<入れ替わり>史上最悪の放送事故②~今後の二人~

生放送中に入れ替わってしまった
キャスターとアイドルー。

二人は、盛大に放送事故をやらかしてしまい…?

・・・・・・・・・・・・・・・・・

スタジオの方に向かって歩きながら、
恭一郎(莉桜)が
「あ…あの…!」と、声を上げるー

「ん…?」
アイドル衣装のまま、男っぽい歩き方をしながら
莉桜(恭一郎)が言うと、
恭一郎(莉桜)は、申し訳なさそうに
「す…すみませんでしたー…」と、今一度頭を下げたー

「ー……く、隈園さんの身体で、わたし、大変なことをー」
恭一郎(莉桜)が、あたふたした様子で呟くー

そんな自分の姿を見つめながら
”目の前に僕がいるっているのも、変だなぁ…”と、
莉桜(恭一郎)は思いながら、話の続きを待つー。

莉桜は、恭一郎の身体で、

「そ…その…り、莉桜は…わ、わたしなんですっ!」
と、叫んだことー

そして、恭一郎の身体で、莉桜の身体を押しのけ、
生歌を歌ってしまったことを後悔するー。

恭一郎(莉桜)がスマホで確認すると、
既にネットでは”放送事故”がトレンド入りしていて、
”このおっさん、ヤバくね?”のような書き込みに溢れていたー。

「ーー…まぁ…僕が歌えば、そうなるだろうねー
 視聴者の皆さんは、莉桜ちゃんの生歌が見たいのであって、
 僕が歌ってる姿なんか、見たくないだろうからね」

大人の余裕ー
なのだろうか。
莉桜(恭一郎)はそんな風に言い放つと
「本当に、ごめんなさいー!」
と、恭一郎(莉桜)が今一度、頭を下げながら謝罪するー。

「ーき、急に身体が入れ替わっちゃってー
 わたし、どうしたらいいか分からなくてーこんなことにー」

恭一郎(莉桜)が目に涙を浮かべながら言うー。

「ーいいさー。僕だって、莉桜ちゃんの評判を落とすようなこと
 してしまったしー」

莉桜(恭一郎)が、横目で”涙目になってるおじさんとか、
見た目的にきついなー”と、苦笑いしながら
「ー僕が、莉桜ちゃんとしてちゃんと歌いきれれば
 とりあえず生放送中に事故が起きることはなかったんだし」と呟くー

莉桜の身体で、恭一郎はとりあえず生歌披露を終え、
生放送終了後に、色々話し合う予定だったー。

だが、結果的には、莉桜の身体でしっかりと
生歌を披露できなかったことで、
恭一郎になった莉桜も、あんな風に乱入するはめになり、
史上最悪レベルの放送事故が起きてしまったー

莉桜(恭一郎)もスマホを手に、
ツイッターの画面を開いてみるー

”放送事故”
”隈園キャスター”
”莉桜ちゃん”
”歌詞忘れ”
”おじさんの乱入”
”モーニングステーション”
”隈園の生歌”

色々なワードがトレンドに並んでいるのを見て
ため息をつくー

既に、隈園恭一郎キャスターがアイドルの生歌を披露する動画が
ネット上に大量に上がっているー

「ーふぅ」
思わずため息をついてしまう莉桜(恭一郎)

生放送中に女子高生アイドルの生歌披露を邪魔して、
その女子高生アイドルになりきって
代わりに生歌を披露した50代男性キャスター。

色々詰んだ気がするー。
そんなことを思いながらも、莉桜は莉桜で、
”生放送の舞台で歌詞を忘れてしまった”ということに
世間的にはなってしまっているだろうし、
これはこれで、莉桜のアイドル生活にも
影響を出すかもしれないー。

「ー気にしなくていいよ。お互い様だからー」
莉桜(恭一郎)は
恭一郎(莉桜)に対してそう言い放つと、
「とりあえず、まずは二人で謝ろう」と、
既に生放送が終了した番組のスタジオに戻りー、
二人は、怒り心頭のプロデューサーに向かって
必死に頭を下げたー。

入れ替わりのことを説明しようとも思ったが、
ここで「実は入れ替わっていて、ですねー」なんて言えば
さらにプロデューサーをキレさせるだけだー。

その意見で一致した二人は、あくまで入れ替わったフリをし続けながら、
謝罪を終えたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーわたしたち、これからどうすればー?」
恭一郎(莉桜)が呟くー

スタジオから出た二人は、周囲の目につかない場所に
移動すると、今後について話し合うー。

最悪なことにー
恭一郎自身も、”隈園キャスター”と言えば、
朝の報道番組にも出ていることから、
知っている人は多い、”有名人”ではあるし、
莉桜は今、人気の女子高生アイドルー
二人とも顔が知れすぎてしまっているー。

普通の人ならー
”知り合いの前”以外では、このような状況に
なってもある程度対策を練りやすいかもしれないが、
有名人同士の入れ替わりとなると、
すぐに人目についてしまい、
一緒に行動することも難しいー。

例えば、高校生同士の入れ替わりなら
カップルじゃなくてもカップルと嘘をついて
一緒に行動する理由作りもできるし、
別にカップル設定の嘘をつかなくても
”最近よく一緒にいるなぁ”と思われる程度で
済ませることもできるかもしれないー。

しかし、恭一郎と莉桜は、
有名人同士であり、それが出来ないー。

しかも、恭一郎は50代で年齢が離れすぎているし、
莉桜は女子高生であることから実家暮らしー

”入れ替わった状態”を維持しながら
生活する、というのはとても困難だったー

しかも、二人で話し合うにしても難しくー
恭一郎は独身のため、一人暮らしだが、
莉桜の身体で恭一郎の家に足を踏み入れるのは
不可能だー。

すぐに、噂になるー。

しかも、ネット上であんな放送事故が
広がってしまった今となっては、なおさらだー。

「まぁ…僕は一人暮らしだからいいとしてー」
莉桜(恭一郎)が呟くー。

恭一郎になった莉桜は、帰宅さえすれば
あとは、あまり心配する必要はないー。
もちろん、男の身体なんて莉桜からすればイヤだろうし
不安だろうけど、
少なくとも”周囲に対する気遣い”はしなくても良いー。

しかし、莉桜になった恭一郎は違うー。
入れ替わった相手が女子高生となると、
そもそも色々なことに気を使うし、
家族の前での振る舞いも、難しいー。

二人は、ぶつかったり、手を繋いで念じたり、
”元に戻る方法はないかどうか”色々試しては見たものの、
結局元に戻ることはできず、
お互い、”身体”の家の方に帰宅して、
その日は1日過ごすことにしたー。

「本当に、ごめんね」
莉桜(恭一郎)が呟くー

「い…いえ…わ、わたしこそ、すみませんでした」
恭一郎(莉桜)が申し訳なさそうに呟くー。

”スマホを交換”し、
連絡先を交換した上で、
お互いに困ったことがあれば、
連絡を取り合うことができるようにして、
帰宅の準備を始めるー

本当は、同じ場所で過ごした方が
お互いにとって安心だがー

”恭一郎”はそれを出来ても、
”莉桜”は高校生であるために確実に自分の家に
帰らないといけないー。

しかも、”恭一郎になった莉桜”ではなく
”莉桜になった恭一郎”の方が帰らないといけないー。

「ーーーーーあ…そ、そのー」
恭一郎(莉桜)が去り際に不安そうに呟くー

そんな姿を見て、莉桜(恭一郎)は
「あー……だ、大丈夫ー僕はもうほらー、おじさんだからー」
と、返事を口にすると、
少し間を置いてから顔を少し赤らめて
「へ、変なことしたりしないからー…莉桜ちゃんは、安心して」と、
呟いたー。

去り際に、恭一郎(莉桜)が言おうとしたのは
”そういう不安”だと思ったからだー

「ーあ、いえー…はいー…ありがとうございます」
不安そうな恭一郎(莉桜)ー

もちろん莉桜(恭一郎)も、不安だったー。

しかし、元に戻る方法が分からず、
恐らく入れ替わりを信じてもらうことも難しいー

先にネット上で炎上してしまっている上にー
歳の差もありすぎて、組み合わせ的に入れ替わりを信じてもらいにくい
組み合わせになってしまっているー

恐らく、入れ替わりを叫んでも、
恭一郎の方は、”頭がおかしくなったおっさん”と判断されて、
莉桜の方は、”恭一郎に脅されでもして話を合わせている可哀そうな子”と判断されたりー
そんな、ロクな結果にならないのは目に見えているー。

そして、入れ替わっている以上ー
”頭がおかしくなったおっさん”と判断されてしまうのは
莉桜のほうー、
恭一郎になってしまった莉桜のほうなのだー。

莉桜(恭一郎)は、まだ若い莉桜をそんな目には遭わせたくなかったし、
なんとかしてあげたい、という気持ちでいっぱいだったー。

「ーー…あ、でも…」
莉桜(恭一郎)が少し申し訳なさそうに言うー

「ー変なことはしないけどー…
 その……トイレとかお風呂とか着替えはー……
 なるべく見ないようにするから…」

その言葉に
恭一郎(莉桜)は顔を赤らめて、困惑しながらも
トイレに行ってはいけない、ということは漏らすしかなくなるし、
お風呂に入らない、ということは学校でもアイドルとしての活動でも
問題が出て来るし、1日ならともかく、何日も何週間もなったら
それこそ大変なことになるー。
着替えも、まさかずっと同じ服を着ているわけにはいかない、と、
すぐにそれを理解するー。

「ーーー…わかりましたー…わたしもー…」
恭一郎(莉桜)は、そう呟くと莉桜(恭一郎)は
「分かってるー。ごめんね。おじさんの身体なんて見たくないと思うけど」
と、付け加えたー。

「ーあ、いえ、大丈夫ですー」
恭一郎(莉桜)と、莉桜(恭一郎)はそんな会話を交わすと、
”明日の朝には元に戻っているといいですね”というような会話を
お互いにして、そのまま二人とも、不安そうに
”身体の家”ー
つまり、普段自分が住んでいない家に向かって歩き出したー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

恭一郎(莉桜)は、恭一郎の住んでいる家に帰宅したー

恭一郎は、50代の独身男性であるために、
家族はいないー。

誰もいないその家に
「おじゃましま~す……」と、不安そうに呟きながら帰宅するー。

ポストから取り出したものを家の中に持ってきて
家のソファーに座り、ため息をつくー

”わたし、これからどうなるんだろうー?”

幸いー、入れ替わった相手が恭一郎のような
真面目なニュースキャスターのおじさんで良かったー。

少なくとも、変なことはしないような気がするし、
誰だか分からない得体の知れない人間と入れ替わるより、いいー。

それにー
お互いに”有名人”ではあるから、
相手の身体で変なことをすれば、
当然、自分の身体の名誉も傷付く可能性があるし、
お互いに下手な行動はできないー。

「ーーー!」
何気なく、ポストから取ってきた郵便物に目をやると、
そこにはー

”お前が莉桜ちゃん?ふざけるな”
”汚いおっさんが莉桜ちゃんに触れるな”
”お前が莉桜ちゃんの歌を歌うなんて、10万年早い!”
”くたばれこの野郎”

悪口の数々が書かれた紙ー。

これが、郵便受けに入っていたのだー。

「ーーーー!!!!!」
恭一郎(莉桜)は、今朝の生放送での”放送事故”の影響を
身をもって体験しー、そして、震えたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・

莉桜として帰宅した恭一郎は、
帰宅すると同時にー
母親から詰め寄られていたー

「生放送で歌詞を忘れるとか、あんた何考えてんの!?」
莉桜の母親はー
元々”アイドルを目指していた”ー

しかし、何とかデビューするも、まるで流行らずにすぐに
引退ー
いやー、そのままフェードアウトし、業界から姿を消した過去を持つー。

そのためー
自分の娘をアイドルにしようと躍起になっていて、
”異様なまでに”娘のアイドル活動に固執していたー

「ーー生放送の途中に歌えなくなるなんてー
 恥を知りなさい!」

そう叫びー
莉桜(恭一郎)を思いっきりビンタする母親ー

「あんたは今日から、ご飯抜きだよ!」
母親はそれだけ言い放つと、文句を口にしながら
莉桜(恭一郎)から離れて行くー。

入れ替わりによる、放送事故ー。

二人の進む道にはー
苦難の未来が、待ち受けていたー。

③へ続く

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コメント

次回が最終回デス~!
入れ替わりによる放送事故、
そしてその先には…?

明日もぜひ楽しんでくださいネ~!

入れ替わり<史上最悪の放送事故>
憑依空間NEO

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