<皮>帰ってきた姉さん③~真相~(完)

離婚して帰ってきた姉さんの様子がおかしいー。

その真相が、ついに明らかになるー…。

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「ーーーあ、わたし、そろそろ帰るね!
 長居しちゃったから!」

彼女の愛唯が、突然、そう言い放つー。

「え?そうか?いつも夜ぐらいまでいること多いし、
 別に大丈夫だけどー」

直幸がそう言うと、愛唯は「ううんー。お姉さんのことで
色々と大変でしょ?」と、そのまま帰る準備を続けるー。

急に帰宅する準備をする愛唯ー。

そういえば、さっき部屋に戻ってきたとき、
愛唯が涙ぐんでいたのも気になるー。

そんなことを考えているうちに、愛唯は
帰る準備を終えると、
「ー長居しちゃってごめんね」と、そのまま
足早に帰って行ってしまったー

「ーー急にどうしたんだー…?」
直幸はそう呟いた直後、ハッとしたー

”俺がトイレに行っている間に、姉さんに何か言われたんじゃー…!?”

そう思って、慌てて2階に引き返しー、
姉の部屋をノックするー。

「姉さん!姉さん!ちょっといいか?」

部屋に戻ったときー、
彼女の愛唯は、確かに涙ぐんでいたー。

愛唯が”なんでもないよ”と言っていたため、
あまり詮索しすぎるのも悪いし、と思い、
”花粉症か~?”と、冗談を言うだけで終えたが、
あの目の感じはアレルギーとかではないー。

”泣いていた”感じの目だったー。

愛唯は何故、泣いていたのかー。

”姉さんが何か言ったんじゃないのか”
そう思い、直幸は、姉の部屋をノックしていたー。

だが、返事がないー

「いるよな?姉さん?」
そう呟いてから、それでも返事がないため、
仕方がなく部屋の扉を開いたもののー…

姉・梨奈の姿は部屋の中にはなかったー

「あれ…」
直幸はそう思いながら、1階に戻り、
母親に「姉さんは?」と確認するー。

しかし、母・千賀子も梨奈の姿は
見かけていないというー。

トイレと、お風呂も、誰も利用していないー

「ーーえ…」
直幸は戸惑いながら、2階に引き返し、
自分の部屋を含む全ての部屋を確認したもののー
ついに、梨奈の姿を見つけることはできなかったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーへへへへへ…」

直幸の彼女・愛唯は帰宅すると、
自分の両胸を揉みながら笑みを浮かべていたー。

「ーいいおっぱいだなぁ…♡」
愛唯がニヤニヤしながら呟くー。

そしてー、
小声で呟くー

”まさか、俺の理想の女を見つけたと思ったら、
 もっと理想の女が見つかるなんてなぁ…”

愛唯が不気味に笑うー。

梨奈を皮にして、支配していた男は
”偶然”、梨奈の弟である直幸の彼女・愛唯の姿を見かけて、
”莉奈以上に気に入ったー”

だからー、食事中もずっと、愛唯の胸を見つめていたのだー。

そしてー、彼は”乗り換え”を決意したー。

どうやってバレずに乗り換えようか、と
部屋で考えていた最中に、
”偶然”愛唯が、梨奈の部屋を覗いてきたためー、
愛唯を”皮”にしたー。

「ーーやめて!やめ…!」
悲鳴を上げようとする愛唯の口を塞ぎー、
愛唯に、注射器を打ち込み、皮にしたー

愛唯の目が涙ぐんでいたのは
”皮にされて乗っ取られる直前に流した涙”のせいだー。

愛唯を乗っ取った彼自身も、直幸に指摘されるまで、
それに気づかず、一瞬焦ったー

だがー
結果は、大成功だったー。

「ーへへへへ…今日から俺は愛唯ちゃんとして生きるぜー」
クスッと笑う愛唯ー。

愛唯の”バッグ”の中には
”皮”に戻った直幸の姉・梨奈がぐしゃぐしゃに
詰め込まれていたー

慌てて直幸の家から出たのはこのためー。
万が一、これを見られたら、
自分も疑われることになるー

「はぁ~~でも、この女は一人暮らしか」
イライラした様子で髪をぐしゃぐしゃと掻きむしる愛唯ー。

梨奈を乗っ取ったあと、実家に帰ってきたのは、
”離婚して、ショックを受けた娘”として、
しばらく無職で楽に暮らすため、だったー。

だが、一人暮らしの愛唯に乗り換えてしまったことで、
それができなくなったー

「まぁ…仕方ねぇかー。
 さぁて…今日は初日だし、わたしの身体、チェックしちゃおうかな!」

愛唯は嬉しそうにそう言うと、
ニヤニヤしながら、服を脱ぎ始めたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーお姉さんが消えた?」

数日後ー
大学で愛唯と話をする直幸は、
”愛唯が遊びに来た日から、姉が消えた”ことを
愛唯に告げたー。

「ーふぅ~ん…どうしちゃったんだろうね」
あまり興味を示さない愛唯ー。

「ーーー…」
そういえば、愛唯の様子もあの日からおかしいー

何だか、そっけないし、関りを避けようとするような
素振りも見えるー。

「ーあの日、なんかあったのか?」
直幸が尋ねるー。

愛唯は「何もないって言ってるでしょ」と、
少し苛立ったような声を出すと、
そのまま立ち去っていくー。

姉の梨奈は行方不明になり、
彼女の愛唯は様子がおかしいー

梨奈の元夫である”兄貴”と慕っていた元春は未だ連絡つかずー。

「ーーーー兄貴の家に行ってみるかー」

今も、その場所にいるかは分からないー。
だが、元春と姉・梨奈が離婚するまで一緒に
暮らしていた家に行けば、元春に会えるかもしれないー。

元春のところに帰ったのかもしれないし、
元春なら、何か事情も知っているかもしれないー。

そう思いー、直幸は早速次の休みに
行動を実行に移すことを決意したー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

土曜日ー

元春の家にやってきた直幸は、
元春の家のインターホンを鳴らしていたー。

元春は、姉・梨奈と結婚後、
祖父から譲り受けたという一軒家に住んでいたー。

だが、元春から返事はないー。

”一体、兄貴はどこにー…”
そんな不安を感じながら、家の周囲を見渡していると、
郵便ポストからモノがあふれかけていることに気付いたー

「ーー!」
それに気づくと同時に、元春の家の敷地内に入ってきた
おじいさんと目が合うー。

お互いに”誰だお前!?”みたいな表情を浮かべながら
戸惑っているとー、

「あ、この家で姉さんが暮らしていてー」
と、直幸が慌てて自己紹介をするー

「ーーあぁ、梨奈さんのー。」
おじいさんはすぐに納得した様子で頷くと、
「ーーー…ちょうどよかったー」と、
おじいさんは、近所に住んでいる住人であることを明かし、
最近、この家の住人と連絡が取れないことを明かしたー

つまり、梨奈だけではなく元春もいないというのだー。

「ーそれで、郵便物の回収をー」
直幸が言うと、おじいさんは「あぁ。大事な郵便物もあるだろうからね。
いつ帰って来てもいいように、儂の方で保管してるんだよ」と、頷くー。

純粋な親切心なのだろうー。
悪意は何も感じないー。

「ー離婚、されたのはご存じですか?」
直幸がそう言うと、「り、離婚!?」と、困惑の表情を浮かべるおじいさんー。

”ついこの間”まで、
仲良さそうな梨奈と元春の姿を何度も見かけていたらしく、
心底驚きの表情を浮かべたー。

「ーーあ、そうだー
 姉さんから、合鍵を預かっていたのでー」

と、直幸は合鍵を手にして言うー。

もちろん、夫であった元春からも許可を取って
合鍵を持っていて、それを思い出し、今日、ここに
持ってきていたー。

「ーー…確かに、もしかしたら中でー」
おじいさんも呟くー。

元春と一向に連絡が取れないー。
この家は元春の祖父の家だった場所で、
この家を放置してどこかに行くとは
考えられにくいー。

そう思いながら、元春の家の鍵を開けて
中に入ったもののー、
中には誰もおらずー、
家は少し、不自然に散らかっていたー。

そしてー
直幸は、姉の梨奈が書いたと思われる”日記”のようなものを
家の中から見つけたー。

その日記の中にはー
梨奈が職場で”変な男に言い寄られている”ことが記されていたー

”君と一つになりたい”
”君を洋服みたいに着てしまいたい”
”旦那と別れてほしい”

そんなことを毎日のように、職場付近まで
やってきて言い放つー
そんな、ストーカーに悩む梨奈の様子が、
そこには記されていたー。

そしてー
最後の日付はー
”母・千賀子に離婚すると連絡してきた前日”だったー。

「ーー姉さん…何があったんだー…」

”こわいー…
 今日、元春にちゃんと相談して、警察にも相談してみるー”

そのようなことが最後の1ページに書かれていたー

それ以降、日記は書かれていないー。

まるでー、
そのストーカー男に殺されてしまったかのような、
そんな日記の終わり方にも見えるー

だが、姉の梨奈は生きていて、
元春と離婚、実家に戻ってきたー。

そして今、行方不明になっているー

この日記を読んで、直幸は一つの推理をしたー。

梨奈は、”ストーカー男”から逃げるために
実家に帰ってきたー。

離婚が事実か、それとも偽りかは分からないが、
梨奈の夫の元春ー…
直幸が”兄貴”と慕う彼は、梨奈を守るために、
そのストーカー男に立ち向かって何らかのトラブルに遭ったー。

元春と連絡がつかないのは、
彼はもしかすると、既にー…。

そして、元春が撃退されて、
実家に逃げ帰ってきた姉さんも見つかってしまい、
今、再び消息不明になっているのではないかー。

そんな風に、直幸は考えたー。

実家に帰ってきたあとの姉さんの様子がおかしく見えたのは
”ストーカー男に怯えていたからではないかー”

とー。

「ーーー…………」
直幸は、表情を歪めながら、
”だとすると姉さんが危ないー”
と、焦りの表情を浮かべたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それからも、直幸は姉・梨奈の行方と、梨奈の元夫・元春の
行方を調べ続けたー

そんなある日、彼女の愛唯が久しぶりに
直幸に話しかけて来たー。

最近は、なぜか距離を取られているー

「ー何を調べてるの?お姉さんのこと?」
愛唯の言葉に、直幸は「あぁ」と頷くー

そして、”手伝う”という愛唯に、
直幸は、愛唯と元春が住んでいた家で見つけた日記から
推理した内容をー
この前推理した通りに伝えたー

「ーそっかーわかった。何か分かったら連絡するねー」
愛唯は、そう言って立ち去って行ったがー

それ以降ー、愛唯が何か手伝ってくれる様子はなかったー

「ククク…バカなやつだ!」
自宅で愛唯はひとり笑うー

直幸の”あまりにも的外れな推理”に笑ってしまったー

真相はこうだー。

梨奈を乗っ取り、愛唯に乗り換えた彼はー
”梨奈の言うストーカー男”だー。

あの日”夫と警察に相談します!”と言われて
逆上した彼は、
夜ー仕事から帰宅した元春に、背後から
”人を皮にする”ための注射器を打ち込み、
元春を皮にしたー。

そしてー
家の中にいた梨奈にも注射をして、
梨奈を皮にし、乗っ取ったのだー。

皮にした元春と梨奈を交互に着て、
”手”が覚えていた筆跡を真似て
離婚届を書き、
そのまま離婚、梨奈を支配して実家に帰宅したー。

元春が行方不明なのは、
”もう、バラバラに切り刻んでゴミ袋に入れて燃えるゴミに出した”からだー。

つまりもう、元春はこの世にいないー。

梨奈が実家に帰ってきたのは
ストーカーから逃げて来たからではなく、
梨奈を支配した男が”のんびり実家暮らし”をするためー。

梨奈の様子がおかしいと直幸らが思ったのは
当然、中身が違うためー。

そして、今、再度梨奈が行方不明になったのはー
梨奈から愛唯に乗り換えた男が、梨奈の皮を
自宅に保管しているためー

人の身体を保管していればバレるが、
皮になった状態の人間は見つかるはずがないー。

「クククー 
 お前は、一生、真相にたどり着けねぇなー」

愛唯はそう言いながら、
「さ~て、今日もコスプレしながらオナるか!へへへへ」と、
下品な笑みを浮かべたー

愛唯はー
その後、直幸に突然別れを告げて、
そのまま直幸の前から姿を消したー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

直幸は、それからも、梨奈の行方を追い続けたー

しかしー
”そもそもの推理”がまるで違うためー

梨奈も、元春も、ストーカー男も見つけることはできなかったー

けれど、それでも執念の調査を続けるー。

そんな、直幸を見かねたのかー
そんな、直幸を絶望させるためかー

ある日ー、
自宅の前に、”箱”が置かれていたー

その中にはー
”皮になった状態の梨奈”が入っていたー

「ーーね…姉さん…!?」

しかもー
皮になった姉は”真っ二つに切断”されていてー、
もうーーーー

「ーーな、なんだこれはー?」

直幸は呆然としながらー

”変わり果てた姿で <帰ってきた姉さん>”を
見つめることしかできなかったー。

おわり

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コメント

最終回でした~!☆

そういえば、私が書く作品の中で
一番”皮モノ”がバッドエンドになってる率が高いような
気がしますネ~笑

女体化とかは比較的ハッピーエンド方向が多い気がします~☆
※調べたことないので、書いてる感覚的に、ですけどネ~

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皮<帰ってきた姉さん>

コメント

  1. 匿名 より:

    うわあ、皮にされただけでも、酷いのに、さらにその皮を真っ二つにされてるのは本当に酷いですね。これでは、仮に元に戻す方法が見つかっても、もうどうにもなりませんね。

    そういえば、他の話で皮になっても本人の意識が残ってたのがありましたが、もし、この話もそうだったとしたら、皮を真っ二つにされたり、バラバラにされたら、その意識はどうなるんでしょうね?

    • 無名 より:

      コメントありがとうございます~!☆

      無情なストーカー男の所業…!

      もしも意識が残っていたとしたら、
      バラバラにされた時点で、死を迎える(意識がなくなる)
      ことになりそうデス~!