妹を溺愛する兄が、
妹と入れ替わってしまった…!
妹の身体になった兄は、妹の秘密を知ってしまい…!?
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「過保護なお兄ちゃんで、ごめんなー」
明菜の身体で、体育座りをしている透夜ー。
「お、、お兄ちゃん…これ、いったいどういうことー?」
明菜の部屋に駆け込んだ
透夜になってしまった明菜は困惑の表情で
そう呟いたー。
ついさっきまで意識を失っていた透夜になった明菜は、
状況をイマイチ飲み込めずにいたー。
「ーーー…さっき、ぶつかったときに、明菜と俺の身体が
入れ替わっちゃったみたいなんだ」
明菜(透夜)は体育座りをしたままそう呟くー
「ーーい、、入れ替わっちゃったって…そ、そんな…?
どうして…?元に戻れるの…?」
不安そうな透夜(明菜)ー
彼氏がいることを隠されていたことやー
過保護なお兄ちゃん、と言われていたことなどを
知ってしまった明菜(透夜)は「ふふ…」と自虐的な
笑みを浮かべながら透夜(明菜)のほうを見たー。
「ーー俺の身体…イヤだよな。
はは…そうだよな」
すっかり気持ちが落ち込んでしまっていた明菜(透夜)が
そう呟くとー
「も~、そんなこと言ってないでしょ!
自分の身体に戻れないと、色々困ることあるし、
お兄ちゃんだって自分の身体に戻れないと困るでしょ!」
透夜(明菜)が頬を膨らませながら、明菜(透夜)を
しかりつけるー。
「ーーま、、まぁ…そうだけどー」
”自分の身体”に叱られた明菜(透夜)は、
そう呟くとー
おそらくぶつかったことで入れ替わってしまったことー
元に戻る方法は分からないことを告げたー。
明菜になった透夜自身にも、何も分からないのだー。
「ーーー」
透夜(明菜)はスマホの位置がずれていることに気づき、
「も、もしかしてお兄ちゃん、わたしのスマホ見た?」と、
不安そうに呟くー。
「ーーーえ…あ、、あ、いやー。
音が鳴ったから手に取っただけでー
な、何もー」
明菜(透夜)は気まずそうに言うー。
”彼氏、いたのかー”
という言葉が喉まで出かかってきたもののー
それをなんとか我慢するー。
「ーそ、そっかー
それならよかったー」
透夜(明菜)も気まずそうな表情を浮かべるー
”お兄ちゃんに、彼氏がいるなんてバレたらー
お兄ちゃん、たぶん、失神しちゃうよー”
明菜は心の中でそう思うー。
その通りだったー。
透夜は既に、明菜の身体で2回も失神しているー
話を変える透夜(明菜)ー
「ーーど、どうするの…?もう1回ぶつかれば、戻れるのかなー?」
「ーー確かに、それはあるかもな…」
明菜(透夜)は、まだ元気のない様子でそう呟くと、
「とりあえず、試してみるか」
と、立ち上がったー
だがー
結果は”惨敗”だったー。
何をしても、二人の身体が元に戻ることはなかったー。
「ーーーどうする…?」
明菜(透夜)の言葉に、透夜(明菜)は戸惑うー。
「家にいる間は、二人で一緒にいればいいと思うケドー…
お互い学校があるしー」
数日で戻れると分かっているのであれば
学校を休むのも一つの選択肢だー。
いつ元に戻れるのか分からないこの状況で、
学校を休み続けるのは、なかなか難しいー。
「ーー入れ替わったことを説明してもー
たぶん、誰も信じてくれないしー…」
透夜(明菜)は困り果てた表情で呟くー。
「ーーーって、えーー」
そういえば、お兄ちゃんからの返事がない…と、
思った透夜(明菜)は、驚きの声を上げるー。
横にいた明菜(透夜)がいつの間にか失神していたのだー。
「え!?ちょっと!?お兄ちゃん!?なんで!?えっ!?」
透夜(明菜)は、いきなり失神している”自分の身体”を見て戸惑うー
「ーな、なんで失神してるの!?え!?」
困惑しながらー
ひとまず自分の身体を、ベッドまで運ぶー。
「う…」
ベッドまで運び終えたタイミングで、
明菜(透夜)がちょうど、目を覚ましたー。
「ーーーあ、明菜 ごめんー」
目を覚ました明菜(透夜)が言うと、
透夜(明菜)は「も~!いきなりわたしの身体で失神しないでよね!」と、
困り果てた様子で呟いたー。
「ーーーーーー」
明菜(透夜)は”ごめん”とだけ返すと、
キョロキョロと挙動不審に色々な方向を見つめた後にー
ついに口を開こうとしたー。
”彼氏の和馬くん”とのLINEを思い出しただけで
今も失神してしまったのだー。
流石に、この状況のままだと、明菜にも迷惑をかけてしまうー。
そう思った明菜(透夜)はようやく口を開いたー。
「ーーあ、、あのさー」
だがー
兄が失神したのを見た透夜(明菜)は、
スマホを見られたと悟り、
「ーーーいる」
と、先に答えたー。
「ーーわたし、半年前ぐらいから、クラスの和馬くんと
付き合ってるのー
お兄ちゃんに隠してたのはごめんだけど、
お兄ちゃん…その…なんというか、すっごくわたしのこと
大事にしてくれてるっていうかー
そんな感じだからー
わたしに彼氏ができたって知ったら失神しちゃうかと思ってー…
だから、なかなか言い出せなーー
ーー!?」
言葉の途中で、透夜(明菜)は、目をぱちぱちさせるー。
またー
明菜(透夜)が”失神”していたー。
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「ーーも~~!人の身体で何度も失神しないで!
あのね、、あのね、お兄ちゃん!
ちゃんと説明するからー」
透夜(明菜)が、必死に彼氏の和馬くんのことを説明するー。
”和馬くん”はとても優しくて、自分のことを大切にしてくれてー、
頼れる存在なのだと言うー。
スマホを手に取る透夜(明菜)ー
「あ…」
指紋認証を”今の身体”では解除できないことに気づき
「ーーーお兄ちゃん…わたしのスマホの認証…お願い」と、
明菜(透夜)に言うー。
明菜(透夜)は「なんか変な気分だな…」と苦笑いしながら
明菜のスマホを操作し、そのロックを解除するー。
ロックが解除されたスマホを操作すると、
透夜(明菜)は、スマホの画面を明菜(透夜)に見せつけたー。
そこには”和馬くん”とのツーショット写真が写っていたー
「ーーーぁ」
明菜(透夜)が白目になるー。
「お、お兄ちゃん!起きて~!失神しないで~~!!」
明菜(透夜)の頬をぺしぺしと叩くと、
なんとか失神しなかった明菜(透夜)は
「そ、それが、彼氏ー?」と呟くー。
「うん。ほら、見てー」
透夜(明菜)が見せてきた写真に写っている”和馬くん”は
とても穏やかそうな雰囲気だったー。
少なくとも、外見上は悪人には見えないし、
LINEのやり取りなどを見ても、悪人とは思えないー。
しかしー
その写真を見つめていた明菜(透夜)の頭の中にある考えが浮かんできたー
「ーーーーーーーーー!!!!」
明菜(透夜)が真っ赤になるー。
「ーちょ…?お兄ちゃん?」
不安そうな透夜(明菜)ー
頭の中にー
明菜と和馬くんが、エッチなことをして、
明菜が喘ぐシーンが浮かんでしまったのだー
「そ、、そ、、そ、、その…その、、あ、、あき、、明菜…その…あの」
明菜(透夜)が真っ赤に赤面しながら言うー
「え…???え…?」
透夜(明菜)は困惑しながら”自分”のほうを見つめるー。
「ーーその…その、、和馬くんと、、あの…
せ、、せっく… はぅぁ…」
明菜(透夜)はー
そういうことしてるのかー?と聞かずにはいられなかったが
聞く前に失神してしまったー。
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目を覚ましたら夜だったー。
1日に5回も妹の身体で失神した兄ー。
”たぶん、ギネス認定だな”
などと、思いながら起き上がると
「ーーお兄ちゃん、熱があるみたいー」
と、透夜(明菜)は呟いたー。
入れ替わる前、明菜は風邪の病み上がりだったー。
入れ替わったことが影響したのかー
それとも、元々治りきってなかったのかー
「ーーーん?」
明菜(透夜)は、ふと疑問に思うー。
「ーーあれ?もしかしてずっと看病しててくれたのか?」
明菜(透夜)の横に透夜(明菜)がいたということは、
心配してずっと看病していてくれたのかもしれないー。
そう思って、顔を真っ赤にしてしまう明菜(透夜)ー
「ーーえ!?ちょっと!?そんな真っ赤にならないでよ!
お兄ちゃん、また失神しそう!
さすがに何度も何度も失神されちゃうとわたしの身体も
心配になっちゃう!」
笑いながら言う透夜(明菜)ー
「ーーほら、今、お兄ちゃん、わたしの身体だし、
わたしも、自分の身体が心配だからー」
透夜(明菜)の言葉に、
”そ、そうだよな”と、冷静さをようやく取り戻す明菜(透夜)ー
「ーーーーー…ふぅ ごめんな。明菜の身体、まだ風邪の
病み上がりだったのに、俺が失神ばっかしてるから
きっとまた熱が出てきちゃったんだな」
明菜(透夜)はそう言いながら、
ふと、あることに気づいたー。
「ーーーー………」
そわそわし始める明菜(透夜)ー
「ーーーど、どうしたの?お兄ちゃんー」
透夜(明菜)の言葉に、明菜(透夜)は、「あ、いや、ちょっとー」と、
透夜(明菜)から目を逸らすー。
「ーーえ…??え…… あ!」
透夜(明菜)は明菜(透夜)が何を言いたいのか、
その仕草から理解したー
「ーお兄ちゃん、トイレに行きたいんでしょ?」
とー。
「ーーぶっ!そ、そうだけど…でも、ほら、
女の子の身体でトイレとか、まずいだろ!
そ、それに俺は兄だから、妹をそんな目で見るなんてー」
明菜(透夜)がアタフタしながら言うと、
「ートイレに行く=妹をそんな目で見る、ってどういう発想よ!?」
と、透夜(明菜)はツッコミを入れるー。
「ーーえ?っていうか、トイレに行ってよお兄ちゃん!
わたしにお漏らしさせる気?
わたしもさっきお兄ちゃんの身体でトイレに行ったから
大丈夫だよ!」
透夜(明菜)は既にトイレを済ませたらしいー
「そ、そっかー…
え、その、どうやってすればー?」
明菜(透夜)が聞くとー
「ーあ~…普段通り気を付けながらやれば
なんとかなると思うよ…
ほら、わたしもお兄ちゃんの身体でいつものように
座ってトイレを済ませたら、なんとかー」
透夜(明菜)はそこまで答えてー
「ーーって!ダメ!」
と、自分で自分の言葉を修正したー
「ーお兄ちゃんがわたしの身体でいつも通り立ってしたら、
大変なことになるから、お兄ちゃんは慣れないと思うケド、座って
こうーゆっくり力を入れて…
う~ん…その、」
”トイレの感覚”を言葉で説明するのは、非常に難しいー
透夜(明菜)は、笑いながら「ーー気合で頑張って!」と、
開き直った説明をしたー
「き、、気合で…?」
明菜(透夜)は、困惑しながらも、気合でトイレに向かったー
・・・・・・・・・・・・・・・・
翌朝ー。
明菜の身体は熱がまた出てきたため、今日は
高校を休むことにしー、
透夜になった明菜は大学に向かうことになったー
「大学体験入学~♪」
透夜(明菜)は楽しそうだったー
今日はちょうど、話を聞いているだけでいいような授業ばかりだし、
それほど大事なモノもないからー
という理由で明菜になった透夜も”お願いするよ”という形で
透夜になった明菜に大学に行ってもらうことにしたー。
大学の構造や、
1日の流れ、
大事なこと、
話しかけてきそうな知り合いなどなど、
思いつく限りの必要な情報を伝えるー。
全てを使えると透夜(明菜)は、
「ーよ~し!わたしに任せて!」と、笑みを浮かべたー。
大学に向かう透夜(明菜)ー
明菜(透夜)はため息をつきながら、
明菜の部屋に移動したー。
”風邪で休む”となれば母親が見に来ることもあるだろうし、
その時に、明菜が透夜の部屋にいれば変に思われるー。
だから、明菜の部屋で大人しく寝ていることにしたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーーあっ!」
大学に到着した透夜(明菜)は
”あること”を思い出したー。
”お兄ちゃんがまた知らない秘密がたくさんあるー”
そしてー
それを知ったらー
「ーーお兄ちゃん、200回ぐらい失神しちゃうかもーーー」
透夜(明菜)は不安そうにそう呟いたー
③へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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更なる妹の秘密とはー…!?
次回が最終回デス~!
今日もありがとうございました!
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