彼女からの誕生日プレゼントが
”本物の憑依薬”だったー。
TSF好きの彼氏が下した決断と、
彼女の真意とは…?
-------------------------–
「--わたしは…雪菜…」
何度も何度も、鏡の前で、雪菜の名前を呟くー。
雪菜になって、わたしは雪菜ー、というだけで
激しく興奮してしまうー。
「--はぁぁぁ…自己紹介だけでこんなに熱いなんて…」
雪菜は顔を真っ赤にしながら
”この調子じゃ何もできないぞ”
と、苦笑いするー
雪菜は今、彼氏の文彦に憑依されているー。
TSF好きの文彦に、
彼女の雪菜は、
誕生日プレゼントとして
”本物の憑依薬”を手渡したー。
当初は、意図が分からなかったがー
雪菜は、彼氏である文彦に憑依されたい、と、
そう思っているのだと、文彦は思ったー。
「文彦はちゃんと分かってるって信じてるからね!」
と、いう雪菜の言葉とー
「--まぁ、そう難しく考えるなよー。
”自分が憑依できるリスク”を冒してまで、雪菜ちゃんが
お前に憑依薬を渡したってことは、答えは2つに一つだろー。
”その憑依薬は偽物”か、
”お前に憑依されることを望んでいる”かー。
もちろんー
人生壊されるようなことは望んでないと思うから、
もし憑依するなら、ちょっと遊ぶ程度にしておけよな?」
と、いう、親友・良一郎の言葉を思い出すー。
「---……」
ゴクリ、と唾を飲みながら胸に手を触れるー
「---あっ…♡」
今までに感じたことのない感触ー
雪菜は”エッチ”な方面には奥手だー。
文彦自身も、まともに付き合ったのは雪菜が
始めてであったため、
女性の胸など、触ったことはなかったー。
その”初めて触る”感触とー
”触られる”感触を同時に味わいー、
雪菜に憑依した文彦は、顔を真っ赤にして、
言葉には表現しがたいゾクゾクを味わったー。
「--はぁ~…はぁ~…やべぇ…」
雪菜はそう呟くと、今度は自分の髪を触るー。
「--髪も…さらさらだなぁ…」
雪菜の髪を触りながら、髪を鼻の前に持ってきて
その香りをかぐー。
「--いい香り…」
思わず、うへっ、みたいな声が出てしまいー
「--って、雪菜を下品にしちゃだめだ!」と、
首を振るー。
「--あとは……」
雪菜の姿のまま、鏡を見つめて、
モデルのように歩いて見せるー。
「-うわぁ…雪菜の自信に満ち溢れた表情…
すっげぇ…」
だんだんと快感が病みつきになっていきー
何度も何度も、モデルのように歩いたり、
鏡の前でセクシーポーズを決めたりしていくー。
「やばいやばいやばいやばい!」
雪菜は顔を真っ赤にしながら、
その場で足をじたばたさせるー
「理性が、はじけ飛びそうだー」
乗っ取った雪菜に、色っぽいポーズを
”させている”だけなのだがー、まるで、
雪菜に誘惑されているように感じてしまうー。
「--ってか、足、綺麗すぎだろー」
スカートから覗く太ももを触る雪菜ー
「--なんだよ…これ…」
うっとりした表情で自分の足を触るー。
「--あぁぁぁ~~太もも~」
うへへへへへ、と涎を垂らしながら雪菜は
自分の太ももを触るー。
やがて、涎がスカートの上に垂れて、
スカートにシミを作ると
「やっべぇ!ダメだって!」と、自分の頬を何度も何度も叩いたー。
雪菜を下品にしてはいけない、と
再三、頭の中で叫ぶー。
雪菜に憑依した文彦は
”大事な彼女”の身体を傷つけるつもりは
全くないー。
雪菜の身体に憑依したらしようと思っていたことを、一つ一つやっていくー。
さすがに、雪菜の身体でエッチをして、
イかせたりするつもりはないー。
そういうことをする時は、ちゃんと自分の身体で
お互いが納得した時ー、と、文彦は決めているー。
雪菜の手をすりすりと触り、
指をちゅぱっ、と舐めてみるー。
「-うぅぅ…やばい…」
ゾクゾクしながら、
唇を指でなぞってみる雪菜ー。
「--あぁぁ…」
続けて、鏡にキスをするー
鏡に唾液がついたりするのが、
またゾクゾクを増長させるー。
スカート姿のまま、ジャンプしたり、
くるっと回転して、ふわっとさせてみたりするー。
「--雪菜…かわいすぎる…」
自分の彼女の色々な一面を見て、
改めて雪菜のことが大好きだと、実感した文彦は、
満足そうに微笑んだー。
「--文彦、大好き♡」
鏡の前で、雪菜にそう言わせてみるー
「--俺もだよ、雪菜ー」
雪菜の身体でそう言ってみるー。
「--はぁ…はぁ…すごすぎる…」
”憑依”はすごすぎるー。
人間を、意のままにすることが出来るなんて、
やっぱりすごすぎるー。
そう、思いながら雪菜への憑依に満足して文彦は、
最後にー
ゴクリ、と唾を飲み込んでから、鏡の前で静かに呟いたー
「わ、、わたしは…わたしはーー
森重…雪菜…
文彦の…つ、、つ、、妻です」
”結婚”した想定で、そう名乗らせてみるー
雪菜の苗字は”氷室”だー。
それをあえて、文彦の苗字を名乗らせて、
妻と名乗らせてみたー
この上ない興奮を覚えて、
このまま狂ってしまいそうになったが、
理性でそれを抑え込みー
イスに座ると、
「今日は、ありがとうー」と、雪菜の身体で呟いてー
そのまま文彦は、雪菜の身体から抜けたー。
満足そうに、雪菜の家から飛び出て、
再び夜空を舞うと、自分の身体に、文彦は戻ったー。
”元に戻れないんじゃないか”という不安が
全くなかったわけではないが、そんな不安は杞憂だったのか、しっかりと
自分の身体に戻ることが、出来た。
「----…はぁ…すごい体験だった…」
雪菜の表情や仕草ー
そのすべてを思い出すだけでドキドキしてしまうー。
明日から、雪菜の顔を直視できないんじゃないかー。
そんな風にさえ、思ったー。
「--……雪菜も満足してくれたかな…?」
文彦は、満足そうに、静かにそう呟いたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー
昨日は、雪菜にメッセージを送っても返信がなかったー。
そのまま寝てしまったのかもしれないー。
”憑依された”側の健康状態が少し気になっていた
文彦は、雪菜を大学内で見つけると
「雪菜!」と声を掛けたー。
だがー
「---……おはよう…」
雪菜は暗い表情で、文彦の方を見つめたー。
「--お、おはよう…大丈夫?」
文彦が言うと、雪菜は「ごめん…もう話しかけないで」と、
そのままそっけない様子で立ち去ろうとするー
「え…ちょっと…?ど、どうしたんだよ!」
文彦が言うと、
雪菜は振り返ったー。
「-自分が一番よくわかってるでしょ!
昨日、わたしにしたこと!
前に言ってたの、嘘だったんだね」
雪菜が悲しそうに言うー。
「え…」
文彦は、かつての自分の言葉を思い出すー。
「--ち、ちがっ!俺はあくまでもそういう話が好きなだけだから!
現実で憑依しようなんて思わないし、
身近な人が…憑依されでもしたら
そりゃ、必死に助けるさ!雪菜のことだって!」
「-憑依しないって言ったのにー…」
雪菜は、悲しそうにそれだけ言うと、
そのまま立ち去ってしまったー
「--え…ちょっと!待ってくれ!」
文彦は叫んだが、そのまま雪菜は立ち去ってしまったー
唖然とする文彦ー
”憑依されたい…”のではなかったー?
文彦は、困惑することしかできなかったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「--だから、言っただろ」
昼休みー。
大学の敷地内の、人通りが少ない場所で
一人、落ち込んでいた雪菜の前に
文彦の親友・良一郎が姿を現したー
「--あいつは、雪菜ちゃんの”身体目当て”だったんだよ。
憑依とか、そういうのが好きなやつなんて、そんなもんさ」
「----……うん」
雪菜は目から涙を流しながら言うー。
雪菜は、文彦に憑依薬を捨てて欲しかったー。
使わずに、捨てて欲しかったー
そうしてくれると、”信じて”いたー。
ある日ー
良一郎から、”本物の憑依薬”を渡された雪菜ー。
”それを文彦に渡したら、あいつ、喜んで雪菜ちゃんに憑依するぜ”
良一郎は、そう言ったー。
雪菜はすぐに反論したー。
「文彦は、憑依とか、そういうの好きだけど、
そんなことはしないよ!」
とー。
だが、良一郎は笑みを浮かべながら
「だったら、今度の誕生日でそれ、プレゼントしてみろよ。
文彦のやつ、雪菜ちゃんに必ず憑依するぜ」と、笑ったー。
彼氏を悪く言われたことー
そして、負けず嫌いな雪菜は
「そんなことないから!」と、良一郎に言い返したー
「--じゃあ、賭けをしようぜ?」
良一郎が笑うー。
「賭け?」
雪菜は怒りっぽい表情を浮かべたまま、良一郎の方を見つめるー。
「-あぁ。今度、文彦の誕生日だろ?
その時に、この憑依薬を雪菜ちゃんが渡すんだー。
それで、あいつが憑依薬を悪用するか、しないかー
賭けようぜ?」
良一郎の言葉に、雪菜は、「そんなことー」と、反論するー。
「-あいつに憑依薬を渡せば、あいつは必ず
雪菜ちゃんに憑依すると思うぜ?」
「--だから、文彦はそんなんじゃないってば!」
反論を続ける雪菜ー。
「-じゃ、雪菜ちゃんは、あいつに憑依薬を渡しても、
あいつは憑依薬を使わずに、そのまま捨てるって言いたいんだな?」
良一郎の挑発的な言葉に、”絶対そうだもん!”と叫ぶ雪菜ー。
「--じゃあ、渡してみようぜー。
それとも、怖いのか?
文彦のこと、どこかで疑っているのかー?」
良一郎のその言葉に、
負けず嫌いな性格とー
彼氏を悪く言われてムッとした雪菜は、
”誕生日プレゼント”として本物の憑依薬を渡すことに決めたのだったー。
その時のことを思い出す良一郎ー
「”賭け”は俺の勝ちだー」
勝ち誇った表情で”勝利宣言”をするー
雪菜は泣きながら、何も答えないー
良一郎はニヤリと笑みを浮かべたー
”ま、文彦のやつ、最初は雪菜ちゃんの思ってた通り、
憑依薬を使う気はなかったみたいだけどなー”
心の中でそう呟くと、
良一郎は凶悪な笑みを浮かべたー
良一郎も、雪菜のことが好きだったー。
雪菜のことを奪いたいと思ったー。
そこでー
文彦を利用したー
”親友”としての顔を使い、
文彦が憑依薬を使う方向に導いていきー
結果、勘違いをした文彦は、憑依薬を使って
雪菜に憑依してしまったー。
結果的に良一郎は、ふたつの目的を果たしたー
ひとつはー
文彦と雪菜の信頼関係を壊し、雪菜に精神的ダメージを与えたことー
もうひとつはー
”憑依薬の安全性”を確かめたことー。
「これでーーー」
良一郎は笑みを浮かべたー
”他人の身体を永久に乗っ取るためには、
その身体の持ち主が、精神的に弱っていた方が
完全に乗っ取りやすいー
「--これで、雪菜ちゃんは、俺のものだー」
ずっと、狙ってたー
雪菜をー。
雪菜が
良一郎の凶悪な笑みに気づいた時には、
既に、手遅れだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1週間後ー
文彦は、雪菜から別れを告げられてしまったー。
「---わたしに憑依するような人とは、付き合えないから。じゃ」
雪菜はそれだけ言うと、
そっけない様子で立ち去ってしまったー。
「--はぁ」
文彦は”やっぱTSF好きはモテないのかなぁ…と、自虐的に微笑むー。
「--良一郎のやつも、最近大学に来ていないから、相談もできないしなー」
そう呟いた文彦ー
一方、文彦に背を向けた雪菜は、凶悪な笑みを浮かべていたー
「雪菜ちゃんの身体、げっと~♡」
完全に乗っ取られてしまった雪菜は、ニヤッと笑うと、
自分の胸を嬉しそうに触ったー
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
罠にはめられてしまった結果、
色々なものを失ってしまいました…!
もしかしたら、後日談も描けそうな感じ…ですネ~!
お読み下さり、ありがとうございました!!
コメント
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
悲しいすれ違いですね。
文彦は憑依薬をくれた雪菜が憑依されたがってると誤解しただけだし、良一郎みたいに完全に乗っ取ろうとしたわけでもないし、全然、些細な事しかしてないんだから憑依したとしても許してあげてほしいところです。そもそも、試すようなことをすること自体、酷いですよ。良一郎が何を言おうと、ムキにならずに無視しておけばよかったのに。文彦の趣味を知ってる上で憑依薬をプレゼントした雪菜が悪い気がします。
雪菜は憑依されてる間の記憶はあったんですかね? なかったとしたら、ただ憑依されたという認識だけがあったんでしょうか?
結局、雪菜は文彦のことを真に理解してくれてなかったということになりますね。良一郎の罠にかけられたとはいえ。
それにしても、ここの作品ってろくな親友キャラがいないですね。前にも親友を裏で裏切って罠にハメる話がありましたし。
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
コメントありがとうございます~!
悲しいすれ違いですネ~!…
確かに、雪菜はどこかで疑っているところもあったのかもしれません…!
良い親友も出てきてますけど、
悪い親友の方がどうしても印象に残りやすいですよネ…笑
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
文彦の戦略がわるかったなぁ…
「俺に憑依する気はないが(ここ重要)俺に憑依させたがっているのか?」
とか一度でも聞いておけばよかった。それか、雪菜以外のアイドルとかの体を普通に乗っ取ればよかったなぁ。
こんな感じのバットエンドを主人公が駆け引きとかでハッピーエンドにする憑依とか面白そうだと感じました。
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
コメントありがとうございます~!
憑依薬をプレゼントされたことに、動揺しすぎて
結果的に悪い方向にいってしまいましたネ~!
陰謀を打ち破るお話…!
それも面白そうデス…!