美少女だらけの運動会ー
しかし、その運動会は
”普通”の運動会ではなかったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
とある巨大施設の敷地内にあるグラウンドー。
外部の人間の立ち入りが固く禁じられていて、
敷地の外からでは見えないそのグラウンドで、
美少女たちが、楽しそうに何かをしているー。
美少女たちが楽しんでいるのはー
”玉入れ”だったー。
運動会で定番の競技で、
メイド服の女や、チャイナドレスの女、バニーガール姿の女、
セーラー服姿の女、色々な格好をした美少女たちが
笑いながら玉入れを楽しんでいるー。
真剣にやっているものもいればー
わざとなのか、自分のスカートがめくれても構わない、と
言わんばかりにぴょんぴょん飛び跳ねている女ー
そして、それをしゃがみながら、覗いている女までいるー。
ここではー
”参加者が全員美少女”の運動会が行われていたー
玉入れが終わると、メイド服の女が
「ー汗かいちゃったぁ~」と、嬉しそうに笑うー。
そこに寄ってきたOL風の女がメイド服の女の匂いを嗅いで
「女の汗~ふへへへ」と、笑うー。
「ーわたしも汗かいちゃったから、ちょっと脱ごうかな」
近くにいたナース服の女がそう呟くとー
次の瞬間ー
彼女は、脱いだー
だがー
”脱いだ”のは服ではないー。
”自分自身”を、だー。
「ーーおいおい~!汚い中身見せるなよ~」
周囲にいたチャイナドレスの女が、椅子に座って自分の
足を触りながら笑うー。
ナース服の女が、”着ぐるみ”のように脱がれて、
口をぽかんと開いたような無表情な顔になっているー。
中から”半分だけ”出てきたのは、
禿げ頭のおじさんだったー
「ーだって仕方ないだろぉ~?汗かいちゃったんだから」
ナース服の女の中から出てきたおじさんがそう言うと、
「ーーきも~~~い」と、ギャル風の女が呟くー。
「へへへへ…ギャルにそんな風に言われるとゾクゾクするぜ」
おじさんは、自分の汗を拭き終えると、
再びナース服姿の女の”皮”の身に着けて、笑みを浮かべるー
「ーー現在の得点は、紅組140点 白組120点ー」
マイクを持った姫のような姿をした女が微笑みながらそう言い放つー。
まるで、物語に出てきそうな豪華なドレスに身を包んでいて、
本当の”姫”かのような女だー。
「ーー続いては「綱引き」ー」
姫がそう言うと、集まった美少女たちは笑みを浮かべるー。
「ー華奢な女の子たちが必死に綱を引くとか興奮するよな」
巫女服の女がニヤニヤしながら言うと、
「この変態め!」
と、OL風の女が言うー。
「ーあんたに言われたくはないね~!」
巫女服の女がそう反論すると、ニヤニヤしながらOL風の女が笑うー
そして、綱引きが始まるー
色々なコスプレ姿の美少女たちが、可愛らしい声を上げながら
必死に綱を引いているー。
彼女たちはーー
”全員”ー女性であって、女性ではなかったー。
いやー、
ここに集まっている”身体”は正真正銘、
全員女性のものだー。
しかしー
中身が”女性”ではないー。
今、ここに集まっている美少女たちは、全員”皮”にされて、
”乗っ取られて”いたのだー。
参加者全員が”自らの意思”とは関係なくー
コスプレ衣装を着せられて、
運動会をさせられているのだー。
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1週間前ー。
「はぁ~~~…つまんねぇな!くそっ!」
一人暮らしの中年の男が路上の空き缶を蹴り飛ばすー。
仕事でうまく行かず、イライラしていただけではなくー
私生活でも気に入らないことがあって、男はイライラとしていたー。
「あの上司、引き裂いてやろうかー」
男は、そんなことを呟きながら路上を歩くー。
元々性格難の男は、40代になって、友人も恋人もおらず、
常にイライラしているような生活を送っていたー。
「ーーーー荒れているようですねー」
背後から声がして、男が振り返ると、
そこには、優男ー、と言えば良いのだろうかー。
穏やかな笑みを浮かべた男が立っていたー。
「ーーな、なんだお前はー!」
男が言うと、優男は笑みを浮かべたー。
「ーーどうです?来週行われる”運動会”に出てみませんか?」
優男にそう言われた男は
「う、運動会?」と、声を裏返しながら叫ぶー。
突然、”運動会に出ませんか?”と知らない男から
言われたら誰だって戸惑うだろうー。
「な、何を言ってるんだお前は!?」
男が言うと、
「ー美少女が集結する”美少女運動会”ですー。
興味はありませんか?」
と、優男は笑みを浮かべるー。
「ーかわいい少女たちだけが参加する運動会です」
「ーーー美少女運動会ー?
はっ!笑わせるなよ!俺のどこが美少女に見えるんだ?」
中年の男は思わず失笑したー。
”可愛い少女だけが参加する運動会に出て見ませんか?”と
誘われているー
これほど、馬鹿なことはないー。
「ーーえぇ。どう見てもただのおっさんですー。
それも、小太りで、卑屈なオーラが出ている
醜いおっさんです」
優男の言葉に
「んだとコラ!?」と、中年男は表情を歪めるー。
「ーーーですが!」
優男は、声を上げるー。
「ーーだからこそ、お声をお掛けしているのですー。」
ますます意味が分からないー
中年男が、怒る気も失って優男のほうを見つめるとー
「あなたが、美少女になって、運動会に参加するんですー」
と、言いながら、優男は何やら小さい紙を差し出したー
”美少女運動会”と書かれた紙と
場所・日時が書かれた紙ー
それを渡された中年男が表情を歪めると、
「ー信じるか、信じないかはあなた次第ー。
お待ちしていますよー」
と、笑みを浮かべて、中年男の返事を聞く前に、
優男はそのまま立ち去って行ったー。
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指定された日時ー。
妻と娘に逃げられた禿げ頭の男が、
”指定された会場”にやってくるー。
先日、優男から誘われた男とはまた別の男だー。
男も、先日の中年男と同じように
”美少女運動会”に誘われた人間の一人ー。
招待されたのは、まるで”大企業”のような
広大な敷地の前で、
入口には、厳重な警備が敷かれていたー
中には色々な建物から、公園のような広場まで、
色々な施設・設備が見えるー。
「ーーこんなところで、何をするんだー?」
禿げ頭の男が呟くと、警備員らしき男が
”招待状を”と、呟くー。
そして、中に入る禿げ頭の男ー
中に入るとー
巫女服の女が「お待ちしていましたー」と頭を下げるー。
「ーーお、、おぅ」
禿げ頭の男は、急に美少女が出てきたことに驚きながら
「ーこれから、あなたには美少女になっていただきます」と、
巫女服の女が呟くー。
「ーーど、どういうことだ?」
禿げ頭の男が呟くと、巫女服の女は静かに微笑んでからー
”更衣室”と書かれた部屋に禿げ頭の男を案内したー
そこにはーーーー
”皮にされた美少女たち”と、”数々のコスプレ衣装”が、
置かれていたー
「これからあなたには好きな”身体”と”服”を選んで
美少女になってもらいますー」
巫女服の女が言うと、禿げ頭の男は困惑した様子で
「これは…なんだー?」と、呟くー
「ーー”皮”と”服”を選べば、
あなたも”わたし”のようにー
可愛い女の子になれるんですよ?」
巫女服の女がクスッと笑うー。
「ーーそ、、それはーー…どういうー?」
禿げ頭の男が、未だ戸惑っているとー
巫女服の女は「”選べば”わかりますー」と、静かに笑みを浮かべたー。
一人ひとり、それぞれ順番に、そうして案内されてー
やってきたのが、敷地内のグラウンドー
”自分が美少女になれたこと”を、信じられないと思いつつも
喜んでいたおじさんたちはー
そのまま言われるがままに”運動会”を楽しんでいたのだったー。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
綱引きが終わり、美少女たちが疲れ果てた様子を見せるー。
「ー綱引きは、紅組の勝利です!」
姫のような姿をした女が、そう宣言し、
紅組160点、白組120点と表示されるー。
競技が終わると、次の競技が始まるまでの間、
美少女の皮を着こんだ男たちは
ニヤニヤとしながら、自分の胸を触ったり、
可愛らしい声で卑猥な言葉を口にさせてみたり、
色々なポーズを取ったりして楽しんでいるー。
「しかしすげぇよなぁ…」
レオタード姿の女が呟くー
「ーまるで、本物の人間みたいだー」
とー。
「ーーーーー」
その言葉を聞いた進行役の姫のような姿をした女は
笑みを浮かべるー。
”本物の人間みたいー?”
クスッと笑う姫ー。
”お前たちが着ている皮はー
全部”本物の人間”なんだけどなー”
そう思いながら、笑みを浮かべる姫は
次の競技を宣言するー。
次の種目は「騎馬戦」
「へへへへ…この格好で騎馬戦とか、ゾクゾクするなぁ」
メイド服姿の女が言うと、
上になる人間を、紅組と白組が決め始めるー。
「ーやっぱり、スカートがめくれそうな感じの子がいいでしょ」
ニヤニヤしながら言うOL風の女ー。
「ーー下から見えちゃう快感…興奮するなぁ」
セーラー服姿の女が上に乗り、
もう一方のチームは、チアガール姿の女が上に乗るー
騎馬戦が始まり、
下で支える立場の美少女たちは
「この姿だと、力がでな~~い!」と、嬉しそうに騒いでいるー。
「ーーーーーー」
姫のような姿をした女は、その光景を見つめながら、
笑みを浮かべるー
「ーー”テスト”は順調ですー」
耳元に装着されたマイクを通してそう呟く姫の姿をした女ー。
”わかりました 引き続き”運動会”を続行してくださいー”
「ーーー了解ですー」
姫の姿をした女が、そう呟いていると、チアガール姿の女のほうが
悲鳴を上げて、騎馬戦に決着がついたー。
「白組の勝利です!おめでとうございます!」」
すぐに姫の姿をした女がそう宣言すると、
赤組160点、白組140点、と表示されたー。
「ーー次はリレーです!」
姫姿の女がそう叫ぶー。
「ーーいやいや、この格好、絶対走りにくいだろ!?」
ドレス姿の女が言うと、
「ーわたし、走りやすそうじゃない?」
と、ラバースーツ姿の美少女がニヤニヤしながら笑うー。
「チャイナドレスで全力疾走とか、
こんなことできるなんて夢みたいだなぁ~」
チャイナドレス姿の女が笑うー。
「ー俺、ぴょんぴょんしながら走ろうかなぁ~」
バニーガール姿の女が、ぴょんぴょんと飛び跳ねる仕草をしながら笑うと、
周囲も「やれやれ!」と、などと笑っているー。
「ーーーーーーー」
姫姿の女は、目につけている特殊なレンズで美少女の皮を
被っている男たちを見つめるー。
”赤”
「ーーーー」
姫姿の女は、静かに微笑むと
「それでは、位置について下さい!」と、宣言するー。
リレーは4チームに分かれて行われ、
2チームごとに、赤と白組にそれぞえ振り分けられていて、
順位に応じて、それぞれのチームに特典が加算される仕組みだー。
第1走者はー
メイド服、バニーガール、チャイナドレス、ゴスロリ風の女が
それぞれスタートラインにつくー。
「ーお前、本当にぴょんぴょん跳ねるのかよ~?」
ゴスロリ風の女が言うと、バニーガール姿の女は
嬉しそうにうさぎのようなポーズをして笑うー。
そして、美少女たちのリレーが始まるー
楽しそうに、”美少女運動会”を堪能する男たちー。
だがー
運動会が終わった先に待つ運命を、
彼らはまだー、知らないー。
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
欲望に満ちた運動会…!
果たして、その目的は…?
続きはまた明日デス~!
今日もありがとうございました~!
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