とある場所に存在する闇守町(やみもりちょう)-。
閑静な住宅街で、平和な生活を謳歌していたその場所はー
半年前から”地獄”と化していたー。
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闇守町ー
閑静な住宅街で、
のどかな雰囲気の漂う町ー。
しかし、この町が、そうであったのも
”半年前”までのことー
「おはよう」
小太りで禿げ頭のおじさんが、登校中の女子高生に挨拶をするー。
女子高生は満面の笑顔で「お、、おはようございます」と
頭を下げて挨拶をしたー。
小太りの男は、満足そうに笑うと、
そのままコンビニに入っていくー
コンビニでは、店長をはじめとする、店員が並んで
「いらっしゃいませ!」とあいさつをするー
小太りの男は、満足そうに微笑むと、
ビールとつまみを手に、レジに向かい、
店長は「私がお会計します」と、自分の財布からお金を取り出して、
その男に”奢った”-
堂々と街中を歩く男ー
彼の名は
松重 剛太郎(まつしげ ごうたろう)-。
半年前に、この町にやってきて、
今や、この町を”支配”している男だー
今や、この闇守町で剛太郎に逆らうことのできる人間はいないー。
「--あ、おはようございます」
OLが、礼儀正しく頭を下げる
「おう」
男は、鼻をほじりながら、無礼な態度で挨拶を返すー
それでも、OLは満面の笑みのままー。
剛太郎には、逆らえないからだー。
家に帰宅すると
「お帰りなさいませ!ご主人様!」とメイド服姿のかわいい子が
剛太郎を出迎えるー
「おう」
剛太郎は横暴な態度で、そう返すと、
中年太りした腹を叩きながら
「飯!」と、メイド服姿の女性に言い放ったー。
「はい!すぐに準備いたしますー」
メイドがそう言うと、
チャイナドレス姿の女とバニーガール姿の女がやってきて
剛太郎のお世話をし始めたー
他にもレオタード姿の女やセーラー服姿の女などの姿が見えるー
彼女たちは、全員ー
剛太郎の”力”によって、身も心も支配されてしまった人間たちだー。
剛太郎には、ある力があったー。
それはー
”憑依”-
憑依能力を手に入れた剛太郎は、半年前、この町にやってきて
憑依能力を使い、この町を支配したー。
憑依して他人の身体を乗っ取りー
その身体を遊びつくしたりー
大事な家族や恋人を乗っ取って”脅迫”したりー、
邪魔者を乗っ取って自殺させたりー
そしてー
憑依能力を使って、脳を書き換えてー
本人の性格や思考まで歪めることもあったー
ここにいる女たちは、剛太郎に憑依されて
剛太郎の忠実なしもべになるように、
脳をいじられてしまった女性たちー
「--んっ…ご主人様…きもちいいですかぁ…?」
チャイナドレス姿の女が、嬉しそうに剛太郎のアソコをしゃぶっているー
剛太郎がニヤニヤしながら、
「--うへへ」と呟くー
バニーガールは剛太郎の肩のマッサージを行いー
メイド服の女は、剛太郎のために料理を作っているー
チャイナドレスの女の口に大量に液体を放出すると、
賢者タイムに突入した剛太郎は、「どけ!」とチャイナドレスの女を
蹴り飛ばしたー
蹴り飛ばされても、うっとりとした表情の
チャイナドレスの女ー
「--この町はー」
メイドが作った料理を口に運びながら、剛太郎は笑うー
「--俺のものだー」
とー。
”闇守町”はー
剛太郎に支配されているー
”逆らえば死”が待っているー
半年前ー
剛太郎に逆らった町長は、娘を乗っ取られて、
娘の精神を完全に歪められてしまったー
剛太郎は、目の前で、娘が喜んで剛太郎に”ご奉仕”する様子を
町長に見せつけたー。
町長の心は、簡単に折れたー。
今、チャイナドレスを着せられている女が、
その町長の娘だー。
憑依されて、思考を歪められた娘が、
嬉しそうに汚らしい男にご奉仕している場面を見た
町長は、もう、剛太郎には逆らえずー、
それから半年間、剛太郎の意のままに動いていたー。
剛太郎に逆らった居酒屋の店主は、憑依されて、
そのまま自殺したー。
剛太郎に逆らった自治会の会長は、娘が憑依されて、
笑いながら、目の前で自殺ー
さらには孫娘が憑依されて、会長の目の前で
エッチなことを繰り返したー。
あまりの光景に、その自治会長は、今は廃人同然になってしまっているー。
逆らうものは、他にも大勢いたー。
しかし、乗っ取られて自殺したりー
大切な人間が乗っ取られたり、
乗っ取られて精神や記憶を歪められたりしてー
今や、闇守町で、剛太郎に逆らう人間は、いなかったー。
「--お前!」
帰宅中の女子高生に声を掛ける剛太郎ー
「-ちょっと、ムラムラしてきたから、ヤラせろ」
それだけ言うと、「ひっ!?」と悲鳴を上げる女子高生にキスをして
剛太郎は有無を言わさず、女子高生の身体を奪ったー
下品な笑みを浮かべながら、路上で鞄を放り投げて
そのまま胸を触り出す彼女ー
「---あ…真梨が憑依されてる…」
「--しっ」
他の女子高生たちが、乗っ取られた子ー、真梨から目を覚ますー。
逃げることは出来ないー
闇守町は、剛太郎に完全に支配されているー。
”逃げること”も、許されないー。
転居しようとすればー
剛太郎は、その人間に憑依して”制裁”を加えるー。
黙って闇守町から逃げてもー
それに気づいた時点で、剛太郎はその本人を探し、
見つからなければ、家族や知り合いに憑依して
順番に葬っていくー
まさに、悪魔ー
女子高生の身体で、盛大にイク剛太郎ー。
快感を存分に味わった剛太郎は、その子ー、真梨から
抜け出して、憑依されていたからか、ぼーっとしている真梨を
乱暴に蹴り飛ばすと、そのまま町を歩きだしたー。
”人間のクズー”
”悪魔”
”絶対に許さない”
闇守町の住人たちは、そう思いながらも、
剛太郎をどうすることもできなかったー
剛太郎を殺そうと新聞配達員の男が襲い掛かったこともあるー。
だが、一瞬で憑依されてしまい、
”想像を絶する”殺され方をしたー。
剛太郎には、逆らえないー。
絶対にー。
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闇守町で起きていることなど、全く知らずー
この日、闇守町に一人の男がやってきたー。
旅を趣味としている男・峯田 東吾(みねた とうご)-。
東吾の好きな”旅行”は
海外や有名な観光地を訪れることではないー
こうして、閑静な住宅街や、
田舎の村ーなどなど、
人々のそこの暮らしに触れ、その日常をこの身をもって経験するー、
そんな旅行が好きだったー
そして、東吾は今日、この闇守町にやってきたー。
”何の変哲もない普通の町”
けれど、そこには人々の暮らしがあるー。
「----さて、闇守町ー
どんな町かな?」
そんな風に思いながら、近くにあった定食屋に入るー。
「いらっしゃいませ」
定食屋の店主であるおばさんが、愛想よく挨拶するー。
(昔ながらの定食屋だなー
こういうところは、案外、美味しいんだよな)
そんな風に思いながら、東吾は
「おばちゃん、からあげ定食を一つ、お願いします」と、
穏やかな表情で微笑んだー。
店内にはOLのような客と、おじいちゃんが既に、順番待ちをしていたー。
そこにー
”悪魔”はやってきたー
バン!と乱暴に扉を開けて入って来たのはー
禿頭の小太りの男ー
この町を憑依能力で支配する剛太郎だー。
「--たまにはクソまずい定食でも食ってやるか。
おい、ババア、作れ」
剛太郎が横暴な態度で店に入ってきて、
おじいさんが座ってる席に近づいていくと
「どけ!クソジジイ」と、声を上げたー。
”剛太郎が座りたい”と思った席は、剛太郎のものなのだー。
「---」
旅人・東吾は、その様子を見て表情を歪めるー。
「--はい」
おじいさんが慌てて席を開けるー。
店主のおばさんは、剛太郎の料理を先に作ろうとし始めるー
だがーー
「-おい、あんた。失礼じゃないか?
そのおじいさんが先にその席に座っていたんだぞ?」
東吾の言葉に、剛太郎は「あ?」と表情を歪めたー
おじいさんが慌てて
「いいんです!わしは、いいんです!」と東吾にしがみつくー。
「--なんだァ、お前は?」
剛太郎が不満そうに東吾を睨むと、
東吾は答えたー。
「-ー旅人」
とー。
「-よそ者か」
剛太郎はそう呟くと、突然机を蹴り飛ばしたー
「--お前、俺のことを知らないみたいだなぁ」
小太りで禿げ頭の剛太郎が、東吾を睨みつけるー。
「--ん?おっさん、有名人なの?」
東吾が人を小馬鹿にしたような態度でうすら笑みを浮かべると、
剛太郎は顔を赤くして、ぷるぷると身体を震わせたー。
東吾の態度に、怒り狂っているのだー。
「おい!ババア!こいつをつまみ出せ!」
剛太郎が叫ぶと、
「で、、でも…」と、店主のおばさんは困惑した様子だー。
それを見た東吾が「-おばちゃん、すみません。ご迷惑をおかけしました」と、
店主のおばさんに向かって頭を下げるー。
そして、1000円札を机に置くと、
「--おっさん、お店に迷惑はかけられない。表に出な」と、
東吾が、剛太郎に向かって言い放ったー。
「-ーーふん。俺はこれから飯を食うんだ。」
剛太郎はそれだけ言うと、おじいさんを蹴り飛ばして
「おい!ババア!まだか!」と、店主のおばさんに向かって叫んだー。
それを見た東吾はー
いつの間にか剛太郎の胸倉を掴んでいたー
「--表に出ろ、豚野郎ー」
「---あん???」
東吾の言葉に、剛太郎は顔をひくひくさせながら、
東吾を睨み返したー。
「-(こいつには思い知らせてやる必要があるな)」
剛太郎は、そう思いながら、店の外に出るー。
そしてー
剛太郎は笑みを浮かべたー。
「--お前、自分が誰に喧嘩売ってるのか、分かってるのか?」
鼻をほじりながら剛太郎はそう言うと、
「闇守町は、みんなみんな俺の言いなりだ!
俺がこの町の王様なんだよ!分かるか?」と笑みを浮かべたー。
だが、東吾は余裕の表情を崩さないー。
「--お前みたいな、横暴な奴が王様?
妄想もいい加減にしろよ」
東吾の言葉に、剛太郎は笑みを浮かべるとー
突然、東吾にキスをしたー。
”俺が憑依すれば、お前をどんな目に遭わせることだって
できるんだぜー。
例えば、そうーー
自殺させることも、なー”
だがーー
「----!?」
剛太郎は表情を歪めたー。
「--なっ」
憑依するために、東吾にキスをした剛太郎ー。
しかし、自分の身体が霊体になって、東吾に吸い込まれることはなくーー
ただ、東吾とのキスが続いたー。
「--わりぃな」
東吾が呟くー
「-俺はおっさんとイチャイチャする趣味はないんだ」
その言葉と共に、東吾が、剛太郎の頬を思いっきり
殴りつけたー
「ぐほおぁぁっ!?」
吹き飛ばされる剛太郎ー
目から涙を浮かべながら、路上に倒れて、東吾の方を見つめるー。
「--さっきの店での態度ー
お前は何様だ?
店のおばちゃんも、おじいちゃんも困っていただろうが。
いい年して、周囲に迷惑をかけるんじゃねぇ。
それが理解できねぇなら、
お前はただの迷惑な豚野郎だ」
東吾はそれだけ言うと、立ち去っていくー
「--(こ、、こいつ、なんで、、憑依できねぇんだ!?)」
剛太郎は、そう思いながら、目から涙をこぼすー。
ビビっていたー。
「---て、、てめぇ!ただで済むと思うなよ!」
叫ぶ剛太郎ー
東吾は立ち止まると、
振り返って笑みを浮かべたー
「そうだ、この町の宿、どこか知ってるか?」
旅人としての質問ー
剛太郎は怒りに震えながらも、宿の一つを東吾に教えたー。
東吾は、宿の位置を確認すると、笑みを浮かべてー
「今日から数日間、この町でお世話になるよ」とだけ呟いて、
そのまま宿の方角に向かったー
怒りに震える剛太郎ー。
”憑依で住宅街を支配する男”と
”憑依されない飄々とした旅人”-
2人の遭遇により、住宅街の運命は大きく変わろうとしていたー。
②へ続く
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コメント
暴君と旅人ー。
憑依で支配された住宅街に、波乱(?)の予感ですネ~!
今日もありがとうございました!
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