<憑依>生意気な後輩と憑依薬を手に入れた先輩②~再~

後輩から、執拗に煽られる日々を送っていた先輩ー。

そんな日々に、彼自身もウンザリしていた中、
彼は妹から”憑依薬”をプレゼントされて、
生意気な後輩に憑依してしまうー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「さて、どう懲らしめるかー」
寧々に憑依した樹は、自分のものになった寧々の
身体を見下ろしていたー。

「ーしかし…性格は最悪だけど、可愛いんだよなー…」
寧々の身体でそう言葉を口にする樹ー。

こんなセリフを寧々本人に聞かれたら
どうせまた”キ・モ・イ!”とか、
そんなことを言われるに決まっているー。

そんなことを思いつつ、
寧々の身体に憑依した樹は、
少しだけ考え込むー。

「”お仕置き”っても何をするかなー?」
正直、連日のように煽って来る寧々には
腹が立っているしー、
怒りのあまり、夢の中で”分からせてやる!!”みたいな夢を
見てしまったこともあるー。

自分自身でも、そんな過激な夢を見てしまったことに
驚いたのを今でも覚えているー。

ただー、実際に”そこまで”するつもりはないのも事実ー。
”憑依薬”にしても、”本物じゃない”可能性も十分にあったし、
ちょっと寧々をびっくりさせて”思い知らせる”ぐらいでいいと
そんな風に思っていたー。

だからこそ、こうして本当に憑依出来てしまった今でも、
寧々の人生を破壊するようなことをするつもりはなかったし、
寧々の身体でHなことをするつもりもあまりなかったー。

「~~~~~…」
しばらく考え込んでから、顔を赤らめる寧々ー。

「ーー実際に憑依出来ちまったとなるとー…
 変な気分だなー」
寧々の声で喋っている現状ー、
寧々の身体で動いている現状ー、
女子の制服を着ている状況ー、
スカートを履いているという現実ー。

そして、嫌でも感じるツインテールな髪ー。

その全てが、樹をドキドキとさせてしまうー。

寧々に仕返しのために憑依したと言うのに、
憑依されて、意識が飛んでいるはずの寧々はなおも、
樹を戸惑わせてきたー。

「ーーー…く、くそっー
 こ、これじゃ憑依したのに、
 また俺が黒崎さんに翻弄されてるみたいじゃないかー」

寧々の身体で不満そうにそう呟く樹ー。

「ーーーーでも、よくよく考えたら
 ”憑依された”って事実だけで、大分怖いよな???」

寧々の身体でそんな言葉を口にしながら
しばらく考え込む樹ー。

”憑依されて意識が飛んでいたー”
それだけで、寧々本人からすれば相当な恐怖だと思うし、
相当大きな仕返しになるとは思うー。

それに、”いざとなればそういうこともできる”と思わせるだけで、
寧々からすれば、かなりのプレッシャーになるはずで、
もう、あんな風に生意気なことを言って来ないのではないかー?と、
そう思ったー。

「ーーよしー、そうだなー。そうしようー」
樹は寧々の身体でそう言葉を口にすると、
そのまま胸を揉んだり、変な行動をすることなく、
部室の椅子に座るー。

「ー30分ぐらいしたら、黒崎さんの身体から出るかー
 これで十分仕返しになっただろー」
寧々の身体に憑依していることで、
当然樹もドキドキはしているー。

けれど、その身体で自分の欲望を満たすようなことは
せずに、そのまま待機したー。

真面目なのか、
それとも奥手なのかー、決して己の欲望に溺れることなく、
樹はそのまま30分が過ぎるのを待つと
「よし」と、そう言葉を口にして、椅子から立ち上がるー。

そして、妹の真綾から聞いた通りの
”憑依した身体から抜け出す方法”を試すと、
樹は寧々の身体から抜け出して、
そのまますぐ近くで実体化ー、元の自分の身体へと戻ったー。

がー
寧々から抜け出した樹は、背後で大きな音がしたことに驚き、
振り返るー。

「あ…」
振り返った樹は、少し気まずそうな表情を浮かべるー。

立ったまま寧々から抜け出したせいで、失神した寧々が、
近くに置いてあった椅子に顔を打ち付けてしまったー。

見た感じ、そんなに勢いよくぶつかっていないから
大怪我とか、そういうことにはならないけれどー、
少し痣になってしまっているように見えたー。

「ーやべ…」
憑依しておいて、今更そのぐらいでヤバい・ヤバくないみたいなことを
心配するのも変な話ではあるものの、
樹は不安そうな表情を浮かべるー。

するとー、しばらくして
失神していた寧々が目を覚ましたー

「ーー……せ、先輩ー…」
寧々は、樹のほうを見つめると、
樹は「ーーあ~~~…えっとー」と、そう言葉を口にするー

いつも生意気は寧々に思い知らせてやろうと憑依したものの、
いざ、本当に憑依出来てしまって、こんな状況になると
どう言葉を口にしていいか分からなくなってしまうー。

「ーーーー」
寧々は、そんな樹のほうを少しの間見つめると、
「先輩ってー…ホント、雑魚ですねー」と、馬鹿にするように
笑みを浮かべたー

「ーはっ…?な、なんだってー!?」
憑依されていた寧々が、正気を取り戻した第一声が”雑魚”だったことに、
樹は思わず驚いたような表情を浮かべながら
「だ、だ、だ、誰が雑魚だ!」と、そう言葉を返すー。

すると寧々は、ゆっくりと起き上がって、
樹のほうを見つめながら笑うー。

「だって先輩ーわたしに憑依しておきながら
 何もできなかったんですよね~?

 ーぷぷっ」

寧々が笑いを堪えるようにしながらそう言うと、
樹は「な……ひ、憑依されていた間の記憶、あるのかー?」と、
そう言葉を続けるー。

寧々は「ありますよ~!
身体を動かすことはできませんでしたけど、意識はずっと
ありましたー」と、笑いながらそう答えるー。

「ーーーーっっ…」
自分が憑依していた間の記憶があるー…

そのことを聞かされた樹は動揺した様子を見せるー。

寧々はそんな樹を見つめながら
「ーざぁ~こ♡」と、煽るような口調で言ったー。

「ーぐぐぐぐぐぐぐぐ…」
憑依して思い知らせてやろうとしたのに、
さらに寧々に煽られる樹ー。

「ーふつう、わたしみたいな可愛い後輩に憑依したら
 揉んだりしませんー?」
寧々は、そう言葉を口にすると、
自分の胸を揉むようなジェスチャーをしてみせるー。

そんな行動に、樹は戸惑いながら
「ーお、お、俺はー、紳士的なんだよ!
 他人の身体を乗っ取ってそんなことしないし!」と、
そう言葉を発するー。

その言葉に、寧々は
笑いながら「ざこ♡」と、小声で言葉を口にすると、
そのまま立ち去ろうとするー。

「ーちょ、どこへー!?」
樹が戸惑いながらそう叫ぶー。

すると、寧々は
「どこへー…って?
 もう部活の時間終わったんで帰るだけですけど?」と、
そう言葉を口にするー。

確かに、寧々に憑依して30分待機していたことで、
もう部活が終わる時間になっているー。

それに気づいた樹は「あ、あぁ、そうだなーお疲れー」と、
そう言葉を口にすると、
去り際に、寧々は「ざーこざーこ!」と、楽しそうに
煽って去って行ったー。

「く、くそっ…俺を馬鹿にしやがってー…!」
憑依されてもなお、樹のことを煽り続ける後輩の寧々ー。

そんな寧々に対して、樹は今まで以上に
不満を募らせるのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーあはははー
 それでまたその子に煽られちゃったのー?」

帰宅後ー
妹の真綾に愚痴を吐き出すと、
真綾は笑いながらそう言葉を口にしたー。

「ーそうなんだよー…
 それに、記憶が残るなんて知らなかったしー」

樹がそう言うと、
真綾は「あ~ごめんねー。それはわたしも知らなかったー」と、
そう言葉を口にするー。

「ーーだいたい、こんなものどこで手に入れたんだよー」
樹は苦笑いしながらそう突っ込むと、
真綾は「企業秘密ー♡」と、指を口元に当ててクスクスと笑ったー。

「~~~っっ」

妹の真綾とは仲良しであるものの、
そういえばいつも振り回されている気がするー。

「ーーーま、まぁ、いいやー…
 でも、結局煽られる結果になっちまってー」
樹は残念そうにそう言葉を口にすると、
真綾は少し笑いながら、自分の部屋の方に戻っていくー。

そしてー…

「ーー”まだある”けど、どうするー?」
真綾はそんな言葉を口にしながら
カプセルー…”憑依薬”を樹に向かって差し出すー。

「ーうわっ…ま、まだあるのかー…」
樹がそう言うと、真綾は”憑依薬”が入った
風邪薬の容器のようなものを手に、
「うん!いくらでもあるよ!」と、そう言葉を口にするー。

「は、ははーそんなにたくさんあるのかー」
樹がそう言うと、
真綾は「1個しかいらなかったんだけど、セットしかなくて」と
苦笑いするー。

「ー1個?使ったことあるのか?」
樹が苦笑いすると、
「ーふふーまぁー…じゃないと持ってる意味ないでしょ?」
と、真綾はそう言葉を口にしたー。

「た、確かにそれもそうかー」
樹は妙に納得すると、
真綾が憑依した相手って誰なんだろうなー…?と、
少しだけ気にしたものの”企業秘密♡”って言われるのが
目に見えていたからか、それ以上は何も聞かなかったー。

「ーーその子が、ざーこ!って言ってくるなら、
 お兄ちゃんの本気を見せてあげないと!」
真綾は笑いながらそう言葉を口にするー。

「ーは、ははー俺も…もうちょっと、こうー…
 思い知らせてあげようと思ってたけど、
 いざ、憑依するとなぁ」

樹は苦笑いしながらそう言葉を口にするー。

「ーーお兄ちゃん!
 ”思い知らせる”じゃなくて”分からせてやる!”ぐらいの気持ちで!」
真綾にそう指摘された樹は
「いやぁ、流石にそれはまずいだろー」と、そう言葉を口にすると、
気まずそうな反応を見せるー。

ただー…

「まぁ、頑張るよー俺も」と、
気を取り直した様子でそう言葉を口にすると、
憑依薬を真綾から一つ受け取り、
そのまま自分の部屋へと戻っていくのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

数日後ー

「ーあ、先輩ー
 今日もモテなさそうな顔してますねー」

演劇部の部室に寧々がやってくると、
いきなりそんな言葉を口にした。

相変わらずの煽りっぷりだー。

「ーーーーーどんな顔だよー」

「あ!鏡いります?」

寧々はクスクスと笑いながらそう言葉を口にすると、
「ーそれにしても先輩って、煽られるの好きなんですか?」と、
寧々はなおも楽しそうにそう言葉を口にするー。

「ーい、いや、好きじゃないしー」
樹は戸惑いの表情を浮かべながら
そう呟くー。

が、寧々は
「だったら幽霊部員になればいいじゃないですか~?
 どうせ他の二人は来ないんですし、
 わたしと先輩じゃ、大した演劇もできませんし」
と、そう言葉を口にすると、
「あ、それとも先輩の彼女役で劇でもやります??」と、
笑いながら、”彼女いない歴=年齢を架空の世界で卒業できますよ!”と、
煽るような口調で言ったー。

「ーーーー」
樹は険しい表情を浮かべるー。

「ーー彼女いない歴=年齢でシスコンで、
 それと、ざこ♡」

寧々は笑いながらそう言うと、
「ーーえへへへーダメダメ先輩」と、樹を指差しながら笑ったー

「ーー黒崎さんー。凝りてないみたいだなー
 この前、俺に憑依されたって言うのに」

樹は心底不満そうにそう言葉を口にするー。

すると寧々は笑いながら
「えっ!?あっ!もしかしてまたわたしに憑依しちゃいます?」と、
馬鹿にするような態度で言葉を口にするー。

「ーーあははー!でも、先輩、どうせ何もできないじゃないですか~?
 この前も、わたしに憑依したあと、そこの椅子に座って
 考える人みたいなポーズしてただけですよねー?」

散々な言われようの樹ー。

樹は悔しそうにすると「今度は思い知らせてやるからな!
先輩としてその生意気な態度を改めさせてやる!」と、
そう言葉を口にするー。

「ーあはは!無理無理!チキンな先輩には無理ですよぉ~」
寧々は憑依されることを恐れてもいないのか、
それとも相手が樹だからなのか、そう言葉を口にするー。

「ー言ったな…」
樹は不満そうにすると、憑依薬を飲み込むー。

2度目だからか、寧々は恐れる様子もなく
「どうぞ!」と、憑依を受け入れるようなポーズを
ふざけて取ったまま、そのまま樹に憑依されたー。

「ーーー…」
”2度目の憑依”

ーが、寧々の身体を見下ろした樹は
またもやドキッとして、
なかなか一歩を踏み出すことができないまま、
5分が経過してしまったー…

③へ続く

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相変わらず後輩に
振り回され続けている先輩…!☆

明日が最終回デス~!!

今日もありがとうございました~!!

「生意気な後輩と憑依薬を手に入れた先輩」目次

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