<MC>ドッキリ・エイプリルフール

エイプリルフール当日ー。

親友の彼女と相談して、
”お前の彼女を洗脳したー”と、
親友に”ドッキリ”を仕掛けようとするー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーーえっ!?何それ?」

クラスの女子生徒・牧野 汐里(まきの しおり)が
声を上げるー。

今は春休みの最中ー。
明日はエイプリルフールということもあり、
彼はー、親友に対する”あるドッキリ”を考えていたー。

「ーー俺が、汐里ちゃんを操ったぞ~!
 って、あいつにドッキリ仕掛けたら、
 あいつ、どんな反応するかなぁ~?って。

 ほら、明日エイプリルフールだろ?」

そんな彼ー、沖田 龍治(おきた たつはる)の言葉に、
龍治の親友の彼女・汐里が

「ーーそれって、わたしが沖田くんに
 操られた演技をしろってこと?」

汐里の言葉に、龍治は「そうそう!」と笑ったー。

汐里の彼氏、塚倉 奏太(つかくら そうた)は、
真面目な性格のお人よしで、人に騙されやすいタイプー。

そんな奏太を、小さい頃からまるで姉のように守ってきたのが
幼馴染であり、現在の彼女である汐里だったー。

そして、奏太と汐里、両方と親しく
二人を応援しているのが、今、エイプリルフールのドッキリを提案している
龍治だったー。

龍治も、奏太・汐里の二人と小さい頃から一緒の幼馴染で
高校生になった今、奏太・汐里の二人とは別の高校に進んだものの、
今でも汐里や奏太と個人的に連絡を取り合っているー。

「ーーうん!いいよ!でも、変な命令しすぎちゃだめだからね!」
電話相手の汐里の言葉に、龍治は「分かってるって~!」と言いながら、
そのまま明日の打ち合わせをするー。

汐里は元々、ちょっとイタズラ好きなお茶目な部分もあって、
そんな汐里なら、絶対にこのエイプリルフールドッキリの提案に
乗ってくれると、そう確信しての提案だったー。

明日の打ち合わせを続ける二人ー。

明日は、ちょうど龍治の両親が仕事で不在のため、
龍治が”久しぶりに会おうぜ”と親友の奏太を呼び出すー。

奏太が到着する前に、事前に汐里が龍治の家で
龍治と共にスタンバイして、
奏太がやってきたら、
龍治が”お前の彼女は、俺が洗脳したぜ”と、言い放つー

そんな、ドッキリだー。

「ーーでも、なんで、そんなシチュエーションなの?」

打ち合わせを終えると、汐里が呟くー。

エイプリルフールのドッキリを仕組むとは言え、
他にも色々なネタはあるはずだー

「はははっ!あいつさ、小さい頃、ほら、ヒーロー番組とかあるだろ?
 それで、仲間の子が敵に操られる回で泣いちゃってさ!
 だから、今、こういうドッキリしたらどういう反応するのかなぁって」

龍治の言葉に、汐里は
「悪趣味ね~…」と苦笑いしながらも、
「ーでもまぁ、もうわたしたち高校生なんだし、すぐにバレると思うよ」と、
呟いたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー

「ーーー龍治と会うのは久しぶりだなぁ」
呼び出された奏太が、龍治の家に向かうー。

そこでー
”エイプリルフールのドッキリ”が用意されているとは、
夢にも思わずにー。

龍治の家に一足先に到着していた奏太の彼女・汐里は、
「あんまりやりすぎはダメだからね!
 あと、もし、奏太が本気にしてパニックになったりしたら
 途中でやめるからね?」
と、龍治に言い放つー。

龍治は「もちろん」と笑いながら、
「汐里ちゃんの演技、楽しみだなぁ~」と笑みを浮かべるー

「ーなんか、変な性癖に目覚めてない?」
汐里が冗談を口にすると、龍治は「目覚めてないし!」と
顔を赤らめながら否定したー。

「ーーお、そろそろ奏太が来る頃だなー」
龍治がそう呟いてから数秒で、龍治の家のインターホンが鳴ったー

「ナイスタイミング!奏太とは付き合いが長いから
 奏太の来るタイミングまで、ちゃんと分かるぜ!」

龍治は嬉しそうにそう言うと、
「二人が付き合っちゃえば?」と、笑いながら汐里が呟いたー

「ーーバッ!馬鹿ッ!奏太も俺も、それぞれ彼女がいるんだし!」
龍治はそう言いながら、
「あ、じゃあ、汐里ちゃんは、この辺で
 ぼーっと、人形みたいに座ってて」と、打ち合わせ通りお願いするー

「は~い」
汐里が笑いながら、龍治の部屋の中で
”操られたお人形さん”のような雰囲気で座り込むー

それを見た龍治は笑いながら玄関に向かうと、
奏太と合流し、奏太と共に部屋にやってきたー。

「ーーーー!」
奏太が龍治の部屋に入ると同時に、表情を曇らせたー

「え………汐里…?」
奏太には、汐里がここにいることは伝えていないー

汐里が虚ろな目で、力が抜けたかのように座り込んでいるのを見て
奏太は不安そうに「え…?どういうこと!?」と、声を上げたー

「汐里…?汐里…?」
その言葉にも反応を見せない汐里ー

龍治は笑みを浮かべながら
「奏太ー…お前の彼女…汐里ちゃんは俺が洗脳したぜ」と、
言い放ったー

「ーーーえ…」
奏太が青ざめるー

だが、すぐに奏太は苦笑いしたー

「ー…そ、そんなことあるわけないじゃないかー全く~」
とー。

龍治は「へへへ…冗談だと思ってるな?見てろよ」と、
笑みを浮かべるとー
「ーー汐里ちゃんー…立て」と、命令口調で、汐里の目を見つめながら
言い放ったー

「ーーはい…」
汐里がそのまま立ち上がるー

奏太はそんな光景を見ながらも、まだ”洗脳”を信じている様子は
なかったー。

「ーーな、なんだよ~悪質なドッキリだなぁ~」
そんな奏太の言葉に、龍治は少し”負けず嫌い”な性格を表に出すと
「ードッキリじゃねぇぞ~へへへ」と言いながら
「その場で飛び跳ねろ」と、汐里に指示をしたー。

汐里は「はい」と言うと、その場でぴょんぴょんと
飛び跳ね始めるー。

「ーーどうせ、二人で先に打ち合わせしてたんでしょ?
 汐里もドッキリ好きだしー」

奏太はまだ笑っているー

”むむっ…ダメじゃん!”
龍治はそう思いながら、
こうなったらー…
と、「お前の彼氏は誰だ?」と、汐里に言い放つー

汐里は無表情で龍治と奏太を見つめると
「ーわたしの彼氏は、龍治様だけですー」と、
言い放ったー

奏太は「あははっ!」と笑うー

龍治はドキッとしながらも
”い、いけねぇ、洗脳してる役の俺がドキッとしてどうするんだ!”と、
心の中で自分に言い聞かせたー。

奏太は「ーあははは」と笑いながら、
「ー残念でした~!僕にはそういうのは通用しないよー。
 昔なら騙されたかもしれないけど」と、言い放ったー

「ーーむむむ…」
龍治は、奏太が予想以上に引っかからないことに
少しムキになって、汐里のほうを見たー。

”…まぁ…無理なら中断するよなー”
そう思いながら、龍治は思い切って叫んだー

「ーこの場でスカートをめくれ!」
とー。

”ちょっと!それはダメ!”と、
エイプリルフールドッキリはこれで終了ー…
そうなっても良いと思いながらそう叫んだー

奏太は予想以上にドッキリに引っかからなかったし、
もうこれ以上やっても無駄だろうー。

そんな、龍治の判断だったー。

しかしー

「ーーはい」

「ーーえ」
命令したはずの龍治が唖然としてしまうー

汐里が、スカートを躊躇なくめくりあげたのだー

「ーーちょっ…!?え…」
奏太も青ざめるー。

汐里は、幼馴染や、彼氏の前で
意味なくスカートをめくりあげるような子ではないー

「ーーー…な…何させてるんだよ」
奏太が言うと、龍治は「あ…いや」と、戸惑いながら、
”汐里ちゃん、そこまでして、ドッキリを続けたいのかー”と
考えて”それをここで俺が”実はドッキリでした”なんて言っちまうのは、
汐里ちゃんがせっかくスカートをめくったのに、台無しにする行為だな”と
思い、汐里に付き合うことにしたー。

「ーー…じ…自分の…自分の身体の…む…胸を揉め!」
龍治が顔を赤らめながら言うと、
スカートを戻して、汐里が自分の胸を気持ちよさそうに揉み始めたー。

「ーーちょっ…や、やめろよ!ま、マジで洗脳してんの!?」
奏太が龍治を見つめるー

「ーーあ、い… え…えっと」
龍治が汐里のほうを見るー

”おい、どうすりゃいいんだ!?
 どこで止めりゃいいんだ!?”

ドッキリを仕掛ける前の汐里との打ち合わせから
そろそろ汐里がストップをかけると思っていた龍治は
困惑の表情を浮かべるー。

「ーー龍治!汐里にこれ以上、変なことさせるな!」
奏太が本気で怒りだしたのを見て、龍治は
「わ、わっ…待ってくれ!と必死に叫ぶー

「ーほ、ホントに洗脳なんかしてねぇよ…!
 ほら、今日は!」
カレンダーの”4月1日”の部分を指さしながら
今日がエイプリルフールであることを指摘する龍治ー

「ーーし、汐里ちゃんと事前に相談して、
 ちょっとドッキリを仕掛けようとー」

龍治はそこまで言うと、汐里の方を見つめたー。
汐里は未だにスカートをめくったままー。

「ーーーえ……」
龍治は混乱し始めるー。

奏太は「ドッ…ドッキリなのは分かったけどー…
ちょっと…やりすぎじゃ…?」と、
困ったような表情で龍治のほうを見るー。

「ーーーい、いや!じ、事前の打ち合わせでは
 ここまでやるなんてー

 お…俺も汐里ちゃんにストップ掛けられると思ってつい、
 調子に乗って色々命令しちゃったけど」

龍治はそこまで言うと、気まずそうに
「し…汐里ちゃん…もう、終わりにしよう」と汐里に
声を掛けるー。

「ーー終わりで…いいのですか?龍治様ー」
汐里が虚ろな目のまま言い放つのを見て、
奏太も龍治も不安そうに表情を歪めるー。

「ーーーあ…あの…し…汐里ちゃんー?」
龍治は困惑しているー。

まるで、汐里が”ドッキリ”ではなく、
本当に洗脳されているのかのような、
そんな振る舞いを続けているのを見て、
その不安は膨らんでいくー。

「ー何でしょうか?」
汐里が虚ろな表情のまま龍治のほうを見るー

奏太は「し…汐里…」と、呟いてから
龍治のほうを睨むー

「ち、ち、違うって!本当に洗脳なんかしてねぇし、
 本当に洗脳なんかできるわけないだろ!」

龍治はそう言ったものの、汐里は
「わたしの身体も、心もご主人様のものです」と、
まるでしもべのように龍治の前で膝を折ったー

「ーーちょっと!僕の彼女に何をさせてるんだよ!」
奏太が怒り出すー

龍治は「い…いや」と、焦りながら汐里のほうを見つめたー

「し、汐里ちゃん!もういいんだ!いつも通りに振る舞ってくれー!」
龍治は混乱しながらそう叫ぶと
汐里は「はい…龍治様ー」と、言うと、
笑顔を浮かべたー

「ーーじゃあいつも通り~
 あ、奏太!びっくりした?」

汐里が笑いながら奏太に声を掛けると
奏太は「も~!本当に洗脳されてるみたいでホント、びびったんだけど!」と
汐里に対して笑顔で答えるー

「っていうか、スカートめくるとか…その…やりすぎでしょ」
奏太が言うと、汐里は「だって命令だったんだもん~!」と笑うー。

楽しそうに話をしている二人を見つめながら
龍治はホッとしつつもー
すぐにー、”あること”を心の中で考えてしまい、
冷や汗をかいていたー。

”あれ”はー
本当に汐里なのだろうかー。

”あれ”はー
本当にドッキリだったのだろうかー。

もしー
もしも、本当に洗脳できてしまっていてー、

もしも、今の汐里は”元に戻った”のではなく

龍治の

「し、汐里ちゃん!もういいんだ!いつも通りに振る舞ってくれー!」

と、いう”命令”を聞いているだけだとしたらー…

「ーーーーー」
”別の命令”を下して、確認することはできるかもしれないー。

だが、龍治は怖くなって、
”現在の汐里が本当はどういう状況なのか”
確認することができなくなってしまったー。

おわり

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コメント

今日はエイプリルフールなので、
エイプリルフールを題材としたお話でした~!☆

お読み下さりありがとうございました!☆

小説
憑依空間NEO

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