”憑依された女性”が集まる憑依女子会…。
憑依薬の入手ルートを突き止めるため、
潜入捜査官の女性が”憑依されている女性”のフリをして、
女子会に潜入した!
そして…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーマジでさぁ、女のおっぱいって気持ちイイんだよ、ほら」
円花がニヤニヤしながら、自分の胸を両手で揉みー、
その”気持ちよさ”トークを始めるー
「ーーはぁ~女子大生ってマジで最高だよなぁ…
こんなモンが身体についてるんだからさぁ!
くくく…ひひひひひひひひひっ!」
円花の”身体”は女子大生ー
しかし、今は男に身体を奪われていて、
欲望のままに胸を触っているー。
「ーーえ~~~?っていうか、その子の身体は
わたしより胸大きくない~?」
ツインテールの姫梨が笑うー
姫梨は”人妻”
「ーーまぁでも、わたしは胸よりも~
子供と夫がいるのに、こんなことさせちゃってる~って
背徳感を味わうことに興奮してるの…ふふふふふ
だってほら、夫と子供を捨ててツインテールにしたり
裏垢女子になったり…
すっごいゾクゾクするでしょ?」
姫梨の言葉に、円花は「へへへ悪趣味な野郎だぜ」と、笑うー。
憑依女子会に参加しているメンバーは
お互いに”どんな人間が憑依しているのか”は知らないようだー。
これまで開催されている憑依女子会の傾向を調べた限りでも、
”憑依した人間同士の交流会”のようなもので、
元々”乗っ取った側”同士も”乗っ取られた側”同士も
特に面識はない様子だったー
「ーーお前は?お前の話も聞かせてくれよ?」
ニヤニヤしながら言う円花ー
もう一人の”どう見ても男にしか見えない”容姿の愛は
煙草を口に咥えながら、翔子のほうを見ていたー
翔子はーー
”憑依”されていないー。
憑依女子会に潜入しー
”憑依薬の入手ルート”を突き止めるのが任務だー。
裏から手回しして、
”憑依されている女子”としてこの会に参加したのだー
「ーーー僕は…」
翔子はあくまでも”憑依されている女”を演じるー
”女に憑依した男”になりきるー。
「ーー僕は…僕の人生は、ゴミのような人生だったー
だから、有名な企業に勤めていたこういう女を見ると
腹が立ってさ…乗っ取ってやったんだ」
翔子が言うー。
自分のことを”この女”というのに強い違和感を感じるー
だがー
目の前にいる円花・姫梨・愛の三人のような
被害者をこれ以上出さないためにも、絶対に
憑依薬の出所を突き止めないといけないー。
「ーーーへへへへへ 同情するぜ」
円花は、胸を触りながら笑みを浮かべるー
「ーこの女の身体を手に入れてからは…
本当に最高だよ」
翔子が嬉しそうに言うー。
「ーーふふふ だよね~~!
その女、真面目そうで、仕事できそうな感じだし、
乗っ取って好き放題しちゃうの、背徳感で最高だよねぇ~!」
姫梨が言うー。
「ーわたしもほら、人妻の身体でこんな
若い子~!みたいな振る舞いさせて興奮してるし~!ふふふふ」
嬉しそうにおしゃべりが止まらない姫梨。
翔子は内心で”とりあえずはうまく行ってそうね”と
安堵の溜息をつくー。
残る一人、
どう見ても男にしか見えない風貌の愛のほうを見る翔子ー
愛はー
少し前に姿を消した”女子高生”だー。
憑依される前の写真を見る限り、
髪の長い、可愛らしい女子高生だったのが分かるー。
だがー
今は髪を短くして、
服装も男物のジャケットを身に着けて
完全に男のようなスタイルだー。
「ーーー俺はさ、女を男にすることに興奮するんだよな」
愛は、そう言いながらガムを噛みだすー。
「ーーそりゃどういうことだよ?」
胸を揉みながら、円花が言うと、
愛は「見ろよ」と、写真を机の上に置いたー
可愛らしく友達と一緒に微笑む女子高生・愛の写真ー。
愛が憑依される前の写真だろうー。
「ーーー誰これ~?」
姫梨が言うと、愛は「この女だよ」と、自分の身体を
指さしたー。
写真に写る女子高生と、
今、目の前にいる愛想の悪そうな男にしか見えない女は
まるで別人だー。
「ーーえっ?マジ?」
円花が言うと、愛は「マジだよ」と、顔を触りながら言うー
「顔は同じだろ?」
その言葉に、円花は「ふへぇ~」と、感心した様子で、
愛を見つめたー
「ーーどこまで変われるかー。
どこまで別人になれるかー。
俺は憑依でそれを追求してるんだよ」
愛はそう呟くー
男は”できるだけかわいい美少女”を狙い
”徹底的に男装”して、男に変身することを
楽しんでいる憑依者だったー。
今の愛はー
完全に男にしか見えないー
”ひどい…きっとこの子…髪も伸ばしてたんだろうし…”
翔子はそう思いながらも
「それはたまらないなぁ…」と、”演技”を続けたー。
「ーーーふへっ!ちゃんと胸はあるんだなぁ」
円花が、愛の背後に回って愛の胸を揉むー
「ーーぁっ…♡ おい、急にやめろよな!」
愛が一瞬甘い声を出すー
服装で胸が目立たないようにしていて、
完全に男にしか見えない愛も
”身体”は女子高生のものなのだー。
”三人とも…完全に弄ばれてる…
絶対に許せない”
「ーーねぇねぇ、みんなで揉み合おうよ!」
姫梨が笑いながら提案するー
「お?いいねぇ。どいつのおっぱいが一番いいか、確かめるか!」
円花の言葉に、愛も「まぁいいだろう」と頷くー
その提案にー
激しい嫌悪を覚える翔子ー。
しかし、憑依薬の出所を突き止めるためには、
逃げることはできないー。
四人がテーブルを囲んでいた座席から
立ち上がり、近づくと、
それぞれ、他の3人の胸を揉み始めたー
三人とも、欲望に満ちた男の表情を浮かべているー
翔子は、円花の胸を揉みながら
「大きいねぇ…」と笑みを浮かべるー
”この女に憑依した僕”を演じる翔子ー
姫梨のー
愛の胸を揉みー
姫梨からー
愛からー
円花から胸を揉まれるー
「ーーふぅ~!揉みまくり最高♡」
円花は興奮した様子でそう言うと、
「ー料理がそろそろ冷めるぞ」と、愛から警告されて、
「そうだな」と、いったん”もみ合い”はお開きになったー。
着席する4人ー
雑談しながら、料理を食べていく4人ー。
そこでー
翔子は”本題”を切り出したー
ちょうど、話題が”憑依しようと思った時の話題”になっていたため、
”不自然じゃない形”で話を切り出したのだー
「そういえば、”憑依薬との出会い”はどんな感じだった?」
翔子が言うー。
「ーーえ~?憑依薬ってみんな”マナブ”さんから
手に入れてるんでしょ~?」
姫梨が笑うー。
”マナブさんー?”
翔子が、聞き返そうとしたその瞬間ー
「ーーおい!!!!!!!!!」
円花が机を思いっきり叩いたー
「ーーあ、ごめん」
ツインテールの姫梨が慌てて謝罪するー
男装の愛は、ガムを噛んだままー。
「ーー”憑依薬の入手ルート”は”タブー”のはずだぜ。
憑依者同士であってもな」
円花が鋭い目つきで姫梨と翔子を睨むと、
さっきまで、明るい少女ムードで話していた人妻・翔子は、
表情を暗くして、うつむいてしまったー。
「ーーーお前も、そういう話題を振るんじゃねぇ」
円花の言葉に、翔子は「ご、ごめん…僕はまだ憑依初心者だから…」と、
慌てて謝罪の言葉を口にしたー。
「ーまぁ、いい。
お前は純粋な好奇心からだろうー
でもーー」
円花が姫梨のほうを睨みつけるー
「”その名前”は絶対に口にしちゃいけない名前だよなぁ」
円花の言葉にー
姫梨は黙り込んだままー
愛はガムを噛み続けたままー
”沈黙”の時間が続いたー
追加の料理が運ばれてくるー
お酒を愛・姫梨・翔子に注ぐ円花ー。
酒を飲む愛ー。
身体の年齢などお構いなしー
唐揚げを食べながら胸を触る円花ー
”空気”が変わったー。
翔子は、姫梨のほうをチラッと見るー
姫梨は青ざめた表情でガクガク震えているー
「ーー大丈夫かい?」
翔子が尋ねると、姫梨は「ーーーう、、、うん…」と
だけ頷いたー。
だがー
その直後だったー
姫梨が突然苦しみ出して、
椅子ごと転倒、床の上でもがき始めたのだー。
「ーー”天罰”かー。仕方ねぇな」
円花は顔色一つ変えずに呟くー。
「ーーーえ…?て、天罰って…?」
翔子は動揺の色をハッキリと表に出してしまうー。
「ーー”ルール”を破ったからに決まってんだろ?」
円花が邪悪な笑みを浮かべながら言うー。
もがき苦しんでいる姫梨ー。
だが、この”姫梨”の身体は
何の罪もない一児の母親だー。
救護活動をしようとする翔子ー
「ーーやめとけ」
男装している愛が呟くー。
「ーーで、でも」
翔子は戸惑いながら、苦しんでいる姫梨と
それを冷たい目線で見つめる円花・愛のほうを見つめるー
「ーおいおい どうした?
他人がどうなろうと、関係ないだろ?
お前だってそう考えているはずだー。
だからこそ、
見ず知らずの他人の身体を乗っ取って
憑依女子会に来てるんだろ?
乗っ取られた女からすりゃ、殺されたも同然さー。
俺たちは、既に他人を”乗っ取る”という形で殺してるんだ。
俺たちは”心”を殺したー。
そいつが死のうが俺たちにゃ関係ない。だろ?」
円花が冷たい口調で言うー。
とても、”身体は女子大生”とは思えないような
冷徹さだー。
「ーーー」
翔子は、”でも”と叫ぼうとして、言葉を止めたー。
”他人の身体を乗っ取って、その人間の”心”を殺している
俺たちが、他人の心配をするのはおかしい”
と、円花は言っているのだー。
翔子は冷静に状況を判断するー。
この様子ー
おそらく、姫梨は助からないー。
ここで、正体が発覚することを承知で姫梨を助けようとすることは、できるー
だが、結果的に、姫梨は助からないだろうー。
で、あれば”任務”を優先するべきなのだー。
人間としてー
それが正しいのかは分からないー。
けれど、潜入捜査官としては、それがきっと、正しいはずだからー。
「ーーーーそ、、そうだな」
翔子は”憑依されている女”の演技を続けたー
「ーー目の前で”人が死ぬ”のは、初めてだから、少し動揺しただけだ」
翔子がそう言うと、
男装”させられている”女子高生の愛が、翔子のほうを
睨むようにして見つめているのに気づいたー。
だが、翔子はそれに気づかないフリをしてーー
「そういえばさ、乗っ取った身体を返すことってできるんだっけ?」
と、円花に問いかけたー。
円花は、少しだけ考えてから「まぁな。説明受けなかったか?」と
笑みを浮かべたー。
「ーー僕は、忘れっぽいからさー」
翔子はそれだけ言うと、
”憑依された人間”を助け出す方法があるのかどうかを
探ろうとしつつ、”憑依薬の入手先”をなんとか
調べようとしたー。
「ーそれにしても、天罰ってすごいんだなぁ…」
翔子が、動かなくなった姫梨のほうを見て言うー。
「ーー”ルール”は絶対だからな」
円花は酒を口にすると、
両手で胸を揉みながら笑みを浮かべるー。
「ーーそうだ。死んだ女とってのもたまには悪くねぇかもな」
そう言うと、円花は倒れ込んでいる姫梨の顔を掴んで
そのまま仰向けになった姫梨にキスをし始めたー。
おそらく死んでいる姫梨にキスをする円花ー
異様な光景に、翔子はゴクリと唾を飲み込むー
煙草を吸いながら、翔子のほうをじっと見つめている愛ー。
”大丈夫ーまだ気づかれてないー”
翔子はそう思いながらも、
個室の外のほうを見つめるー。
このお店も、なんだか怪しいー。
”憑依女子会”が開かれているお店も、
もしかしたらグルの可能性があるー。
それにー
”ルール”とは何かー
”天罰”とは何かー
”マナブさん”とは誰かー
どうして姫梨は急に苦しみだしたのかー。
「ーーーーーーー」
翔子は、背筋が凍るほどの緊張感を味わいながらも、
倒れている姫梨にキスを続ける円花のほうを見つめながら、
なんとかして”憑依薬の入手ルート”を調べようと、
心の中であれこれ思案するのだったー
③へ続く
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緊迫の潜入捜査…!
果たして憑依薬の全貌を明らかにすることはできるのでしょうか~?
次回が最終回デス!
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