魔王城に乗り込んだ勇者・ライルが目撃したのは、
魔王に憑依されて
変わり果ててしまったリーア姫の姿だったー。
幽閉されてしまった勇者の運命は…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「くそっ…!」
勇者ライルは牢獄の中で叫ぶー。
リーア姫が魔王に憑依されてしまったという現実ー
そんなことになる前に、自分がここにたどり着けなかったという悔しさー。
そして何より、魔王に憑依されたリーア姫を前に、
何もできなかったという屈辱ー。
「ーー俺は……俺は…!」
リーア姫の優しい笑顔を思い出しながらー
ライルは壁に拳を叩きつけたー。
「ーー哀れなライルー」
その時だったー。
牢獄の側に、乗っ取られたリーア姫が歩いてくるー。
悪女のような歩き方をしながら、
禍々しい紫色のドレスを身に纏うリーア姫が
近くにやってくるとー
「ーライル…あなたには失望しました」
と、笑みを浮かべながら言い放ったー
「ーー…ふ、、ふざけるな!姫のふりをするな!」
ライルが怒りの形相で叫ぶー。
「ーー勇者なんて、所詮は名ばかりだったのですね。
だってー
あなたはわたしを助けられなかったのですからー。
魔王に憑依されて、こんな風にさせられてしまった
わたしを、あなたは助けてもくれないー」
リーア姫を乗っ取っている魔王が、ライルの
”言葉”で攻撃を仕掛けて、楽しんでいるー。
「ーーち、違う…俺は!」
表情を歪めるライルー。
リーア姫の意志で喋っているのではないー
それを理解しながらも、
リーア姫の姿・声で言われてしまうと、
脳が、錯覚を起こしてしまうー。
「ーーわたしをこんな目に遭わせたあなたを
わたしは一生許さないー」
リーア姫が、憎しみの目でライルに言い放つー
「ーーやめろ!!姫様のフリをするな!」
ライルが叫ぶー。
まるで、リーア姫本人に「許さない」と
言われているかのようなー
そんな気がしてしまうー。
「ーーひどい…あなたのせいで、わたし…
魔王に憑依されて、この手を悪に染められてー…
ひどい…ひどい…!」
リーア姫が、目から涙を流しながら叫ぶー
「やめろ…!やめろ…!やめろおおおおおお!」
頭を抱えながら叫ぶライルー。
目から涙をこぼしたままニヤリと笑みを浮かべるリーア姫。
リーア姫は涙を浮かべながら
「ーーあなたなんて、信じなければよかったー」
と、冷たい声で言い放ちー
そのまま牢屋の前から姿を消したー。
「ーーー…くそっ…!くそっ!…くそっ!!!」
床を何度も何度も叩くライルー。
”魔王の戯れ”
勇者ライルは、リーア姫になった魔王の戯れに
精神的に、どんどん追い詰められつつあったー…。
・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーークククク」
優しいリーア姫とは思えないほど、悪い笑みを浮かべると、
魔王は”リーア姫”に憑依したときのことを思い浮かべていたー。
・・・
魔王は、魔王城のテラスに立ち、
禍々しい空気に包まれた大地を見つめていたー。
邪悪なオーラが漂うこの地は、
世界を支配する拠点として、ふさわしいー。
「ーー来たか」
魔王は呟くー。
飛行型の魔物が、気を失ったリーア姫を連れて
魔王城の方に向かってくるー。
魔王配下の魔物たちによる”奇襲作戦”が成功したのだー。
玉座に戻ると、魔王は、
飛行型の魔物が連れてきたリーア姫を見つめるー
「ーーククク…美しいー」
魔王から見ても、リーア姫は美しかったー。
美しいだけではないー。
リーア姫には、王家代々に伝わる聖なる力が備わっているー。
その力を”我が物”にすることができれば、
人間を支配する足掛かりとなるー。
「ー起きろ」
魔王がそう呟くと、周囲に控えていた魔物が気を失っている
リーア姫の身体に触れて、リーア姫を起こすー。
「ーーう…こ、、ここは…?」
寝起きかのように、目を細めて周囲を見渡すリーア姫ー。
だが、すぐに周囲の光景とー
目の前にいる玉座に座った魔王を見て
「あ、、あなたは…!」と叫ぶー。
自分の置かれている状況を理解したリーア姫ー。
「ーー安心するがいいー。
我は、あなたを傷つけるつもりはない」
紳士のような振る舞いで、魔王はそう呟くとー
リーア姫は「あなたが、魔王ー」と、険しい表情を浮かべるー。
「いかにも。我が、あなたたちが”魔王”と呼ぶ存在だー」
魔王は立ち上がると、リーア姫の方を見て笑うー。
「あなたは実に美しいー
それに、聖なる力もお持ちだー。
どうだろうか。我に協力しては貰えないだろうか?」
魔王はリーア姫の周囲を歩きながら
”協力”をリーア姫に求めたー。
「ーわたしがあなたに協力…?」
リーア姫は一瞬、何を言われているのか分からない、という様子で
そう呟くと、
「ーわたしは、人々の幸せな生活を預かる身ー。
たとえこの身がどうなろうとも、
平和を乱そうとする、あなたに屈することはありません!」
美しく穏やかそうな風貌ながら、
ひとつの王国を背負う者としての自覚や度胸も備わっている
リーア姫を見て、魔王は思わず拍手したー。
「ーーさすがは、女王・リーア姫。
美しいだけではありませんな」
魔王は、姫に対する敬意を持ったような口調でそう呟くと、
”だがー”と、呟くー。
「あなたは嫌でも我に協力することになるー」
魔王は、そう言うと、リーア姫の方に近付いてきたー。
「ーー無駄です!どんな拷問を受けようとも、わたしは
絶対にあなたに屈したりはしませんー!
王国の勇敢な兵士たちー
それに勇者が、必ずあなたを倒します!」
臆することなく叫ぶリーア姫。
「ーークククククク!ハハハハハハハ!」
そんなリーア姫を見て、笑いがこみあげてきた魔王は
その場で高笑いをしながらー
リーア姫の方を見つめたー。
「ーあなたはすぐに屈するー
我に、身を委ねてなー」
魔王の言葉に、リーア姫が表情を歪めると同時にー
魔王は、突然リーア姫にキスをしたー。
「ーー!?!?!?!?」
驚くリーア姫ー。
「ー美しく、聖なる力を持つ、あなたの身体ー
我が、すべて頂こうー」
魔王のその言葉と同時に、魔王の身体が、
リーア姫の中に吸い込まれていくー。
「ーーあ…ぁ…ぁ…」
魔王が自分の中に入り込んでくるー
そんな感触を感じながらー
リーア姫は目から涙をこぼすー。
「ーーーーぁ、、、、、、、ライル…」
勇者ライルの名前を小声で呟きながらー
頬を伝う涙の感触を感じたのを最後に、
リーア姫の意識が途切れたー。
そしてー
「ーークククー
魔王様ー
この、女王リーア…
喜んで、この身をあなたに捧げましょうー」
リーア姫を支配した魔王は、
リーア姫を支配したことを実感するために、
姫の身体でそう呟くと、自分がさっきまで
座っていた玉座に向かって、
忠誠を誓うかのように、膝を折ったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーククク…勇者よー」
数日後ー
捕われの勇者・ライルの前に
リーア姫が姿を現すー。
リーア姫は、服を身に着けておらず、裸だったー
「ーー貴様…!」
ライルがリーア姫を睨むー。
「ー”姫様”の喘ぐ声ー
聞いたことはあるか?」
リーア姫がニヤニヤしながら笑うー。
「ーーな、、何を…」
ライルが戸惑いながら返事をすると、
触手を持つ不気味な魔物が、リーア姫の背後から
姿を現したー
「ーーお姫様の乱れる姿ー
存分に見せてやろうー」
リーア姫は、笑いながらそう言うと、
触手の魔物に命令してー、
”触手プレイ”を、勇者ライルの前で始めたー
「や、、やめろ!姫様の身体でそんなことをするな!」
勇者ライルが必死に叫ぶー。
しかしー
リーア姫は、魔物の触手に締め付けられて
恍惚の表情を浮かべながら
喘ぎ声を出しているー
リーア姫のこんな姿…
見たくないー!
そんな風に思いながらも、勇者ライルには
どうすることもできないー
顔を真っ赤にしながら、気持ちよさそうに、
声を出しているリーア姫ー
やがて、魔物の触手がリーア姫のアソコに絡みついて、
姫は、激しく快感を感じ始めるー。
姫の欲望に歪んだ顔ー
姫の喘ぎ声ー
姫の淫らな姿ー
何もかもが、勇者ライルにとって
目を背けたい現実だったー。
「ーーはぁ♡…はぁ♡
ふふふ…照れ隠しで目を背けてるのかしらー…」
リーア姫は甘い声でそう言うと、
直後に鋭い声を出して部下の魔物に命じたー
「勇者にわたしの痴態をしっかり見せてあげなさい」
とー。
「ーーぐっ…」
勇者ライルの側に別の魔物が現われて、
牢屋の中にいるライルの身体を拘束ー
頭をリーア姫の方に向けさせてー
目も、耳もふさぐことができない状態に
されてしまうー。
「ーーふふふ
王国を守ることよりも、欲望に溺れたわたしの姿ー
見せてあげるー」
魔王はあえてリーア姫のような口調で呟くとー
そのまま再び、魔物に命令して、触手でエッチなことを始めるー
全身で快感を感じて喘ぎ狂うリーア姫ー
その光景を
目を背けることも、耳を塞ぐことも許されずー
ライルは、”見せつけられた”
魔王に乗っ取られた姫が、
魔王たちに好き放題されているのにー
どうすることもできないー
姫の、欲望まみれの姿を見せつけられてー
ライルはあまりの屈辱に、唇から
血が出るほどに、
唇を強く嚙み締めたー
”姫ー
俺は…俺は…”
こんなに近くにいるのに、
俺の手で、あなたを助けることができないー
勇者ライルは目から涙をー
唇から血を流しながら
残酷な光景を見つめ続けたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「クククー
人間の女の快感は、素晴らしいものだな」
リーア姫は禍々しい鎧のようなものに身を包んだ
格好で、魔王の玉座に腰掛けるー。
足をイヤらしく見せつけるような装備ー
リーア姫は足を組むと
部下の魔物から報告を受けたー
”王国の宰相・ウィンドル殿から連絡ですー”
「ーつなげ」
リーア姫の声で魔王は高圧的に言い放つと、
目の前に立体映像が現れるー。
魔物と戦っているはずの王国の宰相・ウィンドルの姿が映し出されるー。
リーア姫が魔物にさらわれ、姫が不在となった王国を
実質的に牛耳っている人物だー。
”姫様の身体ー、ご満足いただけましたかな?”
宰相ウィンドルが笑うー。
「ーー貴様のおかげで、この美しい身体も聖なる力も、
すべて我がものだー」
リーア姫は自分の手をうっとりとした目つきで見つめると、
宰相ウィンドルは笑いながら呟いたー
”姫様誘拐の手引きする代わりにー
王国の中心都市だけは見逃していただく約束ー
お守り頂けますかな?”
宰相ウィンドルが言うー。
ウィンドルは元々”魔王に降伏して身の安全を図るべき”と
主張していた人物だったー。
魔王への服従の証として、リーア姫の誘拐を手引きしー
警護が薄くなっていた隙をつき、魔物はリーア姫を誘拐したのだー。
姫の身体を献上する代わりに、
王国の中心である都市だけは見逃してもらい、
魔王の統治する世界で細々と生き延びるー。
宰相ウィンドルは”姫の身体を提供することで、事実上の降伏”を
申し入れたのだったー。
「ーーははははははははははっ!」
リーア姫は笑いだすー。
”ー!?”
宰相ウィンドルの表情が歪むー。
「ーー王国を守ろうとした姫のこの綺麗な手でー
王国を血に染めるのも一興ー。
我が貴様らのような下級の存在ー
人間との約束を守るとでも思うたか?」
リーア姫の言葉に、宰相ウィンドルの立体映像が青ざめるー。
「ーー笑止。
姫の美貌と聖なる力を手に入れたこの我にー
滅ぼされる日を、震えながら待つが良いー。」
”そ、そんなー!魔王様!”
宰相ウィンドルが叫ぶー
「ー震えて眠れー。宰相ウィンドル」
リーア姫はそう呟くと、通信を終えたー。
邪悪な笑みを浮かべるリーア姫
「ーさぁ姫よー。
我と共に王国を滅ぼしに行こうではないかー」
リーア姫の声で、姫の身体に語り掛けるとー
”その前にー”
と、笑みを浮かべるー。
「ー勇者も、我が味方につけてしまわねばなー」
そう呟くと、リーア姫は凶悪な笑みを
その綺麗な顔に浮かべたー
③へ続く
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次回が最終回デス~!
勇者は魔王を倒して姫を救うことはできるのでしょうか~?
でも…
②の終了時点でだいぶ絶望的な状況ですネ笑
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