鬱になってしまった妻に憑依してしまった夫ー
妻を鬱に追い込んだPTAに逆襲していく夫ー
その先に、待っていたのはー?
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「--隠さなくていいぜ。
”妻に憑依した人間同士”
仲良くしようじゃねぇか」
PTA会長の恵が、綺麗な声でそう呟いたー
汚らしい笑みを浮かべながら、梨花を見つめる恵ー。
「妻の身体で、妻を喘がせるのって、本当に最高だぜ?」
恵が胸を触りながら、笑うー。
「-妻にエッチな下着を着せてみたりとかさ、
妻に、服従の言葉を口走らせてみたりとかさ」
恵は、唖然とする梨花を余所に、自分の欲望を語るー。
梨花に憑依している尚政は、
目の前にいるPTA会長の恵が、本当に憑依されていることを
認めざるを得なかったー。
「--最初はさぁ、その女との仲を引き裂いたら、
妻の身体から出て行こうとしたんだけど…」
恵はそう言うと、自分のスマホを操作して、
スマホに保存してあった写真を見せつけたー。
過激な衣装で、セクシーポーズを決める恵の写真が
何枚も保存されているー
「--へへへ 俺が妻の身体で撮った自撮りだぜ。
恵は真面目でこういうことは絶対してくれねぇからさ~
もう、興奮が止まらないぜ!
ま、興奮するのは俺じゃなくて妻の身体だけどな!はははっ!」
恵は嬉しそうに笑うと、
言葉を続けたー
「だからー、俺は妻の身体で生きていくことにしたー
永遠に、な」
恵が舌で唇を舐めるー。
恵は、梨花と同じ29歳で、
まだ容姿も若いー。
同年齢であるからこそ、梨花と恵は意気投合することが出来たのだろうー。
だが、その恵が、こんな風に夫に乗っ取られていたなんてー
「-ーーもう一度聞くぜ?
お前、その女の夫だろ?
見てりゃ分かるー
その女が、俺にベルマークをぶちまけるなんてできるわけがねぇ」
恵はそう言うと、
梨花に近づいて、梨花に突然キスをしたー
「--!?!?」
PTA室でキスをする梨花と恵ー
思わずドキッとしながら、梨花が恵を振り払うと、
「--”女同士”なんだから、いいでしょ?」と、恵が笑みを浮かべるー
恵の顔も、心なしか赤らんでいるー
「-同じ、”妻に憑依する”趣味を持つ仲間同士ー
仲良くしようぜ。 な?」
恵が梨花の肩をポンポンと叩くー。
だが、梨花はそんな恵を睨みつけたー
「-あんたと一緒にするな」
とー。
「-俺はあんたみたいに自分の欲望のために妻に憑依したんじゃないー」
梨花に憑依している尚政は、
自分が”朝、目を覚ましたら妻に憑依した状態だった”こと、
そして、好きで妻に憑依したんじゃないことを告げるー。
「--妻の身体をおもちゃにするお前なんかと、一緒にするな」
梨花は、それだけ言い放つと、恵を無視してPTA室の
外へと向かって行ったー。
「-ーーく、くくくくく、あはははははははははっ」
一人残された恵は、嬉しそうに笑うー
そして、興奮した様子で、はぁはぁと言いながら、
「--楽しいおもちゃ、み~つけた♡」と、甘い声で囁いたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
帰宅した梨花は、
パソコンで必死に”元に戻る方法”を調べていたー
”妻に憑依してしまったこの状態”
とにかく、まずは元に戻らないといけない。
この状態のままでは、
梨花本人に意識があるのかどうかわからないがー
意識がなかった場合は、早く元に戻してあげたいし、
意識がある場合、身体の自由が利かない状況はとてもつらいだろうー。
いずれにしても、早く元に戻らないといけないー。
梨花に憑依している尚政自身にとっても、
このまま”尚政本人が不在”の状況が続いてしまえば
会社をクビになってしまう可能性もあったし、
娘の凛をいつまでも誤魔化すことはできないだろうー。
梨花に嫌がらせを繰り返しているPTA会長・恵が
どうして豹変したのかは分かったー。
解決には至っていないが
”夫に憑依されている”ということが分かれば、
対策も取りようがあるー。
「---はぁ」
梨花はため息をつくー。
どうして、自分は梨花に憑依してしまったのかー。
理由が、分からないー。
「--お母さん、大丈夫?」
娘の凛が不安そうな表情で呟くー。
「--え?あ、あぁ、だいじょうぶだいじょうぶ」
梨花は明るい笑顔を浮かべて、凛に対して
そう言い放ったー
”あんまり暗い顔してちゃだめだ”
そう思いながら、梨花は、凛の頭を優しくなでるのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー
PTA活動がない今日は、
梨花の身体で買い物を済ませたー。
他人の身体で買い物をする、というのは
とても不思議な気持ちになるー。
時々、髪や胸に手を触れたりすると
どうしてもドキッとしてしまう自分を
”俺はあいつとは違う”と、
PTA会長の恵に憑依した夫を思い出しては
自己嫌悪に陥ったー。
買い物を終えて帰宅した梨花は、
「髪が長くて気になるな…」とさらさらした髪を
触りながら鏡を見つめたがー
”梨花の髪を勝手に切るわけにもいかないしなぁ…”と
ため息をつくことしかできなかったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー
PTAの話し合いが再び行われたー。
行事が近いからか、話し合いが
そこそこ頻繁に行われているのだー。
「ーーー」
普通に話している恵を見つめながら、
こうなる前に、梨花から、”恵は夫と別居状態”だと
言っていたことを思い出すー。
恵に憑依する以前から、恵の夫には
問題があった、ということなのだろうー。
そんな風に思いながら、話し合いに参加していると、
話し合いは終わり、PTAの役員たちはそのまま解散となったー
梨花の身体で”反撃”したからか、
PTAのメンバーは、梨花に対する嫌がらせをしてこなくなったー
所詮、”夫に憑依された恵”が梨花に嫌がらせを始めたから、
それにくっついていただけに過ぎない、情けない母親たちだー。
リーダーに群れて、梨花を攻撃していたー。
それだけのことー
だから、ちょっとの反撃で、あっさりと梨花に嫌がらせをしなくなったのだー
「---待てよ」
恵が笑みを浮かべたー。
「---……」
梨花が振り返るー。
2人きりになった恵は、ニヤニヤしながら
梨花に壁ドンをしたー。
「--お前の妻も、いい女だよなぁ?
俺とヤろうぜ」
恵が、はぁはぁと言いながら梨花に迫るー
梨花は「ふざけるな!」と再び恵を振り払おうとしたー
しかしー
「--!」
恵が、梨花の両胸を掴むと、そのまま揉み始めるー
「おい、、やめっ…うぁっ…」
梨花が恵を振り払おうとするも、
感じたことのない快感が伝わってきて、変な声を出してしまうー
「--へへへへっ」
恵はそのまま梨花にキスをすると、梨花を押し倒して、
乱暴に女の気持ちよいところを次々と刺激し始めたー
「おい、、や、、やめ、、うぁっ♡」
苦しそうにしながらも、気持ちよさそうにしている梨花を見て、
恵は汚らしい笑みを浮かべたー
「わたしが、女の快感、教えてあげる♡」
恵はそう言うと、欲情した表情で、服を脱ぎ捨て始めたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「--くそっ!ひどい目にあったー」
結局、激しい行為をさせられてしまった梨花は
舌打ちをしながら帰宅したー
「---早く、、早く、元に戻らないとー」
そんな風に思いながら、スマホを手にする梨花ー
しかしー
”元に戻る方法”を調べている手が、
いつの間にか止まっていたー
恵の妖艶な表情ー
そして、
梨花の身体を通じて味わった快感ー
梨花の喘ぎ声が自分の口から出ているゾクゾクー
それを思い出して、ぼーっとしてしまうー。
「----…」
気付けば顔を赤らめていた梨花は
「いけないいけない」と首を振って、
そのままスマホの画面を見つめ始めたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー
凛を学校に向かわせた直後、
インターホンが鳴ったー
誰が来たのかを確認するとーー
そこには、PTA会長の恵の姿があったー
「ブッ!」と飲んでいたお茶を吐き出す梨花ー。
梨花は慌てて「帰れ!」と叫ぶー。
しかし、恵は信じられない言葉を口にしたー
「-元に戻る方法、知りたい?」
とー。
「--……なんだと?」
その言葉に、梨花は、仕方がなく恵を家の中に招き入れたー。
恵はため息をつくと、
「お前が妻に憑依した理由、教えてやるぜ」と、
ソファーであぐらを掻きながら、笑みを浮かべたー。
「-なんだって?」
梨花が恵を睨みつけると、
恵は笑みを浮かべたー。
”憑依薬”
恵の夫が、恵に憑依した時に使った薬ー。
憑依したあとにも、憑依薬を定期的に飲む必要がありー
憑依薬自体の味がまずいため、
恵の夫は、お茶に憑依薬を混ぜて、恵の身体でそれを飲んでいたのだと言うー
飲むのをやめれば憑依が解除されー
数カ月ほど飲み続ければ、逆に”身体に魂が定着し、以降はその身体から抜け出せなくなる”の
だと言うー。
そしてー
最後に梨花を呼び出してPTA室でベルマークを押し付けた際にー
恵は”間違えて憑依薬入りのペットボトルのお茶”を、梨花に渡してしまった、
と、そう説明したー
「--お前、妻が持ち帰ったお茶、飲んだだろ?
そして、その状態で、キスしただろ?」
恵はそう言い放ったー
「--------!」
梨花が持ち帰ったお茶を、尚政は確かに飲んでいたー
しかも、確か、梨花に憑依してしまう日の前日、
寝る直前に梨花にキスをしているー。
「--それで、俺が梨花にー?」
梨花が言うと、恵は笑みを浮かべながら頷いたー。
「--だから、お前は、このままいれば
妻の身体から勝手にはじき出されて
元通りになれるさ」
恵はそう言いながら、憑依薬を混ぜたお茶を取り出して
少しだけ口にしたー。
”憑依”したあとに、完全に相手の身体を乗っ取るためには
魂を身体に定着させるため、しばらくの間、憑依薬を少しずつ
飲み続ける必要があるー。
それをしなければ、自然と憑依は解除されるー。
「---でもさ」
恵がイヤらしい目で梨花の方を見つめたー
「--」
恵が突然梨花にキスをするー
「--ふふふふ、ぼーっとしちゃって!
そんなにわたしとのエッチ、気持ちよかったのかしら?」
恵が笑いながら、梨花を押し倒すー
「や、、やめ、、やめろ!」
梨花に憑依した尚政は、そう叫びながらも
身体が恵を受け入れてしまっていたー
「--こ、これ以上は、、やめろ…!」
”理性”が壊れるー
梨花はそんな風に思いながらもがくー。
「--俺は、お前とは、違うんだ…!
妻を乗っ取るような、お前とは…!」
「--黙って!
今は、女同士の時間よー。
楽しみましょ?」
恵の強引なやり口に、
梨花はされるがままに喘ぎ始めたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「-----俺は、、お前とは違う…」
梨花は、服を着ながら
そう呟いたー
「--そ。じゃあ、これで会うのは最後かしら。
元に戻れば、あなたがPTA活動に来ることはないものね」
恵はそれだけ言うと、ニヤニヤしながら
鞄から、お茶を取り出して、机の上に置いたー。
「--そうそう、これ、おみやげ」
恵が邪悪な笑みを浮かべるー
「--”憑依薬”ちょっと混ぜてあるからー
毎日1口ずつ飲めばー
あなたも、わたしの仲間ー」
恵はそれだけ言うと、玄関の方に向かうー
「--”女同士”これからも仲良くしましょ?」
それだけ言うと、恵は小悪魔のような笑みを浮かべて
そのまま立ち去って行ったー。
ふざけるなー。
梨花に憑依した尚政は
”憑依薬入りのお茶”を見つめるー。
これを飲めば、梨花に憑依したままー、
梨花として生きることになるー
飲まなければ、梨花の身体から追い出されて
今まで通りー。
PTAの件も、恵の正体を知った今、
なんとか、なるだろうー。
「-ふざけるな、俺はお前とは違うー
欲望のために、妻の身体を乗っ取ったりなんか、しないー」
梨花はそう呟きながらもー
乗っ取られた恵との最高の時間を思い出してしまうー
恵の身体がー
恵とのエッチが、忘れられないー
そればかり頭に浮かんできてしまうー。
「--俺は、お前とは違うー」
ペットボトルのお茶を手にすると、
梨花は、そのまま台所の方に向かったー
「--俺は、、、俺は」
ペットボトルの蓋を開けると、
それを流しに捨てようとしてーー
梨花は呟いたー
「俺は、、お前とは違うんだー。
俺は、、妻を、、妻を守るためー
これ以上、鬱で苦しめないためにー
妻を…妻の身体をー」
悔しそうにそう呟きながら、
梨花は、憑依薬入りのお茶を捨てずにー
そのまま一口だけ飲んで、
「--これは、梨花を守るためなんだー」
と、”妻の身体を乗っ取る”選択をしてしまった尚政は、
自分で自分に言い聞かせるようにして、
何度も何度もそう呟いたー
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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良からぬ選択を、彼はしてしまいましたネ…!
お読み下さりありがとうございました!!
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