<憑依>憑依女子会に潜入せよ!③~黒幕~(完)

”憑依女子会”に
”憑依された女性”のフリをして、
潜入した女性捜査官ー。

果たして”憑依薬”の入手ルートを突き止めることは
できるのかー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

倒れたままの姫梨にキスを続ける円花ー

やがて、姫梨のスカートをめくって、円花は
その中に顔を押し付けながら
ヘラヘラと笑い始めるー。

黙々と料理を食べ続けている男装の女子高生・愛ー。

愛も、元々男装していたわけではなく、
愛に憑依したこの男の趣味で、髪をバッサリと切り、
男のような振る舞い・服装をさせられているー。

「ーーー」
翔子は、そんな愛と会話を試みるー。

「ーーさっきから、僕のことを見つめてー
 何かあるのかな?」

翔子が言うと、愛は「お前…”本当に憑依されてるのか”?」と、
冷たい口調で言ったー

「ん?」
倒れている姫梨をペロペロと舐めていた円花が
髪を乱しながら立ち上がるー。

「ーーど、どういうことかな?」
翔子が言うと、愛は続けたー。

「ーーおい、こいつ、本当に”乗っ取られた女”なんだよな?」
愛が、円花に確認すると、
円花は「間違いない。”憑依されちゃった系女子”しか
集まれないのが”ルール”だろ。
主催する際には、参加者がちゃんと”乗っ取られた女”かどうか
確認する義務があるー。間違いねぇ」と答えるー。

”ルール”
また、その言葉が出たー。

翔子は倒れている姫梨のほうを見つめるー。

さっき、姫梨は憑依薬の出所と思われる
”マナブさん”という名前を口にしたー

円花によればそれは”ルール”違反であり、
ルールに反した姫梨は”天罰”により、苦しみ出したのだと言うー。

「ーーさっきも言っただろ?OLの身体を乗っ取ったって」
翔子が動揺を隠しながら言うー。

”憑依されていない”翔子がこの憑依女子会に参加できたのは
”潜入捜査班”のメンバーのおかげだ。
村沢班長が指示をし、捜査班の一人・熊井が、潜入捜査の手配をしたー

多数の”情報屋”を抱えている熊井が、うまく情報操作を駆使して、
翔子が”憑依されている女性”の設定で、憑依女子会に
潜入できるように、手回しをしたのだー。

「ーーなるほど、憑依女子会とやらに突入して
 参加者を全員、しょっ引くってわけだ」

がさつな熊井捜査官のことを思い出す翔子ー。
熊井捜査官は、がさつだが、仕事は確実だー。

”絶対に”バレるはずはないー。

「ーー間違いないのか?
 もし、この女が”普通の女”だったら、
 お前も”ルール違反”だぞ?」

男装の愛が、鋭い目つきと口調で、今回の女子会の主催者・円花を睨むー。

円花は「あぁ、問題ないー」と、自信満々に答えるー。

円花が自信満々に翔子が”憑依されている女性”だと思い込んでいるのはー
熊井捜査官が、うまく手回しをしている証拠なのだろうー。

「ーーならば…証明しろ」
愛が、翔子のほうを見て言うー。

「ーーーえ?」
翔子が戸惑うと、愛は、
「ー服を脱いで、そいつの死体に放尿しろ」と、言い放ったのだー。

「ーーな…え????え????」
翔子が困惑の表情を浮かべるー。

「ーーはははははっ!最高だな!エロすぎだろ!」
円花がゲラゲラと笑うー。

「ーーーどうした?できないのか?
 女の身体で欲望を楽しむのが、俺たちだろ?」
男装の愛が、まるで男のような低さの声で”脅し”をかけてくるー。

「ーー僕は…僕の人生は、ゴミのような人生だったー
 だから、有名な企業に勤めていたこういう女を見ると
 腹が立ってさ…乗っ取ってやったんだ」

愛は、そう言葉を口にしたー。
さっき翔子が”この女を乗っ取った理由”として語った言葉だー。
当然、翔子は憑依などされていないし、”適当に作った嘘の理由”だー。

「ーー腹が立つ女を乗っ取ったんだー。
 全部脱いで放尿するぐらい、どうってことねぇよな?」
愛が言うー。

とても”身体は女子高生”とは思えないぐらいの威圧感ー。

「ーーー」
翔子は顔が赤らんでくるのを必死に抑えながらー
深呼吸をするー

”潜入捜査”で数々の修羅場を潜り抜けてきたー。
そのぐらいー

「ーーくくく 僕にそんなことをやらせるなんてなぁ!」
翔子は必死に”この女を乗っ取ってやった僕”を演じたー

服を勢いよく脱ぎ捨てる翔子ー。
嫌悪感が身体中を走り回るのを、抑え込みー
快感を感じている演技をするー

下着も含めてすべて脱ぎ捨てると、
ゲラゲラ笑いながら拍手している円花を他所にー
倒れている姫梨に向かってー
その場で笑いながら放尿したー

顔は笑っているがー
心は笑っていないー

横目で円花と愛を睨みつけながらー
”他人の身体を好き放題するあなたたちもー
 憑依薬を提供している”マナブ”とかいう人も、
 必ず突き止めてあげるからー”

と、険しい表情を浮かべたー

倒れている姫梨に放尿を終えると、
翔子は、裸のまま椅子に座って
「どうだ?これが僕の本気だ」と、言い放つー

円花は「すげぇ!本物だぜ!」と、笑いながら叫ぶー

愛は、少しだけ表情を歪めながら
「疑ってすまなかった」とだけ答えたー。

雑談は続くー

だが、翔子は一つだけ理解したー

この二人とどんなに話を続けてもー
”憑依薬”の入手ルートを言わせることは難しいー。

”このお店も関与してるかもしれないー”

ここは、お店の個室だがー
”姫梨”がおそらく死んでいても、まったく焦りを感じない
円花と愛の様子を見て、そう感じていたー。

ふつう、死体があれば、焦るはずなのだー。
それなのに、円花・愛の二人が何の反応も見せないということはー
やはりーーー
”店もグル”である可能性が高いー。

”どうにか、この二人のどちらかから、憑依薬の出所を吐かせないとー”

服を着た翔子は、”漏らした身体”に嫌悪を覚えながら、
チャンスを待ったー。

「ーートイレ」
愛が立ち上がるー

円花が「男子トイレに行くのか?へへ」と、笑みを浮かべると
愛は「当然だろ。JKの身体で男子トイレだ」と、言いながら
立ち去っていくー

円花と翔子が1:1になるー。

今回の憑依女子会の”主催者”ある円花はー
いや、円花を乗っ取っている男は、一番”憑依薬の出所に近い”と、
そう感じたー

「ーーーーー」

愛がトイレから戻ってくるまで、1分以上はあるだろうかー。
その間にー
こいつからー

翔子はそう思いながらも
”いえ、それではこれまでに逮捕してきた人達と同じ”と、心の中で呟くー。

”憑依された女子”をこれまで何人も確保してきたー。
だが、誰一人として、憑依薬の入手ルートを言うことはなかったー。

それはつまりーー
”ルール”を破ると”天罰”なるもので殺されることを恐れているのだー

そこに倒れている、姫梨と同じようにー。

「ーーーーー」
円花は胸を揉みながらニヤニヤしているー

”なんとか…なんとかして憑依薬の入手ルートを探らないとー”

翔子は実力行使を諦めて、なんとか”会話”から
引き出す方法はないか探るー

しかし、その時だったー

「ーーやっぱりな」
トイレから戻ってきた愛が言うー。

「ーーえ?」
愛の言葉に、翔子が首をかしげると、
愛は笑みを浮かべたー。

「ーお前、サツだな?」
とー。

翔子は背筋が凍る思いをしながら、
男装の女子高生・愛のほうを見るー。

愛はトイレに行ったのではなくー
”ある方法”で、翔子が警察官であることを確認したのだー

愛はにやりと口元を歪めたー
愛に憑依している男は、裏社会に精通するブローカーの一人であり、
警察の内部情報に詳しい”情報屋”と連絡を取り、
確認してきたのだと、説明したー

「ーーな、なんだって!?」
円花が表情を歪めるー

「ーバカなやつだな。騙されて女子会に普通の女ー
 それも、潜入捜査官の女を招き入れるとはー」

それだけ言うと、愛は「お前も”天罰”だな」と呟いたー

円花が首を振りながら
「う、、嘘だ…俺は!」と叫ぶー。

その直後ー
円花も、姫梨と同じように苦しみだすー

「ーーな、なんなのこれは!?」
翔子が叫ぶー

バレたなら仕方がないー
そう思いながらー

男装の愛は、かばんから銃を取り出したー。

”こいつ…こんなものまで!”
翔子は内心で舌打ちするー

「ーーじゃあな刑事さんー
 憑依されてる演技、85点だったよー」

愛はそれだけ言うと、翔子に向かって銃をーーー

「ーーー!?」

その瞬間ー
愛も苦しみだすー

既に動かなくなった円花のすぐそばに倒れて、
愛が悲鳴を上げるー

「お、、俺は…!”ルール”を破ってな…い!」
と、苦しそうに叫ぶー

翔子は「ちょっと!?何が起きてるの!?」と叫ぶー

その直後だったー
お店の”個室”に見覚えのある男が入ってきたー

「ーー熊井さんー」

潜入捜査班に所属する熊井健太郎ー。
がさつだが、確かな情報収集力を持つ男だー。

「ーーた、助けに来てくれたんですか…?」
翔子が言うと、熊井は笑みを浮かべたー

「ーーーなかなか良い見世物だったよ」
とー。

「ーーえ…」
翔子が唖然としていると、熊井捜査官は
「ー憑依された女のフリをするために、放尿までするたぁ、大した女だ」
と、笑うー

翔子は少しだけ恥ずかしそうに、「ど、どういう…」と呟くー。

すると、熊井捜査官は笑みを浮かべたー

「ー俺が”マナブさん”だよー」
とー。

熊井捜査官は笑いながら全てを説明したー。

自分が憑依薬を裏社会に流通させている通称”マナブさん”であることー

”ルール”とは、憑依薬を売る際に、購入者に対して説明するもので、
ルールを破れば”天罰”が下ることー

”天罰”とは、憑依薬の中に仕込んである時限式の特殊な毒で、
ルールを破ったことを熊井が確認次第”すぐに”毒殺できるシステムだということー

ここに倒れている姫梨・円花・愛も、熊井がその毒を作動させて、
天罰を与えたことー

「ま、この愛って女はルール破ってねぇえけど、
 俺が用済みだと判断したから、消しちまった はは」

熊井はそう言って翔子のほうを見つめるー

翔子は、「信じられない」という表情で
熊井のほうを見るー

潜入捜査班に所属している熊井が、
憑依薬を流通させている巨悪だったなんて
信じられないし、目的も分からないー

「俺の目的が分からないって顔してるなー」
熊井がそう言いながら自分の頭を掻くと、
笑みを浮かべたー

「警察内部にいれば、警察がどんな風に動いているか、
 手に取るようにわかるだろー?」

熊井は笑うー

そして、もう一つー

「ーー警察側と犯人側ー
 両方を一人で経験できるなんて…
 最高に楽しいじゃないか」

ニヤァ…と笑う熊井ー。

熊井は、憑依薬を提供して、金銭を稼ぐと共に、
憑依薬によって憑依された人たちを見て楽しみー
警察官として「それを追うふり」をして楽しんでいたー

彼にとっては、全てが”娯楽”なのだー。

「ーーーく、熊井さん…な、、なんてことを!」
翔子が叫ぶー。

「ーそれにしてもさっきまでの翔子ちゃんの”憑依された演技”
 最高だったよー」

熊井がそれだけ言うと、背後から熊井の仲間と
思われる巨体の男が姿を現したー。

「ーー”憑依されたフリ”は大変だろ?
 本当に憑依されて楽になれよ?な?」
熊井がそう言うと、同時にー
巨体の男が、翔子に抱き着きー
悲鳴を上げる翔子にキスをしたー

乗っ取られてその場で笑いだす翔子ー。
翔子は、姫梨、愛、円花が倒れている部屋で
胸を揉み始めると、狂ったように笑い続けるー。

その様子を見つめながら、熊井は笑みを浮かべて、
そのまま立ち去って行ったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーー八崎が本当に憑依されてしまうとはー…
 潜入捜査を命じた、俺の責任だー」

数日後ー
憑依女子会に潜入した翔子が本当に憑依されて
失踪してしまったことに、
村沢班長は、頭を抱えていたー。

「ー”憑依薬を流通させている奴”に
 感づかれたのでしょうな。
 許せねぇ」

熊井捜査官は、”何も知らない”かのように
平然と振る舞うー。

「ーー今後は、より慎重に捜査を進めなくてはなー」

村沢班長の言葉に、
捜査官・熊井は笑みを浮かべたー。

過去に確保された”乗っ取られた女子”をすぐに始末できるのはー
自分自身が警察官であるためー。
もしも”余計なこと”を喋ろうとすれば、瞬時に始末できるー
だから、恐れて誰も話さないー

部屋の外に出た熊井は、扉の外から
頭を抱えている村沢班長の姿を見てー
”犯人は、ここにいるんだぜ”と、不気味な笑みを浮かべながら
そのまま、休憩室の方へと向かったー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

「憑依女子会」の最終回でした~!

これからも、憑依薬の流通は
止まりそうにないですネ…★

お読みくださりありがとうございました~!

憑依<憑依女子会に潜入せよ!>
憑依空間NEO

コメント

  1. 匿名 より:

    警察の中に黒幕がいるのは最悪ですね。見世物にされて弄ばれたあげく、憑依されてしまった翔子は大変気の毒です。

    そういえば、最近、憑依薬系の話を読んでて思ったのですが、もし憑依薬にそれぞれ個別の名称があったら、面白くないですか?

    安直にノリウツールとか、現実にある薬名風に○○丸とかみたいな感じでもいいですし。
    同じ憑依薬でも、名前が違えば差別化できて、イメージが変わりますし、同じ薬名でも、「○○X」みたいに、薬名の後に英数字を足せば、効果の違う改良型みたいな演出も出来るかと思いますよ。

    かといって、各作品ごとに全部、個別の名前をつけるのは難しそうなので、同じ効果の憑依薬なら複数の話で兼用したりすればいいかと思います。

    • 無名 より:

      コメントありがとうございます~!☆

      個別の名称も考えたことはありますネ~!
      ただ、パッと見た時の分かりやすさと天秤にかけて
      「憑依〇〇」みたいな名前を中心に物語を書くことが多いですネ~!

      分かりやすさと作中の彩を天秤にかけて
      色々調整していきます~★!

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