あらゆるTSFな効果で戦う
恐怖の「TSFカードゲーム」…
その戦いの結末はー…?
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〇谷本 達平
×望月 文江
〇×伊藤 奈美
×海藤 航
〇×望月 浩太
×長澤 雄一
〇橋本 彩月
×遠藤 梨華
準決勝が終わったー。
1回戦を勝ち抜いた奈美は、第1回戦で航と身体を
入れ替えられてしまい、
準決勝では、奈美(航)の状態で達平と対決したー。
激闘の末に達平は奈美(航)に勝利、
決勝戦へと歩を進めたー。
一方ー、
決勝に勝ち上がってきたのは、達平の彼女の彩月だったー。
達平は、まだ小さな男の子である雄一に、彩月は勝ちを
譲るのではないかと考えていたが、
彩月が勝利したようだったー。
”では決勝の部屋へと進みなさいー”
男が言うー。
その言葉に、達平は困惑しながらも、部屋の扉の先へと進むー。
その先にはー
既に彩月が待ち構えていたー。
「ーーー達平ー!」
彩月が振り返って、達平のほうを見て微笑むー
「ーー彩月!」
達平は、彩月に駆け寄ると
「ーよかったー」と、呟くー。
「ーー俺と彩月が戦う必要はないー…
あいつにー…話を聞こうー」
決勝の部屋の上部から、二人の様子を見つめている謎の男のほうを睨むと、
達平は「おい!一体、こんなことさせて、何のつもりなんだ!」と叫ぶー。
男は笑みを浮かべるー。
「ーー言ったはずです。開発中のカードゲームの
テストプレイに協力してもらう、とー」
その言葉に、達平は「ーこんなの危険すぎる!それにー
俺の友達の彼女は…別の参加者に身体を奪われてー…!」
と、準決勝で倒した奈美のことを思い出しながら叫ぶー。
「ーー全員、ちゃんと無事にここから出られるのか!?」
達平が言うと、男は「知る権利があるのは、優勝者のみー」と、
笑みを浮かべたー。
「ーーふざけるな!俺は彩月とは戦わない!
彩月と二人で今からお前のところにー」
「ーーー!!!!」
突然、横にいた彩月がナイフを振って、
達平を斬りつけようとしてきたー
咄嗟に回避した達平ー
「ーーえ…?彩月ー…?」
表情を歪める達平に対して、彩月は笑みを浮かべるー
「ーーうふふふふふふ
そんなつまらないこと言わないでよ達平ー
せっかくの決勝戦なんだからー…戦おうよ?ふふふふふふ」
彩月は、今使った”人間を皮にするナイフ”というカードを
床に落とすと、不気味な笑みを浮かべるー
「ーーさ…彩月ー…?」
表情を歪める達平ー。
彩月は、達平のことをちゃんと認識しているように見えるー
”入れ替わり”とか”洗脳”ではないように思えるしー
他人に変身するカードもあったが、そうではないように見えるー
「ー達平ー…見てー」
そう言うと、彩月は”リプレイ”というカードを使ったー。
頭に描いた光景をその場に立体映像で再生することができるカード。
何でそんなカードがあるのかは分からなかったが、
彩月の記憶が再生されるー
そこにはー
準決勝でー
彩月が、対戦相手の小さな男の子・浩太を徹底的に痛めつけながら
笑っている姿が映し出されていたー
「ーーーふふふふふ…ふふふふふふ
そういう顔ー
お姉さん…ゾクゾクしちゃうなぁ♡」
彩月はそんなことを言いながら、浩太を徹底的に痛めつけた末にー
廃人のような状態にして勝利していたー
「ーーさ…つき…?」
唖然とする達平に対して、
彩月はさらに”第1回戦”の光景を再生したー
第1回戦ー
彩月は、浮気した彼氏を数日前に殺したばかりの女・梨華と対決していたー
あの対決の終盤ー
彩月と梨華は入れ替わった状態になっていたものの、
彩月は”奪われし財宝”というカードを使いー
再び身体を取り戻していたー
そして、彩月は、梨華を追い詰めー
梨華に”ごめんなさいー…”と謝りながら、
梨華を戦闘不能に追い込むカードを使おうとしたー
その時ー
梨華は”セット”していたカードを発動したのだー
”邪悪なる融合”
自分の身に危機が迫った時に発動できるカードで、
自分の身体を捨てる代わりに、自分の魂を
対戦相手に憑依・融合させることができるカードだー。
「ーーこれで、わかったー?
わたし、第1回戦の相手だった梨華ちゃんと”融合”しちゃったのー
ふふっ…
今のわたしは…達平…あなたを殺したくてゾクゾクしてるのー♡」
浮気されて、彼氏の命を奪い、既に狂っていた梨華と、
達平のことが大好きな彩月が交じり合ってー
”狂気の彩月”が出来上がっていたー
達平は「く…くそっ!」と言いながら、
男のほうを見つめるー
「ー俺が勝てば!みんなは元に戻るんだよな!?」
とー。
「ーーーーーさァ?
ここに来れば、ちゃんとお話しますよ」
笑みを浮かべる男ー
「くそっ!」
達平はやむを得ず、梨華と混ざってしまった彩月とのバトルを開始するー
「ーー達平のこと、殺したいほど好きなの!」
彩月は笑いながら、カードを次々と使用してくるー
物理的に達平を破壊するようなカードの数々ー。
攻撃の嵐を達平は回避しながら、
身を守るカードを優先的に使っていくー。
「ーあはははははっ♡ うふふふふふふっ♡
ひひひひひひひひっ♡
達平…達平 達平 達平 達平♡」
彩月は”調教首輪”というカードを手にして、
具現化した首輪を手にすると、
それを達平につけようと襲い掛かってくるー。
”首輪をつけられたプレイヤーは、相手の言いなりになる”
そう、書かれているー。
「ーー目を覚ますんだ彩月ー…!」
首輪を抑えながら、達平が彩月に呼びかけるー。
だが、彩月は「わたしは正気よー…!今までのことも
ちゃ~んと、全部覚えてる!」と、笑いながら、
達平との思い出を口にするー。
「今のわたしには、わたしの記憶と、梨華ちゃんの記憶ー
ぜ~んぶがあるのー
二人分の人生がこの頭の中にあってー
わたしーー
新しいわたしになったのっ♡」
彩月の言葉に、達平は「彩月ー…」と悲しそうに呟きながらも、
彩月の攻撃を何とかかわしていくー。
”彩月を傷つけずに、戦闘不能に追い込むことのできるカード”
達平は、それを待っていたー。
憑依するのは”この先”、あの男と戦うとすれば、
彩月の身体を傷つけてしまうかもしれないー。
出来る限り、彩月を傷つけないようにするためにはーー
”グランド・シャッフル”
彩月が、そんなカードを引くも、それは使わずに
笑みを浮かべるー
”部屋中の身体を入れ替える”効果を持つカードー
だが、今の彩月は、混じった梨華の影響で、
自分が大好きだったー。
他人と入れ替える必要なんて、ないー。
新たなカードを引けるのは、30秒に一回ー。
彩月は笑みを浮かべながら
今、手持ちにあるカードの1枚ー
”性転換ガス”を発動するー。
対戦相手の性別を変換するカードだー
達平を”女”にすれば、少しは走り回るのが辛くなるのではないかと
そう考えての発動だったー
「ーーなっ!」
ゲホゲホしながら、達平がガスを浴びるとー
達平は、美少女のような姿になってしまっていたー
「ーー…く…な、なんだこれー」
可愛らしい声で、動きにくそうに叫ぶー。
さらに彩月は笑みを浮かべながら
”瞬間お着替え”というカードを発動して、
女体化した達平を、動きにくそうな服装に変えるー
「ーーわっ!?」
急に服がお姫様のドレスのような服になってしまった達平は、
その場で躓いて転倒してしまうー
「ーふふふふふふふ」
彩月が笑みを浮かべながら近づいてくるー。
「ーーーく…」
膝を打って、すぐには立ち上がれない達平ー
今、手持ちのカードに状況を打開できるものはないー
”5ーー…4ーーー”
達平は、デッキの方を見つめながら数値のカウントを見たー
あとーー
あと4秒で、次のカードを引けるー。
「ーー終わりよー達平ー。」
彩月はニヤニヤしながら、カードを手にしようとするー
彩月が使おうとしていたカードは
”あなたはハムスター”というカード…
達平をハムスターに変身させて”わたしのペット”にしようと、
彩月は笑みを浮かべるー。
「ーーー彩月ーーーー!」
達平は、カードが引けるようになった瞬間にー
カードを引いて、確認もせずに彩月の方にそれをかざしたー
そうしないと、彩月のカード発動に、間に合わなかったー
「ーーー!!!!!!」
達平と、彩月が同時に表情を歪めるー
達平が、彩月に向けたカードはーーー…
「ーーーーー…た……達平…!!!!!!!」
彩月が歯ぎしりをしながら達平のほうを見つめるー
達平にも、何を発動したかは分からなかったー。
だがー
彩月の目が虚ろな目になって、
そのままその場に座り込んだのを見てー、
達平は自らが助かったことー
そして、彩月を行動不能の状態にしてしまったことを悟るのだったー。
「ー彩月…しっかりしろよ…彩月ー」
”解放の魂”
達平が使ったカードがその場に落ちるー。
”正常な状態でない対戦相手の魂を心の奥底に封印する”
そのカードには、そう書かれていたー
虚ろな目のまま動かなくなった彩月を見ながら
「くそっ!」と、叫ぶと、達平はすぐに自分に”男への変化”というカードを
使って、少女の姿になっていた自分の身体を元の身体に戻したー
”素晴らしいー。そこのエレベーターから昇って来なさいー”
中央の部屋から今までの戦いを見ていた謎の男が笑うー。
エレベーターを昇っている最中、男は放送で
達平に語り掛けたー
”我が組織”ガルフ”は、各地の経営難に陥った施設を
膨大な資金で買い取り、こうして各地で研究を続けているー
この遊園地もそうだし、他の地域では動物園や病院も回収しているー。
表向きは普通の経営を続けさせながら
裏ではこうして各施設に合う研究を行っているのですー”
その言葉が終わると同時に、エレベーターが開き、
遊園地地下に存在する研究施設のコントロールルームに
到着したー。
「ようこそー。
そう言えば、まだ名乗ってませんでしたね
私はガルフの日本支部研究所長・アサクラと申しますー」
TSFカードゲームの開発責任者でもあるアサクラが言うと、
達平は「みんなを元に戻せ!」と叫ぶー。
「ーーーー」
アサクラが笑みを浮かべながら、達平のほうを見つめるー。
「ーなら、俺と勝負しろ!俺が勝ったらみんなを元に戻せ!いいな!」
達平が叫ぶー。
アサクラが素直に話し合いに応じるとは思えずー
達平は咄嗟にそう叫んだのだー。
「ーー私と?ふふ…ははははははははははっ!
…いや、失敬ー。
いいでしょうー。
ゲーム開発者が、プレイヤーと交流するのも悪くありませんー。
ではーーー
君が私に勝利できたときには、他の皆さんも含めー
全員を解放しましょう」
アサクラが言うと、達平は「嘘じゃないだろうな?」と
アサクラを睨みつけるー。
「ーーえぇ、もちろん」
そう言うと、アサクラはカードを1枚、指で弾き飛ばしたー
”絶対の誓い”
そう書かれたカード。
そこには”相手の約束を敗北者は、必ず守ることになる”と
書かれているー。
「ーーー」
このカードがどういう技術で作られているのかは分からないー
達平はそう思いながらも
”カードの効果が現実のものとなる”危険なカードゲームで
あることは既に理解しているー
「ーーお互いの50枚のデッキをシャッフルー」
アサクラと達平のデッキがシャッフルされてー
バトルがスタートするー。
達平が、最初の5枚のカードを確認しー、
アサクラのほうを見つめるー
”あいつを倒すには、容赦なく行くしかないー”
達平はそう思いながら最初のカードを発動しようとしたー
しかしー
「ーー!?」
アサクラが笑みを浮かべながら最初のカードを発動しているー
”デス”
「ーーこのカードゲームの開発者である私のデッキは
50枚全部、同じカードになっていてねー」
「ーーー…ふ…ふざけんな…!」
達平がアサクラを睨むー
その身体は、一瞬にして、光の粉のようになって消えていくー
デス
”対戦相手は、この世から消滅するー。
このカードの効果はいかなる効果によっても無効化されない”
「ーーー対戦ありがとうございました」
アサクラがニヤリと笑みを浮かべながら
挑発的に、礼儀正しく頭を深々と下げるー
「ふ…ふざけんなあああああああああ!」
その言葉と共に達平の身体が、砕け散るようにして消滅したー。
「ーーカードの創造主である私に、負けはありませんー」
アサクラはそう呟くと、笑みを浮かべながら
モニターのほうを見つめたー
「今回の”実験”でも有意義なデータを得ることができましたー
感謝しますよー」
カード大会に参加させられた8人の顔が映し出されたモニターを見つめながら
アサクラは不気味な笑みを浮かべたー
「ーゲームセットだ」
おわり
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コメント
(主に)TSFな効果を発揮するカードゲームで戦う
お話でした~!
お読み下さりありがとうございました!
コメント
どれも読ませていただきました!
色々な子が様々なシチュエーションに遭わされる様子が素晴らしく好きです!
ありがとうございます~!☆
お楽しみ頂けて何よりデス~!