<入れ替わり>勝手にギャルにならないで①~発端~

真面目な女子高生とギャル好きのおじさんが
入れ替わってしまった…!

二人を待ち受ける運命は…?

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「ーーおじさん、ギャルの方が好きだったんだけどなぁ~」
ニヤニヤしながら鏡を見つめる女子高生ー。

「ーーそ、そんなこと言われても…
 そ、それより…あ、あんまりそういう変なこと言わないでください!」
おじさんが顔を真っ赤にしながらそう呟くー

「ーーへへへ…でもさぁ、こうなっちゃったものは
 仕方ないだろ?
 おじさんだって、自分の身体に戻る方法があるなら
 戻りたいし、
 ここは二人で協力していかないと」

ニヤニヤしながら、だらしない座り方をして、
ポテトを口に運ぶ女子高生ー

「あ、あんまり…食べ過ぎないでください!」
おじさんが叫ぶー。
見た目はおじさんだが、口調がさっきからおかしいー

ハンバーガーショップで
飲み食いしながら話をしている二人ー

”女子高生”と”髪が薄くなっている小太りのおじさん”という
あまり良くない雰囲気の組み合わせだー。
もちろん父と娘、という可能性はあるが、
二人の口調からはそういう感じは感じさせなかったー。

しかも、先ほどから
女子高生のほうが主導権を握っているかのような、
そんな異様な雰囲気を醸し出しているー。

「ーーーへへ ダイエット中かい?
 でも、おなかペコペコだし、少しは食べなくちゃ」
ニヤニヤしながらチーズバーガーを食べる女子高生ー。

「ーー…も、、もう十分ですから…」
周囲の目も気にしながら、まるで自分のことのように
恥ずかしそうにするおじさんー。

そんな二人は、小声で何かを話し始めたー

「ーー入れ替わっちゃった…なんて言っても
 誰も信じてくれないだろうしー…
 今日はひとまずこのままお互いのフリをして
 帰るしかなさそうだね」

女子高生が呟くー

「そ…そんな…わ、わたし何も分かりませんし…
 し、仕事だってー」

おじさんが言うと、
女子高生は笑みを浮かべたー

「大丈夫。おじさんはどうせ一人暮らしだし、
 それに、仕事は元に戻れるまで休んでもらっていいからー」

その言葉に、おじさんが不安そうな表情を浮かべるー

「ーわ、、わたしは一人暮らしじゃないですし…
 ぜ、絶対わたしの身体で変なことしますよね?」

おじさんがそう言うと、
女子高生は「しないしない。絶対にしないよ。おじさんは変態じゃないから」と、
ニヤニヤしながら答えるー。

「ー入れ替わってから、一度もおじさん、胸を触ったりしてないよ。ほら」
両手を上げながら、そう言い放つと、
おじさんは”どうしてこんなことに”と思いながら、
こうなってしまうまでの出来事を振り返り始めたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーなんかじきに雨、降りそうだね~」
ポニーテールの女子高生が呟くー

その隣にいる長い黒髪の女子高生が「う~ん…そうだね…」と、
空を見上げながら呟くー

彼女は、妹尾 千香(せのお ちか)ー
真面目な性格の優等生なのだがー
時々天然な行動やドジな行動をすることもあるー
そんな子だったー

「ーあれ?千香は傘持ってないの?」
友達の綾(あや)が心配そうに呟くと
千香は「うん…」と、”雨が降り出す前に帰らなくちゃ”と呟くー

「ーーう~ん…あ~そうだね…
 早く帰ったほうがいいね~」
スマホで、雨雲の動きを確認しながらそれを、千香の方に見せる綾ー。

雨雲の動きを見る限り、あと少しの間は
まだ、雨は降らなそうな感じだったー。

「ほんとだ!ありがとう!じゃあわたし、帰るね!」
慌てた様子で走り出す千香を見てー
綾は「転んじゃだめだからね~!」と叫ぶー

「ーわかってるよ~!もう子供じゃないんだから~!」
千香がそう言い返すと
「高校生はまだ子供だよ~!」と、綾は笑いながら言い返したー。

同時刻ー

傘を差しながら
会社から出てくる髪のうすいおじさんー。
中年太りー…とでもいうべきだろうかー。
そのお腹はポッコリと膨らんでいるー。

不潔な感じはないが、平均的な雰囲気だが、
そのオーラは、いかにも”冴えない中年のおじさん”という感じだったー。

君嶋 久雄(きみしま ひさお)は、40代の中年男性ー。
独身であり、サラリーマンとして勤務している男だー。
出世コースからは外れているものの、孤立するようなことはなくー
”目立つことなく、このまま定年退職を迎える”人生が
決まっているような、そんな感じの男だったー。

そんな彼には通勤中の楽しみがあるー

それはー
”街往くギャル”を見つめることだったー。

別に、何もしないー。
痴漢行為をしたりしないし、
触ったりも、撮影したりもしないー。
”何が違法”で”何がセーフ”かは、
よく弁えているー。

久雄は決して犯罪者などではなく、
”どこにでもいる冴えないおじさん”だったー。

彼は、ギャルが好きだー。
ギャルが好きで、遠くからさりげなく見つめることは
決して犯罪ではないー

「ーーー(あのギャル、スカート短すぎだろ…)」

久雄は”ギャル”という存在に
好奇心を抱いていたー

”あんなメイク、面倒臭そうだな”とか
”あんなに足を晒していったい何を考えているんだろうな”とか
”寒そうだな”とか、
”アクセサリー多すぎて、気が散りそうだな”だとか、
そういう”単純な好奇心”から来るようなものばかりー。

久雄はいつも、通勤中にギャルを見ては
そのようなことを頭の中で考えていたー。

とは言えー
別に、何もしないー。
ただ、見るだけだー。

家に帰宅すれば、ドラマを見たり、ネットを眺めたり、
オンラインの将棋ゲームをやったり、
何の代り映えもない”いつもの”日々が始まるー

それだけのことだー。

けれど、久雄自身、自分の人生を悲観するようなことは
決してなかったー。

自分の今の人生には、十分すぎるぐらい満足しているー。

そんな二人がーー
まったく生きる世界も、人生も違う二人がーー

住宅街の角でー

「ーーわわ!少し小雨が降ってきた~!」
猛ダッシュする千香ー。
千香の足は決して速くないー

「ーーーん~~…」
考え事をしながら家に向かって歩く久雄ー。

「ーーーわわわっ!?」
「ーーー!?!?!?」

街角で、ぶつかってしまったー。

その結果がー
”入れ替わり”だー

「ーーええええええええええ!?!?!?!?!?
 わ、わ、、わたしが、おじさんの身体に!?」
悲鳴に似た叫び声をあげる久雄になった千香ー。

千香になった久雄は入れ替わってしまった状況に
驚きながらも、その場では
”痴漢扱いされること”を恐れ、パニックになって
「ま、、待って!落ち着いて!お、おじさんは怪しい者じゃない!」と、
千香の身体のまま叫んだのだったー。

その結果がー
コレだー。

二人は、入れ替わってしまった現状を話し合うために、
千香になった久雄の提案で、
近くのハンバーガーショップに立ち寄ったのだー。

すぐに二人で、もう一度同じように街角でぶつかることなどは
試したのだが、あっさりと元に戻れる…
と、いうことはなかったー。

「ーーおじさんを信じてー。
 ちゃんと部屋の中で大人しくしてるからさ」

千香になった久雄は、ニヤニヤしながらそう呟くー。

普段は自分のことを”おじさん”などとは言わないのだが、
子供もいなければ、窓も当然いないし、
女子高生との接点など完全に「0」であったため、
どう接していいか分からず、
その結果、一人称がおじさんになってしまったのだー。

「ーーで…でも、家族とどうしても話すことはあると思いますしー」
久雄(千香)が言うー。

確かにー
入れ替わってから、久雄は一度も千香の胸を触ったりはしていないし、
変なことは一切していないー。

座り方が雑だったり、
平気でチーズバーガーとコーラを口にしたりするのは、
単純に”いつも通り”振る舞っているだけなのだろうー。

そんな風に思いながら、久雄(千香)は不安そうに千香(久雄)の
ほうを見つめるー。

千香(久雄)も、久雄になった千香のほうを見つめるー。
なんだか、そわそわもじもじとしている自分のことが
少し可愛く見えてしまったー

”可愛いおじさん”なんて誰得なんだ?と、思いながらもー
”中身が違うだけで、俺も結構いけるのかもしれない”
などと訳の分からないことを考えてしまうー。

ぶんぶんと首を横にふる千香(久雄)ー
女子高生と入れ替わってしまったせいで、
頭がおかしくなっているのかもしれないー

「ーーー??」
久雄(千香)は、突然髪を左右に揺らしながら
首を振り始めた”自分の身体”を不安そうに見つめるー。

「ーあ、いやー
 おじさんの身体、中身が変わるだけで
 ずいぶんなんかイメージ変わるなぁって思っただけで…」

千香(久雄)はそう呟きながらー
考えるー。

入れ替わった直後はー
痴漢扱いされることを恐れていた久雄だったが、
こうして実際に入れ替わってしばらく時間が
経過してみると、”その心配はない”ことを理解し始めていたー

何故ならー
今は”自分が”女子高生であり、
相手が”おじさん”なのだー。

周囲から見れば、”まさか女子高生とおじさん”が
入れ替わっているなどとは、夢にも思わないだろうしー
仮にこの場で”痴漢です!”とおじさんが叫び出したとしても、
どうとでもなるだろうー…

そんな風に考えてしまったー

何なら今、この場で、この大人しそうな女子高生・千香の身体のまま
”このおじさん、痴漢です!”と叫んだら
間違いなく、自分の身体が逮捕されるー

そんな気もしたー。

”そう考えると、おじさんって不利だな”
自分で自分に同情する千香になった久雄ー

でもまぁー
そんなことはしないがー。

久雄(千香)は、お店の中にある時計のほうを見つめるー

確かに、入れ替わった直後、元に戻れそうなことは
一通り試したー。

それにー
ずっとこのままでいるわけにもいかないのは事実だー。

もし、”千香”が家に帰らなければー
千香の両親は当然心配するだろうー。

そして、ずっと”このまま”二人で行動していてはー
”おじさんが千香を誘拐した”と思われかねないー。
今は自分がおじさんの身体ー
そうなってしまっては、この入れ替わったおじさんにも
迷惑をかけるし、結局、千香になったおじさんの行動を
見届けることもできないー。

かと言って、両親に「わたし、おじさんと入れ替わっちゃったの!」も
無理があるー
当然、通報されてしまうだろうー。

選択肢は”お互いの家にお互いのフリをして帰る”しかないのだー。

幸い、おじさんは一人暮らしとのことで、
会社も休んで大丈夫と本人が言っているためー
どうとでもなるだろうー。

しかしー
心配なのは…

「ーーわ、、わ、、わたしの身体で、絶対変なことしないでください…」
久雄(千香)が恥ずかしそうに言うと
「ーー大丈夫だって!なるべく部屋にいるようにするし、
 分からないことがあれば、全部相談するから!」
ニヤニヤしながら千香(久雄)が言うー。

そしてー
できる限りの情報交換をした上で、二人はそれぞれの家に帰宅したー。

帰宅してー
ドキドキしながら”JKの部屋に入るのか…”などと、
部屋の中に入った千香(久雄)ー

一応ー
”約束”は守るつもりだったし、
元の身体に戻る方法も探すつもりだったがー

「ーーーー千香~~!遅かったじゃ~ん!」

「ーーー!!!!!!!!!!!!」

千香の姉は、ギャルだったー。

そしてー
ギャル好きの久雄の中にー
そんな千香の姉を見てー
”ある欲望”が生まれてしまったー。

②へ続く

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コメント

まだ「勝手にギャルにならないで!」の状態にはなってないですネ~!(笑)
続きはまた明日デス!

コメント

  1. 匿名 より:

    続き楽しみにしてます

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