クラスに転校してきた美少女ー。
けれど、何か”違和感”を感じるー。
そんな違和感は、次第に膨れ上がって行ってー?
・・・・・・・・・・・・・・・・・
わくわくしながら、窓の外の景色を見つめる真鈴ー
「ーわぁーすごい…」
真鈴は窓の外に広がる景色を見つめながら
嬉しそうに微笑むー。
「ーあ、ねぇねぇ、お母さん!見て見て!」
真鈴は、嬉しそうに近くにいた母親に声をかけると、
真鈴の母親も「ーなになに?あ、すごいー」と、
窓の外の景色を見つめながら微笑むー。
真鈴の父親も、そんな二人のやり取りを、
穏やかな表情で見つめていたー。
がー、その時だったー。
突然”衝撃”が走ったー。
「えっー!?」
真鈴も、真鈴の両親もその衝撃に気付くー。
がー、衝撃に気付いて”なに?”と、思った時には既に、
自分の身体が宙を舞っていたー。
どうすることもできない状態でー
「ーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」
そんな”夢”を見た真鈴は、荒い息を吐き出しながら
目を覚ますー。
「ーはぁ…はぁ…はぁ… くそっー」
真鈴は、不満そうに舌打ちをすると、
ベッドから身体を起こして、まだ夜明け前の窓の外を
少しだけ見つめるー。
「ーー”この女”のトラウマってことかー」
真鈴は、そう言葉を口にすると静かにため息を吐き出してから
「変な時間に目が覚めちまったしー、少し楽しむかー」と、
鏡の前で自分の胸を揉み始めたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーおはようございますー」
翌朝ー。
転校生の真鈴が、学校にやってくると、
隣の座席の亮介に、昨日と同じような穏やかな笑みを浮かべながら
そう言葉を口にしたー。
「ーあ、お、おはようー」
涼介は今日も照れ臭そうに、顔を赤らめながらそう言葉を口にすると、
涼介の親友の陸翔が「な~に、赤くなってるんだよ」と、
揶揄うようにして、背後から言葉を口にするー
「う、うるせー!今日は暑いからだよ!」
涼介がそう反論するのを見て、真鈴はクスクスと笑うと、
「でも可愛い子が隣の座席に来るとドキドキしますよねー
分かりますー」と、そんな言葉を口にしたー。
「ーえっ」
涼介は、少しだけ表情を曇らせるー。
「ーーあっ」
真鈴もハッとしたのか
「べ、別にわたしのことを可愛いと言ったわけじゃないですよー」と、
慌ててそう言葉を口にするー。
”真鈴に憑依している男”も、
小さい頃に、可愛い子が隣の座席になった際にはドキドキしたー。
その経験をついつい口にしてしまったー。
「ーーは、ははははー」
涼介は、少しだけ真鈴の言葉に違和感を覚えながら笑っていると、
背後から陸翔が「でも、神里さん可愛いけどなぁ」と、そう言葉を口にするー。
真鈴は苦笑いしながら「ーそ、そんなことないですよ~」と、
そう言葉を口にするー。
涼介・陸翔・真鈴が楽しそうに会話を続けるー。
”ーーーーー”
涼介の幼馴染・美雪はそんな様子を見つめながら
再び違和感を感じていたー。
真鈴は、昨日の転校初日から、
どちらかと言うと”男子”とばかり喋っているー。
単に”男好き”の可能性もあるけれど、
何となく、”わたし”と話している時の方が
遠慮しているというか、話をしにくそうにしている感じがするー。
ーーそう、美雪は感じていた。
涼介や陸翔と話している時の方が”自然体”に見えるのだー。
「ーーー」
もちろん、何の根拠もない美雪の”直感”ではあるもののー、
美雪のその予感は”当たって”いたー。
真鈴に憑依しているのは男ー。
彼自身、女性に対する耐性があまりなく、
”男子”と話している方が慣れているし、楽なのだー。
もちろん、今は”神里 真鈴”という自分自身が美少女になって、
”女”にも慣れてはいるものの、
無意識のうちに、”元は同性だった”男子と喋っている方が
どこか気持ちが楽で、それが表に出てしまっていたー。
「ーーそういえばさー、別に敬語じゃなくてもいいんだぜー?」
ふと、涼介の親友の陸翔がそう言葉を口にしたー。
転校生とは言え、同学年ー。
確かに、敬語で話し続ける必要はないー。
涼介も「ーたしかにー。」と、そう頷くと、
真鈴は少し恥ずかしそうに笑いながら、
「ーー会社にいた頃の癖が抜けなくて、ですねー」と、
そう言葉を口にするー。
「ー会社ー?」
思わず、近くで話を聞いていた涼介の幼馴染の美雪が
口をはさんでしまうと、
真鈴は「えっ!?あ、いやー、違うーえっとー」と、
露骨に慌てた様子を見せてから、
「ーお、お父さんの会社ですー。小さい頃から、お父さんに
連れられて、よく顔を出していたのでー」と、
咄嗟にそう言葉を口にしたー。
「ーあぁ、なんだーそういうことかー
はは、びっくりしたよー」
涼介はそう言葉を口にするも、
美雪は、真鈴に対する”違和感”をますます強めていくー。
真鈴は少し気まずそうに「ーあ、えっとー
ロッカーに教科書取りに行きますねー」と座席から
立ち上がると、そのまま教室の外へと歩いていくー。
そんな真鈴の後ろ姿を見つめながら、
美雪は戸惑いの表情を浮かべたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ふ~~~…あぶねぇあぶねぇー」
真鈴は周囲に誰もいないことを確認してから
そう言葉を口にすると、
「ーついつい、ボロが出ちまうもんだなー」と、
そう言葉を続けるー。
「ー”わたし”は、真鈴なんだからーー
”元の俺”が、出ないようにしないとー」
真鈴は、自分に言い聞かせるようにそう言葉を口にするー
”あの日”全ては変わったのだー。
こんな美少女の身体を手に入れたー。
もう、過去の自分は捨てるのだー
完全に、”美少女”になるのだー。
そう自分に言い聞かせるようにして「わたしは真鈴ー」と、
今一度そう言葉を口にすると、
静かに教室に向かって歩き出したー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーえ~ホントですか~?ありがとうございます~!」
転校生の真鈴がやってきてから、1週間が経過したー。
相変わらず、真鈴は授業中に天才的な知識量を見せ、
高校生らしからぬことを口にしたり、
振る舞いを見せたりしているー。
そして、女子とも仲良くはしているものの、
やはりなんだか”男子と話をしている方が”楽しそうにしているような、
そんな素振りを見せることも多いー。
そんな中ー、体育の授業の準備のため
着替えをしていた美雪は、
真鈴のほうを見てあることに気付くー。
真鈴が他の女子の着替えを見て、
何だかニヤニヤしては、
恥ずかしそうに顔を逸らしているーー
そんな、仕草を繰り返しているのだー
「ーー大丈夫ー?」
一足先に体育着に着替え終えた美雪が心配そうに言うと、
「ーーえっ…あ、はいー大丈夫ですー」と、
真鈴はそう言葉を口にするー。
「ーなんかー…ソワソワしてる感じがするけどー、
何かあったのー?」
美雪はあえて、”真鈴のことを心配しているような”
そんな口ぶりで質問すると、
「ーーそ、そのっ…た、体育の授業ーあまり、出たことがなくて」と、
真鈴は慌てて言い訳をしたー。
”ボロを出してしまっても”
すぐに言い訳を思いつくのはー、
”真鈴に憑依している男”が、美雪たちよりも”2倍以上”の人生を
生きているからだー。
「ーー出たことがない?」
美雪がそう言うと、
真鈴は他の女子生徒の着替えから目を逸らしながら
「はいー。わたし、病弱だったのでー」と、そう言葉を口にするー。
「ー最近はようやく、体調も安定してきて、
こうしてやっと皆さんと一緒に体育の授業に出たりー
色々できるようになったんですけどー…
ただー…」
真鈴はそう”嘘”を、まるで本当の理由のように思わせるような
口ぶりで言葉を続けると、
周囲を少し見渡しながら、
「あまり、こういう場に慣れてなくてー」と、
そう言葉を口にするー。
美雪は”確かに体育の授業に出なかったら、他の子と着替える機会なんてないかなー?”
と、心の中でそう思いながら、
「そっかー」と、微笑むと
「何か困ったことがあったら、いつでも言ってねー」と、
そう言葉を口にするー。
「ーーはいー。ありがとうございますー」
真鈴は穏やかに笑いながらそう言葉を口にすると、
立ち去っていく美雪を見つめながら
少しだけ表情を曇らせたー。
”ーこの子ー俺に何かー違和感を抱いてるよなー…”
そう、思いながら真鈴は周囲の子の着替えをなるべく視界に
入れないようにしながら考えるー。
”ーーーいざとなったら、その時はー”
そこまで考えると、真鈴は首を横に振ってー、
”せっかく夢のような人生を手に入れたんだー”と、
そう自分に言い聞かせながら、静かにため息を吐き出したー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ある日の昼休みー
涼介は、自分が所属する部活の話し合いのために
部室に立ち寄ったついでに、
自販機で飲み物を購入しようと、その場に向かうー。
そして、自動販売機で目当ての飲み物を購入すると、
教室に戻ろうと歩き出したー。
がー、その時だったー。
校舎裏のあまり目につかない場所に
真鈴がいるのがふと目についたー。
たまたま、少しだけ後ろ姿が見えていて、
それが視界に入ったのだー。
”あんなところで、何をしてるんだろうー?”
と、そう思いながら何となく好奇心で
真鈴の方に近付いていくと、
真鈴がスマホをいじりながら、自動販売機で買ったと
思われる缶コーヒーを口に運んでいたー
が、人の気配を感じたのか、少しだけ振り返ると、
涼介の姿を見て、慌てた様子でコーヒーを噴き出したー。
「ーー!?!?」
その反応に涼介の方が驚いて「あ、ご、ごめんー
こんな場所にいるのが見えたから、どうしたのかなってー」と、
そう言葉を口にするー。
「ーーあ、い、いえっ、す、すみませんー」
真鈴は慌てた様子でそう言葉を口にすると、
口元を拭きながら、
「ーーえ、えっとー、た、ただ、休憩してただけですー」と、
真鈴は慌てた様子でそう言葉を口にしたー。
「ーーそ、そんなに慌てなくてもー…」
涼介はそう言いながらも、
申し訳なさそうに「急に驚かせてごめんー」と、そう呟くー
「い、いえいえいえー別にいいんですー」
缶コーヒーを手にしながら、真鈴がそう言うと、
「コーヒー、先生ぐらいしか買うイメージなかったなぁ」と、涼介が
苦笑いするー
真鈴は少し戸惑いの表情を浮かべながら
「会社で良く飲んでーーー…あ、ま、前に言ったお父さんの会社でー」と、
そんな言葉を口にするー。
「ーはは、まぁ、でも、何が好きでも全然いいと思うよー。
ー流石にビールとか飲んでたら止めるけど」
涼介がそう言うと、真鈴は「あははー」と、そう言葉を口にするー
”やべぇーたまに家でこっそり飲んでるとは言えねぇ”
真鈴に憑依している男は、心の中でそう呟くー。
涼介は、ふと、真鈴の持っているスマホに
経済か何かの新聞記事らしきものが映っているのが見えて、
”なんかー、時々おじさんっぽさを感じるよなー”と、
そう思いつつも、これ以上は可哀想な気がして
何も突っ込まなかったー。
「ーあ、じゃあ、俺はそろそろ戻るよー
邪魔してごめん」
涼介はそう言葉を口にすると、そのまま引き返すー。
がー、
自動販売機の前を通ると、
コーヒーを拭き出させたのを悪いと思ったのか、
コーヒーを1本購入すると、真鈴のいたところに引き返して
「あー、これ…その、さっきの弁償っていうかー
今、いらなかったら家ででも飲んでー」と、そう言いながら
手渡すのだったー。
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真鈴が転校してきてから、もうすぐ1ヵ月ー。
真鈴は相変らず人気者だー。
授業では天才的な振る舞いを繰り返しているものの、
未だに敬語で話していたりと、何だか不思議な感じの真鈴ー。
女子とも仲良くはしているけれど、
やはり男子と一緒の方が居心地が良いのか、
そんな感じの振る舞いが見て取れるー。
時々、高校生らしからぬ発言や振る舞いをしたり、
おじさんっぽさを感じることもあるけれど、
とても可愛いことには変わりはないー。
涼介と陸翔の二人も、座席が近いこともあってか、
何だかんだで毎日楽しそうにしているー。
「ーーえ~!すごいんですねー!
わたしが子供のころなんて、ゲームなんて
ゲームオーバーになるまで点数を稼ぐようなやつしか
なかったですしー」
ゲームの話題を陸翔に振られた真鈴がそう言うと、
陸翔は「それ、もっと昔の時代のゲームじゃね?」と、
ツッコミを入れるー。
「ーえ?あはーあはははーおじいちゃんが持ってたやつしか
やったことがないのでー」
真鈴が笑いながらそう言葉を口にするー
”ーーーーー”
やっぱり何だか変ー。
美雪はその違和感を膨らせながら過ごすー。
涼介と陸翔が、真鈴のことばっかりになっているのを見て
少し”不満”も感じていた美雪は、
真鈴自体のことは嫌いではなかったものの、
その違和感を強めていたー。
そしてー、その数日後ー。
美雪は偶然、知ってしまったー。
真鈴の両親は少し前に”バスの事故”で死亡していることをー。
半年ほど前に起きた”バスの事故”で、
真鈴の両親と、他数名の乗客が死亡していることをー。
「ーーーー」
真鈴はよく、おじさん臭い発言をした後に
”あ、お父さんが~”と、よく言い訳をしているー。
が、その父親は半年前に死亡しているー。
「いったい、どういうことなのー?」
美雪は”謎の転校生”に対する違和感をさらに強めながら
表情を曇らせるのだったー
③へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
次回が最終回デス~!
”謎の転校生”の正体と目的は…
明日のお楽しみデス~!!
今日もありがとうございました~~!

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