4人の大学生が挑むことになってしまった
謎のボードゲーム。
憑依・皮・女体化・入れ替わり・洗脳・変身ー
何でもありの恐怖の戦いが幕を開けるー。
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「--くそっ…どうしてこんなことに」
可愛らしい眼鏡の女子大生が表情を歪めているー
「--……」
その隣では、男子大学生が顔を赤らめているー。
”右隣のプレイヤーと身体が入れ替わる”
そう、書かれたマスの上に自分の駒を置いている眼鏡の女子大生は
戸惑っていたー。
「---」
残りの二人の大学生も、戸惑っているー。
4人の大学生は今ー、
”ボードゲーム”を遊んでいたー。
まさか”こんなこと”になるとは、夢にも思わずにー。
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1週間前ー
「ー伝説の、ボードゲーム?」
男子大学生の岸田 健太郎(きしだ けんたろう)が、笑いながら言うー。
「なにこれ?」
隣にいた女子大生・久保井 愛花(くぼい まなか)が、首を傾げるー。
大学内の掲示板に突然張り出された
”伝説のボードゲーム大会参加者募集”の文字ー。
勝者には”栄光”が与えられる、と書かれていたー
大学のゲーム系のサークルが貼り出したもののようだったー。
「--健太郎、ゲームとか得意だったよね?チャレンジしてみたら?」
健太郎の彼女である愛花が言うと、
健太郎は「いやぁ…なんのゲームだか分からないし、怪しくね?」と苦笑いするー
愛花は、掲示板に張り出された”伝説のボードゲーム”の張り紙を見て、
「--怪しくはないでしょ。ここに貼られてるんだし、ちゃんとサークルの名前も書いてあるし」と笑うー。
「---でもなぁ~~~」
健太郎は、そう呟きながら”伝説のボードゲーム大会”の案内を見つめるー。
「--ねぇねぇ、じゃあ、わたしも一緒に行くから、参加してみようよ!
栄光っていうのが気になるし!」
好奇心旺盛な愛花にせがまれた健太郎は、
「まぁ…愛花がそこまで言うなら」と、乗り気じゃない様子で、
”伝説のボードゲーム大会”に参加することを決めたー。
何のボードゲームで対決するのかも分からないし、
多分勝てないだろうな、と思いつつもー
1週間後ー
指定された日時に”伝説のボードゲーム大会”が開催される場所へと、
健太郎は、彼女の愛花と共に向かったー。
指定された場所は、大学内の今はあまり使われていない
サークルがイベントの時などに使う建物だったー。
「---参加者、いないんじゃね?」
苦笑いしながら健太郎が会場の奥へと進んでいくー
「う~ん…何のゲームで遊ぶのかも書かれていなかったし
人は集まらなそうだけど…」
そんな風に思いながら、奥の部屋にたどり着くとー
窓一つない薄暗い部屋に
蝋燭やキャンドルがたくさん並べられていたー
「----あ」
健太郎と愛花が到着すると、
そこには眼鏡をかけた可愛らしい女子大生がいたー
小柄で、守ってあげたくなるような、そんな感じの子だー。
「---あ、裕美(ゆみ)ちゃんー」
愛花が言うー。
同じ大学に通う、佐崎 裕美(さざき ゆみ)-。
とても大人しい感じの子だー。
「---佐崎さんも、伝説のボードゲーム大会に参加するのか?」
健太郎が裕美にそう声を掛けると
裕美は恥ずかしそうに「あ、、は、、はい」と頷いたー。
裕美は、健太郎と愛花からすると、1学年下の後輩にあたる子だー
「---ふ~ん、これで参加者3人ってことね…
よろしくね」
誰にでも優しい愛花が、裕美に挨拶をすると
裕美も恥ずかしそうに「よろしくお願いします」と、微笑んだー。
集合時間が近づくー
蝋燭とキャンドルが不気味に揺れる部屋にー
3人以外の姿はないー。
主催サークルの人間の姿も、見当たらないー。
「--…実は中止になってたりして?」
あまりにも人が来ない上にサークルの人間もいないため、
”実は中止になってるんじゃ?”などと冗談を口にしているとー
愛花は「--あと5分で集合時間だから、それまで待ってみようよ」と呟いたー
その言葉に、健太郎も頷くー
大人しい眼鏡女子の裕美は、不安そうに周囲を見つめているー。
そこにーー
「--ぐふふふふふ」
「--ゲッ!」
巨体で、見るからに不潔な男子が部屋に入って来たー
野呂 信田(のろ のぶた)-
美少女キャラが大好きな男で、それ以外のことには一切興味なし。
自分の容姿にも興味がなく、お風呂にもロクに入らないため、
超がつくほど不潔だったー。
コミュニケーションを人とまともに取る気もなく、
大学内の嫌われ者だー。
「ぐへへへ」
イヤらしい目つきで愛花と裕美を見つめる信田ー
裕美は、目を逸らすー。
一方の誰にでも優しい愛花は
「--あ、野呂くんも参加するんだね」と
優しくほほ笑んだー。
”愛花は優しいなぁ”
健太郎はそんな風に思っているとー
部屋中にベルの音が響き渡ったー
そこに、覆面のようなものを被り、
顔を隠している人物が姿を現したー。
「--よくお集り下さいました」
主催のサークルの人間だろうー
顔を隠したり、蝋燭やキャンドルが並べられているこの部屋は
”演出”だろうかー。
奥の机に案内されると、
そこにはボードマップのようなものが広げられていたー
健太郎、愛花、裕美、信田の4人がそこの前にやって来るー。
「--集まったのは、4人ですか。まぁ、いいでしょう」
主催者の覆面男がそう言うと、
”どうぞ、お座りください”と
着席を促した。
4人が座るー
「--このボードゲームで戦うのか?」
健太郎が言うと、覆面男は「そうです」と呟いたー
少し離れた場所の荷物が積まれている場所に座ると、
4人を見下ろすような形で、主催者の覆面男が説明するー。
「-ルールは単純。
サイコロを順番に振っていき、一番最初にゴールした人の勝ちー。
ただ、それだけです」
覆面男の言葉に、愛花がボードゲームのマスを確認するー
そこにはー
”憑依”
”入れ替わり”
”皮”
”女体化”
”男体化”
”洗脳”
などの文言が並んでいたー
”洗脳されて恥ずかしい過去をひとつ話す”
愛花がマスの一つを指さしながら言うー。
「これは?どういう効果なの?」
とー。
「--始めれば分かります。
このゲームは”伝説のゲーム”
盤上の出来事と現実の出来事がリンクするーー
プレイヤーはあなたたち自身ー
あなたたち自身が、身をもって
困難に立ち向かっていくのですー」
主催の覆面男が言うと、
健太郎が笑みを浮かべたー
「とにかく、先にゴールすりゃ勝ちなんだろ?
始めようぜ」
”運次第のゲームだな”と思いながら、
健太郎はそう言い放つー。
「--なお、ゴールできなかった場合は
”罰ゲーム”が待っているので、お気を付けくださいー」
覆面男の言葉に、
大人しい性格の裕美が「--びりだと罰ゲームってことですか?」と
不安そうに呟くー
「--いいえ」
覆面男は笑ったー。
「--4位でも、ゴールすれば、罰ゲームはありませんー
そして、1位のプレイヤーには”栄光”を与えますー」
その言葉に、裕美は「ありがとうございます」と質問に答えてくれた
お礼を口にするー
「それでは、始めましょうー」
岸田健太郎ー
その彼女、久保井愛花ー
大人しい性格の眼鏡の後輩、佐崎裕美ー
嫌われ者の巨漢、野呂 信田ー
4人のボードゲームが始まったー
「--俺から行くぜ!」
健太郎がサイコロを振るー
”4”
健太郎が自分の駒を進めるとー
止まったマスはーー
”右隣のプレイヤーと身体が入れ替わる”
と、いうものだったー
「--なにこれ?」
彼女の愛花が首を傾げるー
4人でテーブルを囲むように座っている状態ー
右隣は、後輩の眼鏡女子・裕美だー。
「--これって、佐崎さんと駒を入れ替えればいいのかな?」
”右隣のプレイヤーと身体を入れ替える”
そう書かれたマスの効果を、健太郎は
”後輩・佐崎裕美の駒と位置を入れ替える”のだと解釈したー
しかしー
「いいえ」
主催の覆面男が言うとー
次の瞬間ー
「----え」
健太郎は驚くー
自分の座っている位置が、変わったー
一瞬にしてーーー
しかもーー
「え!?」
「--!?」
健太郎と裕美がほぼ同時に相手を指さして、
ほぼ同時に叫んだー
「-俺が、もうひとり!?」
「-わたしが、目の前に!?」
そう叫ぶ二人を見て、健太郎の彼女・愛花は「どうしたの…?」と
不安そうに、
「---お、、お、、、俺が、、、え…!?」
裕美が、意味不明な言葉を口走るー。
「--あ、、あの…ひぇっ…」
健太郎が顔を真っ赤にしているー
「ちょ、ちょっと!?何…何なの?」
愛花の言葉に、裕美が口を開いたー
「--お、、俺と…佐崎さんが、本当に入れ替わってる!?」
裕美が叫ぶー
「--あ、、あの…わ、、わたしが先輩に…」
健太郎が戸惑うー。
「--え…嘘…?本当に?」
愛花が戸惑いながら二人を見比べるー
愛花が、健太郎の止まったマスを見つめるー
”右隣のプレイヤーと身体が入れ替わる”
「---ま、、まさか…」
愛花が、覆面の主催者の方をみると、
覆面の主催者は、笑ったー
「そう、これが伝説のボードゲーム
君たちの身体には”数多の異変”が起きるー
性別が変わったり、身体を乗っ取られたり、入れ替わったりー
色々なことが起きるー
記録には残されていないが、
古来から「TSF」というジャンルは愛されていましてね…
中世ヨーロッパで、生み出されたのが
このボードゲームなんですよ」
覆面の男はけらけらと笑ったー。
「---なんだって…」
裕美になった健太郎が戸惑いながら言うー。
「--4位でも、ゴールすれば、罰ゲームはありませんー
そして、1位のプレイヤーには”栄光”を与えますー」
主催者の言葉を思い出し、健太郎になった裕美は、
さっきまでの健太郎とは真逆の弱弱しい表情で、
とあるマスを指さしたー
”憑依されて全裸で外を走る
社会的に死ぬ”
”洗脳されて、この場で切腹
武士道を体現する”
”皮にされて、支配者の洋服となる”
過激な内容のマスを指さした健太郎(裕美)は
「--これも、本当に…?」
と、震えながら言うー。
「--えぇ、そうです。
正真正銘の”ゲームオーバー”です」
主催の覆面男は、そう言い放つと、不気味な笑い声を浮かべたー
「さぁ、ゲーム再開です。
2番手は、愛花さんーどうぞ」
愛花は表情を曇らせながらサイコロを振ったー
「--くそっ…どうしてこんなことに」
裕美になった健太郎がが表情を歪めているー
「--……」
その隣では、健太郎になった裕美が恥ずかしそうにしているー
”右隣のプレイヤーと身体が入れ替わる”
自分の駒が止まっている場所を見つめて戸惑う裕美(健太郎)-
全員が戸惑っているー
かのように、見えたー。
しかしー
一人だけー
一人だけ、内心で笑みを浮かべていたー
”ぐふふ”
嫌われ者の巨漢、信田ー。
信田は愛花の方を見つめながら、ぐふふ、と笑ったー
「愛花ちゃんのエロイ身体…僕のものにできるかも…」
小声でそう呟くと、
ぐふふふふふふ、と信田は静かに心の中で笑ったー
②へ続く
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コメント
ボードゲームを題材としたお話デス~!
(たしか、私が書くのは初めてだったと思います~!)
4人の参加者の運命は…?
続きはまた明日~☆!
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