<憑依>人妻憑依人②~発覚~(完)

人妻に憑依することにこだわりを持つ男…

彼はいつものように人妻に憑依したものの、
その夫から信じられない言葉を投げかけられるのだった…!

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恵一は堀本家の妻・美乃梨に憑依したー

とても美人…に見えるのだが、
本人にその自覚がないのか、
それとも美人であることに興味がないのかー、
基本的に地味な服装・格好で普段は生活しているー。

そんな、一見すると地味に見える人妻に、恵一は目をつけたー。

「ーー地味な人妻を、エッチな人妻に変えてしまう…
 たまらなくゾクゾクするぜー」

美乃梨の身体でそう呟いた恵一。

しかし、彼は今、数分前までのそんな余裕を完全に
失っていたー

何故なら…

「ーー妻の身体で何をしている!?」
帰宅した夫・直人は、妻である美乃梨を見たとたん、
そう言い放ったのだー。

「な、、な、、なんのこと~~?」
美乃梨は微笑みながらとぼけるー。
しかし、その声は裏返っていて、
頬もヒクヒクとひきつっているのが分かったー

”な、なんなんだこの夫は…?
 俺が何かバレるようなことをしたってのか?”

美乃梨に憑依している恵一は、美乃梨の表情を
険しくしながら、心の中でそう呟くー。

何かバレるようなミスをしただろうかー。

いやー
確かに今の美乃梨の姿は、
普段の美乃梨がしないような妖艶な格好だしー
メイクも普段の美乃梨とはまるで違う雰囲気だしー

その豹変ぶりに驚くのは分かるー。

だが、まるで憑依を見破っているかのような言動ー。

「ーーー妻から今すぐ出ていけ!」
直人が叫ぶー。

「ーーい、、い、、意味わかんないんだけど!」
逆ギレして見せる美乃梨ー。

今までも、人妻に憑依して、夫や、子供がいる家庭では、
子供も含めた家族の前で豹変した姿を晒し、
驚かせてきたー。

大抵の家族は「妻」や「母」の豹変に驚き、
困惑したり、夫がエロいと、豹変した妻に喜んで
そのままエッチなことが始まったりー
そういう反応ばかりだったー。

だが、数多くの人妻を食らいつくしてきた恵一に
とって、このように”発覚”してしまうのは
これが初めてだったー。

「憑依薬で俺の妻に憑依したのか?」
夫の直人が険しい表情で呟くー。

「ーーも、、も~~~!直人ってば!何言ってるの?
 ひょういやく…ってなに?」

美乃梨に憑依している恵一は必死にごまかそうとしたー。

「ーーわ、わたしだって、一人の女なの!
 エッチな気持になることぐらいあるもん!」

美乃梨の声で叫ぶー。

美乃梨の身体がゾクゾクしているー。

恐怖ー?
いや、欲望ー?

”とにかく早く、もっとゾクゾクさせろよ!”
美乃梨は心の中でそう思いながら、
直人の反応を待つー。

しかし、直人はあろうことか
スマホを手に、警察に通報し始めたー

「おい!やめろよ!」
美乃梨は思わず叫んでしまうー。

なんなんだこいつはー

くそっ!

美乃梨に憑依している恵一は、
頭をフル回転させるー。

もしもー
もしも、通報されたらどうなる?

いや、どうにもなるはずがないー。
警察が”憑依”なんて信じるかー?

「ーーー」
美乃梨は、緊張から口が渇くのを感じて、
落ち着かない様子を見せるー。

乗っ取られた美乃梨の意思ではないが、
乗っ取っている側の恵一が緊張しているため、
美乃梨の身体もそれに反応しているー。

”この人妻で楽しみたかったがー
 これ以上リスクを冒す必要もないー”

恵一は、そう判断したー。

この夫・直人が
”妻が憑依されました!”などと警察に通報したところで、
警察はそんなおかしな話信じないだろうし、
直人が”頭のおかしなやつ”扱いされるのが
オチだろうー。

それに、仮に警察が憑依を信じたとしても、
”誰が憑依しているか”までは絶対に分からないはずだー。

それでもーーー
”リスク”を冒す必要はない。

人妻なんて、どこにでもいるー。
わざわざこの美乃梨という女にこだわる必要など、恵一にはないのだー。

「ーーチッ」
恵一は美乃梨の身体で舌打ちをすると、
美乃梨の身体から抜け出そうとしたー。

しかし、その時だったー。

「ーー鷹島 恵一…!逃げても無駄だぞ!」
夫の直人が叫んだー。

美乃梨は目を見開くー

「ーーだ、、、だ、、誰それ…!?」

美乃梨にそう言わせながらもー
美乃梨に憑依している恵一は激しく焦っていたー

”こいつ…なんで俺のことが分かるんだー?”

恵一は、現在憑依している美乃梨とも、
夫の直人とも面識などまったく存在しないー。

だが、今、この直人は
確かに”鷹島恵一”と言ったー。

「ーー妻の身体から抜け出して逃げようって
 魂胆なのかもしれないがー
 妻の中にいるのは、鷹島恵一、お前だってわかっているんだ!」

直人が叫ぶー。

「ーーえ…え???わ、、わたしは、、、美乃梨…
 わたしは、美乃梨よ♡」

咄嗟に甘い声を出して直人を誘惑しようとするー。

しかしー

「美乃梨のフリをするな!!!」
直人は大声で叫んだー。

「ーー!!」
美乃梨は舌打ちをするー。

「ーーく、、くそっ!お前も憑依人か!?」
美乃梨に憑依している恵一は、これ以上は
意味がないと判断して、美乃梨の身体のまま
本性を露わにするー。

恵一は、元々の彼女であった美奈と同居しているー。
その美奈は、恵一と付き合ってからしばらくしたあと、
偶然、恵一と同じように憑依能力を持つ男・大久保修平に
憑依されてしまい、
”憑依仲間”を見つけた恵一はそれをむしろ喜び、
現在は”憑依された美奈”と同居しているー。

自分以外にも”憑依”の力を持つ人間がいたー、
ということは、2人だけではなく、
もっと存在すると考えるのだが普通だろうー。

もしかしたら美乃梨の夫である、この直人という男もー。

「ーー憑依人?俺はそんなことしないー!
 お前のような獣とは違うんだ!」

直人はそう叫ぶと、警察に通報しようとするー

「や…やめろ!やめろ!」
美乃梨は険しい表情を浮かべながら叫ぶー。

「ーーーやめろ?」
直人はスマホを持つ手を止めるー。

「だったら、誠意を見せてもらおうか」
直人の言葉に、美乃梨は「な…なんのことだ…?」と
呟くー。

「ーーそこで土下座して謝罪しろ」
直人が言うー。

「ど、、ど、、土下座ー?」
美乃梨は”くそっ!こいつをなんとかしないと”と思いながらー
直人を睨みつけるー。

しかし、直人は冷たい目で美乃梨を見返すだけー。

美乃梨は歯ぎしりをしながら
美乃梨の身体のまま、夫・直人の前に土下座したー。

「ーーーあ、、あなたの奥さんに憑依して
 も、、申し訳ございませんでしたー」

妖艶な格好のまま土下座する美乃梨ー。

身体がぷるぷると震えているー。
恵一の意思に従う形で、
美乃梨の身体が激しい怒りと屈辱を感じているー。

「くそっ…どうして俺がこんな目にー」
美乃梨が怒りに震えていると、
直人は続けたー

「通報しないでください、と命乞いしろ」
とー。

「ーーくっ…」
美乃梨は直人を睨みつけるー。

「ーーどうした?できないのか?
 美乃梨の身体を捨てても、俺はお前のことを知っているぞ?
 逃げても、必ず通報してやるー」

直人の言葉に、美乃梨は、一瞬キッチンのほうを見つめるー。

今まで、憑依で人の命を奪ったことはないがー
ここまで来てしまったらー

”人妻の身体で夫の命を奪う”ことも
視野に入れないといけないー

恵一はそう考え始めたー

しかしー

「くだらない考えはよせ」
直人は言う。

「お前が包丁を取りに行って
 俺を刺すまでの間に、俺は簡単に通報できるー。」

直人の言葉に、美乃梨は”確かにこいつの言う通りだ”と
思うー。

だが、包丁なしで実力で襲い掛かっても、
美乃梨の身体では、おそらく直人に返り討ちに
されてしまうだろうー。

正直、どうすることもできないー

追い詰められた恵一に残された道は、
”命乞い”とも言わんばかりの謝罪を
することしかできなかったー。

「く…くそっ…」
ギリギリ歯ぎしりをしながら、美乃梨の身体で膝をつき、
そのまま土下座をして謝罪しようとする恵一。

その表情には”屈辱”の色が強く表れているー。

「ーーー………ど、、どうか…
 どうか、、通報…つ、、、つ、、通報…しないで…下さい」

プライドが高い恵一は、謝罪の言葉を一言一言、口から
発するのもやっとという様子で、言葉を振り絞るー。

「ーーーー…いやだ」
直人はそう言うと、スマホで警察に通報し始めたー。

「ーーえ…ちょ!?やめろ、、やめろって!」
美乃梨は泣きそうになりながら直人に飛び掛かろうとしたー。

その時だったー

直人が突然「プッ」と笑い出したのだー

「ーー!?」
驚く美乃梨ー

「ククク…はははは、あははははははは!」
スマホを手に、警察への通報を直前でやめて、
笑い出した直人を見て、
美乃梨は唖然としたー

「ーーな、、な、、何がおかしい!?」
美乃梨に憑依している恵一は、さっぱり意味が
分からなくなって、思わずそう叫んでしまうー。

この男はいったい何を考えているのか。
それが、まったく理解できないー。

「お、、お前…俺の知り合いか何かか!?」
美乃梨は思わず叫ぶー。

美乃梨に憑依している恵一には
今、目の前にいる夫・直人と面識はないー
気がする…。
少なくとも、恵一は覚えていないー。

だが、もしかしたら小さいころの同級生とか
そういう接点があるのかもしれないー。

そんな風に思いながら、困惑の表情を浮かべていると
直人は笑みを浮かべながら
「いやいや、俺だよ、修平だよ」と、呟いたー

「ーーあ?」
美乃梨は首をかしげるー。

修平とは、美乃梨に憑依している恵一の彼女・美奈に
憑依して、現在そのまま同居している憑依仲間だー。

「ーーって、お、、お前!お前だったのかよ!ふざけんなよ!」
美乃梨が大声で叫ぶと、
直人は「へへへ…悪い悪い。お前がいつも人妻にばかり憑依してるから
揶揄ってやろうと思って、旦那に憑依して、ちょっと遊んだだけさ」
と、悪びれる様子もなく笑ったー。

いきなり”俺の妻から離れろ!”と言ってきたのは、
修平が直人に憑依していたからー、だったのだー

「へへへ しっかしお前、さっき泣いてただろ?」

「ーな、泣いてない!
 だ、、だってマジで通報されると思ったんだからな!」
美乃梨が必死に否定をすると、
憑依されている直人は「ははは、少しやりすぎたか」と、
ニヤニヤしながら美乃梨のほうを見つめたー。

「ーーそういや、お前、俺の彼女ー…美奈の身体は?」
美乃梨が心配になって聞くー。

修平は美奈に憑依していたー。
その修平がこの家の旦那である直人に憑依しているということはー

「ーーははは 大丈夫さ。美奈ちゃんの身体から抜け出す前に
 自分で美奈ちゃんの身体は拘束しておいたからさー。
 美奈ちゃんが意識を取り戻しても、問題ないー」

直人はそう答えたー。

今頃、美奈は久しぶりに正気を取り戻しているかもしれないが
拘束されているから、動くことはできないだろうー、と、
直人に憑依している修平は説明したー。

「なら安心だな」
美乃梨が安堵の溜息を吐くと、
直人は笑みを浮かべたー

「ーーじゃあ、せっかく夫婦に憑依したわけだし、
 ヤッちまうか?」

直人が言うと、美乃梨は「もうこの身体、さっきから
ゾクゾクしてるんだから、早くヤラせろよ!」と叫んだー

「ーーそれにしても、地味な雰囲気の奥さんを
 そんな、エロすぎる雰囲気にできるなんてなぁ」

直人が笑うー。

「ーへへへ…今まで俺が何人の人妻をエロくしてきたと思ってるんだ?」

美乃梨が笑うー。

憑依された夫婦の欲望の時間が、今、始まるのだったー

おわり

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昨日から始まったお話の完結編でした~!

人妻憑依人の彼女・美奈が一番災難な気がしますネ…!笑

お読みくださりありがとうございました!!

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憑依<人妻憑依人>

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