<憑依>新しい身体はメイドロボ!?②~新たな人生~(完)

病で命を落としたはずの男子大学生ー。

しかし、彼はマッドサイエンティストである父の
発明によって”人間そっくりのメイドロボ”に魂を憑依させられて
復活を遂げたー。

その先に待つ運命はー…?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーこの服、着替えていいかー?」
人間そっくりのメイド型ロボット・メイに憑依させられてしまった
良平は、自分の着ているメイド服を指差しながら、
そんな言葉を口にするー。

がー、
「ー残念だがー、その身体に合う服は、ここにはメイド服しか用意してないー」と、
父・新五郎は、ずらりと並んだメイド服を見せ付けて来るー。

「ーおいっ!?そんなに大量に服を用意するなら
 メイド服以外も用意してくれよー」
”メイ”の身体で、そう言葉を口にする良平ー。

「ーま、まぁー服は俺がネットで注文するからいいやー。
 それより、”名前”さー…」

良平は、この身体の名前は自分で決めていいか?、と
そう言葉を口にするー

”メイ”という名前は、どうにも苦手だー。
高校時代、陰険な女子生徒の名前が”愛唯(めい)”で、
その女子生徒に酷い目に遭わされたこともあって、
正直、好きな名前ではないー。

「ーー残念だが、名前を変えることはできないー」
父・新五郎はそう言葉を口にすると、
「ーその身体の手首を見てみるんだー」と、
そう続けるー。

「ー?」
言われた通りに、良平が新しい自分の身体の”メイドロボ”の
手首を見ると、そこには”メイちゃん”と書かれていたー。

「ーーーっっ…
 自分でキャラクターを作るのに
 主人公の名前変えられない系のゲームみたいだなー」

ボソッと不満を口にする良平ー。

「だいたい、何で名前が”メイ”なんだよー?」
良平は可愛い声で父・新五郎にそう確認すると、
「ん~~~~…メイドだから、”ド”を抜いてそのままメイちゃんってなー…」
と、それだけ言葉を口にするー

「適当だなオイ」
メイド服を落ち着かない様子で触りながら”メイ”の身体になった
良平がそう言うと、
「ーー知らんのか?ワシは名前をつけるのが苦手なんだー。」
と、それだけ言葉を口にするー

「じ、じゃあ、そっちの”マリ”ちゃんとやらはー?」
”メイ”になった良平が、隣に置かれているカプセルを指差すー。

そちらには”マリちゃん”とやらが入っていると、
さっき、そう言っていたー。

「ーーあぁ、それはワシの初恋の相手の名前だー。
 ーーー…良平、お前の母さんじゃなくて、
 ワシが高校の頃に好きだった子の名前でなー」

「ーーおいおい、初恋の相手の名前をロボットにつけるなよー」
”自分の口から出る”可愛い声に落ち着かない様子を見せながら、
今度はそんなツッコミを入れる良平ー。

「ちなみにお前の名前は、母さんが入院した病院の
 担当医の名前だー」

「ー適当過ぎるだろ そんな話聞きたくなかったー」

メイの身体になった良平がそう言うと
「ーとにかくー。お前は今日からメイドのメイちゃんだー。」と、
それだけ言葉を口にしながら、笑みを浮かべたー。

「~~~~~~」
戸惑いの表情を浮かべながら、服の上から自分の胸を見つめるー。

「ーそうそう、女としてイクこともできるぞー」
父・新五郎の言葉に、メイの身体になった良平は「ぶっ!」と、
顔を赤くしながら反応すると、
「ーん、んなことしねぇよ!」と、そう声を上げるー。

「ーーだ、大体、どうやって女の人のそういう感じを再現したんだよー?
 親父、男だから実体験したことはないだろ?」
メイになった良平が、心底困惑した様子で言うと、
父・新五郎は「入念にシミュレートしたからなー。問題ない」と、
自信満々に頷くー。

「ー…いったい、何の研究してるんだよー…」
呆れ顔で、メイになった良平がそう言うと、
「ーーそういやーーこの身体で、食べ物食べたりできるのかー?」
と、そんな質問を投げかけるー。

「ーーあ~~~…食べることはできるけどなー
 主食はガソリンだからー
 ガソリンは用意してあるぞ」
そう言葉を口にすると、タンクのようなものを手に、
「飲むか?」と、新五郎は笑うー。

「ーーい、い、い、いらねぇ!」
メイの身体でそう叫ぶ良平ー。

が、父・新五郎は「これを飲まんと栄養がなー」と、
心配そうに呟くー。

そんな会話をしつつ、ふと、メイの身体に憑依した良平は
「ーーー…で、でもーーこの身体じゃー、もうー」と、
少し心配そうに言葉を口にするー。

見た目は確かに、完全に”人間”だー。
ただー…この見た目ではもう、”良平”として生きることは出来ないー。

少なくとも”良平”として大学に通うことは出来ないだろうし、
もうー、彼女の沙友里ともー…

「ーーーもしかして、沙友里ちゃんとのことを気にしているのか?」
父・新五郎が言うー。

「ーー!」
図星だった良平は、可愛い顔を少しだけ曇らせると、
新五郎は「安心しろー。既に沙友里ちゃんには話をしてあるー」と、
自慢気に頷くー

「ーは、は、話!?沙友里にー!?」
良平が、可愛い声で心底戸惑ったような声を出すー。

そんな良平の反応を見て、父・新五郎は笑いながら
「沙友里ちゃんー。そろそろ入っていいぞー」と、
そう言葉を口にしたー。

するとー、部屋の外から
良平の彼女である沙友里が中に入って来たー。

「ーーさ…さ…沙友里ー…」
良平は、戸惑いながら沙友里のほうを見つめると、
沙友里は”可愛いメイド”の身体になった良平のほうを見て
「ほ、ホントに、良平なのー?」と、
そう言葉を口にするー。

良平は、今一度、メイド服を身に纏う自分の身体を
見つめるー。

”こんな身体”になってしまったら、やっぱり沙友里も戸惑うだろう、とー。

どうせ、こんな人間そっくりのロボットを作れるのであれば、
”俺そっくり”のロボットを作って、そこに”俺”を憑依させてほしかったー…
そんな風に良平は思ってしまうー。

”よりによって、親父の趣味に付き合わされるなんてー”
そんな風に思いつつ、良平は彼女である沙友里のほうを見つめると、
「ーーそうーーそうなんだけどー…こんな姿になっちゃってー」と、
自虐的にメイド服に身を包んだ自分を見つめるー。

「ーーー…こんな姿でこの世に戻って来られても困るよなー…
 しかも、人間に見えるけどロボットだしー…」
良平は自虐的に笑いながらそう言うと、
沙友里は「よかったー…」と、そう言葉を口にしたー

「ー?」
”メイ”の身体で良平が少し意外そうな表情を浮かべるー。

「ーーどんな姿だって、良平は良平だよー
 また会えて、ホントによかったー」
彼女の沙友里は、心底嬉しそうにそんな言葉を口にすると、
そのまま”メイ”の身体を抱きしめるー。

「~~~~…い、い、いいのかー…?
 お、俺、こんなーー」
メイドのー、しかもロボットの身体になった自分のことを
まだこんなにも好きでいてくれるなんてー、と、
そう思いつつ、メイになった良平が沙友里のほうを見つめると、
「ーーいいのー。こうして戻って来てくれたならーーー
 わたしは、それだけでいいからー」と、
目に涙を浮かべながら言ったー。

その言葉に、メイになった良平も涙を浮かべようとーーー
したものの、涙が出ずに困惑するー

「ーあぁ、すまんー。涙は出ないんだー。
 唾は出せるけどな」
父・新五郎がそう言葉を口にするー。

「ーいやいや、唾はいらないだろ!?」」

「ーついでに痰も出せる」
新五郎はそう言いながら頷くー

「ーいらねー機能ばっかつけるな!!」
彼女である沙友里と”感動の再会”をしたところだったのに、
興ざめしてしまったー、と思いつつ、
そう声を上げると、
やがて、”メイ”の身体を見つめながら
良平は少しだけ微笑むー。

「ーでも、まぁー…ありがとうなー親父ー。
 そのままだったら、何もなかったわけだしー
 …メイドの身体でも、ロボットの身体でもー…
 ーーまたこうやって沙友里と会えたんだしー」

”メイ”の身体でそう言葉を口にする良平ー。

がー、父・新五郎は
「礼を言われるほどのことではないー」と、
そう言うと「ワシはただ、”自分の番”のときのために
実験しただけだからなー」と、笑うー。

「ーー!」
”メイ”の身体で、良平が戸惑うー。

すると、新五郎はもう一方のカプセルに入った
メイドロボ・マリのほうを見つめながら、
「ーワシが死んだあと、マリちゃんになるためのな!」と、
笑いながら、良平は実験体だったとそう言葉を口にしたー

「ーーー~~~~」
やっぱ親父はマッドサイエンティストだー。

「ーーえ…いや、ちょっと待てよ親父ー。
 さっき、そっちのメイドロボには、親父の初恋の人の
 名前をつけたって言ってなかったかー!?」

メイの身体になった良平がそう言うと、
「あぁ、言ったな」と、静かに頷く新五郎ー。

「ーじ、じ、じゃあ、親父ー
 自分の身体が死んだら、メイドの格好をした
 初恋の相手の名前がついたロボの身体で
 生きるつもりなのか!?」
メイの身体でそう叫ぶ良平ー。

そんな様子を、苦笑いしながら見守っている彼女の沙友里ー。

「ーって、あぁ、沙友里ー、ごめんー
 親父、こんな変人でー」
メイの身体でそう呟く良平ー。

「ーあははー別に大丈夫ー
 それに、良平のお父さんのおかげでこうして、良平とまた会えたんだしー」
沙友里はそれだけ言うと、
改めて良平の父・新五郎に「ありがとうございますー」と、そう言葉を口にしたー。

「ー構わん構わんー。義理の娘のためなら、何だってするさー」
父・新五郎がそう言うと、
「おぉい!親父!そういうのはやめろ!沙友里と俺は結婚してないぞ!」
メイの身体で叫ぶ良平ー。

「ーどうせするだろ?」

「そういうのやめろー!沙友里次第だし、強制するみたいな言い方はやめろ!」

親子で争いを始めるのを見て、沙友里は苦笑いするー。

がー、その時だったー。

「ーーーぁ」
突然、”メイ”がガクッとその場に膝をついて、動かなくなるー
目を開いたまま、口も半開きの状態になり、
言葉を発さず、何も動かなくなってしまったのだー。

「えっ…り、良平!?」
それを見た沙友里が慌てて、”メイ”に憑依している良平に駆け寄るー。

「り、良平!?!?良平ってば!」
微動だにしない良平を前に、目に涙を浮かべる沙友里ー。

が、それを見ていた良平の父・新五郎は、
「ーー沙友里ちゃんー。大丈夫だ。心配ないー」と、
そう言葉を口にするー。

「え…?」
戸惑いながら、良平の父・新五郎のほうを見つめる沙友里ー。

すると、新五郎は、動かなくなったメイに近付くと、
メイの服を突然脱がせ始めるー。

「えっ…ちょっと…何してるんですか?」
呆然としながら、沙友里は困惑の声を出すー。

すると、新五郎は言ったー。

「電池切れだ」
とー。

背中にあった”蓋”のようなものを開けると、
その中に、単1電池が6本入っているのが見えたー。

「ーえ……で、電池式?」
沙友里が戸惑いながら言うと、
「ーそう。単1電池6本で動くようになっていてなー」
と、新五郎はそう言葉を口にするー。

「ろ、6本!?しかも単1電池ですかー!?」
沙友里が困惑しながら言うー。

「ーーー30分しか持たなかったかー。思ったより電池切れが早いなー」
ぶつぶつ呟きながら、新五郎は単1電池6本を取り出して、
そのまま電池を交換するとー、
やがて”メイ”の身体に憑依している良平が意識を取り戻したー。

「ーーえっ!?」
戸惑いの表情を浮かべる”メイ”に憑依している良平ー。

「ーお、俺、今ー?」
メイの身体でそう言うと、父・新五郎が答えたー。

「電池切れだー。単1電池6本でその身体は動いていてなー」

「ー単1電池!?しかも6本!?!?
 いや、え…???充電式とかじゃないのかよー!?電池!?」
メイの身体で狼狽える良平ー。

父・新五郎は「すまんなー。30分ごとに電池交換しないとダメでなー」
と、そう言葉を口にすると、
「ーはぁ!?!?!?」と、メイの身体で良平は叫んだー

「ーそ、それはちょっと不便なようなー…」
沙友里が苦笑いしながら言うと、
「ー大丈夫だ。単1電池は大量に買っておいた」と、
父・新五郎はドヤ顔でそう言葉を口にしたー。

「ーーおおおおおい?!?せめて、充電できるようにしてくれよー!!」
メイドロボ・メイの身体でそう叫ぶ良平ー。

人間そっくりでのメイドロボでの新たな人生は、
まだ始まったばかりだったー。

おわり

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コメント

この先も色々大変そうな結末でした~!☆

30分ぐらいで電池切れしちゃう身体だと……
今まで通りの生活は…難しそうですネ~笑

お読み下さりありがとうございました~~!!

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