仕事帰りー。
街を歩いていたサラリーマンの男は
二人組の女に絡まれたー。
面倒に思った彼は
”俺は男にしか興味ないんでー”と、
嘘をついて、立ち去ろうとするもー…?
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20代後半のサラリーマン・
芹沢 芳樹(せりざわ よしき)は、
今日も疲れた表情を浮かべながら、帰路についていたー。
いつも通る繁華街の街並みを見つめながら、
”スーパーで何か買って帰るか”などと思いながら
歩を進めていると、
そこに突然、二人組の女が姿を現したー。
「ーーあの~すみません~」
一人は、髪の長い地雷系のような服装の女ー
もう一人は、髪が短い、少しボーイッシュな雰囲気を持つ女ー。
二人とも、自分よりも若いように見えるー
「ーー…何かー?」
芳樹は、こんな夜の街で急に声をかけて来る
こんな感じの女は、大抵ロクな話をしてこない、と、
そう思いつつ、淡々と返すと、
「ーお兄さんイケメンですねー。わたしたちと遊びませんか?」と、
髪の長い女の方がそう言葉を口にしたー。
「ーー遊ぶー?」
芳樹が少しウンザリとした様子で返すと、
「あ、お店とかじゃないんです!ホントにただ遊ぶだけでー」で、
髪の長い女が呟くー。
「ーーー」
芳樹は”やっぱこういう系か”と、ため息を吐き出しながら、
どこにおびき寄せられるか、何をさせられようとしているのかは
分からないけれど、まぁ、ロクな結果にはならないだろう、と
そう思いつつ、芳樹は「いえー結構ですー」と、
そう言葉を口にして立ち去ろうとするー。
正直、二人ともかなり可愛い感じではあるー。
だからこそ、こんな風に声をかけているのだろうとは思うけれど、
その見た目に騙されてはいけないー。
怪しい店に誘導されて、高い金で飯を食わされるのか、
あるいは誘導された先にゴツイ男が待ち構えていて、
ボコボコにされるのだろうかー。
「ーー大丈夫ー。
変な店に誘ったりしないし、
怖いおっさんが待っていて、ボコボコにされたりしないからー」
ふと、髪の短い女の方がそんな言葉を口にするー。
「ーー!?!?!?!?!?」
芳樹はまるで自分の心を見透かされたかのような
気持ち悪さを覚えながら
”なんだこいつ!?エスパーか…?”と、心の中で呟くー。
「ーーーーじゃあ、いったいなんで俺に声をかけたんですか?」
芳樹がそう返すと、
髪の長い女は「イケメンでカッコいいなぁ~、って思ったんで」と、
微笑むー。
「ーいや、俺イケメンじゃないですけど」
即答する芳樹ー。
変な顔ではないー…
とは自分で思うものの、少なくともイケメンでもないー。
それなのに、イケメンイケメン言われると、
逆に馬鹿にされているのではないかと思ってしまうー。
髪の長い女と、髪の短い女は互いに相手の顔を見つめると
少しだけ笑うー。
この二人はーーー
”憑依薬”を使って、欲望を楽しむ二人組の男に憑依されていたー。
憑依された彼女らの目的はー、
ただ単に、男の戸惑う反応を見て楽しむことー。
そして、話に乗ってきたら
単に、お互いに欲望を楽しもうとしているー
それだけのことだ。
変な店に誘導するつもりはないしー、
男が待ち構えていて、ボコボコにするつもりもないー。
強いて言えば、中身は男であるものの、
少なくとも、二人に危害を加えるつもりはなかったー。
「ーーーーーーイケメンですよ。わたしたちにとってはー」
髪の長い女が不適な笑みを浮かべる。
「ーーはぁ」
芳樹はため息を吐き出すと、
「そういうお世辞はいいのでー
散々会社でもお世辞を聞いて、聞き飽きてますし」
と、それだけ言葉を口にすると、
そのまま立ち去ろうとするー。
「あ!ま、待ってください!
ーこんなに可愛いわたしたちに誘われているのに、
そのまま立ち去るんですかー?」
長い髪の女がそう言うと、
短い髪の女の方も「ー男なら、ドキドキするでしょ?」と、
淡々と言葉を口にするー。
「ーほら、せっかくジャンルが違う子2人を揃えたんだし!」
髪の長い女の方が少し変な言い回しで自分たちの
身体を触ると、
芳樹は二人を見つめるー。
確かに髪の長さも、性格も、服装もー、
”全然違う”感じの二人組だー。
相手の好みが、どんな好みであったとしても、
対応することができるようにしているのかもしれない。
がー、そんなことはどうでもいい。
仕事に疲れている芳樹は、
とにかく帰りたいのだー。
こんな得体の知れない女たちに絡まれている暇などないー。
「ーー俺、疲れてるんでー。じゃ」
芳樹はそう言いながら立ち去ろうとするー。
が、それでも二人組の女は食い下がって来るー。
「ーわたしたちが、疲れをいやしてあげますから♡!ね!?」
髪の長い女が芳樹の手を掴むー。
髪の短い女も、「戦士には休息が必要だよー」と、
そう言葉を口にするー。
「いや、別に俺は戦士じゃないですし」
芳樹はそれだけ言葉を口にすると、
自分の手を掴んでいる髪の長い女のほうを見つめて
言葉を口にしたー。
「あの、俺、女に興味ないんで」
もう面倒臭くなってきてしまった芳樹は
そう言い放つー。
別に、特別興味深々というわけではないものの、
興味がない、というわけではないー。
しかし、もうとにかく早く帰りたい芳樹は、
”女に興味がない”ということにして、
サッサとこの場を立ち去ろうと、そう考えていたー。
しかしー、それでも
「だったら、わたしたちが興味を持たせてあげますからー」と、
長い髪の女がそう呟くー。
「ーーーー」
短い髪の女の方に憑依している男が、少しだけ表情を歪めるー。
”こうやって、意地でも帰ろうとするやつと遊ぶの、楽しんだよなー”と、
そう思いながらー。
が、芳樹は、そんな二人の事情など知らずに、
さらに言葉を続けるー。
「ーーー俺、男にしか興味ないんです」
とー。
”女に興味がない”と言い放ってもしつこい二人を撃退するために、
ついに、”俺は男が好きなんです”とそう言い放って
立ち去ろうとするー。
本当は男に興味なんてないけれどー、
もうとにかく面倒臭かったために、そう言葉を口にしたー
別に、この二人に”男好き”だと誤解されてしまったとしても、
それはそれで、この際もうどうでもいいー。
「ーそういうことなので。じゃ」
芳樹はようやく”面倒臭い女どもを追い払ったぜ”と言わんばかりに
得意気な表情をして立ち去ろうとすると、
髪の長い女の方が「あ~~~~~…」と、そう言葉を口にしながら、
続けて言葉を口にしたー。
「ー実は俺たち、男なんですー」
とー。
「ーーーは?」
”これでようやくこの女たちを撃退できる”と、
そう思っていた芳樹は、
予想の斜め上を行く反応に、
心底戸惑いながら振り返ると、
長い髪の女の方が笑みを浮かべながら言ったー。
「ーー俺たち、こう見えても男なんですー」
とー。
「ーー驚いた?だから、安心して貰っていいよ」
短い髪の女が、そう言い放つー。
「~~~~~~~~~」
信じられない言葉に、芳樹は心底戸惑うー。
そもそも、芳樹は本当は男好きなどではないー。
この可愛い見た目の二人組が
本当に”男”なら、余計についていく理由がないし、
関わりたくないー。
「ーい、いやいや、ど、どう考えてもそうは見えませんけどー」
芳樹は思わず突っ込んでしまうー。
どう考えても、二人が”男”であるようには見えないー。
声も、顔も、骨格も、ー
服の上からだから本物とは限らないけれど胸もー、
どう見ても、”女”に見えるー。
「ーーーー」
髪の長い女に憑依している男は、笑みを浮かべながら
”まぁー、身体は女だけどー、嘘はついてねぇー”と、
内心で呟くー。
身体は正真正銘で”女”であるものの、
憑依しているのもまた、”正真正銘”男なのだから、
完全な嘘ではないー。
髪の長い女に憑依している男は、そう思いながら
戸惑っている芳樹のほうを見つめるー。
「ーーっていうか、さっきまで自分のこと、
女みたいな感じで、俺に近付いてきてましたよね?」
芳樹は”何なんだこいつらは”と思いながら
そう言葉を吐き出すと、
「ーまぁ、それはー……あなたみたいな人に話しかける時には
その方が都合がいいんでー。」
と、髪の長い女の方がそう言葉を口にしたー。
「ーで、どうするの?遊ぶの?遊ばないの?」
髪の短い女の方が少し苛立った様子で言うー。
”いや、何で俺がキレ気味で質問されなきゃいけないんだよー”
芳樹はそう思いつつ、
「ーまぁ、仮に二人が男だったとしてもですよ?
後から”実は俺、男なんです~!”なんて言ってくる人を
信用できると思いますかー?」と、
そう言い放つー。
繁華街の中、二人組の男を名乗る女が
少しだけ沈黙すると、
「まぁ、それは確かに、ねぇー」
と、髪の短い女の方がそう言葉を口にしたー。
「ですよね!?
だからー二人は怪しいので、俺はこれで失礼しますー」
芳樹はそう言うと、
髪の長い女の方が、
「待ってください待ってくださいー」と、
再び芳樹の前に回り込んで、話を続けようとしたー。
「ーーはぁー」
芳樹は心底ウンザリした様子で、ため息を大袈裟に
大きく出して見せると、
「ーーーいい加減にして下さいー
俺はやっと仕事を終えて、これから家に帰るところで
疲れてるんですー。
スーパーにでもよって、帰ったら食べるものを買って、
で、家に帰ってそれを食べて、お風呂に入って、
少しのんびりして、寝るー。
そんな俺のスケジュールを邪魔しないで貰えますー?」
と、そう言い放ったー
「ーチッー」
長い髪の女が舌打ちをするー。
「ーは?」
芳樹は、思わず不満そうな表情を隠そうともせずに浮かべると、
「え???今、舌打ちしませんでした?しましたよね????」と、
そう言い放ちながら、
「いやいやいや、舌打ちしたいのは俺の方なんですけどー!?」と、
不満を露わにするー
「あ、いえー、舌打ちしてませんよー気のせいですよーはは」
髪の長い女はそう言いながら
”いけねぇいけねぇ、つい素が出ちまったー”と、
髪の長い女に憑依している男が言うー。
「いや!今、絶対した!」
芳樹は不満そうに声を上げるも、
「ーそもそも、二人ともやっぱ男じゃないですよね!?
どう見ても女にしか見えませんし!」と、それだけ言ってから
「さっきも言った通り、俺は女に興味はないのでー
どうしても誰かと遊びたいなら、他の奴を誘ってくださいー」
芳樹はそう言い放ちながら、今度こそ、今度こそ、
訳の分からない二人組の前から立ち去ろうとするー。
すると、髪の短い女の方が、髪の長い女に何やら
コソコソと話をし始めたー。
そして、髪の長い女が「そうかー」と、笑みを浮かべると、
「ーだったら!」と、芳樹の背後で声を上げたー。
芳樹は無視してそのまま、立ち去ろうとするー。
こういう訳の分からないやつは最初から無視するべきだったのだー。
反応してはいけないー。
そう思いつつ、芳樹が無反応を貫いていると、
髪の長い女は声をあげたー。
「そんなに疑うなら、確認してもらっていいですよー」
とー。
「ーーー」
無視して立ち去ろうと思っていた芳樹だったものの、
その場で足を止めると、
「は?」と、呆れた表情を浮かべながら、
ついつい振り返ってしまうー。
”そんなに男だと疑うなら、確かめて見ればいい”と、
そう言い放つ女に対して、
”何を言い出すんだコイツはー”と、思いつつ、
つい振り返ってしまったのだー。
「ーーー…確認って何をー?」
芳樹が呆れた表情で言うと、
髪の長い女は、ニヤニヤしながら言ったー。
「ついているか、ついていないかをー」
自分のスカートを指差しながら言うと、
髪の長い女はニヤニヤしながら笑うー
”どうせ、コイツに確認する勇気なんてないだろうしー
もし確認しやがったらーー、
”女の身体を触るなんて”とか、適当な理由をつけて
Noとは言わせないようにできるからなー”
邪悪な笑みを内心で浮かべる髪の長い女に憑依した男ー。
芳樹は、二人組の女のほうを見つめながら、
戸惑いの表情を浮かべると、
髪の長い女は静かに言葉を口にしたー
「ー俺のここー、触れば分かりますよねー?
男か、女かー」
とーー。
②へ続く
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コメント
なんだか大変な二人組に遭遇してしまいましたネ~!
最初から相手にせずに立ち去るのが
正解だったのかもしれません…★笑
続きはまた明日デス~!!

コメント
自分も歩いていて20代前半の女の子にいきなり腕組まれて『私の事、覚えてる』って言われたことあります!☆笑
新手の詐欺かなと思ったら…友達と飲みに行ってたスナックの娘がキャバクラに移籍してキャバ嬢になってバリバリのキャバ嬢メイクして最初は気付きませんでしたネ(*´艸`)笑
新手の詐欺じゃなくて安心しました笑
今は無名さんのカラダになって無名さんに似合ったキャバ嬢メイクしてヘアメして美脚アピールしたドレスきて無名さんの学生時代の先生方の接客を丁寧にして高級なオレンジジュースごちそうになるのデス~(*´艸`)笑
わわわ~!?
実は憑依だったのかもしれないですネ~笑
わわっ!
私の身体をどこまで上手く使えるかに
チャレンジ(?)なのデス!