<女体化>性別が違うんですけど①~困惑~

ある日、”あの世の案内人”の手違いで
命を落としてしまった男子高校生ー。

すぐに、謝罪を受けた上で生き返らせてもらったものの、
何故か”女”になっていてー…?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーいつも練習ばっかりで疲れないのー?」
同じクラスの彼女・黒森 瑠奈(くろもり るな)が、
心配そうに言葉を口にすると、
隣を歩いていた男子高校生・笠島 武人(かさじま たけと)は、
「まぁ、疲れるけど、好きなことやってるだけだから、全然平気さー」と、
そんな風に笑うー。

笠島 武人は、サッカー部に所属する男子生徒で、
現在は”エース”として活躍を続けているー

3年生の部長・勝俣 庄助(かつまた しょうすけ)からも
頼りにされていて、”次の試合も、頼むぞー”と、
そんな言葉を掛けられていたー。

「ーーそれならよかったー。でも、無理はしないでねー」
瑠奈が少しだけ心配そうに言うと、
「ははー、分かってる分かってるー」と、武人は、
そんな言葉を口にしたー。

学校での1日を終えて、下校する最中のふたりはー、
いつものように楽しそうに会話を続けるー。

そして、いつも通り、二人が別々の道に分かれる場所まで
やって来ると、「じゃあ、また明日ー」とあいさつを交わして、
そのまま武人は家に帰宅したー。

「ただいま~!」
母親の美代(みよ)に声をかけて、
そのまま2階にある自分の部屋へと向かうー。

部屋に入って、学校に持って行っているカバンを置いて、
「さてー」と、立ち上がったところでーーー

ーー武人は突然、その場に倒れ込んでー…

ーー”死亡”したー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーーー」
武人が気付くと、そこは
”世界の色々な映像”が映し出された展望台のような、
不思議な場所だったー。

「ーーーーー」
そこに、天使の羽のようなものが生えた人物が立ち、
望遠鏡のようなもので、何かを見つめているー。

「ーーえ…?」
武人は表情を歪めるー。

”俺、家に帰ったはずじゃー?”
そう思いながら、首を傾げる武人ー。

一瞬、寝落ちして夢を見ているのではないかと思ったものの、
”最後の記憶”を思い出すと、あんな状態から急に寝落ちするとは
思えないー。

「ーー????」
武人は、心底困惑した様子で周囲を見つめるー。

世界の”あらゆる場所”が映し出された映像が
そこら中に流れているー。

展望台のようなこの場所からは、見たこともない幻想的な景色が
広がっていて、そこはまさに”異世界”と呼ぶにふさわしい場所だった。

「ーーん……なんなんだこれは…」
武人は呆然とするー。

武人は、”死んだ”ー。
が、あまりにもいきなり死んだために、自分が死んだことも
理解できていないまま、”ここ”にいたー。

「ーーーー」
武人は、望遠鏡のほうを見つめたまま、
武人に気付いていないのか、無反応の
天使の羽のようなものが生えた人物のほうを見つめるー。

”コスプレかー?”
武人はそう思いながら
「あの…すみませんー」と、そう言葉を口にすると、
夢中になっているのか、天使の羽が生えた人物は
一度は武人を無視したー。

武人は”聞こえてないのか?”と思いつつ
今度はもう少し大きな声で「すみません!!!!」と、
そう声を上げると、やがて、その天使の羽が生えた人物は
驚いた様子で「うわっ!?びっくりした!?」と、
そう言葉を口にしつつ、振り返ったー。

「ーーえ…誰…?」
天使の羽が生えた若い男は、そう言葉を口にすると、
武人は「いやー…それはこっちのセリフなんですけどー」と、
そう言葉を口にしてから、
「まぁ、いいやー」と一人で呟くと、
「俺は笠島ー。笠島武人ですー」と、そう自己紹介するー。

「ーーえ…?あぁ…なんでここにー?」
天使の羽が生えた若い男は、少しだけ不思議そうに言うと、
武人は「いやー、それは俺が聞きたいんですけどー」と、
そう言葉を口にしてから、
「ーー俺、家にいたはずなんですけど、ここはどこですかー?」と、
そう質問を口にするー。

「ーー家にいたー?笠島武人ー?」
天使の羽が生えた男は、
「えっ」と、青ざめると、そのまま
再び望遠鏡のほうを見つめるー。

「ーなっーーー」
天使の羽が生えた男は、望遠鏡の中を覗きながら、
一人で慌てた様子の声を出すとー、
「あっ!…うわ~~~~やっちまったー」と、そう言葉を口にして、
自分の天使の羽を触りながら、戸惑いの表情を浮かべつつ、
振り返ったー。

「ーーーーまぁ、そのー落ち着いて聞いてほしいんだー」
天使の羽が生えた男は、そう前置きをしてから、
武人のほうを見つめると、
武人に対して言い放ったー。

「君はそのー…何ていうか、そうー。死んだんだー」
とー。

「ーーえっ!?!?」
武人は、青ざめるー。

「い、いやいやいやいやー、俺、普通に家にいましたよー?
 それに、どこも悪いところもなかったし、
 まさか家に飛行機が突っ込んで来たとか、
 そんなこともないでしょうしー」

武人は慌てた様子でそう言うと、
天使の羽が生えた男も、「そ、それはそうー。君の言う通りだー」と、頷くー。

「ーけどーそのー、何て言うかなー
 ん~~~~~…えっとー」

天使の羽が生えた男は、とても気まずそうな表情を浮かべながら
頭の中で言葉を選ぶと、
「そのーーー…僕がミスったというかー何というかー」
と、そう言葉を口にしたー

「み、ミスったー?い、いったい何をですかー?」
武人がそう言うと、
「ーあぁ、いやー…そのー…」
と、天使の羽が生えた男は、望遠鏡のような装置の前まで
武人と共に移動すると、
「ここに、ボタンがたくさんあるだろ?」と、そう言い放つー。

「ーーーありますねー」
武人は無数のボタンを見つめながら、
そう言葉を口にすると、
「我々は人間の生と死、その他色々を司ってコントロールしてる存在なんだけどー
 まぁー…そのー、僕が、君の様子を見ている最中に”ボタン”を押しちゃってねー」
と、照れ臭そうに続けるー。

「ーーーお、俺を見ていた?…ボタンを押した?どういうことですか?」
武人はなおも戸惑いながら、そう言い放つと
天使の羽がついた男は「ー人間の生活を見ることができるんだー
まぁーー人間観察をわざわざしてるのは僕ぐらいで、
”先輩たち”は、わざわざ用のない人間のことはみないけどさー」
と、そう説明するー

「ーーつまり、覗きみたいなもんですかー」
武人が言うと、
天使の羽がついた男は気まずそうに笑うー。

そしてーーー

「君をなんとなく観察してた時に”切替ボタン”と間違えて、
 これを押しちゃったんだー」と、
真っ赤なボタンを指差しながら言うー。

”切替ボタン”とは、人間界の別の場所に望遠鏡に映し出される映像を
切り替えるためのボタンのようで、緑色の大きなボタンだー。

「ーーそのボタンはー?」
”間違えて押した”と、天使の羽のある男が青ざめている
赤いボタンのほうを示しながら、武人がそう確認すると、
天使の羽のある男は、落ち着かない様子で羽を触りながら
「そのー…”心停止ボタン”だー」
と、そう言葉を口にしたー。

「ーーは?」
武人は表情を歪めるー。

「ー心停止ボタン…」
天使の羽のある男が気まずそうに繰り返すと、
「いや!それは聞こえましたけど!!!」と、武人はそう叫ぶー。

「ーーき、君も聞いたことあるだろー?
 たまに”突然死”する人がいるって話ー」

天使の羽のある男はそう言うと、武人も「あぁー…まぁ」と、頷くー。

時々、有名人も急な心臓発作やら、何やらで命を落としていることはあるー。
そのことだろうー。

「ーああいうのは大体、このボタンで僕たちが”やってる”ことなんだけどさー」
天使の羽の男は、そう言葉を口にするー

「ーー例えばーーそうだなー
 本当は他のタイミングで死ぬはずだった人が
 たまに”生き延びちゃう”ことがあるんだー

 そうすると、”世界の流れ”が変わってしまうー。
 そういうときに、このボタンを押して、
 ーーまぁ、可哀想だけど、
 本来死ぬ運命だった場面で死を回避する”バグ”が起きた時に
 予定通り人生を終えてもらうー…

 ーーそんなためのボタンなんだー」

ボタンの説明を長々とする天使の羽の生えた男ー。

「ーー…いや、いやー、で?そのボタンと俺のこの状況に
 何の関係があるんですかー?」
武人はまだ、状況を理解できずにそんな言葉を発するー。

すると、天使の羽が生えた男は苦笑いしながら言ったー

「ーその、さっき言った通りー、
 君を見てる時に、視点切替ボタンを押そうとしたら
 間違えてこの心停止ボタンを押しちゃったんだー

 つまり、間違えて君の人生を終わらせてしまったってことだねー
 うんー」

天使の羽の生えた男のそんな説明にー、
「ーは???え????お、俺、死んだんですか!?」と、
武人が思わず裏返った声で叫ぶー。

「まぁ、そういうことになるねー」
天使の羽が生えた男はそう言うと、
「え??え????誰だか知らないですけど、そ、そっちが
 ミスしたってことですよねー?」と、武人は問い詰めるようにして言葉を口にするー。

「ーーまぁ…君はーえ~っと、そうー、本来の寿命は84って書いてあるからー
 男性の平均寿命より長く生きる予定だったってことだねー」
照れ臭そうに言う天使の羽の男ー。

「ーーおぉぉい!?そ、そっちのミスってことは、生き返れるんですよねー!?!?」
武人が”そうじゃなければ許さない”と言わんばかりにそう叫ぶと、
「ーあぁ、あぁ、いやー。もちろんだともー」と、
天使の羽の男は言うー。

「ーーただー、ここでの記憶は消させてもらうから、
 君は何事もなかったかのように部屋で目を覚ますー
 それでいいかな?」

天使の羽が生えた男のそんな言葉に、
武人は「な、なんでもいいから早く生き返らせてください!」と、
そう叫ぶと、天使の羽の男は「わかったー。」と、そう頷くと、
武人の方に見たことのない小さな端末を向けて、
それを操作し始めるー。

「ーーあ、そうそうー
 僕はーーそう、君達の世界で言う天使みたいなもので、
 見習いのミセリアー。
 
 君達の世界のラテン語で”不幸”って意味だー」

天使・ミセリアがそう言葉を口にするー。

「ーーーー何でそんな不吉な名前なんですか?!
 っていうかー、生き返ったらここの記憶なくなるのに
 今更名乗られても!?」

光に包まれながら、そう叫ぶ武人ー。

すると、天使・ミセリアは
「あぁー、そうだったねー」と、苦笑いするー

”大丈夫なのかこの人ー”と、
心配になりながらも、武人は自分を包む光が大きくなるのを
感じて、ゆっくりと目を閉じたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

がーーー

「ーーー!?!?!?!?」
自分の部屋で目を覚ました武人は、
すぐに”異変”に気付いたー

「ーうぇぇ!?なんだこれ!?
 女になってるじゃんー!?」

美少女姿になっていた武人がそう叫ぶと、
「ってかー、”あの世”みたいなところの記憶も消えてないし!?」と、
戸惑いの表情を浮かべるー。

戸惑いながら、自分の胸を服の上から見つめつつ、
「なんだよ、これー」と、ドキドキしていると、
やがて、天使の男・ミセリアが姿を現したー。

「ーーあれー、ごめんー。
 間違えて君の身体を女に変換しちゃったよー

 それとー、記憶も消し忘れたー」

そんな言葉を口にするミセリアー。

”こいつ、絶対ヤバい奴だー”
女体化してしまった武人は、心の中でそう思いつつ、
「っていうか、性別も違うし、記憶も消えてないし、
 どうしてくれるんですか!?」と、
困惑した様子でそう叫ぶー

「ーーあぁ、え~っとー
 ん~~~
 ちょっと、先輩に聞いて来るー」

ミセリアはそう言うと、いったん姿を消すー。

一人残された女体化した武人は、
困惑した表情を浮かべながら「まったくー」と、
そう呟いていると、
やがてー、”叫んだ声”が聞こえてしまったのか、
母親が心配して部屋までやってきてしまったー

「えーー誰…?」
戸惑う武人の母ー。

「ーーえ…あ、いやー」
女体化した武人は”この状況ー、どう説明すればいいんだよ!”と、
心の中で思いつつ、困惑の表情を浮かべるのだったー。

②へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

見習い天使のミスで大変なことに…!?

この先も大変なことが続きそうですネ~!

今日もありがとうございました~~~!

続けて②をみる!

「性別が違うんですけど」目次

コメント

  1. 匿名 より:

    ふふふふふ……

    ここに無名さんの心停止ボタンがあるじゃろ……?