<入れ替わり>お父さんが新成人!?①~トラブル~

成人式当日ー。

成人式をこの日迎える娘と、
ちょっとHな父親が入れ替わってしまった…!!

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成人式の朝ー。

「お父さんまだかなぁ~」
今日は、朝から忙しいー

ヘアメイクに着付けにとー、
ハードスケジュールな朝を過ごした
今日、成人を迎える美愛(みあ)は、
ようやく、成人式出席のための準備を終えて、
これから成人式会場に移動するところだったー。

ちょうど、先ほど父親に送ったLINEの返事が届き、
”もうすぐ近くにいるから、この先の通りに出てきてほしい”とのことだったー。

成人式当日ー
父親がちょうど会社が休みなこともあって、
美愛は、父親にお願いして
成人式の会場まで送ってもらうことになっていたー。

慣れない格好での移動ー。

「ーーやっぱり歩きにくいなぁ~」
そんな風に思いながらも、そわそわとしながら
父親との合流地点に移動すると、
父親の車が、まもなく登場したー

「お~~~」
美愛の振袖姿を見て
「同級生の子たち、みんな美愛を見たらドキドキだなぁ」と
ニヤニヤ笑う父親ー

「も~!みんながみんな、お父さんみたいな考え方じゃないの!」
美愛はそう言うと、
父・昭二(しょうじ)は、「ははは」と笑いながら
「ー車に乗るとき気をつけろよ」と、呟いたー。

美愛が車に乗ったのを確認すると、
昭二は車を走らせ始めるー。

車を走らせながら雑談する二人ー。

美愛と、父・昭二は今でも普通に話すことのできる
良好な間柄だー。

「ーーお父さん、どうせ、こういう格好した子を見て
 ニヤニヤしてるんでしょ?」
美愛が後部座席から言うと、
昭二は「はははっ!なんでわかったんだ?」と、苦笑いするー。

「も~!お父さんってばホント、下心丸見えなんだから」
美愛が困り果てた様子で呟くー

父・昭二は、ちょっとHなところがあるのがたまに傷ー。
だが、犯罪を犯すわけではないし、
相手が嫌がるようなことは基本的にはしないためー、
家族思いの良い父親であると、美愛は思っているー

今のような”父親の下心”を指摘するような
会話は、日常茶飯事だー。

「ーーいや、でも、美愛、ホント可愛いよー
 親の俺が言うのもなんだけど」

昭二の言葉に、美愛は顔を赤らめながら
「ちょっ!いきなりそんなこと言わないでよ!?」と、
戸惑うー。

「ほら、そういうの、何ていうんだっけー?
 
 あ、そうそう、親バカ!」

美愛が思い出したように言うと、
昭二は「ーー親バカだっていいんだよ」と、苦笑いしながら
後部座席のほうをちらちらと確認するー

だがーー
その時だったー

「ーーー!!!!」
後部座席に座っている美愛の振袖姿が気になって、
ミラーでチラチラと確認していたせいで、
信号無視をしたバイクに気付くのが遅れてしまったー。

あまり車やバイク、歩行者のいない道であることも
油断に繋がったのかもしれないー。

咄嗟にハンドルを切る昭二ー

「きゃあっ!?!?!?」
美愛の身体が激しく揺さぶられると同時にー
車はガードレールに衝突して、停車したー。

「ーーーーっっ…」
あまりの激しい衝撃に、一瞬気を失ったような気がしながらー
美愛が身体を起こすー。

「ーーっ……やっちまったー…」
父・昭二がそう呟くとー、
続けて「ーーまぁ、でももう、成人式の会場まで
すぐそこだし、ここは俺に任せて、美愛はーー」
と、言葉を口にしてー
そこで、言葉を止めたー。

「ーーーえ?」

「ーーーーん?」

二人は、困惑するー。

幸い、怪我はない様子だがー
何かが、おかしいー

「ーー美愛はーー先に成人式の会場にー」
父・昭二が再び美愛に”ここは俺がなんとかしておくから
成人式に向かって”と伝えようとするとー、
「…俺…なんで後部座席にー…?」と、呟くと同時に、
自分の声が”女の声”になっていることに、理解が
追いついていない様子で、戸惑うー

「ーーえ……こ、、これー」
娘の美愛も困惑しているー

美愛は、視線を動かすー。

”なんで、わたし運転席にー?
 それにーこの声ってー?”

何が起きているのか分からないー
そんな風に思いながら、
美愛が後部座席の方に視線を動かすとー
そこにはー”美愛”がいたー

「ーえぇっ!?!?!?」
美愛が声を上げたー

…と、本人はそう思っているのだが、
実際に声をあげたのは、父の昭二ーー
いや、”父の昭二の身体”だったー。

「ーえ、、え、、、…わ、わたしがもう一人ー!?
 って、いうか、何で…え????
 わたしの口からお父さんの声がー!?」

昭二の身体になってしまった美愛が
”何が起きているのか理解できない”という様子で叫ぶと、
後部座席ににた美愛の身体になってしまった昭二が
「ーど…ど…どうなってるんだいったい!?」と、美愛の声で叫ぶー。

「ーー…こ、これってー」
昭二(美愛)が、”後部座席にいる自分”の姿を見つめながら
唖然とした様子で口をパクパクさせて、
「ーーわ、、わたしと…お父さんの身体がーー…入れ替わっちゃったのー!?」と、
戸惑いの声を上げたー

「ーま、、まさか…そんなことー?」
美愛(昭二)はそう言いながら、車の鏡のほうを見つめるー。

”そんなことあるはずがない”
そう思ったものの、
鏡には、娘の美愛の姿が写っているー

試しに、左目を瞑ってみると、
鏡に映る美愛も左目を瞑るー。

「ーーー……」
美愛(昭二)は「まさかこれって本当にー」と、
そう呟くと、不安そうにしている昭二(美愛)のほうを見つめるー。

「ーーーーー」

そしてー
”本当に入れ替わっているのか”試す目的で、
美愛の胸を両手で揉んでみるとー
鏡の美愛も胸を両手でーー

「ーちょ!!!バカ!」
昭二(美愛)が叫ぶー
美愛(昭二)が「あ、いやーつい…」と、すぐに手を離すと、
運転席から離れようとした昭二(美愛)が、「痛っ!」と、
立ち上がることができずに叫んだー。

「ーーだ、大丈夫かー?」
美愛(昭二)がそう言いながら、後部座席から下りて、
運転席の方に向かうー。

事故の衝撃で、昭二の足は”骨折”してしまっていたー。

「ーーだ、大丈夫だと思うけどー…ちょっと立てないー」
昭二(美愛)の言葉に、美愛(昭二)は事故を起こしたことを
警察に伝える連絡を入れるー。

「ーーでも、どうしようー…成人式ー」
昭二(美愛)が不安そうに呟くー。

美愛が昭二の身体で成人式に行くわけにはいかないしー
そもそも昭二の身体は”骨折”してしまっていて、
身動きを取ることができない状態だー。

かと言って、昭二が美愛の身体で成人式に出席しても、
それは”美愛の楽しみを奪うこと”になってしまうし、
”美愛の一生に一度の思い出”を奪うことになってしまうー。

だから、そのようなことをするわけにもいかないー。

「ーな、何で入れ替わっちゃったんだろうなー…」
美愛(昭二)はそう呟きながら
「も、もう一度入れ替わればー…美愛は成人式の方にー」と、
なんとか”もう一度入れ替わる方法”を頭の中で探すー。

だが、そんな方法、すぐに思いつくはずもなく、
立往生することになってしまうー。

そうこうしているうちにパトカーがやってきて
「大丈夫ですか?」と、声をかけてくるー

美愛(昭二)は、娘のフリをしながら
事故の事情を説明し、
ちょうど数か月前になんとなく購入していた
ドライブレコーダーで、信号無視のバイクが
飛び出してきた映像などを警察官に見せながら説明するー

骨折した昭二(美愛)を確認した警察官の一人が、
救急車などを手配し、車の状況も確認するー。

「ーーあ、そっかー」
もう一人の警察官はそう言うと、
「君は成人式かー…このままじゃ遅れちゃうだろう?」と呟いてからー
「ーーパトカーで送っていくよ。そんな遠くないし」と、笑みを浮かべるー。

”善意”
なのだろうー

だがー

「えっ…?」
美愛(昭二)が戸惑うー。

昭二(美愛)も何か言いたげだー。

しかしー
”入れ替わっちゃって”などとも言えずー

そのまま、流れに流されるようにしてー
美愛(昭二)は、パトカーで成人式の会場のすぐそばにまで
送られてしまったー

「ーーーお父さんのことは、心配しなくていいー
 楽しんでおいで」
気さくな年配の警察官はそう言うと、そのままパトカーで
走り去っていったー。

事故現場に戻るのだろうー

「ーーーー」
成人式会場のすぐそばに、一人残されてしまった美愛(昭二)は
困惑するー。

「ーーど…どうする…?」
美愛(昭二)はすぐに、昭二になってしまった美愛がいる
事故現場に戻ろうとしたー。

しかしー

「あ、美愛!久しぶり~!」
その言葉に、美愛(昭二)は振り返るー。

「ーーえ??え…?」
美愛(昭二)が困惑していると、
同じぐらいの年齢の着物の女性が、
「ーーちょっと~!?わたしのこと忘れちゃったの~?」と
笑いながら自己紹介を始めたー

どうやら、美愛の中学生時代の同級生のようだったー

「ーあ、あ~~!思い出した!
 あ、、あまりにも綺麗になってるから
 わ、分からなかった~!
 はは、はははははは」

美愛(昭二)は笑いながら誤魔化して何とかその場を
やり過ごそうとするもー
他にも知り合いらしき人が集まってきてー
ついにはそのまま流されて成人式の会場に
入ることになってしまったー。

(おいおい…これじゃ…美愛の身体で俺が成人式に…)
そんな風に思いながらも、もう引き返せないと悟りー、
仕方なく、そのまま美愛として成人式に
出席することにしたー。

(…に、してもーー)
”振り袖姿の女性”の感覚を始めて味わう昭二ー。

”なんか、動きにくいしー…髪のあたりもすごく違和感があるなー”
そう思いながら、そわそわする美愛(昭二)ー

この”違和感”は、
振袖姿だからーなのだろうか。
それとも、女の身体になったからなのだろうかー。
色々分からないまま、美愛(昭二)は、友達に流されるまま、
成人式会場内で”久しぶりに再会する同級生”たちと話をしているー

「も~!美愛ってばさっきから、誰が誰だか気づくの遅いよ~!」
最初に再会した友達が笑いながら言うー。

「ーーえ、、あ、、あははははは」
美愛(昭二)は何とか笑ってごまかしながらも、
”っていうかーみんな、美人だなー”と、
少しドキドキし始めていたー

”いやー”
美愛(昭二)は、自分の綺麗な手を見つめるー

「ーー美愛も美人だったー」
思わず、自分の娘を褒める言葉を口にしてしまう
美愛(昭二)ー

「え?」
友達の一人がその言葉に反応したものの、
昭二は咄嗟に「あ、うん!なんでもない!」と、美愛の声で
誤魔化したー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(ど、どうしてこんなことにー?)
昭二(美愛)は警察官たちに助けてもらいながら
病院にたどり着いていたー。

骨折の診察や処置などを受けながらもー
困惑する昭二(美愛)ー

やむを得なかったこととは言えー、
こんな状況になってしまって困っているし、
父が”わたしの代わりに成人式”という状況には
正直、困惑しているー。

あの時、警察官たちに”わたしたち、入れ替わっちゃったんです!”と
言える空気じゃなかったことは、当然昭二(美愛)も理解しているー

しかしー

(そういえば…お父さん…大丈夫かなぁ…)

父・昭二は”たまにHなところがある”ー
娘の美愛は、そんな父に対してよく苦言を呈していたー。

「さすがに、変なことはしないと思うけどー…」
昭二(美愛)はそんな風に呟きながら、一人、病院内で
不安そうな表情を浮かべたー

②へ続く

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コメント

成人式のシーズンなので、
成人式入れ替わりデス~★!

朝は寒くて眠くてドタバタなので大変デス!

お読みくださりありがとうございました~!

コメント

  1. 匿名 より:

    成人式は急速なコロナ感染拡大に伴いほとんどの地域で中止延期になりました。いくら予定していても時事ネタは社会情勢に合わせて延期または変更して欲しかったです。

    • 無名 より:

      コメントありがとうございます~!☆

      これは難しい問題ですネ…

      コメントを頂きましたように「内容を配慮してほしい」というご意見も
      ある一方で、全く正反対の意見、
      「そのまま書いてほしい」人や
      「現実と絡めないでほしい」という人もいらっしゃいます。

      この両側の意見を「全て叶える」ことは、
      大変申し訳ありませんが、出来ませんので、
      憑依空間では基本的に”一度公開したスケジュール通り”に
      執筆していくことにしています!

      せっかくご意見を頂いたのに申し訳ありませんが
      よろしくお願いします!

      ご意見自体は、今後の大切な参考にさせていただきます!!

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