乗っ取られてしまった姉ー。
なんとか、姉を乗っ取った男を追い出し、
姉を助け出そうとする弟…。
その先に待つ、運命は…?
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「あっ♡ んっ♡ んんんんんっ♡
すげぇ… すげぇぇ…
声、、がまんできねぇ…!!!」
隣の部屋から、姉・佳奈美の声が聞こえてくるー。
”喘ぎ声をどこまで我慢できるか”に
チャレンジしているようだったー。
弟の孝信は、その音をなるべく聞かないようにし、
反応もしないようにしていたー。
”飽きたら出ていく”
そう言っていたー。
だから、なるべく反応しないようにしているのだー。
どんなに言葉をかけたところで、
”姉さん”の運命は、男の気分一つー。
であれば、出来るだけ反応しないほうがいいと、
孝信は考えたー。
勿論、姉さんの身体を自由にさせるつもりもないー。
帰宅してからは、ネットでずっと、”憑依”から佳奈美を救う方法を
ずっと調べているし、
学校でも、そのことばかり考えているー
”奴が飽きるか”
それとも
”姉さんを救う方法を見つけるか”
どっちが先かー、
と、いう状態だー。
「--へっ…」
自分の部屋で喘ぎ声を楽しんでいた佳奈美は
笑みを浮かべるー
「とことん俺を無視する気か」
スクール水着姿で、あぐらをかくと、
ボリボリと太もものあたりをかきむしりながら、
佳奈美は笑みを浮かべたー。
「-じゃあ~お前の姉さん、俺好みに改造しちゃうだけだぜ~」
小声で呟いた佳奈美はニヤニヤと笑みを浮かべたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー
「--姉さん、体調は大丈夫?」
孝信が心配そうに言うと、
「体調?うん、全然大丈夫だよ」と、佳奈美はほほ笑んだー。
男は、佳奈美として振舞う自信がないのか、
朝になると佳奈美を解放し、大学は、佳奈美本人に行かせているー
そして、帰宅すると再び佳奈美を乗っ取り、楽しむー
その繰り返しだー。
だが、記憶は上手く加工されている状態のようで、
佳奈美は、何も自分の現状に違和感を抱いていないー。
「----」
”姉さんに直接言う”のは危険だー。
孝信はそう考えて、
佳奈美が正気の時も、佳奈美に憑依のことは伝えていなかったー。
あの男に逆上でもされたら、取り返しのつかないことになるー
「----姉さんに憑依してるやつを、見つけ出してやるー」
昼間のうちに、孝信は佳奈美に憑依している人間を
見つけ出そう、とも思っていたー
”あいつはきっと、身近にいる”
何故ならー
佳奈美を乗っ取った男は、”孝信が憑依好き”だと知っていたからだー
家族にさえ言っていない秘密を知る人間は、
ほとんどいないー
親友の駿介が、他の人に言いふらしていない限りー、
親友の駿介しか、知らないはずなのだー
「ははは!そんなこと言ってると、
いつか、お前の姉さん、本当に憑依されちゃうぜ?」
姉が憑依される直前、駿介はそんなことも言っていたー。
「---ーーーーー」
駿介の方を見つめる孝信ー。
授業中ー
駿介に特に変わった様子はないー
先日、”姉さんが憑依された”と打ち明けた時も、
冗談半分にしか思っていない様子で、
特に”おかしな素振り”は見せなかったー
「----どうした?最近全然元気ないじゃないか」
昼休みになると、駿介は心配そうに声をかけて来るー。
「--また姉さんが憑依されたとかなんとか、のことで
悩んでるのかー?
年頃の女の人なんて、急に考えが変わったりするもんだろ?
お前はほら、いつも憑依とか好きだから
ちょっと変わると、それと関連付けて考えちゃうんだよ」
駿介の言葉に、孝信は複雑そうな表情を浮かべるー。
「---…」
孝信は、正直”駿介が犯人”だと思っているー
条件がそろい過ぎているのだー
孝信が憑依好きだと知っている”唯一”と言ってもいいほどの人物であることー
孝信の姉・佳奈美と面識があることー
”憑依されちゃうぞ”と冗談を口にしていたことー
そしてー
”朝から夕方は佳奈美の身体から抜け出していること”
つまりー
自分が学校に行かないといけないからー、
ということも考えられるー。
「---そんな怖い顔すんなって。久しぶりに行こうぜ?」
駿介の言葉に、最初は断ろうと思ったが、
駿介が何かボロを出すかもしれない、と、
駿介と一緒に行きつけのゲームやアニメグッズが売られているお店へと向かったー。
だがー
駿介は、やはり”ボロ”を出さなかったー。
「-ーーー」
険しい表情で帰宅した孝信ー
そしてー
孝信は表情を歪めたー
髪を茶色に染めー
耳にピアスを輝かせた佳奈美の姿が目に入ったからだー
「---ちょ!な、、何してるんだよ」
孝信は思わず叫ぶー
「なにって?”わたし”の好きなように、おしゃれしてるだけだけど?」
佳奈美がクスッと笑うー。
ピアスなんて一度もしたことがない佳奈美の耳に
こいつは穴を開けやがったー
「--ふ、、ふざけ…!」
孝信は叫ぶー
そして、佳奈美の腕を掴んで、
「今すぐ姉さんから出ていけ!」と怒りの形相で叫ぶー。
「--い・や・だ♡ この身体、ホント、気持ちよすぎるから」
と、ほほ笑むー。
「ーもっともっと、この女を俺好みに改造してやるー」
佳奈美が邪悪な笑みを浮かべながら言うー。
「-お前も諦めて、憑依された姉さんをオカズにして、抜けよ」
佳奈美の言葉に
「--そんな言葉を姉さんに言わせるな!」
と、怒りの形相で叫ぶー。
「---くくっ」
佳奈美はそう笑うと、
突然「ま~んまんまんまん!」と叫び始めたー
佳奈美に卑猥な言葉を叫ばせて、
佳奈美を乗っ取った男は楽しんでいるのだー
「--お前!!!!!!!!!!」
孝信は大声で叫んだー
「あははっ!面白いなぁ、お前はー。
お前の姉ちゃんに何を言わせるのも俺の自由なんだぜ?
そのことを忘れるなよ」
そう言うと、佳奈美はニヤニヤしながら自分の部屋の方に
戻って行こうとするー。
「--おい!…待てよ!!!!」
孝信は少しためらってから叫んだー。
「----駿介!!!!!!!!!!!!」
とー。
「---!」
佳奈美が立ち止まって振り返るー。
「-わかってるんだ、俺ー
お前…駿介だろ!」
とー。
佳奈美は少しだけ驚いた表情を浮かべたあとに、
笑みを浮かべたー
「--な~んだ、バレちまったのか
でも、どうにもできねぇだろ?」
そう言いながら、佳奈美はそのままニヤニヤしながら
自分の部屋に入って行ってしまったー
「くそっ!…絶対に…絶対に許さないからな!」
部屋の前で叫ぶ孝信ー
”絶対に、姉さんを助け出してやるー”
だがー
その日の夜ー、
佳奈美は”一人暮らしを始める”ことを両親に相談し始めたー。
孝信に正体がバレたことにより、
逃げようとしているのだー。
両親は驚きながらも、佳奈美が憑依されているなどとは
夢にも思わず、それを承諾してしまうー。
「--ネイルの勉強も始めちゃおうかな…くくく」
佳奈美が挑発的に笑いながら立ち去っていくー。
孝信は、明日が土曜日で、その次が日曜日、
さらにその次が祝日であることを呪ったー。
その気になれば、駿介は3日間ー
姉の佳奈美を乗っ取り続けることが出来るからだー。
学校に行かなければいいのなら、
ずっと佳奈美の中にいることも出来るはずー。
佳奈美の挑発は続き、地獄のような3日間を過ごしたー
服装も”好み”にカスタマイズされて、
服の処分と購入を繰り返す佳奈美ー
「姉さん…!姉さん…!」
姉さんが姉さんでなくなってしまうー
焦りを覚えた孝信は
”火曜日に決着をつける”ことを決意したー。
そして、
ついに火曜日がやってきたー。
駿介を問い詰める孝信ー
だが、駿介はとぼけたー。
”絶対にー
絶対に姉さんはお前の好きにはさせないー”
「---いい加減にしてくれ!!」
昼休みー
駿介は逆ギレして立ち去って行ったー。
そして、そのあと、
信じられないことが起きたー。
昼休みの終わりにー
駿介が屋上から飛び降りて”自殺”したのだー。
「え……」
唖然とする孝信ー。
突然の親友の死ー。
それによりー
あっけなく、佳奈美は正気に戻ったー
”記憶”は上手く調整されたままなのか、
”自分が憑依されていたこと”も知らずに、
元通りになった佳奈美ー。
「--どうしてわたし、急にピアスなんてー」
と、戸惑ってはいたものの、
憑依されていた自覚がないことが、
逆に、佳奈美のパニックを抑える結果となったー。
「--姉さん…本当によかったー」
すっかり元通りの佳奈美を見つめながら、
孝信は安堵のため息をついたー。
エッチな衣装の数々は、佳奈美が大学に行っている隙に
孝信が回収して、処分したし、
もう、これで心配はないー
「--でも…なんでー」
釈然としないのは、親友・駿介の目的ー
佳奈美に憑依して、好き放題していたのに、
何故、少し問い詰められた程度で自殺したのかー
「---…はぁ」
姉・佳奈美を救うことには成功したけれどー
孝信にとって、なんとなくすっきりしない結末になってしまったー
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3か月後ー。
結局、親友の駿介がどうして急に佳奈美に
憑依したのかは、理解することが出来ないままだったー。
けれど、佳奈美はしっかり元通りになりー
今日は、佳奈美が一人暮らしを始める日だったー。
憑依されている間に一人暮らしを言い出した佳奈美ー
正気に戻った佳奈美は、少し戸惑った様子を見せていたものの、
結局、”いい機会なのかも 頑張ってみる”ということで、
自らの意思で一人暮らしをする準備を始めて、
今日、旅立ちの日を迎えたのだったー。
「姉さんがいなくなると、寂しくなるなー」
結局、佳奈美には憑依のことは伝えていないー。
余計なことを伝えて、怖がらせる必要はない、と
孝信は判断していたからだー。
「--ふふ、定期的に遊びに来るし、
孝信だって、遊びに来ていいんだからね?
あ、大学とかバイトもあるから、連絡はしてほしいけど!」
笑う佳奈美ー。
孝信はしばらく雑談したあとに、
「じゃあ、元気で、姉さんー」と、
佳奈美とあいさつを交わしたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「-----くくくくく」
一人暮らしを始めた佳奈美はー
チャイナドレスを着て、太ももを撫でまわしていたー
「--くくくく ば~~~か!
お前の姉さんは、俺のものだぜ!」
佳奈美は、孝信の写真を見つめながら、笑みを浮かべたー
「あぁぁぁ…綺麗な手だなぁ…」
ペロペロと指を舐める佳奈美ー
佳奈美はーー
解放などされていなかったー
「-馬鹿な奴だぜ。俺がこの女の記憶も全部読めるなんて
夢にも思ってなかったんだろうなー」
佳奈美に憑依した男は
佳奈美の記憶を全て読み取れていたー
昼間ー
大学から帰って来るまでは、佳奈美は正気に戻っているー
孝信はそう思っていたが、違うー。
昼間は完璧に佳奈美のふりをして楽しんでいただけー
佳奈美本人の意識は、乗っ取られたその瞬間から
ずっと封じ込められているー。
「--あの弟、予想以上にうぜぇ奴だったからー
面倒だったけど、正気に戻ったふりをして
こうして、自然な形で一人暮らしをスタートさせてやったぜ」
笑う佳奈美ー。
佳奈美に憑依していたのはー
親友の駿介ではなかったー。
”駿介が犯人”だと、仕立てるためー
孝信に疑われてうんざりしていた駿介に憑依しー、
駿介を自殺させたのだー
”死人に口なしー”
孝信は駿介を犯人と疑ったままー
本当の犯人はー
孝信の”憑依趣味”を知っている、別の人物ー
「-ー佳奈美は、俺のものだー」
ペロリと唇を舐めながら胸を揉み始める佳奈美ー。
いつもーー
孝信は、
”憑依”に関係する話や物語ばかり購入しー、
一緒に店にやってきていた親友・駿介とたまに
憑依が好きだとか、なんだとか話していたー。
一度だけ、大雨が降った時に、お店で雨宿りをしていた
孝信を迎えに来た姉・佳奈美を見たことがあるー。
その時に、孝信の姉は美人だと知ったー
”憑依好きの弟”を姉に憑依して揶揄ってやろうと思ったー
そうーーー
姉・佳奈美に憑依した男は、
孝信が、憑依に関係する漫画やゲームをいつも買っていた、
行きつけのお店の店長だったのだー。
「---ふふふふ
さぁ、存分にこの女を俺好みに模様替えしちゃうぞ…!
うふっ♡」
佳奈美が乗っ取られたままであることを
弟の孝信が知る日はー
永遠に、来ないのかもしれないー
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
お姉ちゃん乗っ取られエンドでした~!
本人(弟)は解決したと思い込んでいるので、
それはそれで知らなければ幸せなのかも…デス!
お読み下さりありがとうございました~!
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