初詣で賑わう神社ー。
そこで、”わらしべ憑依”を楽しむ男ー
着物の女に憑依した男は、さらなる”可愛い子”を見つけて
移動し始めるのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーあ、ごめん ちょっとわたし、急用思い出しちゃった」
彼氏と初詣に来ていた着物の女が言うー。
「ーーえ?」
戸惑う彼氏ー。
着物の女、莉子は、”わらしべ憑依”を楽しむ男・俊夫に
先ほど憑依されてしまったー。
そのことに気付いていない彼氏は、莉子の突然の発言に
困惑するー
「ー急用ってー…?」
彼氏が言うと、莉子は「ーそんなことどうだっていいでしょ」と
笑いながら言い放って、そのまま立ち去ろうとするー。
「り、莉子!?どこに行くんだよ?」
彼氏がなおも食い下がってくるー
「ーうっせぇなぁ」
憑依されている莉子は、大好きな彼氏に向かってそう呟くと、
「ーーお前みたいなやつより、大事なことがあるんだよ!引っ込んでろよ!」と、
言い放って、そのまま彼氏を突き飛ばしたー
尻餅をついた彼氏を無視して莉子は
「ーもっといい身体を探さなくちゃいけねぇんだからよ」と、呟きながら
周囲を見渡すー
彼氏とのデートを心待ちにしていたであろう莉子はー
今や、”もっと可愛い女”を探すことに躍起になっていたー
「お!あのコ可愛いじゃん」
莉子はそう呟くと、唇を舐めるー。
「ーゾクゾクして勃っちまいそうだぜ」
”ってー、勃つもんもなかったんだった”と、
俊夫は静かに思うと、「ーねぇねぇ!」と背後から、
可愛らしい少女に声をかけたー
制服姿だから、女子高生だろうー。
「ーーはい?」
振り返ると同時に莉子は「次はお前の身体ね」と、微笑むとー
そのまま少女にキスをしたー。
倒れ込む莉子ー。
周囲が急に倒れた莉子に驚くー
「ーチッー」
女子高生を乗っ取った俊夫は思わず舌打ちをしたー。
派手に意識を失いやがったー、
とー。
憑依から解放したあとには、大抵の人は、
すぐに意識を取り戻してよろめくだけーのことが、
俊夫の憑依の場合は多いのだが、
それには個人差がある。
莉子は、意識を失って、そのままぐったりと倒れ込んでいるー。
「ーーま、いいやー
あ、彼氏と別れることになったら、悪いな」
女子高生はそれだけ呟くと、倒れている莉子を無視して、
周囲を見渡し始めるー
「っつ~か寒いんだよ!」
女子高生に憑依してから、足が寒いことに気付く俊夫ー。
「ーったく、スカート短けぇんだよ!
こんな寒いのに制服で神社に来るなっつ~の!」
一人で自分に文句を言いながら、
「あ~~さみぃ…」
と、太もものあたりを触るー。
「寒いけどエロいから、まぁ、許してやるか」
そんな風に思っていると、背後から、その女子高生の妹らしき
人物が「お姉ちゃん~!」と声をかけてきたー
「ーーん?」
振り返ると、そこには似たような制服を着ている妹らしき
人物が立っていたー
「ーお!可愛いじゃん!」
姉の突然の言葉に、妹は戸惑うー
「ーへへへ エロい妹がいるって、お姉ちゃんも幸せだろうなぁ」
女子高生の身体でそう呟くと、
妹が戸惑っていることに気付き
「心配すんな」と、呟いたー。
「ーすぐにお前も、お姉ちゃんと同じ体験ができるからさ」
そう呟くと、姉の身体で、妹にキスをしたー。
「ーあ…あれ…?」
正気を取り戻す姉ー。
代わりに妹が邪悪な笑みを浮かべているー。
「ーーーお姉ちゃんの身体も、なかなかよかったよ」
乗っ取った妹の身体でそう呟やくと、戸惑う姉を放置して
そのまま立ち去っていくー。
「いやぁ、このどんどん可愛くなっていく感じー
たまんねぇぜ」
俊夫は、さらに”わらしべ憑依”を続けていくー
モデルのようなスタイルの女性に憑依し、
キラキラしている美人OLー
ギャルなのに可愛い若い子ー
友達と一緒に遊びに来ていた滅茶苦茶可愛い女子高生ー
彼氏にでも振られたのか、一人泣いていた可愛らしい女ー
神社に取材に来ていたアナウンサー
神社に遊びに来ていたアイドルー
憑依で、”どんどん”俊夫の基準で可愛い相手に
憑依していくー
「サイン下さい!」
アイドルに憑依した俊夫は、周囲からサインを
求められてうんざりしていたー。
「ーーうぜぇ!どけ!」
乗っ取っている身体本人のことなど、全く意にも介さず、
俊夫は、アイドルにサインを求めてきたファンを手で
払いのけるー。
「ーーかりんちゃん!僕…僕…!」
男がニヤニヤしながら、俊夫が乗っ取ったアイドル、かりんに
近付いてくるー。
小太りで、息を荒くした男を見て、
かりんは笑みを浮かべるー
「ーなぁ、お前さ…
そんな姿で、わたしが、”ファンでいてくれてありがとう”って思うと思うー?」
かりんが笑みを浮かべながら言うー。
本当のかりんがどんな風に思っているかなど知らないが、
邪魔をされて少し腹が立った俊夫は、かりんの身体で、静かに呟くー。
「ーーお前みたいなオタク野郎、わたしとは釣り合わねーんだよ!
キモイから消えろよ」
かりんの口で、恐ろしい声を出すと、震える男を無視して、
かりんは歩き出したー
「クククっ、さすが現役アイドルー。
すげぇ声出るじゃねぇか」
そんな風に思いながら
”そういや、このアイドルグループの子、去年一人脱退したんだっけな”
と、思い出すも、
”そんなことはどうでもいいよな”と、次のターゲットを探し始めるー
俊夫にとって”乗っ取られた身体のこと”など、どうでもいいー
俊夫は、欲望を満たすために、楽しんでいるだけなのだからー
「ーさて」
かりんは、笑みを浮かべながら
先ほど目につけた”巫女のバイトらしき女”を見つめるー
「ーアイドルより可愛いじゃねぇか…」
かりんが手を口元に当てながら興奮した様子で呟くー。
”アイドルより可愛い”というのは
あくまでも俊夫の勝手な判断に過ぎないもののー
少なくとも、俊夫にはそう見えたー。
別に、誰と競うわけでもないー
この憑依は、俊夫のお楽しみでありー
俊夫が楽しければ、それでいいのだー。
「ーーーー…あのぉ~~」
かりんは、神社の掃除をしていた巫女服の女に声をかけるー
「あ!はいっ!?」
緊張した様子の巫女服の女が振り返るー。
かりんは「ちょっとお聞きしたいんですけど~」と、
呟いてから顔を近づけてキスしようとするとー、
巫女服の女が、突然「あ~~~~~~!」と叫んだー。
「ーーー!?」
かりんが少しだけ驚いて表情を歪めると
「か、か、か、かりんちゃんですよね!?」と巫女服の女が叫んだー。
「ーわ、、わたし、あの、、ファンなんです!」
その言葉に、かりんは笑みを浮かべるー。
”へへへ…そうかそうかー。”
かりんは、現役女子高生のアイドルー。
この巫女服の女は、恐らく女子大生ぐらいだろうから、
かりんよりは、少し年上なのだろうー。
「ーーえ~~わたしのファンなんですか~?うれしい~~!」
本来のかりんなら喜んだかもしれないが、
今のかりんは、別に何とも思っていないー
そんなことよりもー
「ーーーあ、じゃあ!せっかくだし、キスしてあげましょうか?」
かりんが言うと、巫女服の女がドキッとした様子で
顔を赤らめるー
「き、、き、、キス…!?」
驚いた様子の巫女服の女に向かって、かりんは
「だって、わたしのファンって言ってくれて嬉しかったしー…
わたしたち、女の子同士じゃないですか~?
だから、せっかくだし~」
と、言葉を続けるー
するとー
巫女服の女は嬉しそうに「そ、そんな…かりんちゃんとキスだなんて…」と
顔を赤らめるー
「ふふふ…遠慮はいらないですよ!」
かりんはそう言うと、巫女服の女に顔を近づけてー
キスをする直前になると、
低い声で静かに囁いたー。
「ーーお前の身体、貰うからー」
とー。
「…えっ!?!?」
驚く巫女服の女ー
それと同時に、かりんは巫女にキスをしたー。
かりんが「ぁ…」と呻いて、その場に倒れ込むー。
巫女服の女は、すぐに笑みを浮かべてー
「ーーはぁぁぁ~~巫女さんをゲット~」と、
ニヤニヤしながら呟くー
倒れ込んだかりんを「大丈夫ですかぁ~?」と、
ふざけた口調で起こす巫女服の女ー。
しかし、かりんは、少し苦しそうにうめくだけで
目を覚まさないー。
「あ~あ…意識戻るのに時間かかるタイプかぁ」
巫女服の女の身体をゲットした俊夫は、
そう呟くと、かりんに興味を失い、
そのまま歩き出すー。
巫女服を身に着けている感触を味わないながら
「巫女服を着てるってだけでゾクゾクするぜ」と、
笑みを浮かべるー
先ほどまでの”自分が好きなアイドル”と会えて
喜んでいた彼女の姿はもう、そこにはないー。
「ーさてと…今年のわらしべ憑依のゴールは
この女かな」
巫女服の女は静かにそう呟くと、
そのまま神社から立ち去ろうとするー。
男はいつも”今年一番気に入った身体”を選ぶと、
そのままラブホテルかカラオケに移動して、
そこで存分に写真を撮影したり、一人で
エッチなことを楽しむー。
選ばれる側からしたらたまったものではないものの、
男はいつも、そうしているのだー。
「ーーへへへへっ…この女は成人してるみたいだから
ラブホに行くか」
”巫女服のままラブホって入れるのかな?”と
思いながら、そのまま歩き出す巫女服の女ー
到着したらまずは、この格好のまま
”今年の写真”を撮影して、
俊夫が自分の部屋に飾るための
ベストショットを手に入れるつもりだー。
そのあとは、この女の身体を存分に楽しみつくすー。
こんな清楚な雰囲気の女が
どんな風に乱れてくれるのか、楽しみだー。
そう思いながら、
巫女服の女の身体で俊夫が歩いていたその時だったー
「ーーふぉっ!?」
思わず変な声を出してしまうー。
ちょうど、神社にやってきたゴスロリ風の少女を見て、
俊夫は、思わず一目ぼれしてしまったー
「ーーか、、か、、かわいい…」
巫女服の女の身体のまま、顔を赤らめると、
「ー今年のベストはお前だー」
と、呟きながら、巫女服の女は、
ゴスロリな女を追跡し始めるー。
巫女服の女にとってはー
幸運だったと言えるかもしれないー。
ゴスロリの女が、人目につかない場所に入った直後ー
巫女服の女は、神社関係者のフリをして
背後からその女に声をかけてー
振り向きざまにキスをしたー
「ーーあ、、、あれ…?」
巫女服の女はすぐに意識を取り戻して、
キョロキョロしているー。
ゴスロリの女の身体を奪った俊夫は
「さ、早速、お楽しみと行くか!」と笑みを浮かべたー
・・・・・・・・・・・・・・・・
ラブホに到着したゴスロリの女ー
今年は、この女が”俊夫のベスト”だー。
自分の部屋に、2015年以降、毎年お正月に
楽しんでいる”憑依”ー。
そして、毎年、”俊夫が一番可愛い”と思う女の身体で
自撮りをして、それを自分の部屋に飾っているー。
「へへへ…まずはたっぷり写真を撮ってー
それから、この女の身体をしゃぶりつくしてやるー」
笑みを浮かべるゴスロリの女ー。
満面の笑みで、写真を撮影し始めるー。
憑依される前、”少し恥ずかしそう”に初詣にやってきたときの
この女の面影はもうないー。
こういう服装で初詣に来ることを恥ずかしがっていたのだろうかー。
そんな風に思っていたその時だったー
「ーーん?」
ゴスロリの女の身体に違和感を感じたー
興奮していたからかー
今まで気づかなかったがー
俊夫は、ある違和感を覚えたのだー
「ーーーえ」
ゴスロリの女の身体で、俊夫は、アソコを触ったー
そしてー
叫んだー
「ーーって、、、おい…!!!
ついてるじゃねーか!!!!!!!!!!」
大声で叫ぶゴスロリの女ー。
俊夫が今年のトップに選んだ身体はー
ゴスロリの女ではなくー”男の娘”だったのだー
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
お正月が舞台の憑依モノでした~!
昨日もお話しましたが「体越し」のように毎年書く系のお話では
ない…予定デス~!★笑
(とある部分に体越しとのリンクがあったり…
分かる人には分かるおたのしみ…★(分からなくても物語に影響はありません~!)
私から見ても、パッと見て見分けのつかない男の娘もいたりするので、
俊夫が間違えてしまったのも、仕方がないですネ~笑
お読みくださりありがとうございました!!
コメント
最初はわらしべなら憑依より入れ替わりにした方が面白いんじゃないかと思ってたんですが、これはこれで面白いですね。体越しのかりんちゃんの出演が嬉しいですね★
俊夫は体越しの憑依人みたいに最終的に選んだ身体で一年過ごそうとしてるわけじゃないし、被害者の人生を壊そうとしてるわけでもないので、体越しの憑依人に比べれば、まだマシな方ですかね?
まあ、俊夫の身勝手な言動で恋人との仲に亀裂が入りそうな娘もいたし、大なり小なりみんな、よろしくない事になってそうですけどね(笑)。
それにしてもかりんちゃんが心配です。あかりちゃん(正確には体越しの憑依人ですが)のせいでアイドルグループは色々大変な事になってたのに、今度はかりんちゃんがファンに対してあんな言動したら、かりんちゃん本人もそうですが、アイドルグループの立場も不味いことになりそうですね。
ところで俊夫の基準とはいえ、アイドルのかりんちゃんより一般人の巫女とか男の娘の方が上になるなんて、好みの問題ですかね?
コメントありがとうございます~!☆
使い終わったら用なし!を描くために憑依にしました~!☆
短時間の憑依なので、人によっては被害は少ないですネ~!
かりんちゃんより、巫女の子!は、俊夫の趣味ですネ~!
作中でも書かれている通り、あくまでも”俊夫の好み”で
憑依する順番が決められているので~☆笑
アイドルグループについては、次の体越しで何か話題があるかも…デス★
前回の幼めな女の子に憑依するのも好きなんだけど、今回のオチみたいに男とは知らずに男の娘に憑依してしまって「この身体男のだった〜!」なオチも素晴らしい
私も書いてみたいなぁ
コメントありがとうございます~!☆
葉月様もぜひチャレンジ(?)してみてくださいネ~☆