<憑依>止まらない嫌がらせ②~隣人一家~

野島家への嫌がらせが始まったー。

困惑し、次第に追い詰められていく野島家ー

”憑依”が絡む真相とは…?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーーー」
隣人・真田家の娘、美咲が帰宅するー

帰宅した美咲は部屋に戻ると、
可愛らしいマスコットがついた鞄を乱暴に放り投げると、
そのままベッドに座って胸を両手で揉み始めたー

「ーーくっひひひひひひ…♡」
美咲はニヤニヤと笑みを浮かべるー

「ーーエロイ身体なんだから、エロいことに使わなくちゃ…」

胸をイヤらしい手でつつきながら
ニヤニヤする美咲ー

「ースカートの中も触り放題…たまんねぇぜ…」
美咲は低い声でそう呟くと、
不気味な笑みを浮かべたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーこんなものが入ってたー」
野島家の父・茂雄が会社から帰宅した際に
自宅の郵便ポストに
何も書かれていない封筒が多数入っていたことに気付いた茂雄ー。

「ーーーー」
妻の知代子は困惑の表情を浮かべながら
”無言電話”が昼間に何度もかかってきたことも告げるー。

「ーどういうことなんだー…?」
父・茂雄がそう呟くと、
息子である和也は「玄関にカメラとか、つけておけば
誰がやってるか、分かるんじゃないのか?」と、呟くー。

「ーーーまぁ、それはそうだけどー」
母・知代子が戸惑いながら言葉を口にするー。

無言電話はともかく、玄関の紙と、
郵便受けの封筒は、誰かが直接やっているはずだー。

封筒には何も書かれていないし、
これは郵便局経由でポストに入ったわけではなく、
誰かが自分で入れに来たことを意味するー。

「ーーー……でも、カメラなんてうちにないじゃん!」
妹の麻鈴が言うと、
和也は「今、そんなに高くないし、何なら俺が買ってもいいしー」と、
家のためにバイトで稼いだ貯金を使ってもいい、と言葉を口にするー。

「ーーーまぁ、俺、明日休みだから、ちょっと家の周り、ウロウロしてるよー」
和也が言うと、父・茂雄は「悪いなー。頼む」と、申し訳なさそうに
言葉を口にしたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー

「ーーーーーー」
和也は朝早く起きて、家の周りをこっそりと
パトロールしていたー。

もちろんー
家族にはそうすることは説明してあるー。

そうしないと、妹の麻鈴や両親が、
家の周りでコソコソしている和也を不審者だと思ってしまう
可能性があるー。

”しかし、誰が嫌がらせなんかー”

そう思いながら家の周りを徘徊しながら
スマホを手にするー

だがーその時だったー

「ーーん?」
黒いフード付きの服装で、ゆっくりと歩いてくる人影が見えたのだー。

「ーーーー」
和也は、手にしていたスマホをしまうと、その人物に視線を向けるー。

まだ朝早く、薄暗い時間帯に、
野島家の周りをその人物はウロウロし始めたのだー

そしてー

「ーーー!」
野島家の敷地内に入ってくるとー
真っ赤に染まった紙を取り出しー、
玄関の前までやってきたのだー。

「ーーーーー!!!!」
和也は理解したー

”こいつが、嫌がらせの犯人ー”

だとー。

相手は和也に気付いていないー。
家の周りをウロウロしながらも、和也は
”イタズラしている犯人”から気づかれないように、
色々と注意をしていたからだー

和也はすぐに黒いフードの人物を取り押さえようとしたー。

しかしー
思いとどまるー。

”あいつが、あの紙を玄関に貼りだしてから取り押さえるんだー”
と、心の中で呟きながらー。

今ー
取り押さえるのは確かに簡単だー。

だが、”まだ”あの人物は玄関に紙を貼ったわけではないー。
今、飛び出していけば”言い逃れ”される可能性があるー。

警察みたいな言い回しだが
”現行犯”で相手を捕まえるためにはー
奴が”手にしている紙”を玄関に貼りつけてからーだ。

「クククー」
小声でその人物が笑ったー
思ったよりも高い声のように思えたー。

そしてー

「ーーー!!」
その人物が、手にしていた赤い紙ー…
色画用紙か何かだろうかー。

それを玄関に貼り始めたー

1枚ー
2枚ー
3枚ー

とー。

思ったより小柄そうに見えるその人物ー。

当然、飛び出していけば、相手も何をしてくるか分からないー
例えば、刃物などを持っている可能性はあるー。

とは言え、このまま野放しにするわけにはいかないし、
相手の雰囲気から、和也でも取り押さえることができそうだったー。

「ーーー何をしてる!」
和也が飛び出すー。

紙を貼っていたフードの人物が振り返るー。

まだ少し暗い時間帯であったことー
そして、相手がフードで顔を隠すだけではなく、
サングラスのようなものをかけていたため、
顔はハッキリ見えなかったー。

「ーーーチッ!」
舌打ちして逃げ出そうとするその人物ー

「ー待て!」
和也が腕を掴むー

思ったより貧弱そうな感じの手だー。

「ーーー逃がすかー…!
 何でうちに嫌がらせをするー!?」
和也がそう叫ぶと、相手が振り払って逃げようとしたため、
和也が身体ごと取り押さえようとするー。

だがー
あるものが手に触れて、和也は戸惑いの表情を浮かべるー。

「ーー女!?」
相手を取り押さえようとした際に、胸に手が触れたのだー。

相手が男なら、あり得ない感触ー

「ーーどけっ!」
相手が拳を和也の顔面に叩きつけようとしてきたー

その声は、紛れもない”女”の声だったー
フードが揺れー、そこからはみ出した髪が揺れるー。

相手が女であったことに一瞬戸惑った和也は、
その女に腕を振り払われてしまいー、
逃亡を許してしまうー

「ー待て!」
和也は必死にその人物を追いかけたがー
まだ暗い周囲に溶け込むようにしてー
その女は姿を消してしまったー

「くそっ…!」
和也は荒い息をしながら、”いったん戻ろうー”と、
自宅の方へと戻っていくのだったー。

「ーーはぁっ…はぁ…はぁ…はぁー
 やっぱ可愛い身体は、体力があんまねぇなー」
荒い息をしながら、逃げた女が笑みを浮かべるー。

「ーーまぁいいさー」
フードを取った隣人の娘・美咲は不気味な笑みを浮かべるー。

「ーまさか、隣の女の子が憑依されてるなんて、夢にも思わねぇだろー」
美咲は低い声でそう呟くと、
「ーーしっかしー女子高生に、こんなことさせてるなんてーゾクゾクするなー」と
呟きながらそのまま静かにその場から姿を消したー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーー女だった?」

家族が起きてきたタイミングで、
和也は玄関に紙を貼ろうとしていたのが女であったことを明かすー。

「ーーー意外と若そうな感じだったなー」
ハッキリ分からなかったが、少なくとも相手は
おばあさんや中年のおばさんではなく、若い感じだったと
和也は付け加えるー。

「ーーー…わたしたちのこと、恨んでるのかなー?」
妹の麻鈴が不安そうに呟くー。

「ーでも、そんな人いるかしらー…」
不安そうな母・知代子ー

家族で、”自分たちに嫌がらせをしそうな女”に心当たりはないかどうかを考えるー。

「少し前に、友達の麗(れい)ちゃんと喧嘩して、まだ仲直りできてないけどー」
妹の麻鈴の言葉に、
和也は「ーーでも、その麗ちゃんって子、そんなことするコなのかー?」
と、首を傾げるー。

「ーーしないと思うー…」
麻鈴の言葉に、和也や、父・茂雄は考え込むー

最近、身の回りで自分たちを怨む可能性がある人物を
それぞれ考えていくー

その結果ー
父・茂雄は、最近、茂雄自身が不正を摘発して懲戒免職になった
会社の同僚・丹沢部長の名前を挙げたー。

和也は、親友・恒吉の元彼女の名前を挙げるー。
親友の彼女でありながら、和也に告白してきたため、
和也はその子の告白を断り、迷った末に恒吉に報告しているー。
結果、彼女は和也と付き合えないだけではなく、彼氏だった恒吉も失っているー。

母・知代子は、しつこい新聞勧誘を挙げたー。

「ーー”女”だとすれば、和也に告白したっていうその子だけかー」

その言葉に、和也は「今、ちょっと連絡してみるよー」と、呟くー。

だがーー
電話した結果、親友の彼女だった子は、今日は朝からバイト中だと言い、
その確認も実際に取れたー。
位置関係的に、ついさっき和也の家の玄関に紙を貼りにくることは不可能だったー。

「ーだったら、誰がー」

”嫌がらせ”に野島家は、ただ、困惑することしかできなかったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

その日も、嫌がらせは続いたー

無言電話にー
ネット上で、野島家の写真が晒されていることも知ったー。

さらには身に覚えのない資料請求の資料まで
後日、届きー、
野島家の4人は、恐怖すら覚え始めていたー。

嫌がらせの始まりから1週間が経過したー。

「ーーー…そういえば、最近、恒吉は?」
和也がふと、大学の友人の一人に言葉を口にするー。

「ーーそういや、最近見かけないなー」

大学で親友の恒吉の姿を見かけなくなったー。
そのことに、和也が気づいたのだー。

連絡を取り合わない日が1週間ぐらい続くことは、
お互いに忙しければよくあることだったし、
最近は、家への嫌がらせの件で、和也は忙しく、
それどころではなかったー。

大学でお互いに会う機会がないようなことも
数日続くことは確かにあったー。

しかし、どうやら恒吉自体、大学に来ていないようなのだー。

「ー体調でも悪いのかな?」
和也が言うと、友人は「さぁな」と首を傾げたー

「ま、いいや 連絡取ってみるよ」
和也はそんなことを言いながらー
帰宅後に恒吉に連絡を取ると、
案の定、体調不良だったようで
”熱がなかなか下がらなくてな”と返事をが戻ってきたー

”そっか。お大事にな”
そんな返事を返す和也ー。

”そっか。お大事にな”
その返事をスマホで見つめながらーーー
和也のいる”野島家”の隣の家
”真田家”の長女・美咲はニヤリと笑みを浮かべたー

「ー和也のやつ、まさか俺が隣の家の娘に”憑依”したなんてー
 信じられないだろうなぁ」

美咲はクスクスと笑いながら、
「ーーこんな可愛らしい子がー
 こんな悪そうな顔できるなんてー…
 憑依ってすげぇやー」
と、呟くと、美咲は和也からの返事を見つめながら
スマホをギシッと握りしめたー

”お前のせいで、俺は彼女と別れることになったんだー”
美咲は歯ぎしりをするー。

美咲に憑依している恒吉は、和也を”逆恨み”していたー。
恒吉の彼女が、親友である和也のことを好きになり、
結果的に、恒吉は彼女と別れることになってしまったー。

和也が恒吉から彼女を奪おうとしたわけではないし、
和也はちゃんと、恒吉の彼女からの告白を断り、
恒吉に相談もしてくれたー。

和也の対応は、間違ってはいないー。

けれどー
それでも、恒吉にとって、やっとできた彼女がー
”和也を好きになり、告白した”という事実が、
恒吉には許せなかったー

「ーー誰にでも好かれてヘラヘラとー…
 この隣の家の子も、お前のこと気に入ってたみたいだしなー」

美咲の身体で、恒吉は恨み溢れる表情でそう呟くと、
「ーお前の家を滅茶苦茶にしてやるー」
と、呟いたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーー麻鈴ちゃん!こんにちは!」

翌日ー
下校していた和也の妹・麻鈴に、
隣人の美咲が声を掛けてきたー

美咲もちょうど”下校中”なのだというー。

麻鈴と隣人の美咲は、通う高校は違うものの、
同じ高校生であることから、仲良しだー。

麻鈴はいつものように、美咲に対して警戒することなく、
微笑みながら会話を交わすー。

「ーーねぇ…麻鈴ちゃんーちょっと時間あるー?
 付き合ってほしい場所があってー」

美咲がニヤリと笑いながら呟くー。

「ーーーえ?あ、うんー。いいよ!
 まだ晩御飯まで時間あるしー」

麻鈴が家のすぐそばの通り道でそう呟くと、
美咲は「よかった!」と、微笑みながら、
麻鈴の手を引っ張って、移動を始めたー。

「ーーー?」

隣人の娘・美咲が麻鈴の腕を引っ張っていく光景を
大学からちょうど同じタイミングで帰宅していた和也が目撃したー

だがー
妹の麻鈴と隣人の美咲が仲良しなのを知っている和也は
深く考えずに、そのまま家に帰宅してしまうのだったー。

③へ続く

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コメント

憑依された隣人の娘による嫌がらせー…!
次回が最終回デス~!

今日もありがとうございました~!

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