彼は”女”が嫌いだったー。
彼女も作らず、下心も一切持ち合わせないー。
そんな男子が、女体化してしまった物語…。
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高校3年生の鎌原 翔太(かまはら しょうた)は
”女子”が嫌いだったー
周囲の友達が、彼女だのなんだの言っていても、
翔太は、全く羨ましいと思わないー。
負け惜しみではないー
心の底から「いらない」と断言できるー
そんな男子が、翔太だったー
下心も一切なく、Hな動画を見て喜んでいる男子たちを見ても、
「何が面白いんだ?こんな女の動画なんて見て」と
思ってしまうようなタイプー
女を見るなら、サボテンを見ていた方がずっと有意義な時間になるー。
翔太は、心からそう思うタイプだー。
男子の友達さえいれば十分ー。
そんな考えの持ち主だったー。
”男好き”ということでもないー
ただただ、”女”という存在が嫌いだったー。
もちろん、”嫌い”という態度は出来る限り表には
出さないようにしているし、
女子から話しかけられれば”女相手”として意識せず
”ただの人間”として話はするー
だが、自分から仲良くなるつもりは毛頭なかったし、
心の中では”関わりたくない”という気持ちしかなかった。
故に、彼女もいらないし、下心もないー。
「---ははは、まぁ、俺は彼女とかいらないからな」
翔太が、親友の持野 隆夫(もちの たかお)に対して言うと、
隆夫は「ま、お前はそうだったな」と、笑みを浮かべたー。
隆夫が、翔太に自販機で買ってきたペットボトルのお茶を差し出すと、
自分はカルピスを飲み始めながら、「しかし、お前は本当に女子が嫌いだよな」と笑うー。
親友の隆夫にだけは、翔太は”素の自分”を出しているー。
つまり、”女なんて嫌いだ”、という態度だー。
「--彼女とかさ、時間の無駄にしか思えないんだよなぁ、俺には」
翔太が言うと、隆夫は
「まぁ…無理して作るもんじゃないしな」と、苦笑いするー。
翔太が”女嫌い”な理由を、隆夫は知っているー
だからこそー
彼女持ちである隆夫に対して、平気で”彼女なんて無駄だ”と
言い放つ翔太のことも、理解できたー
翔太の姉ー。
それが一番の原因なのだと思うー。
浮気を繰り返すどうしようもない女で、
既に大学生になり、実家を出ているが、
翔太はその姉のせいで、散々な目に遭ったのだと言うー。
だからー
”女”という存在を嫌悪するのも、仕方のないことなのだろうー。
「-ーお前と、足利(あしかが)と、1日のうちに話してると
本当に頭がおかしくなりそうだぜ」
隆夫は笑いながら言うー。
”足利”とはクラスメイトのひとりで
”女になりてぇ~~~!”といつも騒いでいる下心丸出しの男子だー
「--ははは…」
確かに、女嫌いの俺と女好きの足利ーー
確かに言ってることも全然違うんだろうなーーー
と、翔太は思いながら、少しだけ笑うー。
「--あいつ、今日もまた”朝起きたら女になってないかなぁ~”なんて
言ってたしさぁ」
隆夫が言うと、
翔太は「俺は死んでもごめんだな。女になるなんて」と、首を振ったー。
もしも、自分が女に生まれていたならー
自己嫌悪に陥っていたかもしれないー、
などと思いながら翔太は「あ、じゃあ、俺はそろそろ帰るよ」と、
放課後の教室で話をしていたことを思い出して、
隆夫に手を振るー。
隆夫は「おう」とだけ言うと、そのまま教室の窓の外を見つめたー
だがーーー
それはーー
起きたー
「-----------え」
翌朝ー
目を覚ました翔太の身に、異変が起きていたー
「---え…ちょ!!?!?え?????」
翔太は戸惑いながら、
自分の胸のふくらみに、手を振れるー
「は????おい、嘘だろ…!?」
慌ててズボンの上から手を振れるが、
アレの感触を感じないー
「--な、、な、、ないっ…!?!?」
しかもー
その声は、翔太の声とは思えないー
高い声だったー
「--は???おいおい、、や、、やめてくれよ!!!」
翔太はそう思いながら自分のスマホを手に、スマホのアプリで
自分の姿を確認したー
「----は…?」
翔太は唖然としてスマホを落としたー
顔は確かに翔太に似ている顔だがー
翔太を女の子にしたような、そんな顔ー
髪は伸びてー
胸は膨らみー
肌は綺麗になりーーー
アレはなくなっていたー
完全に、翔太は”女”になってしまっていたー
「------」
放心状態の翔太ー
もしも、女体化したい男子高校生である足利が、
翔太の立場になったのであればー
すぐにでも胸を揉み始めていただろうー
しかし、翔太は違うー。
嫌悪に満ちた表情で、膨らんだ胸を見つめー
汚らわしいものを見るかのような目で
それを睨みつけるー。
「------」
翔太は時計を見たー
「ふ、、ふ、、ふざけんじゃねぇ」
翔太は、すぐに部屋にあったビニール袋とハサミを用意すると、
伸びた自分の髪を切り始めるー
「ふざけるな!!ふざけるな!!!」
可愛い声で叫ぶ翔太ー
自分が女になるなど、ありえないー。
「くそっ!!くそっ!くそっ!くそっ!」
これは夢だー
そう思いながらも、
翔太は、”夢ではない”と心のどこかで、理解していたー
夢を見ている最中に「これは夢だ」と自覚するのは難しいがー
起きているときに「これは現実だ」と自覚するのは容易だー。
翔太は、自分が、”朝起きたら女になっていた”というこの状況が
”現実”であると自覚せざるを得なかった。
「---はぁっ…はぁっ…はぁっ」
髪を切り終えた翔太はー
いつものような髪型に戻るー。
「--くそっ…」
自分の顔は確かに、自分の顔のままだがー
翔太の顔を美少女にしたような、そんな顔になってしまっている
”自分が女になっている”
そんな状況すら、受け入れられないほどに女嫌いの翔太は、
胸をなんとか小さく見せようと、頭を抱えるー。
「--くそっ…これならどうにか」
幸いー
胸はそこまで大きくなかったー
これで巨乳だったらさすがに詰んでいたー、
そう思いながら「邪魔くせぇなくそが!」と、自分の胸を無理やり
押しつぶそうとするー。
そんなことをしても、痛みを感じるだけで、
胸が小さくなるようなことはなかったー。
制服を身に着けてー
マスクをしてー
声をなるべく低く出すようにしてー
「---……これなら、、なんとか」
翔太は、低い声でそう呟くと、
”風邪をひいた”と適当に誤魔化して、
学校に登校することにしたー。
両親には、なんとかバレず、そのまま学校に向かう翔太ー
”俺は男だー冗談じゃねぇ”
そんな風に思いながら、
”どうすれば元に戻れるんだ?”と、
昨日の自分の行動を振り返ってみるー
しかし、特別変なものを食べた記憶もないし、
いつもと変わったことをしたつもりもないー
普通に、寝ただけだー。
「--なんで俺が女にー
ふざけるんじゃねぇ…」
翔太は
”女にするなら、足利みたいに喜ぶやつにしてくれよ”と、
思いながら何度も何度も舌打ちをするー。
ようやく学校の正門にやってきた翔太はー
”とにかく、今日帰宅したら、色々調べてみよう”と
決意するー。
それに、一晩眠れば元に戻る可能性もあるー。
一夜にして女体化したのだから、
一夜にして元に戻る可能性だって、あることになるー
「とにかく…今日、耐えるんだ」
翔太が教室に入ると、
「--あれ?翔太!」と、クラスメイトのひとりが
翔太がマスクをしていることに気づいたー
翔太はわざと声を出しにくそうにしながら
「ちょっと、、風邪を引いちゃって」
と、低い声で呟くー
「--お!ほんとだ!声がいつもと違う!」
クラスメイトの男子は、そう言いながらも、
女体化した翔太が髪を切り、制服で胸が目立たないようにして、
いつもの男子としての制服を着ているために、
まさか翔太が女体化しているなどとは思わなかったようだー。
「-目もなんかこう、キラキラしてるような」
そのクラスメイトの言葉に
翔太は「たぶん少し熱があって、涙ぐんでるんだと思う」
と、言い訳をしたー。
翔太は、ため息をつきながら座席に座るー。
「----」
自分の胸に手が触れて、不愉快そうな表情を浮かべる翔太ー
(くそっ…)
思春期真っ最中だからかー、
そとも、女子が嫌いだからかー、
自分が女体化している、というこの状況が
恥ずかしいと思えたし、
翔太からしてみれば、嫌悪感でいっぱいだったー
「----」
授業が始まると、翔太もだんだんと気持ちが落ち着いてきて、
授業に集中することができたー。
座ってー
声を出さずに、普通に授業を受けている分にはー
髪もバッサリと切っているし、そこまで強い違和感は感じないー
股間のあたりに手を触れて違和感を感じたり、
胸に手を触れて違和感を感じたりすることは
あったものの、気持ちは少しずつ、落ち着いたー。
だがー
2時間目が終わってトイレに足を運んだ時にー
翔太は舌打ちをしたー。
いつものように、トイレの前に立ってしようとしたときにー
イヤでも現実に気づかされるー。
「---…」
周囲の男子を気にしながら、翔太は心の中で舌打ちをすると
個室の方に入っていくー
「くそっ!面倒くせぇ…!
っていうか…え~っと…」
翔太は戸惑いながら自分の身体を見つめるー
「ど、どうやってすればいいんだ…?」
正直ー
”女”の身体から、どうやって尿が出て来るのか、
そういった知識も翔太にはなかったー。
だが、家ならともかく、学校でズボンやパンツを
汚すわけにはいかないー
「くそっ・・・とにかく…なんとか、、こう…」
恐る恐る少しずつ出し始めて、なんとか、服を汚さずに
トイレを済ませた翔太は教室へと戻るー。
教室に戻ると、親友の隆夫が声を掛けて来たー。
「--なんか今日、すごい調子悪そうだな?」
とー
「--ん?あ…あぁ…声もちょっと枯れちゃってな」
低く、小声で喋る翔太ー。
大声で喋れば”女の声”とバレかねないー
「--はは、あまり無理すんなよ」
隆夫が翔太の肩に触れるー。
”いつものように”ポンポン、と肩を叩いただけー
だがー
身体が女だからかー
それとも、”女体化したことをバレたくない”からかー
身体がビクッと反応してしまったー
「おいおい、どうした?」
笑いながら隆夫がそれに気づくー
「あ、いや、なんでも、ない」
翔太は暗い表情で、自分の座席に戻ると
”冗談じゃねぇ…こんな状態じゃ、1日が限界だぞ?”と
明日の朝、元に戻っていることを祈りながら、
3時間目が始まるのを待ったー。
3時間目ー
4時間目ー
昼休みー
なんとかそれを乗り越えた翔太は
表情を歪めたー
”体育”
「----…!!!!」
”着替えたら、胸を見られる…”
翔太は、絶対に誰かに気づかれるー
と、困惑して、”そうだ!”と
体調不良を理由に体育を”見学”したー。
”やっぱこのままじゃダメだ…早くなんとかしないと…”
翔太はそう思いながら、
女体化初日の学校を終えて、帰宅したー。
帰宅した翔太は部屋に閉じこもりー
お風呂の時間は、家族に見られないように、必死に手早く済ませてー
部屋に戻ったー。
「--全く嬉しくねぇ…!ふざけやがって!」
”女嫌い”の翔太からしてみれば
女体化しても、何も嬉しいことなどなかったー
興奮もしないー。
湧き上がって来るのは”嫌悪”の感情のみ。
翔太は、翌朝、自分が元に戻っていることを祈りつつー
眠りについたー。
しかしー
現実は、無情だったー。
翌朝ー
自分が元に戻っていないことを知りー
翔太は絶望の真っただ中にいたー。
②へ続く
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コメント
女体化したくない男子が女体化してしまった様子を描く
女体化モノですネ~!
普段喜ぶキャラが多い?気がするので、
あえてこうしてみました~!
続きはまた明日デス!
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