ある日、誤送されてきた憑依薬を
入手してしまった男子大学生。
欲望に負けた彼はー…?
・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーすげぇ…本当にー真美子ちゃんになってるぞー」
大学に到着すると同時に、トイレに駆け込んだ真美子ー
誤送されてきた憑依薬を使った久義に
憑依されてしまった真美子は、
トイレで鏡を見つめながら、ニヤニヤと自分の頬を
触ったり、髪を触ったり、指を見つめたり、
綺麗な手を見つめたりしていたー。
女の身体ー
他人の身体ー
ついでに、眼鏡ー。
自分で経験したことのない色々な感覚を知り、
久義は思わず笑みを浮かべるー。
「ーーー……ちょっとぐらい、いいよなー?」
周囲をキョロキョロしてから、
トイレの中に誰もいないことを確認すると、
真美子は、自分の胸を恥ずかしそうに触るー。
「うぉっ…こ、こんなにー…
えっ…すげぇ…やべぇー」
語学力を低下させながらニヤニヤと自分の胸を
触り始めた真美子ー
最初は恥ずかしそうな手つきで、片方の胸を触っているだけだったが
やがて、下品な笑みを浮かべながら
片方の胸を堂々と揉み始めて、
最後には両手で自分の胸を揉み始めたー
「うへへへ…♡いい揉み心地…」
自分で自分の胸を揉むー。
生まれて初めての経験をしながら
真美子に憑依した久義は、笑みを浮かべるー。
「ーえへへへへ…完全に俺の思い通りじゃん…すっげぇ♡」
顔を真っ赤にしながら笑みを浮かべた真美子は
「ーこ、これってー
真美子ちゃんだけじゃなくて、どんな子にも憑依できるって
ことだよなー…」
と、邪悪な笑みを浮かべるー。
久義自身、何となく面識のある真美子を
最初にターゲットに選んでしまったが、
別に真美子に対しては恋愛感情は全くないー。
憧れのような感情もないし、
純粋に”親友の彼女”という認識でしかないー。
だがー
そんな、久義にも”憑依したい子”の候補は
何人かいたー。
「ーーーってことはー…」
同じ大学に通う幼馴染でツンデレの
大滝 羽須美(おおたき はすみ)ー。
小さい頃はよく公園で一緒に遊んだりした間柄だが、
中学と高校は別の学校で、
大学で再会した際にはいつの間にかツンデレになっていたー。
昔のように遊んでくれないし、久義ともほとんど話す機会はないが、
そんな羽須美に憑依できるとしたらー?
バイト先の堀崎 勝美(ほりさき かつみ)ー
来年就職のお姉さんで、久義がバイトを始めた際に
大変お世話になった先輩だー。
頼れるお姉さん、という感じのポニーテールの子で、
あんな子に憑依できるとすれば、ゾクゾクしてしまうー。
そして、最後が人気アイドルの”のぞみ”
現役女子大生のアイドルで、
通う大学は別だが、そんな子に憑依できるものなら
憑依してみたいー。
自分がアイドルになる、なんてことは
本来なら絶対になかったことだが、
憑依薬があれば、それを実現できるー
そんな、久義の中での三人の候補を
頭の中に思い浮かべながら、
ニヤニヤと胸を揉み続ける真美子ー
しかし、その時だったー
トイレの扉が開きー、
入ってきた男子が驚きの声を上げたー。
「えっ!?」
「あっ!?」
両胸を揉んでいた真美子はドキッとして
慌てて胸から手を離すー。
「しまった!ここ男子トイレだった!」
思わずそんな言葉を口にしてしまう真美子ー
癖で、当たり前のように男子トイレに入り、
当たり前のように男子トイレの鏡の前で胸を
揉んでいた真美子ー。
「そ、そうだー俺、今、女だったんだー」
真美子はそう呟くと、
入ってきた男子は、困惑の表情を浮かべたー。
しかも、最悪なことにー
最悪なタイミングで男子トイレに入ってきたのは、
真美子の彼氏であり、久義からすれば親友の貞治だったー
「ま…真美子ー?」
貞治が戸惑っているー
「ーーな、なんでここにー?
し、しかも今ー…?」
彼女の真美子が男子トイレにいるー
しかも、その男子トイレで真美子は
ニヤニヤしながら胸を揉んでいたー。
貞治からすれば異常事態中の異常事態ー
明らかにおかしな真美子の様子に、
困惑する貞治ー
「ーあ、いやー…え、え~っと、これは、そのー」
まだ”憑依慣れ”しておらず、
突然の出来事に困惑してしまった真美子は、
苦笑いを浮かべながら
”あ、そうだ!”と、咄嗟に真美子の身体から抜け出したー
「ぁ…」
急に真美子から抜け出したことによって、
真美子はその場にがっくりと倒れ込んでしまい、
貞治が慌てて真美子に駆け寄るー。
”憑依から抜け出すと、気を失うのかー”
眼鏡が勢いよく落下して、
気を失ったままの真美子の名前を呼ぶ貞治を
見つめながら、
久義は「悪い悪いー…真美子ちゃんをよろしくなー」と、呟くと、
そのまま自分の霊体を移動させて、
その場所から立ち去ったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その日の夜ー。
「ふ~…まさか、堀崎さんが俺の家にいるなんて…
へへへっー」
久義は、バイト先の先輩の女子大生
堀崎 勝美に憑依して、
自分の家にやってきていたー
「あ~~~女の子を自分の家に招待するとか、
初めてだなぁ~」
胡坐をかきながらニヤニヤする勝美ー
勝美のポニーテールを触ってはドキドキしてー
勝美のデニムパンツから覗く生足を見ては
ドキドキして、の繰り返しー
「ふへっ…へへへへへへっ…♡」
”こんな下品な笑みを堀崎さんが浮かべている”
そう思うだけで、さらにドキドキゾクゾクしてしまうー
勝美の身体がムラムラしているのを感じながら
「憑依ってすげぇな…」と呟くー。
興奮しているのは自分なのに、
自分の代わりに興奮するのは乗っ取られている側の身体ー。
乗っ取られている側は、
絶対、他人に憑依されて喜んでいるわけがないのにー
今、勝美はニヤニヤしながら嬉しそうに興奮しているー
♪~~
「あ」
勝美が、勝美のバッグの中でスマホが鳴っていることに気付き、
勝美のスマホを確認する
”バイト先”と、そこには表示されているー
「あ~、堀崎さん、今日シフト入ってたっけ?
やべっ!これじゃバックレしてるみたいじゃん!」
勝美はそう呟くと、慌てて電話に出て
「ご、ごめんなさ~い…体調悪くて寝込んでしまっててー
はい、はい、申し訳ありませんでしたー
はい、よろしくお願いします」と、
バイト先に対して謝罪の言葉を口にしたー
”他人の身体”ではあるものの、
勝美は、久義にとって”好きな先輩”でもあるし、
こんなことでバイト先から勝美がいなくなってしまっては寂しいー
だからこそ、バイト先の電話に出て、しっかりと対応したー
「さ~て…堀崎さんは今日は、
俺を楽しませるバイトをするんだよ?」
鏡に映る勝美に向かってそう呟くと、
勝美は恥ずかしそうに
「うん……久義くんを、いっぱい楽しませちゃうー」と、
甘い声で囁いたー
もちろん、久義が勝美の身体で一人二役をやっているだけなのだが、
それだけでも興奮したし、
まるで、勝美と本当に喋っているのかのような、
そんなゾクゾクも感じることができたー。
「ーーまずは…」
勝美はニヤニヤすると、
「ーま、まずは…わ、わたしの全部を見て…♡」と、
甘い声で呟き、服を脱ごうとし始めるー
がー
その時だったー。
今度は久義の方のスマホが鳴りー、
まだ”憑依慣れ”していない久義は、
自分が今、勝美の身体であることも忘れて、
そのまま勝美の身体で電話に出てしまったー
「もしもしー?」
自分の口から女の声が出たことで、
咄嗟に”やべっ”と思ったものの、既に手遅れー。
何とか誤魔化して電話を切ろうと思ったその時だったー
”私、未来技術研究センターの黒岩と申しますー”
その言葉に、スマホを握る勝美が表情を歪めたー
”そちらは、森野久義様のお宅でよろしいでしょうか?”
勝美は、ゴクリと唾を飲み込んでから
「は、はい…そうですがー?」と、呟くー。
”突然のお電話申し訳ございませんー
実は先日、森野様のお宅に、間違えて当研究所から
荷物を誤送してしまいましてー
お詫びのご連絡と、返送のお願いを、と思い
連絡させていただいたのですがー”
「ーーーーえ…あ、あの…ど、ど、どちら様ですか?」
勝美は咄嗟にそう答えてしまったー
”どちら様”なのかは自分が一番よく理解しているー
相手は、久義の自宅に
”研究中の憑依薬”を誤送した
未来技術研究センターの人間であることは、
久義が一番良く理解しているー
”森野様ご本人は、ご在宅でしょうか?”
電話相手の黒岩の言葉から、
勝美は”そうかー…女の声だから、俺本人とは思っていないのかー”と、
判断したー。
「ーーあ、い…いえ……え…えと、久義は今、留守でしてー」
勝美の身体で、咄嗟にそう答えた久義ー
”それは失礼したしましたー
また後日改めてお電話致しますのでー
あ、大変失礼ですがーー”
黒岩はそう呟くと、今電話に出ている勝美のことを
尋ねて来たー
「ーーーあ、え、えっと、わ、わたしは
久義のー…え…え~~~か、彼女のー」
ただのバイト先の先輩なのに、勝手に勝美を
彼女にしてしまう久義ー
”ー分かりましたー
ご本人様にもお伝えくださいー”
それだけ言うと、黒岩は、
”電話相手が久義の彼女”だと本気で思っているのか、
”悪い電話とかではなく、こちら側のミスによる確認ですので、
心配なさらないでください”と、言葉を付け加えたー
電話が終わるー
勝美はホッとため息をつくと、
笑みを浮かべながら
「ーやべぇ…堀崎さんを勝手に彼女にしちまったー…えへへへへへ」と、
ニヤニヤと呟き始めたー
乗っ取った相手には、勝手に彼女を名乗らせることもできてしまうー。
そんなことを思うと、
久義はドキドキしてたまらなかったー
「ーー………憑依されてる間の記憶がないならー…」
勝美はニヤニヤしながらそう呟くと
「ー……ちょっとぐらい…楽しんでもいいよな?」
と、笑みを浮かべるー。
真美子に憑依したときは大学の中だったから
そんなに派手なことはできなかったが、
今は違うー。
今は一人暮らしの久義の家の中ー
そこに、憑依した相手の身体を勝手に連れ込んでいる状態だー
「ーえへへへへ……先輩ー…俺の家に来たってことはー?」
勝美の身体でそう呟くと、
勝美の身体で「うん…わたしのこと…好きにしていいよ♡」と
笑みを浮かべながら”一人二役”で返事をしたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー
夜遅くまでお楽しみを繰り返した勝美ー。
普段、ポニーテールしか見たことのない勝美の
乱れた髪を手でどかしながら、
目を覚ますと、洗面台まで歩いていくー
「ーへへへへ……昨日は、ほんと最高だったなー」
勝美は、少し疲れたような表情を浮かべたままそう呟くー
「身体を返す前に、ちゃんとシャワーでも浴びておかないとな」
そう呟いたその時だったー
♪~~
インターホンが鳴るー。
「ーーー(こんな朝、早くに誰だ?)」
そんなことを思いながら勝美が、来客を、室内のモニターから
確認するとー
「ーーーー!?!?!?!?」
見たこともないスーツ姿の男が立っていたー
社員証のようなものがついていてー
そこには”未来技術研究センター”と書かれているー
「(お…お、おい!直接来るなんて聞いてないぞ!?)」
乱れた格好ー
乱れた部屋ー
しかもー
”久義がいないのに、勝美がいる”状態ー。
奴らに、怪しまれる可能性は高いしー
”憑依薬を勝手に使ったな?”となれば、
大変なことになる気がするー
「ーーーー!」
勝美は、起きたばかりで部屋の電気も、まだ何も
付けてないことに気付きー、
そのまま”沈黙”したー。
やがてー、
しばらくすると未来技術研究センターの男は
そのまま立ち去っていき、
勝美は大きくため息をつく。
「へへ…へへへへ…返すもんかー」
憑依薬の快感に取りつかれた久義は、
静かにそう呟いたー。
③へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
だんだんと危険な方向に向かう主人公…!
次回が最終回になります~!
今日もやっぱり暑いので、
皆様も気を付けて下さいネ!!!
私は溶けます!!
コメント