<入れ替わり>過去と未来 ~塗り替えた未来編~(中編)

未来からやってきた自分と入れ替わった女子高生。

しかし、未来の自分が”変えた”未来にどうしても納得がいかない彼女は、
過去に戻り、”さらに未来を変える”ことに成功したー。

しかし、その結果はー…?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

あれから15年ー。
未来の千穂と出会い、その後過去に飛んで、
さらに未来を変えた千穂は、元の時代に戻り、
高校を卒業、大学生活を終えて、冬馬と結婚、
冬馬の間に息子・純太も生まれて
幸せな時間を送っていたー

はずだったー。

15年前に、15年後からやってきた”未来の千穂”が
言っていたような未来は訪れず、
結婚後も冬馬は優しいままで、
未来の千穂が言っていたような
”千穂に対する暴力”だとか、
そういうことが起きることもなかったー。

千穂の母親に関しても、健在だー。

だがー
ある日のことだったー

千穂が目を覚ますと、突然、
千穂は”冬馬”の身体になっていたのだー

「ーーど、どういうことー…?」
目を覚ました時には冬馬の身体になっていた千穂は
驚いた様子で自分の手を見つめる。

何度も手を握ったり、開いたりしながら、
驚きの表情を浮かべる冬馬(千穂)ー

唖然としながら、
自分の部屋から出てリビングに向かうと、
そこには、冬馬の姿も、息子の純太の姿もなかったー。

「ーーー…冬馬…? 純太ー?」
冬馬(千穂)は困惑の表情を浮かべるー。

既に千穂は15年前、
自分が女子高生だった頃に”入れ替わり”を経験しているー

未来からやってきた自分に理不尽に身体を入れ替えられて
その結果、一時は冬馬が自殺してしまうという”事件”が起きたー。

だが、千穂が未来の千穂から”時空を超えるキューブ”を取り上げて、
それを使い、”未来の千穂”がやってくる2週間前にタイムスリップし、
”未来の千穂が変えた未来を、さらに変えた”のだったー。

その時に、千穂は一度”未来の千穂”と入れ替わるという
不思議な出来事を体験しているー

だからー
自分が冬馬の身体になったー…ということを
驚くよりも、”冬馬と純太がいない”という今の状況にこそ、
強い驚きを感じていたー。

「ーーー!」
家の中で冬馬と純太を探し回った挙句、
”家の中にはいないみたい”と悟った冬馬(千穂)は
ようやく”そういえば…男の人の身体になるのは初めてー…”と、
困惑の表情を浮かべるー。

過去に入れ替わった時の相手は
”同性”だったし、
何なら”未来の自分自身”だったため、
結局は自分の身体だー。

しかしー、
今度は違うー。

入れ替わった相手の冬馬は千穂から見て異性だし、
今回は”自分の身体”でもないー。

冬馬(千穂)は、困惑しながら
自分の身体を見下ろして、
”胸”がない自分の身体は、股間のあたりの違和感を
強く覚えるー。

「ーーーそ、そんなことより、冬馬ー 純太ー
 どこー?」
”何が起きたのか”全く理解できないー

自分が冬馬の身体になっていて、
”自分の身体”と純太が行方不明だー。

カレンダーを見つめる冬馬(千穂)ー

そこには”2037年”と書かれているー。

そのことにも、冬馬(千穂)は強い不安を覚えるー。

何故なら15年前ー
自分が女子高生だったあの時
”未来からやってきた自分”は、確か2037年から
やってきたと言っていたー。

何か、関係があるかもしれないし、
また”未来の自分”や”過去の自分”が、
何か問題を起こしたのかもしれないー。

そう、思ったー

しかしー
その直後、スマートフォンが鳴ったー。

「ーーー!」
冬馬(千穂)は、机の上に置かれたままの
冬馬のスマホを手に、
すぐにその電話に出たー。

するとー
電話の向こうからは”自分の声”が聞こえて来たー

”もしもしー?千穂かー?”

その声は”千穂”の声ー。
だが、その発言から、電話相手は
千穂になった冬馬であることを確信するー。

「ーーと…冬馬?冬馬なの?」

”電話の向こうから自分の声が聞こえてくるー”
という奇妙な状況に直面しなはら、
冬馬(千穂)が答えるとー
千穂(冬馬)は”あぁ、そうだよ”と答えたー。

「ーーー…ど、どうなってるの?大丈夫なの?
 今、どこにー?」

冬馬(千穂)は強い不安を感じながらそう呟くー。

また、未来の自分や過去の自分が、何かを
しているのではないかという強い不安ー。

だがー
千穂(冬馬)は静かに呟いたー

”やっぱさー…なかなか好きな人を自分の思い通りに
 することってできないよなー。

 俺、高校生の時”未来”を知って
 本当に頑張ったんだー。
 あの時見た”未来の千穂”のように、千穂を
 悲しませたくないって、さー”

千穂(冬馬)の言葉に、
冬馬(千穂)は表情を歪めるー

イマイチ、冬馬が何を言いたいのかが、理解できないー。

そう思いながらスマホを握りしめていると、
千穂(冬馬)はさらに続けたー

”でも、無理だったー
 ムカついちまうんだー。
 千穂が俺の思い通りにならないと、
 その都度イラッとしちまうんだー

 やっぱ、未来の千穂があの時言ってた通り、
 俺はこういうやつってことなんだなー”

千穂(冬馬)の言葉に、
冬馬(千穂)は困惑しながらも
「ーで、でも、冬馬はわたしに暴力を振るわなかったし、
 いつも幸せだよ!?」と、冬馬(千穂)は叫ぶー

”それは、俺があの時未来を知ったから
 俺が必死に我慢してるだけだ!”

千穂(冬馬)はそれだけ言うと、
言葉を続けたー

”だからさ、俺、”千穂”になることにしたよー
 自分自身が好きな女性になっちまえばー
 どんな風にだってできるー
 全て、思い通りだー”

「ーーそ…そんな…!」
冬馬(千穂)は叫ぶー。

だが、千穂の身体を奪った冬馬は、
もう後戻りするつもりはないようだったー。

冬馬は、15年前ー
高校生の時に千穂と共に未来の千穂と会った際に、
”入れ替わり”のことを聞かされているー。

未来の千穂が、過去を変えて、
冬馬と結婚する未来を消そうとした際に、
研究施設に忍び込み、時空を超える特殊なキューブと
研究開発中だった入れ替わり薬を盗み、
過去にやってきたー、

と、そんな話を、あの時聞かされているー

だから、冬馬は待ったのだー。
”それが”完成する2037年までー。

”あの時、”入れ替わり”の話を聞いてたおかげで
 俺はこうして千穂になることができたんだー

 ふふっー
 これで親権も”わたし”のものー
 ふふふふふっ”

千穂(冬馬)は挑発的に千穂の口調を真似ると、
冬馬(千穂)は「ふざけないで!」と叫ぶー。

「甘いわねー」

「ーーーわたしが、どれだけの地獄を見て
 こんなことしているか、過去のわたしたちには
 分からないでしょ?」

15年前ー
2022年当時、”2037年からやってきた千穂”に
そう言われたことを思い出すー。

「ーーなんで…どうしてこんなー」

”多少”の運命を変えたところで
”冬馬は冬馬”
そういうことなのだろうー

人の性格は、本質は、そう簡単には、変わらないー

2022年に”未来”を知った冬馬は
確かに”自分は千穂に暴力を振るわない男になる”と
固く決心したー

だが、時が流れるにつれて
”千穂に色々な不満”を持つようになったー。
その多くは、理不尽な不満だー。

そして冬馬は”未来の俺の気持ちが分かったよー”と、
心の中で思いながらも
”同じ過ちは繰り返さないように”と、ずっと我慢してきたー

”入れ替わり薬”を手に入れるこの時までー

”じゃあねー”冬馬”ー
 わたし、千穂として純太と一緒に生きていくからー!
 ふふふふ…あははははははっ♡”

千穂(冬馬)が電話の向こうで愉快そうに笑うー。

とてもじゃないが、説得できそうな雰囲気ではないー。

”あ、そうそうー
 俺さぁ”研究施設”に忍び込んで入れ替わり薬を
 盗んできたわけだからさー”

千穂(冬馬)はクスクスと笑いながら言葉を続けたー

”俺の身体は、犯罪者になってるからー
 ま、よろしくなー

 いいやー

 よろしくねー? ふふっ”

千穂(冬馬)はそれだけ言うと、電話を切ってしまったー

「ーーーそ…そんなー」
冬馬(千穂)が唖然として呟くー。

そうー
冬馬は、千穂と入れ替わる前に入れ替わり薬を盗んでいるー
そうなれば、当然
罪に問われるのはー

「ーーー…冬馬ー…」
冬馬(千穂)は悲しそうに呟くー

未来の千穂に”甘い”と言われたー
やっぱり、自分は甘かったのだろうかー

高校生の時の自分と、あれから15年が経過した今の自分では
考え方も色々異なっているー

”やっぱり、あの時のわたしは、まだ子供だったってことなのかな…”
そんな風に思いながらも、
”でもー”
と、冬馬(千穂)は決意を胸に呟くー

「純太を、取り戻さなくちゃー」

”前とは”違うー。

あの時やってきた未来の千穂は、
冬馬から暴力を受けていて、心労から母親も死んでしまった、と
そう言っていたー

だが、15年前ー
未来の千穂と出会い、未来を知った千穂のいるこの世界では、
”あの時に出会った未来の千穂”が語っていた未来とは
違う未来の世界にいるー。

少なくとも、冬馬からは一度も暴力を受けてはいないし、
母親も存命だー。
未来は、確実に変わっているー。

「ーーーーー」
冬馬(千穂)は、千穂の身体を奪った冬馬から
どうにかして自分の身体を取り戻そうと考えるー。

そしてー
”冬馬”を警察に突き出すー。

冬馬に対する愛情は、今も、あるー。

でも、15年前ー
”未来でこうなる”と聞いて、自覚していたはずの冬馬も
結局こうなるということは、
冬馬という人間自体に問題があるのだろうー。

きっと、今、自分があの時の未来の千穂のように、
冬馬と千穂が付き合いだした15年前に戻って、
未来を変えても、
”形”が変わるだけで、冬馬は”何らかの問題を起こす”
気がするー

仮にー
15年前に戻り、”冬馬が未来のことを知らない状態”かつ、
”15年前の自分は未来のことを知っている状態”を
創り出せば
少なくとも”冬馬が入れ替わり薬を盗み出す”ことはなくなるー。

未来を知った千穂が、冬馬が歪まないように
色々頑張るとは思うけれどー

でもー
そうなれば、やっぱり、冬馬は”暴力”を振るい始めるかもしれないー。

”好きだからこそー”
冬馬(千穂)は、”冬馬”を懲らしめるために動き出したー。

”盗んだのが入れ替わり薬”なら、
容疑者は冬馬でも、説明すれば何とかなるかもしれないー

だってー
”入れ替わり薬”を盗んでいるということは、
当然容疑者が他人と入れ替わって逃げていることぐらい、
警察にも分かるだろうからー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーふふふふふ…♡」

千穂になった冬馬は笑みを浮かべながら、
おしゃれな格好をして、鏡の前でポーズを決めていたー

「ーーーしかし、入れ替わりの薬ってもっと早く完成してねぇのかなぁ…」
千穂(冬馬)は、ふと呟くー。

2037年ー。
2022年当時高校生だった千穂は当然、既に30代に突入しているー。

もちろん、千穂は今でも十分綺麗だが、
冬馬は”どうせだったらー”と、笑みを浮かべるー。

千穂の中身は嫌いになったが、千穂の外見は今でも好きだー。
なんとか、千穂を自分の思い通りにしたいー

千穂(冬馬)は、そんな風に歪んだ考えを起こしていたー。

「ーーいや…待てよー?」
千穂(冬馬)は、”これを使えばー”と、ニヤニヤしながら
入れ替わり薬と一緒に盗んできた”時空を超えるキューブ”を手にするー。

「ー俺が過去に行って、俺が過去の千穂から身体を奪えればー
 俺が若い頃の、一番好きだったころの千穂になれるんじゃね?」

そう考えた千穂(冬馬)ー

「ーお母さん…どうしたの…?」
まだ小さい純太が千穂(冬馬)に声を掛けるー

「ーーへへへへっ!へへへへへっ!そうだ!過去に行けば!」
千穂(冬馬)の笑みに、純太が再度声を掛けるも
「ーお母さんね~!これから過去に行くから、純太はもういらないや!ふふっ」と、
不気味な笑みを浮かべるー。

そしてー
千穂(冬馬)は、”過去”へと飛んだー。

千穂と冬馬が付き合い始めた”2022年”へとー。

<後編>へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

未来が変わり、
どんどん最悪の方向へ…

歯止めの利かない未来改編の先に待つ運命を
ぜひ見届けて下さいネ~!

いつも通り、土曜日の作品なので続きは来週になってしまい、
少しお待たせしてしまいますが、楽しみにしていてください!☆

入れ替わり<過去と未来>
憑依空間NEO

コメント

  1. 匿名 より:

    冬馬は本当に最悪ですね。どうにもなりません。こんな事になってもまだ懲らしめるとか甘い考えを持ってるとは、千穂の方もどうかしてますね。甘過ぎます。いくら愛とか情けをかけても冬馬は裏切るだけだと思いますね。

    • 無名 より:

      ありがとうございます~!☆

      あまあまな千穂と、
      どこまで言っても酷い冬馬くん…!

      どんな結末が待っているかは、次の土曜日を待っててくださいネ~!

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