<憑依空間5周年記念>憎しみの終着点~憑依に壊された僕の未来~①

☆本日(27日)の通常の更新は既に終わっています!
 こちらは5周年記念作品デス!
 通常の更新はこの1個前にあります!

憑依空間は今年”5周年”を迎えました!

ここまで来られたのは皆様の応援のおかげデス~!
本当にありがとうございます!

今回は「5周年記念作品第2弾」をお送りします!
(※第1弾と繋がりはありません!)

憑依に壊された”ある人物”の未来と、
その終着点ー…

ぜひお楽しみください~!
それでは本編をどうぞ!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーどうしちゃったんだー…
 舞桜(まお)ーーー…」

男子高校生の
奥田 圭哉(おくだ けいや)は心を痛めていたー

小学生時代から一緒の幼馴染であり、
今現在は彼氏と彼女の関係でもある、
田内 舞桜(たうち まお)ー

その彼女が先週ぐらいから、急に”おかしく”なったのだー

突然圭哉から距離を取り始めて、
不良生徒たちと一緒に過ごすようになり、
髪の一部を赤く染めたり、スカートを短くしたり、
派手なメイクをしたりー、

まるで”舞桜が舞桜じゃない”ような振る舞いを
繰り返しているのだー。

授業態度も急激に悪くなり、
先生たちも頭を悩ませているだけでなく、
最近では家に帰宅するのも遅くなっているのだと言うー。

圭哉も当然、黙ってはいなかったー。
舞桜と何度も話し合いをしようとしたが、
舞桜は聞く耳を持たなかったー。

「ーーーーあまり、無理はするなよー」
担任教師の芹沢(せりざわ)が、圭哉に対して言うー。

舞桜の豹変について、最近では担任の芹沢先生に
圭哉はよく相談しているー

芹沢先生は、口が悪い一面はあるものの、
生徒思いの優しい先生だー。

「ーーー…でもー」
圭哉が言うと、芹沢先生は
「お前らは、思春期だからなー…
 田内にも、何か心境の変化があったんだろ。
 しばらく見守ってやるってのはどうだ?」
と、圭哉の肩を叩くー。

だがー
そんなこと言ってられない事態が、起きたー

”舞桜、アイツと身体の関係持ったんだってー”

舞桜を通じて親しくなった女子生徒・絵麻(えま)から
そんな言葉を聞かされて、圭哉は愕然としたー。

”舞桜が、A組の不良男子・仁藤(じんどう)と肉体的関係を持った”

そんな情報を、聞かされたのだー。

「ーそれは、確かなのー?」
圭哉が不安そうに聞くと、絵麻は
「奥田くんには黙ってようかとも思ったんだけどー」と、呟きながら
険しい表情で話を続けたー。

「ーーー舞桜から…直接ー」
絵麻は圭哉が悲しむと思い、目をそらしながら
スマホの画面を見せつけたー

そこには、不良男子の仁藤に抱き着きながら
カメラのほうを振り返って不敵な笑みを浮かべる舞桜の写真とー、
”わたし、仁藤くんとヤッちゃった♡”と書かれている
文章が目に入ったー

しかも、その写真の舞桜は、下着姿だったー。

「ーーーーーーーど…どうして…」
唖然として言葉を失う圭哉ー。
舞桜は大人しいタイプの、いつも穏やかに笑うような感じの子で、
仁藤のような不良生徒は苦手なタイプだー。

それにー、
エッチなことは苦手なことも、小学生時代から一緒だった
圭哉はよく知っているー。

「ーーー…わからないー」
絵麻は、舞桜の親友で、舞桜との付き合いは、
圭哉よりは短いものの、舞桜とは女子同士、とても仲良くしていて、
当然、圭哉には言えないような女子同士の相談もよくするような
間柄だったー。

けれどー
その絵麻も困惑している様子だったー。

舞桜が一体何をしているのかー
何を考えているのかー
絵麻にも分からないー。

そんな、様子だったー。

「ーーー僕…もう一度、舞桜と話してみるよ」
圭哉はそう呟くー。

圭哉は決して”強い男子”ではないー。
むしろ、臆病なぐらいだー。

しかしー、
舞桜のことを放っておくことはできなかったー

舞桜がどうして急に豹変してしまったのかー

そのことを聞きだせるのは、僕しかいないー。
圭哉はそんな風に考えていたー。

場合によっては舞桜とエッチなことをしたという
不良男子・仁藤からも話を聞く覚悟でー。

「ーーーーー」
不敵な笑みを浮かべながら教室に戻ってきた舞桜は、
ガムを噛みながら自分の座席に座るー

舞桜は、少なくとも学校でガムなど噛んでいたことはないー。
私生活まで全て知っているわけではないけれど、
やはりおかしいー。

意を決して、圭哉は舞桜に近付くー

「舞桜ー。」
舞桜のほうをまっすぐ見つめる圭哉

舞桜はガムを噛みながら、
圭哉のほうを見つめると、面倒臭そうに「なんだよ?」と、呟くー。

まるで、男のような口調でー。

「ーー舞桜と、しっかり話をしたいー」
圭哉が言うー。

「ーーーーあんたと話すことなんて、何もないんだけど?」
舞桜はそう言うと、ガムを膨らませて「消えて」と、だけ呟くー。

「ーー消えない」
圭哉は食い下がるー

舞桜から辛辣な言葉を言われるたびに、
心が痛むー。

だからー
今までは、逃げていたー

でも、もう、逃げないー。

”どんなに僕の心が傷つこうと、僕が舞桜を助けるんだー”

そう決して、舞桜をまっすぐと見つめるー。

「ーー仁藤くんとのこと、聞かせてほしいんだー」

不良男子の仁藤と、そういう行為をしたー。
そのことを、口にすると、
クスッと舞桜は笑ったー

「ーーーいいよー。じゃあ、話ぐらい聞いてあげるー。
 いつがいいの?」
ガムを噛みながら笑う舞桜ー。

完全に、圭哉のことを見下しているー。
そんな雰囲気を見せながら、舞桜は微笑んでいるー。

圭哉が”放課後に”と、告げると
舞桜は「ーーふふ、じゃあ、この店でいい?」と、馬鹿にしたような笑みを浮かべて、
スマホで駅前のファミレスを示すー。

「ーーわかった」
圭哉が表情を曇らせるー。

”本当に、別人みたいだー…
 いったい、どうしちゃったんだよー”

そう思いながら、圭哉は不安そうに、
自分の座席の方に戻っていくのだったー…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

放課後ー

芹沢先生と、舞桜のことについて少し相談をしてから、
圭哉は舞桜から指定されたファミレスへと向かうー。

穏やかだった雰囲気の舞桜が、まるで別人のような
振る舞いを繰り返すのは何故なのかー。

そんな風に思いながらもー
圭哉は意を決して、ファミレスに足を踏み入れるー。

圭哉が店を見渡した感じ、まだ舞桜は来ていない様子だったため、
店員に”このあともう一人来るので”と、伝えて
そのまま案内された座席の方へと向かっていくー。

着席すると、圭哉は舞桜の到着を待つー。

”舞桜は舞桜ー”
そのはずなのにー、
何故だろうー。

まるで”別人”のように見える。

どうしてだろうー

まるでー
”中身”が変わっているかのようなー
そんな”豹変”ぶりに、圭哉は戸惑ってしまうー。

そんなことを思っていると、舞桜が到着したー。

まるで”誘う”かのように、生足を上のほうまで見せつけながら
歩いてきた舞桜を見て、
圭哉は表情を曇らせるー。

”舞桜が普段、どんな服装を好んでいるかー”
は、小さいころから一緒だった圭哉にはよく分かっているー

”明らかに”
好みが変わっているー。

全体的に落ち着いた服装を好んでいて、
人に身体を見せたり、自分から”女”を強調するような格好は
寧ろ、苦手だったはずだー。

それなのにー

「ーーー何見てんの?」
舞桜が不愉快そうに言うー。

「ーーそういう格好…珍しいなぁ…って思って」
圭哉がそう言うと、舞桜は「ふふふ…”せっかくなんだから”楽しまないとー」
と意味不明な言葉を口にしたー。

舞桜は座席につくとすぐに、信じられない行動に出たー。

鞄から”煙草”を取り出したのだー

「ーーちょ!?何やってるんだよ!」
圭哉は思わず叫ぶー。

圭哉も舞桜もまだ未成年だー。
それなのにー

「ーーーあ?」
舞桜が不愉快そうに鋭い目つきで圭哉を睨むー。

「ーーーーーっ」
圭哉は一瞬気圧されてしまいそうになるも、
すぐに「”あ?”じゃないだろ!ダメなものはダメだよ!」と叫ぶー。

もう、逃げないと決めたのだー。
だからー

舞桜は「ーーーは~~~~~…」と、深くため息をつくと、
「で、話ってー?」と、ニヤニヤしながら呟いたー。

「ーー仁藤くんとーー…」
不良生徒の仁藤と”ヤったー”

そんなことは絶対にないー。
絶対にないと思いたいー。

けれどー
それなら、下着姿で仁藤と抱き合っていたあの写真は、いったいー

深呼吸してから、圭哉は続きの言葉を口にしようとするー。

しかしー
それよりも先に、舞桜が信じられない言葉を口にしたー。

「仁藤くんと、エッチしたのー」

舞桜の言葉に、圭哉は「えっ…」と、顔を赤くして
表情を歪めるー。

「ーー……え………えっと…そのー」
圭哉は戸惑ってしまうー。

まさか、先手を打たれるとは思わなかったのだー。
表情を歪めながら、なんとか口を開こうとすると、

「仁藤くんと せ・っ・く・す したのー」
と、舞桜が甘い声で強調するかのように囁いたー。

「う、、、嘘だ!」
圭哉は思わず机を叩いて叫ぶー

「舞桜がそんなことするわけない!嘘だ!」
そう、叫ぶー。

周囲のファミレスの利用客が唖然とする中、
舞桜は「ほんとよ」と、笑みを浮かべるー。

「ーーう…う、、嘘だ…」
圭哉は呆然としながらそう呟くと、椅子に座り込むー。

けれどー
圭哉はさらに続けたー。

「仁藤くんに、何か言われたのかー?」
とー。

「ーー仁藤くんに、脅されたりしてるなら、僕がー」

正直ー、
不良男子の仁藤に勝てるとは思えないー。
けれど、舞桜が脅されているというのであれば、
どんな手を使ったとしても、仁藤をー

それにー
仁藤に舞桜が脅されているなら、
担任の芹沢先生の力を借りることもできる。

「ーわたしから誘ったの♡」
舞桜はそう呟くと、圭哉のほうを見つめるー

「ーわたし、こういう女なのよ ふふ
 どう?嫌いになった?」

舞桜が挑発的に呟くー。

「ーお前みたいなつまんない男と、わたしが本気で付き合うと思ったー?」
舞桜はなおも続けるー。

沈黙ー

「ーーー…つまんない男」
舞桜は挑発的にそう呟くと、料理が運ばれてくるのも待たずに
「このあとも男とヤる約束あるからー。じゃあね」

と、笑いながら立ち去って行ってしまうー。

「ーーーー…許さないー」

圭哉はそう呟いたー。
舞桜が、自分であんなことをするはずがないー
あんなことを言うはずがないー

”仁藤くんの仕業だー”
圭哉はそう思って、翌日、仁藤と会う決意を固めるのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー

「ハッ!んなこと知るかよー」

仁藤を呼び出した圭哉は、怒りの形相で、仁藤を問い詰めたー。

正直なところ、仁藤は怖いー。
圭哉は決して気の強い性格ではないし、
むしろ臆病な性格の持ち主だー。

しかしー
”舞桜をあんな風にされて”
圭哉の怒りは頂点に達していたー。

「ーー答えろ…!舞桜に何をしたんだ…!」
圭哉は叫ぶー

仁藤は「うっせぇなぁ」と言いながら
空き教室から立ち去ろうとするー。

だが、圭哉はそんな仁藤の前に立ちはだかるー。

「ーーーあのなァ…」
仁藤はそう呟くと、手に持っていたペットボトルのカルピスを
握りつぶし始めるー。

「ーー俺も、暇じゃねぇんだよ。
 お前の彼女が、俺とヤッたのも、テメェに魅力がないからだろ?
 メスは、強いオスに惹かれるんだよー。
 それが、動物ってもんだろ?」

仁藤の言葉に、圭哉は

「僕たち人間は、動物のオスとメスとは違うー」
と、怒りの形相で仁藤を睨むー。

ペキッー

仁藤が、空のペットボトルを握りつぶすとー、

「ーーーテメェも、こうなりてぇか?」
と、邪悪な笑みを浮かべるー。

しかしー
圭哉は震えながらも、仁藤の道をふさいだままだったー。

舌打ちした仁藤はついに、圭哉に”暴力”を振るい始めたー

殴るー
蹴るー

繰り返される暴力の嵐ー。

喧嘩などしたこともない圭哉は、なすすべもなく
仁藤の暴力の前に、ボロボロにされてしまったー。

「ケッ」
仁藤は唾を吐き捨てると、そのまま立ち去ろうとするー。

だがー

「ーーーー!」
ミシッとペットボトルを握りしめる仁藤ー。

空き教室の出口に、顔から血を流しながら、
圭哉が立ちはだかったのだー。

「ーテメェ…」
仁藤が不愉快そうに呟くー。

「ー死にてぇのか?」
強い口調でそう言い放つ仁藤ー。

けれどー
それでも圭哉は、仁藤に食い下がったー。

「ーー舞桜に何をしたんだ!」
とー。

元々の舞桜とー
豹変した舞桜を思い浮かべながらー
怒りの形相で叫ぶ圭哉ー

「うるせぇよ!」
仁藤は、圭哉に蹴りを食らわせて、
空き教室から出ていこうとするー。

「ーーー!」

それでもー
圭哉は引き下がらないー。
仁藤の腕にしがみつきー、
「舞桜に何をしたー」と、繰り返すー。

「ーーくっ…な…何なんだテメェー」
あまりのしつこさに仁藤が表情を歪めるー

これ以上殴れば、”圭哉がどうなるか分からない”
そんな状況にー
流石の仁藤もひるんだのだろうかー。

よろよろと立ち上がるとー
圭哉はー
仁藤が握りしめていたペットボトルを突然奪い取ったー

そしてー

「ーーーこうなりたくなかったら…!舞桜に何をしたか言うんだ!」

と、鬼のような形相で叫びながら、思いっきりペットボトルを踏みつぶしたー。

あまりの力に、真っ二つに割れて吹き飛ぶペットボトルー。

「ーーーーー」
仁藤は表情を歪めながら、圭哉のほうを見つめたー

血を流しながらー
鬼のような形相で仁藤を睨む圭哉ー

「ーーーーーーーー」
”怖気づいたのかー”

それともー

”面倒だと”思ったのかー
それは分からないー

だが、仁藤は口を開いたー。

「ーーー…星宮(ほしみや)ーーー」
とー。

「ーー…ーーー」
圭哉は涙目で仁藤を睨み続けているー

ペットボトルを踏みにじるようにして、
今にも仁藤の喉元に飛び掛かりそうな怒りの目でー。

「ーーー星宮ー
 俺のダチがーーー…
 お前の彼女にーーー”憑依”したってーーー」

仁藤が言うー。

「ーーひ…憑依ー…?」
圭哉がそう聞き返すと、仁藤は頷くー

「ーお…俺にもよくわかんねぇんだよー
 お前の彼女に、俺のダチの星宮ってやつが憑依したってー…
 そう、言ってたんだー…」

仁藤は、舞桜から突然呼び出されて
”俺は星宮だ”と、言われたのだと言うー。

「ーーこ、この女は俺のものだー、って、アイツそう言ってたー…
 最初は、お前の彼女がふざけてるのかと思ってたー

 でもーー
 お前の彼女…あんな女じゃねぇだろ…?
 信じられねぇけどー
 どう見ても、あの振る舞いは、星宮だー」

仁藤は言うー。

別の高校に通う不良仲間・星宮が、
少し前の文化祭に来た時に、遠目から、舞桜のことを見かけて
「あの子、かわいいなー」と言っていたのだとー。

そして、今の舞桜には、その星宮が憑依しているのだとー。

「ーーーー……ま…舞桜は…舞桜じゃないってことなのか…!?」
圭哉が半泣きで言うー。

「ーーかーー…身体は、お前の彼女の身体のはずだぜー…
 で、でもー中身が、中身が星宮になっていてー…
 今、お前の彼女は、星宮に操られているようなー
 そんな状況でー」

仁藤は動揺した様子でそう呟くと、
圭哉は「何なんだよ!それ!」と泣きながら叫ぶー。

「ーーーー…し…しらねぇ…
 俺も正直、気味がわりぃんだ…
 あんな真面目だった子を、あんな風にしちまうなんて…
 不気味でー…

 いいかー…
 誰にも言うんじゃねぇぞ?」

仁藤がそう言うと、圭哉は、空き教室から飛び出そうとするー

「ーーーー…おい!」
仁藤が声を上げるー。

圭哉が立ち止まると、
仁藤は言葉を続けたー。

「ーーお前の彼女ー
 俺とヤッてる最中にー
 ”愛染(あいぜん)の薬はマジでやべぇな”とか言ってたー

 俺は愛染なんてやつ知らねぇけどー…
 何か関係があるかもしれねぇ」

仁藤が言うと、圭哉は仁藤を睨んでから、
「ありがとうー」とだけ呟いて、そのまま走り去っていったー

「ーーーチッ」
仁藤は舌打ちしてから
「ーわけのわかんねぇことに巻き込むんじゃねぇよ、クソが!」
と、圭哉や、舞桜、舞桜に憑依している星宮への怒りをぶちまけたー

だがー

「ーーーー!」
仁藤は表情を歪めたー

空き教室の入口から、
いつの間にか、舞桜が入ってきていたのだー

「ーーー仁藤さぁ…余計なこと言うんじゃねぇよ」
ガムを噛みながら近寄ってくる舞桜ー

”華奢な女子高生”を前に
体格の良い仁藤がビビっているー。

「ーーーおしおき…しちゃお♡」
舞桜はそう呟くと、舌を出してペロリと唇を舐め回したー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

”マジで最高でしたー
 ありがとうございますー”

先日ー
憑依薬を売った相手からのお礼のメッセージが届くー

それを確認した青年は、冷たい目で
そのメッセージを見つめたー。

まるで”ゴミ”を見つめるかのようにー。

愛染 亮(あいぜん りょう)ー
彼は、表向きは”好青年”な雰囲気を持つ男ー

若くてして身寄りのない子供を預かる孤児院の
経営者でもある彼はー、
”裏の顔”を持っていたー

それは、”憑依薬の売人”

彼は、憑依薬を憎んでいたー。
心の、底からー。

何故なら、
彼はー”大切な人”を憑依薬で奪われたからだー

彼が高校生の時、
愛染の彼女であった莉奈(りな)という少女が
目の前で”男”に憑依されたー。

莉奈は愛染の目の前で弄ばれた挙句ー。
最後にはー

「あはは!あんたのせいで、わたし、自殺しちゃうの!
 あははははははっ!!」

自ら、交差点に飛び出しー、
そのまま、”殺されたー”

莉奈は、憑依されたまま、殺されてしまったのだー。

愛染は、机の上に飾っている莉奈の写真を見つめるー。

「ーー必ず僕は、この世界から”憑依薬”を消し去るー。絶対にー」

その目的を果たすために、彼は
自ら”心の底から憎む憑依薬”をネット上の裏オークションを通じて
販売していたー

愛染の目的は”3つ”だー。

一つ目の目的はー
”憑依薬”をこの世から消し去ること。
愛染は、オークションで憑依薬を売り、
それで得た莫大な資金で、全世界の憑依薬を買い漁り、
さらには工場を買収し、
時には金の力で憑依薬に関係する者たちを叩き潰すー。

二つ目の目的はー、
“女性を道具としてしか見ない男性たち”への復讐。
自分の母や、恋人を奪ったようなやつらへの復讐ー。
憑依薬を売り、抜け出せないと知ったときの絶望をー
そういうヤツらに味あわせる。

3つ目の目的はー
大切な彼女、莉奈に憑依して、莉奈を奪った男を
見つけ出して、地獄を味合わせることー。

愛染の行為によってこれまでに何人もの”犠牲者”が出ているのは事実ー

だが、愛染は”どんな犠牲を出しても、僕が憑依薬をこの世から消し去る”
と、そう固く誓っていたー。

愛染は今日も、”裏オークション”で憑依薬を売りさばいているー。

自らが憎む憑依薬を売りー、
資金を稼ぎ、”憑依薬”に関係する裏社会の繋がりを調べ上げているー。
憑依薬の全貌を知るには、自らが売り、その中枢に入り込むことこそが、
最も近道だと、愛染は考えたのだー。
愛染は次第に”世界各地に存在する憑依薬に関係する製造工場や組織”を
買収ー、着々と”全世界の憑依薬”を手中に収めようとしていたー。

そして、全てを支配したその時ー
愛染は憑依薬をこの世界から消し去るつもりだー。

果てしなく”困難”な目標ー
けれども、やらなければならないー。

”悪魔の力”を消し去るためには、
自らが悪魔になるしかないー。

そんな愛染から、先日憑依薬を手に入れたのがー
圭哉の彼女である舞桜に憑依した男・星宮だったー。

憑依薬を売りさばくー。
その行為が、”更なる犠牲者”を生むことは当然、愛染も理解しているー。
愛染とは面識はないが、愛染の憑依薬により、星宮に憑依された舞桜も、
当然その犠牲者だー。

だがー
こうして、憑依薬を売り捌き続けていれば、
いつの日にかー
大切な彼女・莉奈に憑依した”男”にも
また出会うことができるー。

その時こそー
”莉奈を弄んだ罪”を償わせるのだー。

「ーねぇねぇ、遊ぼうよ~!」
子供たちに呼ばれる愛染ー

「ーーははは…蘭子(らんこ)ちゃんは今日も元気だなぁー
 わかったー。ちょっと待ってて」

愛染は、そう言いながら立ち上がったー。

この孤児院にいる子供たちはー
”憑依の犠牲者”の残された家族たちー。

愛染自身が売り捌いた憑依薬による”犠牲者”の子供もいるー。

「誰に憎まれても構わないー
 それでも僕はー憑依薬をこの世から、消し去るまでー
 止まらないー」

愛染は、隣にいた執事風の雰囲気の男に向かって
「ーこれをお願いできますか?と言うと、執事風の男は
「はい」と頭を下げるー。

彼は、愛染の”協力者”で、
愛染と同じように、憑依薬を憎む人物だー。
ある時、愛染と出会い、それからは愛染と共に
憑依薬撲滅を目指しているー。

男に仕事の引継ぎをした愛染はー、子供たちの方に向かって
笑顔を向けながら、子供たちの方の方に向かおうとするー

「ーーーーー!」
しかしー、愛染は鋭い目つきで自分のほうを
睨んでいる学生を見つけて、「ごめん、ちょっと待っててもらえるかい?」と、
孤児院の子供たちに向かって言い放つと、
「え~」と、言う子供たちに向かって「ごめんごめん」と優しく笑うー。

そしてー
愛染は、自分を睨みつけていた男子学生の方にやってきたー。

「ーーーー…愛染 亮という人に会いたいのですが」

孤児院にやってきたのはー
彼女の舞桜が憑依されて豹変してしまいー
なんとかして、元に戻そうと考えている男子高校生・圭哉だったー。

愛染は、そんな圭哉を見つめながら、静かに口を開いたー。

②へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

憑依空間「5周年」記念作品の第2弾デス~!
(第1弾と繋がりはありません!)

今回は、長めのお話をご用意したので、
たっぷり楽しんでくださいネ~!

憑依<憎しみの終着点>
憑依空間NEO

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