<皮>病院脱出大作戦②~出口を目指して~

看護師を皮にして、
その皮を着こみ、病院からの脱出を目指していた男。

しかし、そう予期せぬ事態が起きて、そう簡単に脱出することは
出来なかったー。

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同期でもあり親友である慎一から
”人を皮にする注射器”を受け取った圭祐は、
女性看護師の千夏を皮にして着込み、
千夏の姿で病院の外まで向かおうとしていたー。

しかし、その最中に尿意を催してしまい、
トイレに駆け込み、
つい、下心から千夏の胸を揉んでいたところー

女医の遥奈(はるな)にその場面を見られてしまったのだー。

そしてー

「い、、いや、、、ぇ…あ」

皮になっていく遥奈ー。
”トイレでうほうほ言いながら胸を揉んでいた”ことへの
言い訳が思い浮かばず、咄嗟に遥奈に注射器を打ち込み
”皮”にした圭祐ー。

皮になった遥奈はその場に崩れ落ちるー。

「-----」
千夏は戸惑いの表情を浮かべながらも、
どうするべきか、考えたー。

千夏はトイレに行きたくなって、ここに来たー。
だが、よく考えたら女として、どうやってトイレを済ませれば良いのかも
よくわからなかったし、
何より、女医の遥奈の皮をそのままにして
トイレを済ませるのはリスクがあるー。

慎一は”10分ほどで元に戻る”と言っていたが
万が一トイレに手間取って遥奈が元に戻ったり、
さらに他の誰かがここにやってきた場合は
非常に厄介だ。

「--なら」
千夏の姿のまま、遥奈の皮を掴み、
トイレの個室に入るー

そして、千夏を脱ぎ、
遥奈を着たー。

そうすれば、トイレを済ませることなく、移動できるー。

「---へへへ ごちそうさまでした」
脱ぎ捨てられた千夏の皮をトイレの便座の上に、うまく
座らせるようなかたちで置くと、遥奈になった圭祐は
トイレから飛び出したー。

「--うへへへ…女医さんになれるなんて…
 さっきより胸大きいし」

ドキドキしながら遥奈の身体で廊下を歩く圭祐ー。

「--っていうか歩いてるだけでエロエロじゃん…」
遥奈はそう呟くー。

「--まぁ…自分自身で興奮してたら生活できないし、
 自分が普段からこの身体だと、別に何も思わないのかな」

そんな風に思いながら廊下を歩いていると、
すれ違う入院患者が、「こんにちは」と頭を下げるー

「こんにちは」
挨拶を返す遥奈ー

(あああああああ 挨拶を返すだけで色っぽいぞ)

調子に乗って来た遥奈は、
2番目に挨拶してきた患者に
「こんにちは♡」と甘い声であいさつを返したり、
3番目に挨拶してきた患者には
ウィンクしながら「こんにちは!」とあいさつを返したー

顔を赤らめるおっさんたちー。

「--へへ下心丸出しじゃねぇか」

遥奈の身体を楽しみながらー
勿論、病院からの脱走は忘れていないー。

エレベーターの前にやってくると、
1階に降りようと、エレベータースイッチを押して
エレベーターが昇って来るのを待ったー。

意外とエレベーターが来ないので、
イライラして足をトントンする遥奈ー。

さっきまで”着て”いた千夏は
今頃目を覚ましただろうかー

そんな風に思いながらエレベーターを待っているとー

”先生!”
と、いう声が背後から聞こえたー。

振り返るとー
そこには可愛らしいツインテールの子がいたー。

「---ど、どうしたの?」
遥奈が担当している患者だろうかー。

その子が、「先生、わたし、お母さんとはぐれちゃって」と、言い始めるー。

「---そ、そうなんだ
 で、でも、わたし、忙しいから、、他の人にー」
遥奈がそう言いかけると、
その少女は、泣き出してしまったー

大泣きする少女ー
幸い、周囲に人はいないが、面倒なことになったー

「--あ~もう、泣くなよクソ!」
そう言いながら、すぐ近くの空き部屋に入ると、
「仕方ねぇ」と、言いながら遥奈は
ツインテールの少女に注射を打ち込んだー

「あ、、、、、」
少女が”皮”になっていくー

この子をここに置き去りにして、
そのまま外に向かおうとするー

(いや、待てよ)
遥奈は立ち止まるー。

ちょっとした好奇心ー
”自分より明らかに身体の大きさが小さいこんな子の皮も着れるのだろうか?”
と、そう思った圭祐は、
遥奈の皮をその場に脱ぎ捨ててー
ツインテールの少女の皮を着たー

「うへっ…なんかきつい感じがするけど、
 なんで着れるんだこれ?すげぇ…」
ツインテールの少女になった圭祐は、
ニヤニヤしながら
「うわっ…世界が違うなぁ」と笑うー。

まだ身長の低い少女の皮を着たことにより、
身長の低い視点での世界を体験する圭祐ー

”っていうか、中に入ってるの俺なのに、
 どうして着れるのか滅茶苦茶不思議だな”

などと、思いながらも、「まぁ、細かいことは気にしなくていいか」と
少女の身体で病院からの脱走を目指すー。

そういえば、圭祐も以前、”皮モノ”とか呼ばれるものを
友人に誘われてみたことがあったがー
その時も、明らかに中身のおっさんより、
着られる女性のほうがやせていたが、着た後、
膨らむこともなく、普通にしていたー

「--って、そんなこと今はどうでもいい!」
少女はそう叫ぶと、
エレベーターのボタンを押すとしたー

「----」

ぴょんぴょん飛び跳ねる少女ー。

何度も、何度も、ツインテールを揺らしながら
ぴょんぴょん飛び跳ねるー。

「--------…!!!」

少女は、表情を歪めたー。

「届かねぇじゃん!」
背の小さい少女では、エレベーターのボタンに
手が届かなかったー。

”届かねぇじゃん”と叫んだ少女を見て
近くにいたおじさんが首を傾げるー

「あ、、あはははは」
適当に誤魔化しながら、「仕方ねぇ」と、階段の方に走っていく少女ー。

階段なら、背が小さくても、特に問題はないはずだー。
そう思いながら少女の身体で階段を駆け下りるー。

しかしー

「あっ!!!!」

ーーと、
思った時には遅かったー

段差を踏み外して、盛大に階段から
転がり落ちてしまったー

「い、、、いててててててて…」

”歩幅”が違ったのだー
圭祐のいつもの感覚で、階段を降りようとしていたことで、
感覚が上手く一致せずに、結果的に
盛大に階段から転がり落ちてしまったー。

「---……はぁぁ…やべ…立てるか…?」
少女の声で呟くー

だがー
骨折したのか、それとも何か別の怪我をしたのか、
足をうまく動かせなかったー

”ご、ごめんな…”
圭祐は、自分が”皮”にした少女に同情しながらも、
この状況をなんとか切り抜けようとするー。

「--お、、だ、、大丈夫か?」

おじいさんが近づいてきたー

”ジジイかよ…ま、いっか”
そう思いながら、圭祐は、階段から転落しても
大事に握りしめていた注射器を使ってー
おじいさんを皮にしたー

少女の皮を脱ぎ、おじいさんの皮を素早く身に着けるー。

すぐに、少女の皮を掴み、
見つかりにくそうな物影に隠すー

「--って…なんだこの
 歩きにくさー」

おじいさんの皮を着た圭祐は
”あまりの歩きにくさ”に愕然とするー。

”俺も老いたらこうなるのか…”と思いながら、
”これじゃあ階段は無理だな”と、
エレベーターホールの方に向かうー。

「-あ!岩隈さ~ん!どこ行ってたの~!も~~!」
背後から声がしたー

ギャルっぽい看護師だー。

「--!!え、、あ、いや、俺はー」
おじいさんの身体でそう答えると、
ギャルは「俺~~?急にどうしたんですかぁ~」と笑ったー。

「---病室に戻りますよぉ~」
ギャルに手を引っ張られていくおじいさんー

”おいおい、俺は早く病院から抜け出したいんだ”

そう思いながら、圭祐は、病室に連れ込まれた直後ー
ギャルの首筋に注射器を打ち込んだー

「あれ…???え、、なにこれ、やば…え…」
ギャル風な看護師が、皮になったのを確認して
おじいさんの皮を脱ぎ捨てるー

ギャルの皮を身に着けた圭祐は、
鏡の前を見て、笑うー

「-あたし~~着られちゃった~~
 マジやば~い!」

「----」
しばらく沈黙するギャルー

「--何してんだ俺は…」
我に返ると、早く脱出しないと!と、ギャルな看護師の身体で、
エレベーターホールに向かうー。

今度は問題なくエレベーターのボタンを押してー
エレベーターに乗り込むー。

エレベーターで一人ー。
今、ここには誰もいないー

「---」
ドキドキしながら胸や手を見つめるー

「えへへ…同じ女の人でも、随分違うんだなぁ…」
身体の感じや感覚が、違うー
髪の色もさっきまでの女医や千夏とは違うし、
何もかもが違って感じるー。

「--まぁ、でも、それは男でも同じことかー」

なんとなく女性ばかり皮にして着ているが
身体によって色々な感覚が違うことには、
男女も何も関係ないだろうー

現に、さっきおじいさんを皮にして着込んだ時には
高齢によることによる”運動能力の差”に
驚いたものだー。

「---…んぁっ…♡」
胸を触るだけでも興奮してくるー。
なんだか分からないが、身体中がゾクゾクしてくるー

「--っと」
エレベーターが3階で停止したー。

他に乗ろうとしている人間がいれば
途中の階で止まるのは当たり前のことだー。

慌てて胸から手を離し、
最初、千夏の身体で胸を揉んでいたのを
目撃された失敗を繰り返さないようにする圭祐ー。

「---お、望結ちゃんじゃん」
入って来たのは男性のドクターだったー。

「あ、あ、、どうも」
このギャル看護師は、望結というのかー。

そんな風に思いながら、挨拶を返す圭祐ー。

だがーー
それが、失敗だったらしいー

「--あれぇ?なんか他所他所しいじゃん?急にどうしたの?」
エレベーターの扉を閉めながら男性医師が言うー。

「--え…?あ、、その…」
他所他所しい?このギャル、いつもどんな風に
このドクターと話しているんだ!?

そんな風に思いながら
「あ、いえ、別に、何も…」
と、誤魔化そうとすると、
男性医師が笑みを浮かべたー。

「--先週の夜は気持ちよかったよな?
 あ、俺から金取ったこと気にしてる?

 今更気にすんなって。
 望結ちゃん、金を払えばいくらでもヤラせてくれるの知ってて
 誘ったんだから」

その言葉に、望結の皮を着ている圭祐は
”この女、いったい、こいつと何してんだ!?”と
頭の中で必死に考えるー

「そ、、そ、、そうだよね、うん!ありがとう!」

”こんな感じで話してるのか?”
と、圭祐はヤケクソになって、望結の姿のままそう呟いたー。

「--1階につくまでーーちょっとだけ」
男性医師はニヤニヤしながら望結に壁ドンをすると、
無理矢理望結にキスをして、胸を触り始めたー

”このエロ医者が!”
心の中でそう叫ぶ圭祐ー

(やばい、このままじゃ感じて…)

望結の身体で、男から押さえつけられる恐怖にー
咄嗟に望結は、持っていた注射器でーー
男性医師を皮にしたーー

1階に到着するー。

扉が開くー

「あ…」
注射器を手にした望結と、
皮になった男性医師がいる状態で、扉が開くー

「--!!」
「--え!?」
「--うわっ!?」

”人間そっくり”の生々しい皮を見て、
驚く人々ー

望結は「やべっ!」と呟いて、慌てて逃げ出そうとしたー。

ついにー
”騒ぎ”になってしまったー

とにかく、望結の身体のまま、病院の外に出て、
皮を脱いで、早いところ病院脱出作戦を成功させなくてはー!

圭祐はそんな風に思いながら、騒ぐ人たちを無視して、
病院内を走り出したー。

③へ続く

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無事に(?)病院を脱出できるのでしょうか~?
続きはまた明日デス!!

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皮<病院脱出大作戦>

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