<皮>真夜中の訪問者②~深夜の恐怖~(完)

深夜の交番で一人、仕事をしていた警察官の亮平。

そこに「皮にされちゃいました」と、自称する
謎の女子大生・莉香がやってくるー。

意味不明な言動を繰り返す莉香の真意とは…?

・・・・・・・・・・・・・・・・・

莉香が時計を見つめるー。
亮平が戸惑っていると、
「ーくくくくく」と、莉香は突然笑い出した。

「ど、どうしました…?」
亮平は”気味悪いな…”と思い始めながら
莉香の方を見つめると
「いえ、戸惑うお巡りさん、面白いなって」
と、微笑みながら言うー。

亮平は少し顔を赤らめながら
「ーか、揶揄ってるんですか?
 …悪戯なら、いい加減にして下さい」と呟くー

いきなり深夜の交番に入り込んできて
「皮にされちゃいました」と意味不明な言葉を呟き、
先ほどから、要領の得ない行動を繰り返しているこの女…

正直なところ、まるで意味が分からない。
この女性はいったい何を求めていて、いったい何をしようとしているのかー。

「ーーーー揶揄ってますよぉ~」
莉香はそう言うと、突然赤いスカートをめくって、
ニヤニヤし始めたー

「ーーちょ!?なっ!?」
亮平が思わず変な声を出してしまうー

「ー皮にされて、乗っ取られてー
 深夜に交番でスカートをめくってる女子大生…
 どう思います?」

莉香の言葉に、亮平は「ど、、ど、どうって…」と
困惑するー。

「ーーふふふ…おもしれぇなお前」
莉香が突然、荒い言葉遣いになって交番の机に手を叩きつけるー。

「ーーき、、君はいったい…?」
亮平は混乱していたー。
あまりにも得体の知れないこの女性を前に、混乱していたー

「ーだから教えてやってるだろ?
 わたし、皮にされたって。
 こんな大人しそうで可愛い女子大生が
 意味もなく深夜に交番に来て、スカートめくると思うのか?」

可愛らしい声で乱暴な言葉遣いー

亮平は完全に混乱状態に陥っていたー。

「ーーそ、、それは…」
亮平が戸惑っていると、
莉香は「思うのか?って聞いてるんだよ。な?答えろよ」と
笑顔で続けたー。

「ーい、、今、実際に君がやってることだー」
と、亮平が言うと、莉香は笑ったー

「ーーあははははははっ!どいつもこいつもバカばっかりだ!
 外見しか見てねぇもんな!」

ーと。

「ー君!いい加減にしなさい!」
亮平は声を荒げたー。

意味不明すぎるー
なんだこの女はー

そう思ったー。

「ーーへへへ 怒るなって このエロいタイツ足触らせてやるからよ」
挑発的なポーズで、足を強調する莉香ー。

「ーー…悪戯なら、そのぐらいにしておきなさい」
亮平は完全に怒った様子でそう呟くー。
莉香は「へへへ」と笑いながら、再び椅子に座ると、
タイツに包まれた足をペロペロと舐め始めたー

「ーー皮ってすげぇよな。
 こうやって着てしまえば、
 こんなかわいい子だって思いのままだー

 どこを触ろうが俺の勝手だし、
 何をしようが俺の勝手だ。

 ほら、この女が黒タイツ舐めてるの、
 最高にエロいだろ?」

莉香の言葉に、亮平は「なんなんだ君は!」と叫ぶー。

もう、我慢の限界だったー。
まるで意味が分からないー

その亮平の態度を見て、莉香は笑みを浮かべたー

「ーお前、わたしが何をしたいんだか、分からなくて
 ちょっとビビってませんか?」

敬語と乱暴な口調が混ざり合った不気味な口調の莉香が言うー。

「ーび、びびってなんかー」
亮平が返事をすると、莉香はクスクスと笑いながらー

「ーー仕方ないから…全部教えてやるよー」
と、言うと、突然莉香は自分の後頭部に手を伸ばしてー

”自分”を引き裂いたー

「ーー!?!?!?!?!?」
亮平が目を見開くー

ベリッ、と何かをはがすような音がしてー
莉香の姿が真っ二つに割れていくー

そして、中から別の男の顔が姿を現したー

莉香の胸元ぐらいまでが引き裂けた状態で、
顔だけ出した男が笑うー

「ひっ…な、なんだお前はー」
亮平が恐怖に怯えるー

警察官と言えども、こんな恐ろしい光景は
見たことがないー
人から、人が出てくるー

「ーーだから最初から言ってるじゃねぇか」
男がニヤニヤと笑うー。

「ーわたし、皮にされちゃいましたって、さ」
男の言葉に、亮平は「な、な、どういうことだ!?」と叫ぶー。

「ーーククククー
 俺はさ、人を”皮”にすることができるんだ」
男は、そう言うと、右手を莉香の皮の中から出して
それを見せつけたー

”義手”ー
ギシギシを音を立てながら、その手は時々光のようなものを放っているー

「なんだ…それは…?」
亮平が言うと、男は「人を”皮”のようにできる力が、この義手にはあるんだぜ」と
笑みを浮かべたー

「ま、この義手のことはどうでもいいー」

それだけ言うと、俺は莉香の皮を完全に脱ぎ捨てて、
乱暴にそれを掴むと、すっかりと”着ぐるみ”のようになった
莉香を亮平の方に見せつけたー

「この義手で、何もしらずに帰宅したこの女子大生を
 ”皮”にしたのさー。へへ…すげぇだろ?」

男の言葉に、
亮平はただただ戸惑うー

そして、再び皮を着始める男ー
莉香の頭をすっぽりと、自分にかぶせると、
「ーくくく…皮にした人間を着ると、こうしてそいつを
 完全に支配することができるんだ」
と、莉香の姿・声で笑うー。

「ーそ、そ、そんなこと、あるはずがー」
亮平は、”人間そっくりの着ぐるみか何かか?”と、
考えるー

しかし、それを見透かしたかのように、
莉香は学生証を投げつけたー。

そこには”嶋沢莉香”とちゃんと書かれていてー
穏やかそうに笑う莉香の写真ー

「ー生きてる人間が、こうして俺に皮にされて
 乗っ取られてるんだよ…
 ククク…興奮するだろ?」

莉香が黒タイツを撫でまわしながら言うー。

「ーーバカな…!」
亮平は唖然とすることしかできないー

「ー俺はな、こうして適当な女を見つけては乗っ取って、
 色々な奴を揶揄って遊んでるんだよー

 今日の俺の服は、女子大生の嶋沢莉香だー」

莉香は、自分のことを他人のことを言うようにしながら笑うー。

「ーーそして、オカズはお前ー。
 嶋沢莉香という女子大生の身体で、お前という狼狽えるオカズを
 美味しく召し上がるんだよ」

莉香はゲラゲラと笑ったー

男は、連日、気に入った女を見つけては皮にしてー
深夜にその日ごとに違う場所を訪れて、揶揄っているのだというー

「一昨日は、仕事帰りのOLを皮にして
 コンビニでバイトの店員を揶揄ってやったし、

 その前は人妻を乗っ取って
 近所の一人暮らしの男子大学生を揶揄ってやったしー

 ククク」

莉香の言葉に、亮平は「何が目的だ!」と
銃を取り出したー。

実際の事件で発砲などしたことはないし、
撃てばそれなりに騒がれることも亮平は
理解しているー

だが、それでも、今、目の前にいるこの危険人物に対して
銃を抜かないわけにはいかなかったー。

「ーーー目的?」
莉香は笑いながら言うー。

「ーー別に何もねぇよ」
莉香はそう言いながら、亮平の方に近付いてくるー

「ーただ単に”おもしれぇこと”をしてるだけだよ。

 こんな風にかわいい女が、俺の思いのままー
 面白いし、興奮するだろー?

 そして俺に乗っ取られた女に翻弄されて
 狼狽えるお前のようなやつー
 それを見るのも…
 
 くく…ふふふふふふふ」

莉香は突然大笑いし始めるー

「ーーあはははははははははははっ!!!
 お前みたいに、狼狽えるやつみてると…
 くくく、ひひひひひひ…
 マジで面白くてたまらねぇ!

 ひひひはははははははははははっ!」

莉香の狂った笑い声が響き渡るー

この子は普段、絶対にこんな風に笑う子じゃないー
亮平はそんなことを思いながら」
「それ以上動くな!」と叫ぶー。

「ーー動くよ」
莉香は言い放ったー

「なんだと!?」
亮平の言葉に、莉香は「だって、お巡りさんー撃ったら」
と、言いながら邪悪な笑みを浮かべたー

「撃ったらわたし、死んじゃいますよ?」
とー。

「ーーー!」

”人を皮にしている状態”
それはー
”皮にされた人間は、加害者であり、人質でもある”
そんな状態ー

「くっ…」
亮平の言葉に、莉香は「わたしは人質でもあるってことをー」
と、言うと、グーで亮平を殴りつけたー

「ー忘れるんじゃねぇぞボケがぁ!」
莉香の恐ろしい声が交番内に響き渡るー。

銃を取り上げる莉香ー

「ーほら!女子大生ごときに追い詰められて、
 今、どんな気分だよ?言えよ!」

莉香がゲラゲラと笑うー

「ーや、やめろっ!やめてくれ!」
亮平が叫ぶー

こいつは、サイコパスだー
完全に、イカれてるー!

「ーーーへへへっ…今夜もお前のおかげで楽しかったよ!
 
 明日には俺はまた別の女を乗っ取って
 また別のターゲットを探して楽しむさ…!
 お前みたいにな…!

 まぁでも、お前はなかなか楽しかったぜ!
 今まで歴代トップ10に入れてやる!
 ありがたく思いな!」

莉香の言葉に亮平はなんとか反撃を試みようとするー。

だがー
銃声が響き、亮平が悲鳴を上げたー。

莉香を乗っ取った男は、毎晩、好みの女性を見つけては
皮にして支配ー
そしてその身体で存分にエッチなことを楽しんでから
外出し、亮平のような適当なターゲットを見つけては
今日のように、相手の反応を見て楽しんでいる。

他に、目的はないー

”身体”と”反応”
その2つを楽しんでいる
愉快犯ー
それが、この男だったー

乗っ取られる人間のことやー
犠牲になる人間のことなど、何も考えていないー。

「ーー”深夜の交番にやってきたやべぇ女子大生”
 を相手に、戸惑うお巡りさんの姿は、最高だったぜぇ!」

莉香はそれだけ言うと
亮平に改めて銃を向けたー

「ーーこ、こんなことして…!逃げられると思うなよ!」
亮平が苦しそうに叫ぶー。

「ーーへへ…ご忠告どうも」
莉香はそれだけ言うと、ニヤニヤしながら続けた。

「ーーでもさぁ、残念ながら、逃げられちゃうんだよなぁ…!
 ”人を皮にすることができる”なんて、誰も思わねぇだろ?」

その言葉に、亮平は目を見開いたー

「ーさぁさぁ、命乞いタイムだー
 女子大生のわたしに命乞いしてごらん?」

笑う莉香ー

亮平は「や、、やめろ!やめてくれ!」
と叫ぶー。

「ーくくくくく ほらほら!莉香女王様…やめてください!だろ~?」
莉香の言葉に、亮平は
言われたとおりにそう叫んだー

亮平の無様な態度に、莉香はにやりと笑みを浮かべるとー
そのまま、笑みを浮かべて立ち去って行ったー

男にとって”乗っ取った人間の身体”と
”その人間の奇行に戸惑う周囲の反応”を見ることだけが
楽しみだー。

あとのことは、どうでもいいー

”クククー
 今日も楽しかったぜ…!あばよ!”

それだけ言うと、一目につかない公園のトイレで莉香の皮を
脱ぎ捨てると、そのまま莉香を人間の姿に戻して
トイレで座り込んだ状態の莉香を置き去りにー
男は立ち去って行ったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー

莉香は公園のトイレで倒れているのを発見されたー。
意識はあったが、うわごとばかりを呟いていて
錯乱状態ー。

皮にされた影響…なのだろうかー。

彼女はそのまま日常に復帰することができない状態が
続いているー。

一方の亮平は、周囲に状況を話したが、
誰にもそのようなことは信じてもらえず、
独自に男の行方を追ったー。

しかし、あの時、顔を見せた男は、
”他人の皮を組み合わせて作った顔”をかぶっていて、
素顔ではなかったー。

”存在しない顔”であるためー
男の行方を捜すことは困難だったー。

「くそっ!」
亮平が叫ぶー。

男は、今日も楽しんでいるー

「ーーふふふふっ…♡」
今日は人妻を皮にして乗っ取ったー

もうすぐ夫が帰宅するー

今日のターゲットは、夫だー。

エッチを終えた人妻がニヤニヤしながら笑うー。

身体は存分に楽しんだー
あとは、夫に「わたし、乗っ取られちゃったの」と告げてー
その反応を存分に楽しむとしようー。

男は、そう思いながら静かに笑みを浮かべたー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

目的なく、ただ欲望のままに人を皮にしている男の
お話でした~!

このまま野放しにしておくと、被害者がどんどん
増えていきそうで、恐ろしいですネ…!

お読みくださり、ありがとうございました!!

皮<真夜中の訪問者>
憑依空間NEO

コメント

  1. 匿名 より:

    最後、皮にされた莉香が元に戻ってますね。
    皮にされた被害者が元に戻る話は珍しいですね。とはいえ、精神的におかしくなっちゃったみたいなので、ハッピーエンドとは言えないかな?

    もしかして皮にされてる間の記憶が残ってたりしたりして錯乱してるんですかね?

    • 無名 より:

      コメントありがとうございます~!☆

      確かに無事に解放されているのは珍しいかもですネ~!
      特に皮系では…☆

      錯乱している理由は…謎のままデス!

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