そっくりで仲良しー。
そんな、双子の姉妹が
入れ替わってしまった…!?
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神谷 奈美(かみや なみ)と
神谷 莉緒(かみや りお)は、
仲良しの双子姉妹だったー。
”見た目”はほとんど一緒ー。
性格や髪型が違うために、
親しい人間であれば、どっちが奈美でどっちが莉緒か、
その区別をつけることは難しいことではなかったものの、
仮に、どちらかが「相手のフリ」をしてしまった場合、
その見分けをつけるのは、知り合いであっても困難なぐらいに、
難しかったー。
姉・奈美は、
穏やかな性格の持ち主で、
髪型はストレート。
読書が好きで、心優しい性格の持ち主であることから、
周囲からも慕われている。
また、本人にそのつもりはないものの、
男子からの人気もひそかに高い。
一方の妹・莉緒は、
明るい性格で、ドジなところのあるタイプ。
髪型はツインテールにしていることが多く、
考えるよりも身体が動いてしまう性格。
「彼氏ほしい!」といつも叫んでいるものの、
あまりにガツガツしすぎているせいか、
男子の方から引いて行ってしまい、
いつも結局、彼氏ができないままに
なってしまっているー。
そんな、姉妹二人が、ある日ー
寝ている間に、突然、入れ替わってしまったー。
原因は、”前日に父親が仕事の出張帰りに買ってきた
現地の怪しいお菓子”ー
それを食べた二人が、寝ている間に入れ替わってしまったのだー
「ーーーん~~~~」
朝になって目を覚ます奈美になった莉緒ー。
姉・奈美の身体と寝ている間に入れ替わってしまった莉緒は
「あれ?」と奈美の身体で呟いたー。
しかしー
二人は、喋り方の癖が違うものの、
声質自体は同じであったために、
声を出しても、莉緒は、自分が姉・奈美の身体に
変わっていることに気づかなかったー
「ここ、お姉ちゃんの部屋じゃん」
そう呟きながら、奈美になった莉緒は立ち上がるとー
「ーーわたし、寝ぼけてお姉ちゃんの部屋に寝ちゃったのかな~!
うっかり!」と
笑いながら、舌を出したー。
普段から”ドジ”なことをよくやらかす莉緒ー。
莉緒にとっては
”寝ぼけてお姉ちゃんの部屋で寝てしまう”ことは
時々あることで、
自分のドジとしか思っていなかったー。
「ーーあ、おはよ~!昨日、ごめんね、
寝ぼけてお姉ちゃんの部屋で寝ちゃったみたい!」
奈美の身体で、莉緒が言うと、
妹・莉緒になった姉・奈美が
「ーーあ…そうなんだ、わたしもみたい…」と、苦笑いしたー。
てっきり、莉緒は、
自分が”お姉ちゃんの部屋”で寝てしまったから、
仕方がなく、”お姉ちゃんはわたしの部屋で寝た”の
だと思っていたが、
どうやら、そうではないらしいー
「え~!お互いに寝ぼけて相手の部屋で寝ちゃうなんて珍しいね~!」
奈美(莉緒)が言うと、
莉緒(奈美)は「ふふ、そうね」と言いながら
自分の部屋の方に入っていったー。
あまりにも容姿も声もそっくりな双子の姉妹であるがゆえにー…
自分たちが”入れ替わった”ことにすら気づけていなかったー。
「ーーふ~!やっぱわたしの部屋が落ち着く!」
奈美(莉緒)が、莉緒の部屋に入って満足そうに微笑むと、
「さ~学校学校~!」と言いながら、学校に向かう準備を始めたー。
一方、莉緒になった奈美は、
奈美の部屋に戻ると、
そのまま学校に向かう準備を始めるー
莉緒はいつも”ツインテール”にしているのだが、
寝るときは、ストレートにして寝ているため、
莉緒の身体になっても、気づくことができていなかったー。
「ーーーあれ…こんなところがかぶれてる…」
昨日までなかったはずのかぶれが、肩の近くに
あることに気づいて、
少しだけ違和感を感じたものの、
”まさか身体が入れ替わっている”などとは夢にも思わずに、
やはり、そのままスルーしてしまうー。
奈美と莉緒は、お互い高校生ではあるものの、
別々の学校に通っているー。
二人とも、学校に行く準備を終えると、
そのまま学校へと向かうのだったー。
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「おはよ~~!」
ツインテールの奈美(莉緒)が笑いながら
クラスメイトに挨拶をするー。
ツインテールにするときに少しだけ、莉緒は
違和感を感じたものの、
やはり”身体が入れ替わっている”なんてことは
夢にも思っていないからか、
”これ、わたしの身体じゃないじゃん!”なんてことには
気づくことができなかったー。
入れ替わった相手が”自分とそっくりの相手”であるから、
仕方のないことなのかもしれないー。
「ーーー今日の5時間目の体育楽しみだな~!」
運動も好きな莉緒は、自分が姉・奈美の身体に
なっているなどとは思わずに、うきうきしながら
そう呟いたー。
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一方の奈美も、莉緒の身体になっていると
気づかないまま、学校へとやってくるー。
「ーーーおはよう」
仲良しの友達に挨拶をする莉緒(奈美)ー
「ーーあ、奈美、おはよ~!」
親友の子も、奈美が、双子の妹の身体で
学校に来ているとは、気づかないー。
それだけ二人は、そっくりなのだー。
「ーーー…あ、そうそう、最近、莉緒ちゃんに
会えてないけど、元気~?」
「ーーえ、あ、うん!元気だよ~」
莉緒(奈美)がほほ笑みながら言う。
奈美本人も、
莉緒(奈美)と話をしている友達も
まさか目の前にいるのが、その”莉緒”の身体だとは
思っていない。
「ーーよかった!中学の時はよく遊びに行ってたけど、
最近遊びに行けなくなっちゃったから!
また今度顔を出しにいこ~っと!」
友達の言葉に、
莉緒(奈美)は「莉緒もきっと喜ぶよ」と、
優しく微笑みながら、授業の準備を始めるー。
莉緒の身体でも、時々違和感を感じる部分はあっても、
”え!?これ…莉緒の身体!?”というところまでは
いかない莉緒(奈美)ー
当たり前のように、
1時間目、2時間目、3時間目と
時間は過ぎていき、
やがて、昼食の時間となったー。
「ーーー」
だがー
その時、異変に気付いたー。
「ーーーー…!?」
家から持ってきた弁当を見返す莉緒(奈美)ー
弁当に入っていたプチトマトの味が
異様に変な味だったからだー
「ーーー……腐ってる?」
莉緒(奈美)は不安そうにそう呟くー。
いつもの味と全然違うー。
奈美は、食べ物の好き嫌いがないタイプで
”野菜も好き”なのだが、
双子の妹である莉緒は”好き嫌い”が、
とても激しく、
”野菜も嫌い”なタイプだ。
莉緒と奈美では、”味覚”が違うー。
朝食に食べたパンは、”二人とも好き”だったために
違和感を感じるほど、味の違いを感じなかったものの、
野菜は違ったー
「ーーーどうしたの?」
近くにいた奈美の親友が首をかしげるー
「ーー…あ、うん、なんか、トマトの味が変だな~って」
莉緒(奈美)が不思議そうに呟くと、
「え~~?ほんとに?」と、言いながら、2つ入っているうちの
もう一つのトマトを、親友が口に運んだー。
トマトをしばらく口に含んだ親友は
少ししてから笑みを浮かべるー
「普通のトマトじゃん!」
とー。
「ーえ…?」
戸惑ってしまう莉緒(奈美)
明らかに、トマトの味がいつもと違うー。
一瞬、腐っているのではないか、と思ってしまったぐらいにー。
「ーー」
莉緒(奈美)は、ほかの弁当のおかずも食べてみるー。
朝はパンしか食べなかったから気づかなかったがー
味が、どの食材も少しずつ違う気がするー
(え…なんで…?)
奈美は不安に思いながらも、
笑顔を浮かべながら、
「わたし、今日ちょっと味覚がおかしいみたい」
と、苦笑いしながら親友の方を見つめたー。
「も~!奈美ってばいつも頑張りすぎだから、疲れてるんだよ~!」
莉緒(奈美)は「そ、そうかなぁ~?」と
戸惑いながら弁当の方を見つめたー。
トマトほどではないけれどー
味が違うように感じる食材がいくつもあったー。
「ーーー…」
まさか自分が、双子の妹である莉緒の身体になっている…
なんてことには、まったく考えも及ばず、莉緒(奈美)は
戸惑いの表情を浮かべることしかできなかった。
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奈美になった莉緒は、姉とは別の高校で、
5時間目の体育の授業を迎えていたー。
今日はリレーが行われるー。
妹の莉緒は、身体を動かすのが好きで、
運動神経もとても良いタイプー。
「よ~し!」
運動するときはポニーテールに髪型を変える莉緒は、
今日も、それが姉の身体だと気づかずに、
ポニーテールに髪型を変えて、体育の授業に臨んでいたー。
その方が、運動するうえでは、髪が邪魔にならないし、
やりやすいー。
「ーーーわたしたちのチームには、莉緒がいるから
安心だね!」
「ーえ~~!でもわたしが遅いから、莉緒ちゃんいても
マイナスになりそう~!」
くじ引きで決まったチーム。
同じチームのメンバーがいろいろと話をしている。
「ー大丈夫!わたしの順番が来た時にびりでも、
わたしが全員追い抜くぐらいの勢いで行くから!」
ひとりあたり校庭を1周ー。
莉緒の順番が来た時にビリだったとしても、
1位になることができる自信が莉緒にはあったー。
「ーーさっすが莉緒!」
その言葉に莉緒(奈美)は「わたしに任せておいて!」と
どや顔で答えたー。
リレーが始まるー。
莉緒(奈美)のチームの他の3人が、順番に走っていくー
一人目はそこそこー
二人目は、予想通りどんどん抜かれてビリにー
三人目は、なんとか巻き返して2位にまで上昇したー。
「よ~し!わたしの番!」
バトンを受け取るためにコースに入った莉緒(奈美)は、
3番目の走者からバトンを受け取り、
そのまま走り出したー。
いつも通り、走り出す莉緒(奈美)ー
だがー
校庭の40パーセントぐらいを走ったあたりで異変を感じたー
「ーーあれ…?」
息がぜぇっ、ぜぇっと上がり、
身体が悲鳴を上げているー
”いつも”このぐらいで走ったぐらいでは
疲れることなんてないのにー。
「ーあれ…???あれ…!?」
戸惑いながらも、なんとか普通に走ろうとする
莉緒(奈美)ー
しかし、姉・奈美の身体に、そのようなことを
させるのは無茶だったー。
奈美は、運動は苦手なのだー
「ーーはっ…はっ…はっ…」
自分が奈美の身体であるとは思わず、
奈美の身体の限界を超える走り方をしたため、
コースの3分の2を走り切ったところで、
膝をついてしまう莉緒(奈美)ー
「奈美!?」
他のクラスメイトや、先生が駆け寄ってくるー。
「ご、、ごめん…はぁっ…はぁっ…なんか今日…だめ」
莉緒(奈美)は息切れしながらそう言うと、
そのまま、先生の指示で保健室へと運ばれていったー。
数分休んでー
ようやく体力の回復した莉緒(奈美)は、
「ーー今日、調子悪いのかも…」と
友達に、自分のせいで負けちゃったことを謝ってー
そのまま体育の授業は”見学”することになってしまったー。
「ーーーーー……なんか…変だなぁ」
莉緒(奈美)はそう呟きながら
体育の授業を、悔しそうに見つめるのだったー。
②へ続く
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コメント
そっくりすぎる双子姉妹の入れ替わり…!
本人たちも入れ替わりが起きるなんて夢にも思っていないので、
まだ気づいていないようデス…!
今日もお読みくださりありがとうございました!
コメント
入れ替わったり憑依したりした時に味覚や運動神経が体依存になっちゃうやつ大好きだなぁ
その人になった感じがしてすごく好き
入れ替わったらほぼ同じ見た目なのも尚更
リーフ様~!
さっそく新サイトでのコメントありがとうございます~!☆
楽しんでいただけて何よりデス~!
あと、初期設定でなぜかメールアドレスが必須になってたみたいなので
直しますネ~☆!