<入れ替わり>ラーメンチェンジ~混乱編~(前編)

ラーメン屋の店主と
女子高生が入れ替わってしまったー!

強引に、女子高生の身体になった店主に見張られながら
店主として、ラーメン屋に立たされることになってしまう彼女ー。

しかしー
騒動は思わぬ方向に向かい始めていたー…!

※「ラーメンチェンジ」の後日談デス!

本編は←からご覧ください~★

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

女子高生の深雪(みゆき)は下校中に偶然、
頑固なラーメン屋の店主・角蔵(かくぞう)とぶつかって入れ替わってしまい、
角蔵の身体で、ラーメン屋の店主として、1日だけお店をやることになってしまったー。

バイトの設定で、深雪になった角蔵が見張っている中、
ドタバタしながらもなんとか、
1日の営業を終え、
深雪(角蔵)も、”一緒に元に戻る方法を探そう”と約束してくれたー。

しかしー。
その時、トラブルは起きたー。

店にやってきていたクレーマー男がトラブルを起こし、
店で乱闘状態になってしまいー、
その結果ー、
店に居合わせた常連客の男と、深雪の友人、瑞姫(みずき)を
巻き込んで”5人”が入れ替わってしまったのだー。

「ーー…こ、これはー」
クレーマー男の迷惑行為で通報を受けて駆け付けた警察官2名が
店内の状況を見つめたまま困惑しているー。

深雪になったクレーマー男は、
学校のジャージから制服姿に着替えて、店内の端っこのほうで
ニヤニヤしながら自分の胸を揉んでいるー。

店主の角蔵になった瑞姫は「こ…これは…あの…」と、
警察官に説明を余儀なくされているー。

「ーークレーマーっていうのは、この人ー?」
警察官の言葉に、
クレーマーの身体になってしまった深雪は
「ち、ち、違いますー」と、
戸惑いの表情を浮かべるー。

このままでは
”深雪がクレーマー男として逮捕されてしまうー”
そう思った常連客の男の身体になった角蔵は、
「ーち、違いますー。クレーマーはもう店から出ていきましたー」
常連客(角蔵)がそう言うと、
警察官は「あぁ、なるほどー」と、呟くー。

だがー
”様子のおかしな女子二人”の方に駆け付けた二人の警察官は
視線をずらすー。

胸を揉みながら喘ぎ声をあげて気持ちよさそうにしている
深雪(クレーマー男)と、
少し離れた場所で恥ずかしそうに座っている瑞姫(常連客の男)ー。

「ーーーー…」
警察官二人は戸惑いの目線でその二人をしばらく見つめると、
「あそこの二人はー?」
と、店主の角蔵に尋ねるー。

角蔵の中身は、元々ラーメン屋店主・角蔵と入れ替わっていた
女子高生・深雪の友人、瑞姫ー。
角蔵(瑞姫)は少し戸惑った様子を見せながら
「う、うちのお客さんですー」と呟くー。

店主の角蔵も、深雪も瑞姫も、常連客の男も、
元々は警察が到着したらクレーマー男を突き出すつもりだったものの、
全員が入れ替わり当事者になってしまった以上、
そうするわけにはいかなかったー。

店側が呼んだ警察官が、今、この状況においては
”逆に厄介な存在”になってしまっていたのだったー。

特にー、
クレーマー男に身体を奪われてしまう形になった深雪からしてみれば
災難でしかない。

下手な動きをすれば、深雪の身体で何か大変なことを
しでかしかねないし、そんなことをされたら
深雪が警察に連行されるー
みたいなことになりかねないー。

「ーーでは、これで失礼しますー」
”逃げた”クレーマーの特徴を適当に説明した角蔵(瑞姫)ー。

警察官二人が立ち去っていくと、
角蔵(瑞姫)は「は~~~」と呟くー。

「ーーへへへへ…そうするしかねぇよなぁ」
胸を触りながら深雪(クレーマー男)は笑みを浮かべるー。

”普段の深雪”
”店主の角蔵が中身だった深雪”
”クレーマー男が中身の深雪”

同じ深雪の身体なのに、
3つの状態の深雪の顔写真をもしも並べたら
”別人のようなオーラ”がそれぞれ溢れているー。

そんな状態ー

”3つの深雪”を全て知る瑞姫は、
角蔵の身体で「なんか、イイー」と、笑みを
浮かべながらひとり、呟いた。

「な、何もよくないけど!」
クレーマー男の身体で角蔵(瑞姫)に対して
深雪が言うと、角蔵(瑞姫)は「ご、ごめん、ついー」と、
笑いながら謝るー。

「ーーへへへへ…まさか…それにしても
 こんなことが起きるなんてなぁ…夢みたいだぜ…
 へへへ…これがスカートか…たまんねぇな」
深雪(クレーマー男)がニヤニヤしながら
自分のスカートを嬉しそうに触りー、
自らめくったりして笑みを浮かべているー。

「ーぐっおっ!?」
深雪(クレーマー男)が突然スカートをめくったのを
目の前で見ていた瑞姫になった常連客が、
瑞姫の身体で顔を真っ赤にして鼻血を噴き出すー。

「ーちょ!?!?わ、わたしの身体で鼻血出さないでください!」
角蔵(瑞姫)が言うと、
瑞姫(常連客)は「店長の身体で、その喋り方は違和感がすごい!」と、
鼻血を流しながら叫んだー。

「ーわ、わたしだって好きに店長さんになってるわけじゃないですし!」
角蔵(瑞姫)が顔を赤らめながら言うと、
常連客の身体になった角蔵が戸惑いながら呟いたー

「なんか俺はー、今度は…あんまり、変化がないなー」
常連客(角蔵)が、周りを元気づけようと思ったのか
苦笑いしながら言うー。

さっきまで”じいさん”であった自分の身体から
いきなり”女子高生の身体”になっていた角蔵は
性別も、年齢も、何もかもが違う”身体”を体験したー。

だが、今度の常連客の身体は、
性別は同じだし、年齢はある程度離れているとは言え、
中年の男性だー。

もちろん、角蔵本人の身体とはかなり感覚が違うのだが、
さっきまで、深雪の身体であったことから、
変化をそれほど強く感じなくなってしまっていたー。

「まぁ、俺はこの方が楽だなやっぱり。
 髪も邪魔じゃねぇし」

常連客(角蔵)が言うー。
深雪の身体でいる間は、何度も髪に苛立っていたー。

それに比べれば、常連客の身体は十分扱いやすい
身体であると言えたー。

「待って!
クレーマー男(深雪)が叫んだー。

雑談をしていた常連客(角蔵)と、瑞姫(常連客)が振り返るとー
深雪になったクレーマー男が店からさりげなく外に
出ていこうとしていたー。

「ーわたしの身体を、返してください!」
クレーマー男(深雪)が叫ぶと、深雪になったクレーマー男は笑うー。

「ーーへへへへ…どうせ俺の人生なんてつまらねぇ人生なんだー。
 だったらお前みたいなJKの身体、持ち逃げした方が
 楽しいに決まってるー!」

深雪(クレーマー男)がニヤニヤしながらそう呟くー

「ーお前の代わりに俺が女子高生やってやるよ!
 へへ…彼女も作っちゃおっかなぁ~
 今の子なら、女同士でもあんま抵抗ねぇんだろ?」

深雪(クレーマー男)の言葉に、角蔵(瑞姫)は「ちょっと!
深雪の身体を返しなよ!」と、おじいさん声で叫ぶー。

見た目が頑固そうなおじいさん、という風貌の角蔵なのに、
女子高生喋りなので、違和感は、限界突破ー…と言える状況だー。

「ーーその通りだ!お前、いい加減にしろよ!」
瑞姫(常連客)が、ようやく鼻血が止まったのか、
立ち上がって、クレーマー男に文句を言うとー、
深雪(クレーマー男)は笑みを浮かべてからー
突然、スカートをめくって、その中身を見せつけたー。

「ぶふっ!?」
瑞姫(常連客)が再び瑞姫の身体で鼻血を出して
その場に倒れ込んでしまうー。

「ーちょ!?ちょっとぉ!?」
角蔵(瑞姫)が叫ぶー。

「ーーへへへ ちょろいもんだぜ」
深雪(クレーマー男)は笑みを浮かべながら、
スカートを元に戻すと、そのまま店の外に出ていこうとするー

「待ちなさいよ!」
角蔵(瑞姫)が、深雪(クレーマー男)の腕を掴んだー

「ーー深雪の身体を持ち逃げなんて、させないから」
その言葉に、クレーマー男になった深雪も、
常連客の男になった角蔵も、その様子を見つめているー。

だがー

「きゃああああああああああああああっ!」
店の入り口付近にいた深雪(クレーマー男)が突然
叫び声をあげたー。

ラーメン屋の扉が開かれて、
周囲の通行人たちの一部が、ラーメン屋のほうを凝視するー

「ーこのおじさんが、無理やりわたしを!」
深雪(クレーマー男)が叫ぶー

角蔵(瑞姫)は「え…」と、戸惑うー。

周囲からすれば
”ラーメン屋店主のおじいさん”が”女子高生”の腕を
掴んでいるようにしか見えないー
そんな、光景ー。

「ーーえ、あの、これはー」
角蔵(瑞姫)が戸惑っていると、通行人たちの”警察、呼ぶか?”という
小声の話声が聞こえて、角蔵(瑞姫)は思わず腕を話してしまうー

深雪(クレーマー男)は、
店内にいる他の4人を見つめながら笑みを浮かべると
「ーJKお買い上げだぜ!」と、叫んでそのまま外に
出て行ってしまったー。

「ーちょっと!」
角蔵(瑞姫)と、クレーマー男(深雪)が叫ぶー。

だがー、二人の身体では”同じように痴漢扱い”
されるのがオチだー。

「ーは、鼻血出してないで追いかけて!」
角蔵(瑞姫)が言うー。

”深雪の身体”を捕まえても、騒がれない唯一の存在ー、
瑞姫(常連客)は、鼻血が止まらず、
役に立たなかったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夜遅くなりー、
クレーマー男(深雪)は戸惑っていたー

スマホには、両親からの”帰りが遅いことを心配する連絡”が
何通も届いているー。

「どうしようー」
クレーマー男(深雪)が戸惑いながら呟くー。

「ーーーーー」
角蔵(深雪)も、暗い表情だー

常連客(角蔵)は「こんなことになって申し訳ない」と、
頑固さも忘れて、謝罪の言葉を口にしたー。

とりあえず、”この場にいる身体”の組み合わせだけでも
元に戻ることができればー
と、4人は色々試してみたー。

だが、角蔵も、瑞姫も、常連客も、元の身体に
戻れない状態が続いていたー。

やがて、時間が遅くなってしまい、
角蔵(瑞姫)は瑞姫になった常連客に対して
「あ、、あの…!」と、困惑の表情を浮かべながら近づけるー

「これ以上遅くなると、親が心配するのでー」
角蔵(瑞姫)の言葉に、瑞姫(常連客)は困惑の表情を
浮かべながら話を聞くー

「い、一度…家に…帰ってもらえますか…?」
角蔵(瑞姫)にそう言われた瑞姫(常連客)は
「えっ…!?えぇ…!?俺が、君の身体でー?」と
不安そうな表情を浮かべるー

不安そうな”自分”の顔を見て
角蔵(瑞姫)は、さらに不安になるー

「このままだと親に心配かけちゃいますしー、
 それに…たぶん警察に通報したりするかもしれないのでー」

瑞姫は”親に心配をかけたくない”という気持ちと
”事件沙汰”にしたくないという気持ちでいっぱいだったー

「ーーで、でもー…もう、警察に相談するしかないんじゃねぇか?」
常連客の身体になった角蔵が言うー。

”素直に入れ替わってしまったことを打ち明ける”
それしかないような気がするし、
このまま”その場しのぎ”を続けても、
行き着く先に、光は見えないー。

そもそも、深雪の身体を奪ったままクレーマー男も
逃亡してしまっているー。

もう、”ここにいる4人”の力で
どうにかできる段階は、とっくに超えてしまっていたー。

「ーーー…」
沈黙する4人ー。

やがて、クレーマー男(深雪)は「それしかないと思うー」と、
瑞姫(常連客)のほうを見つめて呟いてから、
「あっ!瑞姫こっちだったー」と、角蔵(瑞姫)のほうを見て言い直すー。

4人はー
しばらく考えてから、
ついに”警察”に助けを求めることにしたー。

”入れ替わってしまった”
そんな話が本当に信じてもらえるのかどうか、不安に思いながらー。

<中編>に続く

・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

「ラーメンチェンジ」の後日談デス~!
見たい、というお声があったことと、
続編も書けそうだったので書いてみました!
(※見たい!というご要望が必ず叶うわけではありませんのでご了承ください~!☆)

土曜日だけ直接書く時間が取れないため、
いつも通り、続きは来週になってしまいますが、
(土曜日の作品だけ、1週間に1話進行デス)
来週もぜひ楽しみにしていてくださいネ~!

コメント