大学からの帰宅中に
夜道で露出狂男と遭遇し、
しかもその男と入れ替わってしまった佳里ー。
ひとまず、露出狂と遭遇したのが、佳里の家のすぐ近くだったため、
やむを得ず、入れ替わった男を自分の家に引きずり込んで、
今後のことを相談し始めるー…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
”これから”どうするのかを相談する二人ー。
まずは”元に戻る方法”がないのかどうかを
お互いに話し合うー。
「ーーまぁ、俺はただの露出おじさんだし、
そんなこと知るわけないんだよなぁ」
佳里(祥吾)がニヤニヤしながら髪を掻きむしるー
「ちょ!ちょっと!真面目に考えて下さい!」
祥吾(佳里)が言うと、
「真面目には、考えてるよ」と、ニヤニヤしながら胸を触るー
その手をぺしっ!と叩いて、胸を触るのをやめさせると、
「でもまぁ…別に俺が何か仕組んで入れ替わったわけじゃないし…
思いつくのはキスとか、お互いに握手とか、もう1回ぶつかってみるとか、
一晩経てば治るとか、そんなもんじゃないかなぁ」
と、露出狂にしては珍しくまともな提案を口にするー。
確かに、どっちかが仕組んだものではない限り、
パッと思いつく方法はそのぐらいしかないー
「ーーま…まずは握手からー」
祥吾(佳里)はそう呟くと、お互いに握手して、
”元に戻りますように”と念じたり、色々してみるー。
だがー
入れ替わった二人が元に戻る様子はなかったー。
「ーーー…じゃあ、次はキスだな…ふへへへ」
佳里(祥吾)がニヤニヤしながら言うー
「キ…キ…キス!?」
祥吾(佳里)が悲鳴に似た叫び声をあげるー。
「えへへへ…まぁ、俺みたいなおっさんとキスしたくないって
気持ちは分かるぞ?へへ…
でもほら、今はどうせ、その汚いおっさんの身体なんだしー」
佳里(祥吾)が下品な笑みを浮かべながら言うと、
祥吾(佳里)は「自分で自分を汚いおっさんなんて言っちゃって…」と、
別に意味で引いたような表情を浮かべるー
「ーだって事実だろー?」
佳里(祥吾)の言葉に祥吾(佳里)は
「ーネガティブ思考すぎ!」と、ツッコミを入れると同時に
「ー自分を汚いおっさんだと思ってるのに、露出してるとか意味不明すぎ!」と、
さらにツッコミを重ねるー
「えへへ…面白いJDだなぁ」
佳里(祥吾)がそう言うと、
「ーー…今は自分が汚いおっさんなんだから、ほら、遠慮せずに
目の前の可愛い女子大生とキスしなよ」
と、挑発的に笑うー
「ーーーどのみち、わたしがその”汚いおっさん”とキスすることには
変わりないんだけど…」
祥吾(佳里)はうんざりしながらそう呟くと、
「ーー元に戻りたくないのかぁ?そうなったら俺は
露出女になるだけだから別にいいけど」と、ニヤニヤ笑うー
「ーわ、わ、わ、わかったから!!」
そう言うと、省吾(佳里)は目を瞑りながら嫌々”自分”とキスをしたー
他人として、自分にキスをするなんて
頭がバグりそうー。
そんな風に思っていると、
突然、無理やり舌を絡めたりしてきて、
「ちょっと!!!」と、佳里(祥吾)を引き離して叫ぶー。
「ーーいや、そうすりゃ元に戻れるかなってー」
その言葉に、仕方がなく、長々とキスをしていたもののー
結局、元に戻ることはできなかったー。
さらにー
”お互いにぶつかってみるー”
”糸をお互いの指に巻き付けて入れ替わりを念じてみる”
などの方法も試してみたものの、結局、元に戻ることはできずじまいー。
「ーーー」
「ーーー」
呆然とする二人ー。
「ーーちょっと、小便」
佳里(祥吾)はそう言うと、「便所どこだ?」と、立ち上がるー
「ーわたしの口から小便とか便所とか言わないで!?」
祥吾(佳里)が叫ぶと、
「ーへへへ」と、ニヤニヤするー
「ーっていうか、変態!女子大生のトイレを覗くとか、完全に逮捕よ逮捕!
まぁ、そもそも全裸で夜道を歩いてる時点で逮捕だけど!!!」
祥吾(佳里)が言うー。
だが、佳里(祥吾)は
「い、いやぁ…でもトイレはどうにもならないしー
まぁ…どうしても見るなって言うならー
ここで漏らすけどー」
と、返事をするー
”ここで、漏らすけどー”
「ーーー……」
祥吾(佳里)はしばらくその言葉にぽかんとしていると、
やがて「あ~~!もう!行ってきて!」と、
うんざりしながら、トイレのほうを指差したー
「へへへ…ど~も」
トイレの方に向かう佳里(祥吾)
”あぁ…最悪ー”
一人残された祥吾(佳里)は、ため息をつくー。
まさか、現実にこんなことが起きてしまうだなんてー。
しかも、入れ替わった相手が友達やイケメンだったらまだしも、
よりによって露出狂の中年おじさんなんて
最悪すぎるー
どうしてこんなことにー
”わたし、前世で120人ぐらい殺したりしてるのかなー?”
前世で悪いことをしたせいで、こんな目に遭ってるのかもしれないー
とか、訳の分からないことを考えながら
祥吾(佳里)は「というか…トイレ長くない?」と、不安を覚えるー。
一瞬、トイレに行くフリをして
”わたしの身体を持ち逃げしたんじゃ?”とハッとするも、
よく考えたらトイレから玄関に向かうには、
祥吾(佳里)のいる前を通らないといけないため、
それはできないはずでー
案の定、まだトイレの中に佳里(祥吾)はいたー
「な、長くない?生きてる?」
祥吾(佳里)がトイレの外から声を掛けると
「いやぁ…女でおしっこしたことないから、派手にやらかして
どうすっかなぁって」と、中から声が聞こえて来たー
「ーはぁ!?」
そう叫びながらトイレを開けると、
立ったまましようとして盛大に失敗したかのような
光景が広がっていた。
「ー女は座ってするの!!!!!」
祥吾(佳里)が叫ぶー
「ーいやぁ、立ちションできるかと思ってー」
佳里(祥吾)が言うと、
「ー座って!!!!」
と、トイレの便座を指さしたー
「いや…今はもう全部出ちゃったからいいよ」
佳里(祥吾)はそう言うと、
祥吾(佳里)はため息をつきながら、トイレの床の
掃除を始めたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
結局、元に戻ることはできないままー。
しばらくはお互いの身体で生活することを提案するー
”お互いの家に帰ること”も案としてはあったものの、
このおっさんを一人にすると何をし始めるか分からないー
と、いうことでひとまず今日は、
佳里の家で、佳里(祥吾)と祥吾(佳里)は共に
過ごすことになったー
「ーーーーはぁ…なんでわたしが露出狂と同棲しないといけないのー…」
ため息をつく祥吾(佳里)ー
佳里(祥吾)はニヤニヤしながら
「俺は結構楽しいけどなぁ~」と笑うー。
「わたしは楽しくない!!」
祥吾(佳里)が怒った口調で言うと、
「へへへ」と、不敵な笑みを浮かべる佳里(祥吾)ー
「あ~~それにしても早く露出したいなぁ
俺、家でも裸族なんだけど、脱いでもいい?」
「だめ!」
完全に露出で頭がいっぱいの変態ー
そんな風に思いながら祥吾(佳里)は
寝ている間のことを、お互いにどうするか
話し合ったり、
明日のことを話し合ったりするー。
「明日も、大学あるんだけど…どうすればー」
祥吾(佳里)の言葉に、
佳里(祥吾)は「大丈夫だって、そんな心配しなくてもー」と、笑うー。
「全然大丈夫じゃない~!」
祥吾(佳里)がうんざりした様子で叫ぶと、
佳里(祥吾)は少し周囲を見渡してソワソワしながら
「ジュースとか、ないのか?」と、呟くー
「ージュース?」
祥吾(佳里)は冷蔵庫を確認すると、
「あ、今、お茶しかー」と、呟くー
「ージュース飲みたいんだけど、買ってきていい?
お金はあとで返すからさーへへ」
と、佳里(祥吾)が呟くー。
「ーーーえぇ??
ま…まぁいいけどー…
ってー!そう言いながらわたしの身体で変なことするつもりでしょ!?」
そう祥吾(佳里)が叫ぶと、
「ーー別に変なことはしないってー」
佳里(祥吾)が返事をするー。
「ーーーじゃあ、わたしも一緒についていくから」
祥吾(佳里)が言うー。
「ーー疑い深いなぁ…」
そわそわした様子の佳里(祥吾)ー
少し考えてから「ま…それでもいいや」と佳里(祥吾)が言うと、
「とにかく俺、もう我慢できないし、行こうぜ」と、
笑いながら呟いたー
「ーー人の身体を勝手に奪っておいて、しかも世話が焼けるし、
ワガママだし、露出狂だしー」
祥吾(佳里)が嫌そうに呟くと、
「ーーおいおい、誤解がいくつかあるぞ」と、
佳里(祥吾)は出かける準備をしながら言うー。
「ー入れ替わったのは別に俺が仕組んだわけじゃないから
身体を勝手に奪ったわけじゃないし、
あとー、ジュースはワガママなんじゃなくて、
この家にジュースがないのが悪いんだしー」
佳里(祥吾)が、蟹股で部屋を歩き回りながら
そう呟くー
「ーージュース無いのは仕方ないでしょ!
っていうか、その歩き方やめて!」
祥吾(佳里)はそう叫んだ直後に
「というか、露出狂は否定しないの!?」
と、続けて叫ぶと、
「ーまぁ、だって俺、世間でいう露出狂だしー」
と、自分で苦笑いするー。
「ーー…あと、外でそういう歩き方されると困るから、
外ではちゃんと、普通に歩いてー」
祥吾(佳里)の言葉に、
佳里(祥吾)は「俺の普通だと、君が満足する歩き方が
出来るかどうかは分からないけどな…へへ」と、笑うー。
「まぁ、そんなことはいいや。俺についてくるんだろ?
だったら、早く行こうぜ」
その言葉に、祥吾(佳里)は「面倒臭いなぁ…」と、思いながら、
「ーあ、そういえば、パンツ履いてないんだった」と、呟くー。
露出狂の省吾は服を着ていなかったー。
とりあえず、佳里の家にあった、サイズが大きくて着れなかった
ジャージをそのまま身に着けてはいるものの、
この家に男物のパンツなんてないし、まさか自分の下着を
このおっさんの身体で履くのはいやだー。
「ーへへ、それは平気さー。どうせ俺はいつも全裸で歩いてるんだし」
佳里(祥吾)の言葉に、祥吾(佳里)は
「自慢するところじゃない!」と、ツッコミながらも、
そのまま玄関の外に出たー
自動販売機に向かって歩く二人ー。
自動販売機の近くまでやってきた祥吾(佳里)と佳里(祥吾)は
「カップルとか思われたくないから」と、少し離れた場所で、
佳里(祥吾)が、自販機でジュースを買い終わるのを待つー。
だがー
「ーーーーえ?」
祥吾(佳里)は思わず唖然としたー。
「ーーーは~~~♡ やっと、開放感を味わえるぜ~」
佳里(祥吾)は、祥吾(佳里)が目を離した隙に
服を全部脱いで、裸になっていたー
「ーえっ!?ちょっ!?!?えっ!?!?!?!?」
夜の住宅街で突然裸になった佳里(祥吾)に
思わず絶句してしまうー
自販機の前に脱ぎ捨てられた服を指さして
「それ、回収して先に帰っててくれよ」と、
笑う佳里(祥吾)ー
「ちょ!ちょっと!何してんの!?」
思わず叫んでしまうー。
佳里(祥吾)は
「えへへ…もうおじさん、我慢できなくてさぁ」
と、ニヤニヤしながら答えるー
「ーほら、君のせいで、裸で散歩するの途中で中断されちゃったしさ、
君と入れ替わったからも、ずっと露出するチャンスを伺ってたんだよ」
裸の佳里(祥吾)はそう言うと、
胸も、何もかも堂々と晒したまま夜の街を歩き始めるー
「ーちょ!ちょっと!!!見つかっちゃったらどうするの!?!?!?!?」
祥吾(佳里)が顔を真っ赤にしながら叫ぶと
「ー大丈夫大丈夫、その時はちゃんと、女露出狂として罪を償うからさー。
じゃあな!」
と、佳里(祥吾)は笑いながらそのまま夜の住宅街を走り出したー
「わ、笑わないで!?
見つかっちゃうんだけど!?!?!?」
自販機前に脱ぎ捨てられた服を回収して、
すぐに追いかけようとする祥吾(佳里)ー
だがー
「ーそこで何をしている?」
背後からパトロール中の警察官の声がしたー。
「ーーえ」
呆然とする祥吾(佳里)ー
”深夜の自販機の前で、女物の服を一式拾おうとしているやばいおっさん”
そうとしか見えないー。
「ーーーーー……ご、誤解ですー」
祥吾(佳里)が冷や汗をかきながらそう呟くと、
「ーーー何が誤解なんだ?言ってみろ」と、
警察官は鋭い目つきで祥吾(佳里)を睨みつけたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「明日も、大学あるんだけど…どうすればー」
「大丈夫だって、そんな心配しなくてもー」
そんな会話を思い出しながら、
佳里(祥吾)は、裸で夜の街を歩いて、
ゾクゾクと興奮していたー
”どうせ露出するんだから、そんな心配はいらないぜーえへへ”
「俺の身体とは、また違う興奮があるなぁ…うへ」
夜道に涎を垂らしながら笑みを浮かべる佳里(祥吾)ー
やがてー
夜道を歩いていたおばさんが、佳里(祥吾)と遭遇してー
若い女が裸で夜道を歩いているという恐ろしい光景を前に、
5秒ほど、何が起きているのか分からないという様子で瞬きを
繰り返してからー
大きな悲鳴を上げたー
「ーーやべっ♡」
佳里(祥吾)は、見られたことにこの上ない快感を覚えながら、
「やっぱ露出はやめられないぜ!」
と、佳里の身体で叫び、その場から逃げ出すー。
”わたしの身体で変なことしないで”と、佳里に言われたことを思い出しながらー
「ーこれは、俺にとって普通のことなんだよなぁ」
と、笑みを浮かべながら、
静かにそう呟いたー。
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
露出中毒の変態男との入れ替わりでした~!
入れ替わってからも、彼はずっとこうすることしか
考えていませんでした☆笑
お読み下さりありがとうございました~!
コメント
意図的に入れ替わったわけじゃないのに、身体を奪ったとか言われるのってなんか理不尽ですね。少し前のバカップルの話の女もそう言うタイプでしたけど。
なんか終わったようで終わってない結末ですね。最終的にどうなったのかが気になります。
まあ最終的に元に戻れても戻れなくても佳里にとっては最悪でしょうけど。自分の身体で露出男が露出女になっちゃってますから。
コメントありがとうございます~!☆
最終的には、大体予想できる通りの結末に
なってしまう感じですネ~笑
戻れても、戻れなくても地獄…。
入れ替わるなら、こういう人とは入れ替わりたくないですネ…!
あー、こうなるかー。
いろいろと佳里には……
想像するのが楽しいですわ
コメントありがとうございます~!☆
誰の身体になっても、もう我慢できなかったみたいですネ~笑
どう転んでも、色々大変なことに…!
お読み下さりありがとうございました~!