<憑依>心霊番組を見た彼女①~異変~

彼女と一緒に心霊番組を見た彼氏…

しかし、その日から、次第に彼女の
様子に異変が起き始めるのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーあ~面白かった!」
女子大生の相馬 麗(そうま うらら)が、
笑いながら言うー。

その隣では、
麗の彼氏で、同じ大学に通っている
緒形 洋介(おがた ようすけ)が「意外な結末だったな~」と
笑っているー。

二人は、とあるテレビドラマの最終回をちょうど
見終えて、そのドラマの話をしている最中だったー。

麗と洋介は付き合い始めて1年ちょっとが経過した
大学生カップルー

麗は今でこそ落ち着いた雰囲気の
優しそうな子だが、
高校生の頃まではツインテールがトレードマークの
とても子供っぽい振る舞いが特徴的だった子で、
高校時代を知る子から、よくネタにされているー。

一方の洋介は「無難に学生生活を送ってきた」タイプで
友達も多すぎず、少なすぎず、という感じだ。

そんな二人は今日、洋介が住んでいるアパートで
デート中だったー。
洋介は大学進学をきっかけに一人暮らしを始めて、
今はこの部屋に一人で住んでいるー。

デート…と言っても、休日は
それぞれどちらかの家で過ごすことも多く、
既に「当たり前の日常」になりつつあるー。

「ーーちょっとトイレ」
そう言いながら洋介が立ち上がるー

麗は”面白かった~”などと思いつつ、
テレビを見つめているとー
後番組だろうかー

”心霊番組”が突然始まったー。

「ーーーわ…何これ…気持ち悪い…」

正直、麗は心霊番組の類が得意ではないー。
突然画面に表示された不気味な男の幽霊の映像を見て
麗は震えるー。

「ーーー…け、消していいかなぁ~」
トイレに行っている洋介のほうを見て、
そう呟いた直後ー

突然、テレビから大きな音がしたー

ビクッ!としてしまう麗ー。
心霊番組の効果音の演出だったがー、
麗は大げさに驚き、周囲をキョロキョロと見つめたー。

そうこうしているうちに洋介が戻ってきたー

麗が「あ、洋介!なんか気持ち悪い番組が始まった~!」と
洋介に声を掛けると、
洋介はテレビ画面を見て
「お~!心霊番組」と笑みを浮かべたー

麗は嫌な予感を覚えるー

そして、その”嫌な予感”を口にしたー

「まさか…見るの?」
とー。

その言葉に洋介は「ちょっとだけー」と
苦笑いしたー。

「え~~~」
麗はそんな風に不満を口にしながらも、
なんだかんだで洋介と一緒にその心霊番組を見つめるー

「ーーー…!」

その最中ー
テレビから、不気味な黒い煙のようなものが
出てくるのが見えたー。

麗が驚いて”え…?なにあれ?”と
怖がりながら目をこすって再度確認するとー、
その黒い煙は消えていたー。

”あれ…?やっぱり気のせいかな…?”
そんな風に思いながら、一緒に心霊番組を見ている
洋介を横目で確認してみたものの、
特に洋介に変わった様子はなかったー。

一方の洋介は、何も気にせず、心霊番組を楽しんでいたー

元々、こういう感じの番組は好きで、
たまに暇なときに見ていたりもするー。

洋介にとっては”心霊現象”など、子供だましに過ぎないのだー

「ーーーあ、ごめん、麗、こういうのあまり得意じゃなかったよな」
洋介がふと我に返ってテレビを消そうとすると、
麗が突然、洋介の手を押さえたー

「ーいいよ。まだ見よっ」
麗がほほ笑むー。

「ーーえ、あ?そう?じゃあ、もう少しだけ」
洋介がそう言うと、麗は食い入るようにしてテレビを見つめていたー

”いつもすぐ消そうって言うのに、珍しいな”
そんな風に思いながら、心霊番組を
洋介と麗は最後まで見続けたのだったー。

番組は終わっても、麗はその場所に座ったまま、
何かをぶつぶつと呟いていたー。

「ー麗?」
洋介が少しだけ心配になって、麗に声を掛けると、
「あ、うん!大丈夫!ぼーっとしてた!」と
麗は笑顔で答えたー。

「ーははは、あまり無理するなよ?
 麗が苦手なら、俺は心霊番組なんて見なくても大丈夫だし、
 俺に合わせて無理しなくていいんだからな?」

洋介がそう言うと、麗は「うん。ありがとう」とほほ笑むー。

「さ、そろそろご飯にするか~」
洋介がそんな風に呟きながら”何かないかな~”とキッチンの方に向かっていくー。

洋介の家で遊ぶ時は洋介が、
麗の家で遊ぶ時は麗がそれぞれご飯を準備することになっているー。

そのため、今日は洋介がご飯の準備をしようとしているのだー。

「ーーーーーー」
洋介が背中を向けたとたん、麗の表情から笑顔が消えー
目が、赤く、不気味に輝いたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーーーー」

洋介との楽しい時間を終えて、帰宅した麗は
「あ~楽しかった」と、呟きながら
自分の住んでいるアパートの一室で一休みをするー

麗も実家を出て、一人暮らしをしていて、
洋介とは別の、数十分程度離れた場所に住んでいるー。

「ーーーーーーー」
しばらくぼーっとしていた麗は、ふと”気配”を感じて
振り返ったー。

だが、そこには誰もいないー

「ーーーふぅ…」
大きくため息をつく麗ー。

珍しく心霊番組なんて見てしまったから、
敏感になっちゃってるのかな?などと思いつつ、
そのまま手を洗って、家の片づけをし始めるのだったー。

だがー
その麗の背中に、不気味な黒い影が集まっていることに、
麗本人もまだ、気づいていなかったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーそういや、さっきの心霊番組、
 なんて番組だったんだ?」

麗が帰宅し、自宅で一人の状態になった洋介は、
先ほど自分たちが見ていた心霊番組のことを気に入り、
”またそのうち別の特集やるなら見てみたいし、
 番組名を覚えておくか”と、
テレビの番組表を見つめ始めるー。

だがー

「ーーーあれ…?」
洋介は思わず首を傾げたー。

おかしいー

先ほど見たはずの心霊番組らしき番組が
テレビ欄に掲載されていないのだー

「ーーーあれ??あれ?俺たち、どのチャンネル見てたんだ?」
首をかしげる洋介ー。

だが、どのチャンネルを確認しても
心霊番組らしきものは、放送されていなかったー。

「ーーー!?!?」
洋介は違和感を感じてすぐにネットで
先ほど見た心霊番組の情報を調べ始めたー

内容を思い出しながら
ツイッターで引っかかりそうなワードで検索していくー。

こういうときにツイッターは便利だと洋介は思うー。

例えば、ネットの動作が遅いな…と感じた時に
それをツイッターで検索してみると
「同じような状況」の人がいれば
必ず誰かしらそのことをツイッターで話題に出しているからだー。

公式で「障害情報」が出る前に
「あ、これは自分のネット環境が悪いんじゃなくて、向こうの不具合だな」
と理解することができ、安心感を得ることもできるー

だからー
今もツイッターで、あの心霊番組について検索したのだー。

番組の内容で検索すれば
必ず感想ツイートをしている人間がいるのだー。

しかしー

「ーー!?!?」
洋介は表情を曇らせたー。

番組内で何度も出てきた「不気味な男の幽霊」の話題が
一切、ツイッター上に上がっていないー

”誰も見てないってことか?”
洋介はそんな風に思いながら”心霊番組”
”怖い”など、色々なワードをツイッターで検索していくー。

だが、洋介と麗が”見たはず”の心霊番組に関する話題を
挙げている人間はおらず、
しかも、テレビの番組欄にもそれらしき番組は
見つからなかったのだー

「ー…ま、まさかなー」
”俺らはいったい何を見ていたんだ?”そんな風に思いながらも、
洋介は”いけないいけない”と首を振ったー

こういう怖い番組を見たあとに、
こういうくだらないことで不安を感じるのは、一番よくないー

「ーーふぅ…まぁ、急な番組変更とかもあるし、
 そんな感じだろ」

洋介はそう呟きながら、静かに立ち上がると、
そのまま寝る支度を始めるのだったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー

大学ではいつものような穏やかな時間が流れていたー

麗の様子もいつも通りー

洋介は昨日の心霊番組のことなど忘れて
いつも通り麗と楽しい時間を過ごしていたー。

しかしー

「ーーーー…~~~…」

大学が終わって帰ろうとしていた洋介が、
ふと、自動販売機が置かれている場所の側で
空を見上げている麗の姿を見つけたー

「ーーお、麗もこれから帰りかー…?」

そう、声を掛けかけた洋介が
表情を歪めるー

麗の背中から、不気味な黒い影のようなものが
見えたからだー。

「ーーー…くく…くくくくくくく…」
麗がそう笑っているようにも感じたー

「ーーう、麗ー」
背後から洋介がようやく声を掛けるとー
麗は少ししてから振り返ったー

「あ…!洋介!ごめん、ぼっとしてた!」
麗が笑うー。

「どうしたの?」
いつものような雰囲気でそう尋ねてくる麗に対して
洋介は「あ、いや、これから帰りかなって思って」と言うと、
麗は「うん!そうだよ!一緒に帰ろ!」と笑みを浮かべたー

洋介の家と麗の家の方角は同じー。
麗の家の方が大学から近く、
洋介が麗の家の前まで行っても、多少遠回りする程度で
通ることができるため、
時間が合えば、いつもこうして一緒に帰ることが多い。

帰宅している最中も、麗の様子に特におかしな部分はなかったー

”さっきのはー…”
洋介は、さっきの、様子のおかしな麗を思い出しながら
少し不安を覚えたものの、
”本当にただ、ぼーっとしてただけなんだろうな”と、
それ以上は気にしなかったー

「ーじゃあ、今日はこれで!あ、あとでまた連絡するね!」
麗のアパートに到着して、麗が玄関の前でほほ笑むー

「あぁ、じゃ。また!」
洋介がそう言って立ち去っていくー

麗が玄関を開けて自分の部屋に入るとー
麗の目が赤く、不気味に輝いたー

ふらふらと部屋の中に歩いていくと、麗は
カバンを放り投げて、そのままテレビの前に座ったー

そしてー
苦手なはずの心霊番組を見始めて、
悪魔のような笑みを浮かべたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーあれ?寝ちゃったのかな…
 今日はもう、やめておくか」

夜ー
洋介がLINEで麗にメッセージを送ってみたが
特に反応はなかったー。
既読もつかないため、既に寝ているのかもしれないー

そう思った洋介は、
そのまま”俺も寝るか”と
布団に潜るのだったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーーー」
麗がぼーっとしていることが多くなったー

最初に異変を感じてから1週間ほどが経過したー。

今日も、麗は、食堂で無表情のまま
昼食を食べているー

心配になった洋介が「何か困っていることでもあるのか?」と
尋ねたが、麗は笑顔で「大丈夫大丈夫!」と、答えるばかりで、
それ以上のことは分からなかったー

”話しかければ普通”なのだが、
一人でいるときの麗の様子が、何かおかしい気がするー

そんな不安を洋介が抱きながら、
生活していたある日のことだったー

「ーねぇ、洋介…次の土曜日、また洋介の家で怖いやつみたいんだけど…」
麗が突然、そう言ってきたのだ。

「怖い奴って…?心霊番組?」
洋介が言うと、麗はにっこりとほほ笑みながらうなずいたー

洋介は戸惑いながらも「ま、まぁ、いいけど」と頷くー。

「よかった!じゃ、また次の土曜日に!」
そう言いながら立ち去っていく麗ー

その麗の背中に、再び黒い影が見えたー
その黒い影はー
この前よりもさらにどす黒くー、”量”も増えていたー

②へ続く

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コメント

夏向けに考えていたお話ですが、
色々な事情で、この時期になってしまったホラー系(?)の憑依デス~!

まだ暑い日もあるのでセーフ…☆かも…?笑

続きはまた明日デス~!
今日もありがとうございました!

憑依<心霊番組を見た彼女>
憑依空間NEO

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