー」
譲司はそれ以上は何も言わず、後を追ってくるようなことも
なかったものの、
教室にたどり着いた深夏は、しばらくの間、
身体の震えが止まらなかったー。

”別れろって言ってんだよー…”
譲司の狂気に満ちた目と言葉を思い出しながら
深夏は暗い表情を浮かべるー。

「ー深夏…?」
ふと、そんな声がして、深夏がハッとすると、
職員室に行って、先生にノートを提出してきた彼氏の圭太が
真横にいたー。

「あ…け、圭太ー」
深夏が戸惑いながら、圭太を見つめると
「ど、どうかしたの?なんだかー…震えてたみたいだけど…」と、
圭太がそう言葉を口にするー。

深夏は少し周囲を見渡すと
「昼休み…相談したいことがあるんだけど、いいかなー…?」と、
そんな言葉を圭太に向かって投げかけるのだった。

圭太は戸惑いの表情を浮かべながらも、
「もちろん」と、そう頷くと、
「深夏の力になれることなら、僕はなんでもするからー」と、
穏やかにそう言葉を口にしたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

昼休みー

深夏は、廊下を歩きながら
圭太と待ち合わせした空き教室に向かっていたー。

がーー
その時だったー

”ひひひひー
 お前は、俺とは離れられない運命なのだー”

そんな言葉がフラッシュバックするー。

”おやめくださいー…わたしはー…わたしには、結城(ゆうき)さまがー”
そんな言葉を口にするのは、
戦国時代の”姫”のような雰囲気の女ー。

”ーへへへ 関係ねぇよー
 お前の身体は俺のものだー
 俺たちが、何度生まれ変わろうとなー”

ニヤリと笑みを浮かべるのは、浪人のような雰囲気の男ー。

がー、その光景が脳裏にフラッシュバックした深夏には分かったー。

この男はーー
この前見た光景ー
深夏の前世である”幸恵”に憑依した男と同じ男だとー。
姿も、名前も違うー。
けれど、その目は忘れられないー。

この男はーー

”ひひひひっ♡ はははははははっ”
目から涙をこぼしながら、”姫”は憑依されて笑いだすー。

そして、その姫はそのまま悪女として君臨し始めて
最後には家臣の反乱を招いてしまい、
憑依されたまま命を落としてしまうのだったー。

「ーーー…どういうことー…?」
廊下を歩いていた深夏は立ち止まって表情を歪めるー。

今の映像はー、昭和の時代に生きた前世・幸恵の
”さらに前”の前世ー…

深夏は、前世でもその前の前世でも
男に憑依されて命を落としているのだ。

「ーー……」
深夏は表情を歪めるー。

前世も、その前の人生も
”今のわたし”と同じような年齢だったのを思い出すー。

「ーーーー」
バッと振り返る深夏ー

”お前の身体は俺のものだー
 俺たちが何度生まれ変わろうともなー”

男の言葉を思い出す。

”わたしは……「毎回」憑依されているのー?”
深夏はそう考えると、気味の悪さを感じて走り出すー。

そして、彼氏の圭太が待っている部屋にようやく到着すると、
「圭太ー…わ、わたし、先輩から変なことを言われてー」と、
そう言葉を口にしたー。

「せ、先輩ー?
 ちょ、ちょっと深夏ー落ち着いて」
圭太がそう言うと、深夏は
今朝起きた出来事を全て話したー。

「3年生の先輩が、僕たちに別れろってー?
 いったいどうしてー…?」
圭太が不思議そうに呟くと、
深夏は戸惑いながら「わ、分からないけどー…」と、
そう言葉を口にするー。

「ーーー…その人の名前はー…?」
圭太が戸惑いながら確認するー。

しかし、先輩の譲司は深夏の前では
名乗らなかったため、深夏にはその名前は分からないー。

「ご、ごめんー…分からなければ大丈夫ー
 僕も、気を付けるようにしておくから、
 深夏も何かあったら、遠慮なく言ってねー?」
圭太がそう言葉を口にすると、深夏は静かに頷いたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーー深夏ちゃん!お待たせ~!」

放課後ー
圭太が委員会活動で一緒に帰れないために、
不安を感じた深夏は、親友の雅美にも事情を説明して、
雅美と一緒に帰ることになったー

「ーー大丈夫?その先輩はそれから何もしてきてない?」
雅美が心配そうに言葉を口にするー。

雅美は、先日好きな男子に告白するためのアドバイスを
深夏から貰うなどしたり、学校でも、プライベートでも
深夏と仲良しの親友だー。

「ーーうんー。でも…圭太と別れろって、そう言って来たからー」
深夏はそう言葉を口にするー。

「ー…どうしてそんなこと言うんだろうね…?」
雅美は不思議そうな表情を浮かべながらも、
「でも、大丈夫ー!わたしが深夏ちゃんを守るから!」
と、雅美は穏やかに笑うー。

「ーーこの前も告白のアドバイスしてくれたし、
 深夏ちゃんにはお世話になりっぱなしだからね!
 だから、たまには恩返しもしないと!」
笑顔でそう言葉を口にする雅美ー。

そんな雅美を見て、深夏も少しだけ安心したような表情を
浮かべると「うん、ありがとうー」と、
そう言葉を口にして、雅美と一緒に下校を始めるのだったー。

そしてーー
そんな様子を校舎の影から、
先輩の寺門 譲司がじっと見つめていたー。

憎しみに満ちた目でー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

帰宅した深夏は困惑していたー。

前世であった”幸恵”ー。
そして、その前の前世も、
深夏は”恐らく同じ男”に憑依されて、
その人生を奪われているー。

しかも、深夏は”あること”が気にかかっていたー。

それは、戦国時代で生きていた”自分”に対して、
男が言い放った言葉だー。

”ーへへへ 関係ねぇよー
 お前の身体は俺のものだー
 俺たちが、何度生まれ変わろうとなー”

男は、確かにそう言っていたー。
そう言われた記憶が、確かにハッキリと蘇っているー。

”俺たちが何度生まれ変わろうとも”

その言葉はー…
深夏が憑依されたのが、
その時の人生が初めてではないことを意味しているー。

「ーーーー…わたしは、”いつも”憑依されて
 人生を滅茶苦茶にされて、死んでいるのー…?」
深夏は震えるー。

今までもずっとそうだったということは、
”今回も”そうなるのかもしれない。

しかも、”幸恵”の時も、その前の戦国時代を生きていた時も
”同じぐらいの歳”に憑依されているのを思い出したー。

「ーーー前世の記憶が急に蘇ってきたのってもしかしてー…」
深夏は不安そうにカレンダーを見つめるー。

”わたしが、もうすぐ憑依されるからー…?”
心底不安そうな表情を浮かべる深夏ー。

「ーーー」
先輩・寺門 譲司の狂気に満ちた目を思い出しながら、
深夏が心底不安そうな表情を浮かべるー。

次の人生はまたあるのかもしれない。
でも、今の自分は”深夏”だし、
深夏として生きている今は、前世がどうこうじゃなくて、
”深夏”としての私が一番大切だ。

この人生を手放すわけにはいかないし、
まだ、死にたくなんてない。

「ーー…わたしー…負けないからー」
深夏はそんな言葉を口にすると、
”憑依なんて、絶対にされないから”と、
そう決意をするのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ー寺門 譲司先輩ー」

翌日ー。
朝、彼氏であり、幼馴染の圭太から呼び出された深夏は、
そう告げられたー。

「え…?」
深夏が不思議そうに言うと、
圭太は「深夏に声を掛けた先輩ー…僕、調べたんだー」と、
そう言葉を口にしてから、3年生の教室がある校舎の方を
窓の外を見つめながら確認するー。

「B組にいる寺門 譲司って先輩が、
 深夏に声をかけた先輩だと思うー。

 僕がいる美化委員会の先輩で、僕も少し知っててー」

圭太がそう言うと、
「そうー…調べてくれたんだねーありがとう」と、
深夏はそう言葉を口にするー。

ただー、さすがに圭太に対しても、
いきなり前世がどうのこうのとか、
そんなことまで言うのは気が引けたー。

いくら圭太であっても、信じてくれないと思うし、
圭太を混乱させてしまうー。

それに、前世から続く因縁ー…みたいな、
そんな訳の分からないものに巻き込みたくない。

「ーーー…もし、また何か寺門先輩が言って来たら
 僕に言ってくれたらー、僕、絶対何とかするからー」
圭太はそう言うと、
深夏の方を見つめる。

「ー小さい頃からずっと一緒でー、
 僕、ずっと助けられてばっかりだったからー
 だからー、今度は絶対に僕が深夏を守るんだー」

圭太は意を決したようにそう言葉を口にする。

普段、どちらかと言うと臆病で奥手な圭太の
強い決意の言葉を聞いて、
深夏は少しだけ笑うと、
「圭太がそんな風にわたしを守ってくれようとするなんて、
 嬉しいー」と、そう言葉を返すー。

そんな深夏の言葉に、
「当然だよー。だって、僕はー」と、
圭太は照れ臭そうに、「僕は深夏の彼氏なんだからー」と、
そう言葉を口にしたー

③へ続く

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コメント

前世と同じような末路を辿ってしまうのか、
それとも無事に運命を変えることができるのか、
答えは明日のお楽しみデス~!

今日もありがとうございました~~!!

続けて③をみる!

「前世の記憶」目次

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憑依<前世の記憶>

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