<入れ替わり>娘をいじめるやつは許さない①~父の怒り~

いじめを受けている娘⇔父親 !!

いじめにより不登校になってしまった娘…
ある日、そんな娘と父親の身体が入れ替わってしまうー!?

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ボサボサの髪で部屋の中で勉強をしては
ため息をついている女子高生がいたー。

堀口 瑠梨(ほりぐち るり)

学校でいじめを受けて、不登校になってしまった少女だー。
不登校になってから1週間とちょっとー。

いじめを受ける心配は、家にいればないが
両親も心配しているし、
瑠梨は”自分が人生という名のレールからどんどん外れている”
気がして、不安な日々を送っていたー

瑠梨が、目をつぶるー

”不登校になる前日”のことを思い出すー。

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「---あんたさ~マジでうざいんだけど」

放課後の空き教室ー。
複数の女子生徒が、一人の女子生徒を
傷めつけていたー。

いじめー。

いじめを受けているのは、
大人しい性格の女子生徒・瑠梨ー。

瑠梨は、大人しい性格で、
教室でいつも本を読んでいるような子だったー。
勉強熱心であることから、成績はとても良く、
また、容姿は”美少女”という感じの容姿であるために、
本人は全く自覚していないものの、男子からは
隠れた人気があったー。

だがー
”それ”が瑠梨がいじめられるきっかけを作ってしまったー

プライドが高く、女子グループのリーダー的存在である
藤原 真紗美(ふじはら まさみ)に目をつけられてしまったのだー

いじめのきっかけは、
明確には分からないー

けれど、色々なことが積み重なったのかもしれないー

ひとつは、”成績”
真紗美は、なんでも出来て、自分の容姿にも絶対の自信を持っているような子だったー
天才肌、と言ってもいいー。
中学時代も、高校1年の時も、クラス1位の成績を誇っていたー

しかしー
2年になって、瑠梨とクラスが一緒になり、真紗美は、”上には上がいる”ことを
思い知らされたー。

中間試験、期末試験、1学期の成績ー
何をおいても、瑠梨に勝つことはできなかったー。
瑠梨は、性格上、自慢するようなことは全くなかったがー
プライドの高い真紗美にとっては、それがさらに屈辱だったー。

そして、決定打となったのはー
恐らくー…

真紗美は、2学期に入ってすぐ、隣のクラスの生徒会長をやっている男子に告白したー。
真紗美が好きな相手だー。

しかしー
その男子、
生徒会長の栗本 良太(くりもと りょうた)は言ったのだー

”ごめん 他に好きな人がいるー”

とー。

そして、その”好きな人”が、瑠梨だったのだー。

そのころからだろうかー。
いじめが明確に始まったのはー

「--うっざ~~!ホントうざい~~!」
真紗美の友人の一人で、典型的なギャルのような風貌の女子生徒・愛(あい)が、
声を上げるー。

その様子を見て、もうひとりのいじめっ子、オカルト好きの貞江(さだえ)と
目を見合わせてほほ笑んだ真紗美は、瑠梨の方に近づいて行って
笑顔で呟いたー。

「堀口さん
 いつも勉強頑張っててすごいよね。
 男子からも人気みたいだし」

真紗美が、穏やかな口調で言うー。

プライドが高く、我儘な性格だが、
容姿は優しそうで、口調も穏やかなためー
最初は”本性”に気づかない人間も多いー。

「--でもさ、わたしは何でもできます~!
 わたしは群れません~
 みたいな態度は、ちょっとイラッと来ちゃかな」

瑠梨の髪をひっぱりながら、にっこりと笑う真紗美ー。

「そ、、そんなつもりじゃ…」
瑠梨が困り果てながら言うー。

真紗美は「--そっか」と、微笑んで
髪から手を放すと、
瑠梨の方を見て、笑ったー

「--堀口さんのために、わたし、一つアドバイスをしてあげる!」
ポン!と手を叩く真紗美ー

「これからね、わたし、もっと、酷いいじめをしていこうと思ってるの!

 でもね、そうすると、堀口さんにとって、辛いでしょ?

 いじめられるのは、辛いもんね。

 だからー
 堀口さんー」

真紗美は、にっこりと笑いながら瑠梨に近づくと、
「--不登校になったほうが、いいんじゃないかな?」と、
満面の笑みで囁いたー

「--え……」
連日のいじめですっかり怯えていた瑠梨は、
戸惑いながら真紗美の方を見るー

「-堀口さんが学校に来なければわたしもイラッとしないし、
 堀口さんも、わたしにいじめられずに済むしーー
 お互いにとっての幸せ、WinWin でしょ?」

真紗美の言葉に、瑠梨が震えているとー

「--わたしと、堀口さんの約束だよ♡」
と、まるで親友に言うかのような明るい口調で、
そう呟いてー
そのまま、ギャルの愛、オカルト好きの貞江に「いこっ!」と
笑みを浮かべるー。

「-------」
瑠梨は、震えるー

これまでにー
暴力ー
暴言ー
モノを隠されたりー
恥をかかされたりー
先生に注意されるように仕向けられたりー
卑猥な合成写真を作られたりー

いろいろされてきたー

もう、限界だったー

去り際に、真紗美は、にっこりと笑いながら呟いたー

「ーーき・え・て♡
 明日から学校に来ないで。

 よろしくね♡」

脅すような雰囲気を全く感じられない、
”友達に言う”かのような口調ー

それが逆に怖かったー

瑠梨の心は、折れたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「瑠梨の様子はどうだ…?」
会社から帰宅した父親・勝(まさる)は戸惑った様子で呟くー

「変わらないわ…」
母親の奏子(そうこ)が悲しそうに首を振るー。

「--瑠梨…」
父・勝は怒りの形相でため息をついたー。

瑠梨に怒っているのではないー
瑠梨をいじめたやつらに、怒っているのだー。

「--俺が瑠梨だったら、そいつらをやっつけてやるのに」
勝が言うー。

勝は小さいころから正義感に溢れる性格で、
それ故に、不良と喧嘩をして、停学処分になった経験も持つー。

悪いことやいじめは絶対にしないのだが、
正義感が強すぎて、結果的に世間からすれば”問題”を起こしてしまうようなことも
学生時代は何度かあったー。

妻の奏子との出会いも、
文化祭の時に絡まれていた奏子を助けたことがきっかけだったー。

「--勝は、変わらないね」
妻の奏子が懐かしそうにそう呟くー。

「--まぁ、今はただのおっさんだし、学校に乗り込んでいくわけにも
 行かないからな…」
と、戸惑いながら頭をかいたー。

だがーーーー
その”願い”が通じたのだろうかー。

翌朝ーー

「--うおおおおおおおおおおおおおおお!?!?!?!?」
何気なく、洗面台で顔を洗っていた瑠梨が突然叫んだー。

「-!?」
母・奏子が慌てて洗面台に駆け付けると、
瑠梨は驚いた顔で、奏子の方を見たー

「そ、奏子…俺、、、俺、、、瑠梨になってる…?」
と、自分を指さしながらー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

寝ていた勝になった瑠梨を起こすと、
勝(瑠梨)は「どうしよう…」とずっと困惑した様子ー

2人は、どういうわけか、寝ている間に入れ替わってしまったのだー

朝、寝ぼけながら階段を下りて来た瑠梨(勝)は、
自分が瑠梨の身体になって、瑠梨の部屋で寝ていたことに
顔を洗うまで気づかなかったのだー

勝になった瑠梨は、入れ替わったことに気づいた瑠梨(勝)に
起こされるまで寝ていたため、入れ替わりに気づくのが遅れたー。

「---どうする?」
瑠梨(勝)の言葉に、

「どうしよう…」
と、勝(瑠梨)が弱弱しく呟いたー

”おっさん”が「どうしよう~…」と、女々しく呟いているのを見て
母の奏子は違和感を感じながら
「--ほんとに、入れ替わってるの?」と今一度確認したー

「-う、疑ってるのか?
 俺がそういう冗談をするならまだしも、
 瑠梨がそんなことするわけないだろ?」

瑠梨(勝)が言うー。

「--それもそうね…」
奏子が苦笑いしながら「納得」すると、
瑠梨(勝)は「信じるの早いなおい!」と叫んだー。

瑠梨が笑顔で、口数多く話しているー。

中身が、勝だと分かっていても、
母の奏子にとってもー
瑠梨の身体になってしゃべっている父・勝本人にとっても、
なんだか嬉しい気持ちになったー

「---……って、悪い悪い…
 ごめんな瑠梨…
 俺が瑠梨になってるなんて、気持ち悪いよな」

瑠梨(勝)が言うー。

娘・瑠梨との関係は良好で、特にお互いに嫌ったりしてはいないが、
とは言え、瑠梨は高校2年の年頃の娘であることには変わりはないー

「ーーー別に…大丈夫だから」
勝になった瑠梨は、瑠梨になった勝とは正反対で、
物凄く暗い表情ー。

人間、中身が変わるだけでこんなに変わってしまうのか、と
思ってしまうぐらいの変わりようと言える。

元に戻る方法について、2人で話し合うー。
しかし、元に戻る方法は分からないー

手をつないだりー
ちょっとぶつかってみたりー
そういうことは試してみたが
そんなにあっさり元に戻れるはずもなく、
堀口家の中に、戸惑いの空気があふれ出すー。

「明日の朝には、また元に戻ってるかもしれないしな」
瑠梨(勝)は、髪を気にするような素振りを見せながらそう呟くー。

娘の身体に興奮などしないーーー、と
勝は自分で思っているものの、
どうしても、自分が瑠梨の身体になっているとなると、
意識はしてしまうー。
娘をそのような目で見てしまうなど、父としては
あるまじき行為であることは、重々承知しているのだが、
やはり、どうしても意識をしてしまう面があるのだー。

「----…………お仕事、どうしよう…?」
勝(瑠梨)の言葉に、
瑠梨(勝)は少し考えてから
「リモートで仕事できるように手配して、俺がやるから大丈夫」と、
答えるー。

その言葉と表情はイキイキとしていてー
瑠梨の身体でも、こんなに明るいオーラを出せるんだ、と、
勝(瑠梨)は、先ほどから何度も何度も思ってしまうー。

と、その時だったー

「---あ、学校は…」
母の奏子が口を挟んだー

父・勝の仕事はリモートで行うことも、なんとかできるー。
そのため、明日になっても、元に戻っていなかった場合、
瑠梨の身体でリモートワークをすれば良いだけの話だー。
電話対応などは色々不便があるが、そこはなんとか考えようと、
瑠梨(勝)は思っているー

だがー
学校は、そうはいかないー。
勝になった瑠梨が、勝の身体で学校に行くわけにはいかないし、
瑠梨の高校は通信高校ではないため、登校する必要がある。

「ーーわたしは…不登校だから…」
勝(瑠梨)はそう呟いたー

勝の顔で弱弱しい表情を浮かべながらー

「--ーー」
”確かにそうだな”
瑠梨になった勝がそう言おうとしたその時だったー。

瑠梨(勝)の中に、
”娘の瑠梨がいじめを受けていて、それが原因で不登校になっている”という
事実が、改めて頭の中に強く浮かんできたー

入れ替わった驚きで、それどころではなかったがー
これは”チャンス”でもあることに気づいたのだー

「--いや」
瑠梨(勝)は立ち上がるー

「--俺が瑠梨の身体で学校に行く」
瑠梨(勝)の言葉に、驚く勝(瑠梨)-

「え…!?」
勝(瑠梨)が戸惑っているのを見て、
瑠梨(勝)は言い放ったー。

「---瑠梨をいじめたやつを、懲らしめてやるー」
瑠梨になった勝は、強気にそう呟いたー。

”娘をいじめるやつは許さない”ー

瑠梨になった勝は、
瑠梨の身体で高校に行くことを決意するのだったー。

②へ続く

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コメント

いじめを受けて不登校になってしまった娘と
入れ替わった父親…

本番は次回からですネ~!

お読み下さりありがとうございました~!

コメント

  1. 匿名 より:

    SECRET: 0
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    頑張ってお父さん、絶対懲らしめて!

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
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    コメントありがとうございます~!

    お父さんにエールを届けておきます~笑