男に皮にされて乗っ取られている後輩の少女ー。
その後輩からの告白に”返事”をした彼を
待ち受ける運命はー…?
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「--わかった…付き合おう」
明弥は、そう答えたー。
琴葉の表情がパァッと、明るくなるとー
「やった~~~~!」と嬉しそうに飛び跳ねながら、
明弥の方を見たー
「先輩!ありがとうございます!ありがとうございます!」
あまりに嬉しそうにしているのを見て
明弥は少しだけ顔を赤らめながら
「ど、どうしたしまして…」と、答えるー。
こうしてみるとー
本当に”可愛い女子高生”にしか見えないー
いやー
当たり前かー
”身体”は、蒼井琴葉のものなのだからー。
でも、中にいかつい男がいるのも事実ー。
明弥は、頭がバグりそうになりながら、
琴葉の方を見つめるー。
「---あ、、あのさ!」
明弥が言うー
「--蒼井さんは、蒼井さんだって、思ってもいいんだよな?」
明弥が”確認”の意味も込めて言ったー
”付き合っていれば”
何もしてこないのであればー
身の安全のことも考えればーーー
「-ーー何を言ってるんですか?
わたしは、蒼井琴葉ですよぉ~?」
琴葉の口調が少しだけ変化したのを感じて、
明弥はそれだけでビクッとしてしまうー
琴葉は、近づいてくるとー
いきなり明弥にキスをしたー
ドキッ!としてしまう明弥ー
”中身は、、中身は男なのに!”と思いつつも、
どうしても身体が反応してしまうー。
「---あのさ」
耳元で、小声で囁く琴葉ー
「-ー次、雰囲気を壊すようなことしたら、殺すぞ?」
琴葉の低い声と、脅すような表情ー
明弥は、思わず悲鳴を上げそうになってしまったー。
がー
すぐに”反論”もしたー
カッとなってしまったのだー
「--そ、そ、そんなこと言うなら!
なんで告白の時に”余計なコト”言ったんだよ!?
俺のことが好きで、告白してくれたならー
”告白”するだけでよかったじゃないか!?
あんたー…いや、蒼井さんが、
”雰囲気”楽しみたいなら
言わなければ俺だって、普通に喜んで告白OKしただろうし、
俺だってこんな思いをしなくて済んだんだ!
言ってることと、やってることが違うだろ!」
明弥が叫ぶー。
”恐怖”はあったがー
それ以上に、理不尽すぎて、怒りを堪えられなかったー。
”雰囲気”を楽しみたいならー
”言わなければ”いいー。
それをわざわざ、”この子は皮だ”と、告白の際に暴露する
意味が、明弥にはまったく理解できなかったー
「--好きな人には、隠し事をしたくないー
そう、言いましたよね?」
琴葉の言葉に、
明弥は「あぁ、聞いたよ」と答えるー。
「---理由は、それだけですー。
隠し事をしたくないから、わたしが乗っ取られてることを伝えたー。
でも、7年も蒼井琴葉として生きて来たわたしは、
もう”女”なんですー。
好きな人と一緒にデートしたり、普通に彼女として接してもらいたいんです」
明弥は、その言葉に、呆れ顔で呟いたー
「-ー”後輩が乗っ取られているのを知って、普通に接する”なんて
難しいってことぐらいーー…わかるだろ?」
「--……大丈夫ですよー
そんなこと、忘れるぐらい、わたし、先輩の彼女として、頑張りますからー」
琴葉は、それだけ言うと、ほほ笑んだー。
「--隠し事しないって言ったよな?
じゃあー、約束してほしいー」
「--?」
明弥は、琴葉をまっすぐ見るー。
「-俺が、蒼井さんを、蒼井さんとして、普通に接してさえいえばー、
”絶対に何も悪さをしない”って、約束してほしいー
”蒼井琴葉”として意外の行動は、絶対にしないと、
そう、約束してほしいー」
明弥の言葉に、琴葉は、にっこりと笑ってー
「--いいですよ。
わたしだって、普通の女の子として生きたいんですからー」
と、そう、答えたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その日から、琴葉との”カップルとしての日々”が始まったー。
明弥は、琴葉の行動に、イマイチ納得できずにいたー。
普通に女子高生として過ごしたいー
そう言いつつも、
好きな人に隠し事はしたくない、と”皮”のことを暴露するという
矛盾ぶりー。
”わたしは乗っ取られている”なんて言われて
”100パーセント普通”に接することのできるやつがいるのだろうかー。
明弥は、そんな風に思うー。
それは、琴葉を乗っ取っている男にだって分かるはずだー
想像できるはずだー。
それなのに、こんなー…
「--先輩ーー」
だがー
琴葉は、告白の返事をした際に言った通りー
明弥からそんな気持ちを捨てさせるほどに、
明弥を楽しませたー。
「--どうですか?似合います~?」
琴葉が、巫女服姿で、回転しながら微笑むー
「あ、、あぁ、、に、似合う!似合うよ!」
明弥が顔を赤らめながら言うー。
明弥は特別、下心が強い男子ではないー
”ごく普通”なレベルだー。
いやー、同年齢の男子よりエッチではないかもしれないー。
クラスの男子が、エロゲーで盛り上がっていても、
特に積極的に興味は示さないー
そんな感じだったー
けれどー
こんなに可愛い後輩が、積極的にコスプレを披露する姿を見てー
明弥は、ドキドキしてしまっていたー。
「--次は、チャイナドレスを見せちゃいますね~!」
琴葉は、色々なコスプレを披露して、
明弥を楽しませたー。
「ちょ!ちゃ、、チャイナドレス!?や、、やばすぎだって!」
明弥が止めようとするもー
琴葉はチャイナドレスに着替えて、近くにあったイスに足を乗せて、
綺麗な足を晒したー
「-ふふふ、真面目な後輩の
大好きな彼氏にだけ見せる姿ですよ~」
琴葉が微笑むー。
「--ほら、先輩!わたしの足、触っていいですよ~」
琴葉に言われて、明弥は「いや、、それは…」と戸惑いながらも、
強引に促されて、琴葉の足を触りながらドキドキしてしまうー。
勿論ー
エッチなことだけではないー
遊園地デートや
映画館デート
定番のお楽しみも、存分に味合わせてくれたー。
琴葉が乗っ取られているー
そんなこと、忘れてしまうぐらいにー
明弥は、琴葉との日々を、楽しんでしまっていたー。
少し不安そうにしていると、琴葉は、明弥を家に呼び出しー
エッチなことをして、明弥を快感で塗りつぶしたー。
琴葉の口でアレを刺激されたときには、
明弥は、人生で感じたことのないような快感を感じたー。
”琴葉のー”
いやー
”琴葉の中に潜む男”の
手のひらの上で、弄ばれているようなー
そんな感覚を、感じながらー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そんなある日ー。
琴葉が、顔に痣を作った状態で、学校に登校したー。
「--蒼井さんー?」
明弥が戸惑うと、琴葉は「なんでもないですから…大丈夫です」とだけ
言い放って、足早に立ち去っていくー
「--え……」
明弥が戸惑っていると、
昼休み、親友の五太郎から呼び出されたー。
「--五太郎、なんだよ話ってー」
呼び出された先に、明弥が行くとー
五太郎は突然、「この、馬鹿野郎!」と叫んで、明弥の胸倉を掴んだー
「--え…おい!?な、なんだよ…!」
明弥が意味も分からず叫ぶと、
五太郎は叫んだー
「--テメェ、琴葉ちゃんに何してやがるんだ!」
とー。
「--は?」
明弥は戸惑うー
「-琴葉ちゃん、お前に暴力振るわれてるみたいじゃないか
今日なんか、顔に痣がー」
「--は…?待ってくれ!俺は何も!」
明弥が叫ぶー。
しかし、五太郎は言ったー
「琴葉ちゃん、俺に相談に来たよー
お前に暴力を振るわれたって、泣いてたー」
意味が分からないー
明弥は”違う”と、必死に弁明しようとしたがー
五太郎は聞く耳を持ってくれなかったー。
「どういうことなんだ!?」
放課後の図書当番ー
琴葉に明弥は確認したー。
暴力など振るっていないー。
それなのに、何故、五太郎にそんなことを言うのかー
「---ーーーこわい…」
琴葉は、目に涙を浮かべながら、明弥から逃げようとするー
周囲の図書室を利用している生徒が、
明弥の方を見るー
「--ち、ちがっ…」
明弥は困惑しながら、琴葉の方を見つめることしか
できなかったー
やがてー
学校で、すぐに噂は広がったー
”明弥が彼女に暴力を振るった”という噂だー
琴葉が、そう言っているらしいー
意味が分からないー
明弥は怒りの形相で、図書当番をしている最中の琴葉に迫ったー
「-なんなんだこの状況は!」
とー。
琴葉はほほ笑むー。
「--先輩ー
図書室では、静かにして下さい」
バカにしたように笑う琴葉ー
「--何が目的なんだ…!?
どういうことなんだ!?」
明弥が言うと、琴葉はクスッと笑ったー。
「---わたしはただ、”楽しみたい”だけなんですよー」
琴葉の言葉に、明弥は表情を歪めるー
「-可愛い女の身体を使ってー
周囲の人間をかき乱してー
その様子を見つめるー
”わたしのせいで”壊れたり、
争ったりー
崩壊していく人間模様を見るのがー」
琴葉は、そこまで言うと、
狂気的な笑みを浮かべたー
「たまらなく楽しくて…ゾクゾクするんだよ…♡」
ぞわっ、と、恐怖を感じる明弥ー。
「--こ、、こ、、琴葉、、い、、いや、お前がそのつもりなら!
俺にも考えがあるー!」
明弥は震えながら叫ぶー
「-お前のこと、周囲に知らせて、蒼井さんが乗っ取られてるって…
みんなに伝えてやる!」
その言葉に琴葉は「どうぞご自由に」と
バカにした様子で呟いたー
琴葉はー
いいやー
琴葉に潜む男は、最初から明弥のことなど好きではなかったのだー
”都合の良いおもちゃ”
告白して、翻弄してー
デートごっこを楽しんでー
琴葉に心を許したタイミングで、それを壊すー
蒼井琴葉はー
蒼井琴葉に潜むあの男はー
”自分で積み木を積んで、崩して楽しんでいるんだー”
明弥は、琴葉に潜む男はサイコパスだと感じたー。
周囲に助けを求める明弥ー。
しかしー
「---え…」
誰もー
”蒼井琴葉が皮にされて乗っ取られている”などという
あまりにも非現実すぎることを、信じてくれなかったー。
それどころかー
”彼女に暴力を振るった挙句、ありえない妄想をし始めたおかしなやつ”
そういう、状況になってしまったー
「--見損なったぜ…クソ野郎!」
親友の五太郎が叫ぶー。
「違う…俺は!」
明弥がそこまで言うと、五太郎は、「親友として、最後にしてやれることはー」
と、明弥を思いきり殴りつけたー
「お前の目を覚まさせてやることだ」
「--くくくくくく」
物影から、琴葉はその様子を見つめていたー
周囲の人間をかき乱しー
それが壊れていく様を見るのはー
本当に楽しいー
「あぁぁぁ…ゾクゾクするぅ…
もっと…もっと壊れろー」
琴葉は、教室に背を向けて、一人廊下を歩きながら笑いだすー
「--俺の周囲にいるやつらは、みんな俺のおもちゃなんだからよォ♡
ははははははははははっ!」
琴葉はー
中学時代も、乗っ取られた直後もー
周囲の人間たちの人間関係を壊し尽くしてー
”楽しんで”きたー。
高校でも、同じことを繰り返しているに過ぎないー
そしてー
数年後ー
「--八橋くんってなんか、かわいいよね」
大学生になっていた琴葉はー
今度は大学の後輩に目をつけていたー
「せ、先輩…かわいい?そんなことないですよ」
八橋と呼ばれた後輩の男子が顔を赤らめるー
「--ねぇねぇ、前から思ってたんだけどー
わたし、八橋くんのこと、好きみたいー」
琴葉は呟くー
”今度はお姉さんキャラ”に転向したのか
高校の時とは全く違う雰囲気の容姿と言動ー
「--えぇっ!?ぼ、ッ僕を?」
驚く後輩の男子ー
琴葉はにっこりと頷くー
そして、心の中で呟いたー
”次のおもちゃは、お前だー”
とー。
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
放課後の告白の最終回でした~!
周囲をかき乱すことに快感を覚える彼女(彼?)は、
いつか身を滅ぼしそうな気がしますネ~笑
お読み下さりありがとうございました!!
コメント
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2回めの時点で、本当に好きなのか、怪しい感じがあると思ったら、やっぱりこういう事でしたか。
以前の結婚当日の話と違って、この話では女の振る舞いを身に着けていても、精神は男のままって事なんですかね?
実際には好きになったワケじゃないということは。
なんにしても、本当に厄介な愉快犯ですね。新しいターゲットにされてしまった後輩が本当に気の毒です。
ところでこの話、別に皮じゃなくても憑依でもいけそうな感じですよね。まあ、憑依じゃ皮と違って、視覚的に正体を見せることは出来ないからインパクトには欠けますかね?
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コメントありがとうございます~!
精神は男のまま、遊んでいる感じですネ~!
確かに憑依でも行けたのですが、
コメントにある通り、相手に見せつけて恐怖を与えるために
皮モノになりました☆!