奪った女子高生の身体で
好き放題人生を謳歌するごみ屋敷のおばあちゃんー。
それを取り戻そうとする、美海の運命は…?
---------------------
1週間以上が経過したー。
美海になった梅子はー
既に、自分の部屋をゴミ部屋にしつつあったー
学校帰りに買ってきた和菓子のパックを
そのまま机の上に置いたままにすると、
「ひっひっひっひ」と笑いながら、
テレビを見つめ始めるー。
「----はぁぁぁ…イケメン♡」
テレビに映るイケメン俳優を見つめながら
興奮している美海(梅子)-
「今のわたしなら、イケメンとも寝れるかも…
ひっひっひっひっひっひ♡」
下品な笑みを浮かべると、美海(梅子)は、
昨日購入してきた、ひたすらキラキラ輝いている過激な衣装を
身に着けて、外へと出かけたー。
お世辞にも、美海の身体の年齢とはミスマッチなスタイルー。
化粧も、まるで老人が若作りをするかのような
美海には不釣り合いな、化粧ー。
「ひっひっひっひっひ」
夜の街で男を物色しながら歩く美海(梅子)-
「--ねぇねぇ、そこのイケメンさん
わたしと、ヤろうよ!」
美海(梅子)が手当たり次第、男に声をかけていくー
やがてー
美海(梅子)はチャラそうな男と一緒に
ホテルの中へと姿を消したー
連日繰り返される男遊びー
「ひっひっひっひ♡
やっぱり、わたしはモテるのよ…♡
ひひひひひっ いひひひひひひひひっ♡」
”若いころはモテていた”
そんな記憶が、美海の身体を奪ったことで爆発した
梅子は、美海の身体で毎日のように
繁華街で男を誘って、ヤリまくる生活を送っていたー
心配する両親ー
「-お母さんとお父さんもヤりなよ!
わたし、何とも思わないよ!
ひっひひひひひひひひ♡」
笑いながら美海(梅子)が、自分の部屋にあがっていくー
母・莉子と父・亮人は、すっかり戸惑っていたー。
「--ねぇ!」
莉子が叫ぶー。
階段で立ち止まる美海(梅子)-
「--どうしちゃったの最近!」
叫ぶ莉子に向かってー
美海(梅子)は笑うー。
「--若いっていいよねぇ」
とー。
「--……もっと自分の身体を大事にしろ!」
父の亮人も、莉子の背後から、美海(梅子)に向かって叫んだー
美海(梅子)はクスッと笑うー。
「--だって~わたしの身体じゃないし~」
その言葉に、莉子と亮人が凍り付くー。
しかし、すぐに美海(梅子)が、
「な~んちゃって いひひひひひひひひっ」と、
そのまま2階の自分の部屋にあがっていき、
それ以上は何も話せなかったー
「---やっぱり…変よ」
母親の莉子が戸惑いながら言葉を口にするー。
美海の様子は、どう考えても、おかしいー。
見た目は確かに、自分たちの娘・美海だー
しかし、言動が、”ごみ屋敷のおばあちゃん”そのものに見えるー。
「--そんなこと、ありえないと思うが」
父・亮人は戸惑いながらもそう口にするー。
「--でも知ってる?最近、ゴミ屋敷のー…
辻村さんの家、綺麗になり始めてるって」
母・莉子が言うと、
父・亮人は「なんだって?あのおばあちゃんが片付け始めたってのか?」と
声を上げたー
ごみ屋敷のおばあちゃん・梅子は
今まで散々、周囲から文句を言われようと、
行政から指導を受けようと、
それを無視してきたー。
それを今になって、片づけ始めたというのだー
かなり強い違和感を覚えた亮人は頷いたー。
「--わかった…。明日、ごみ屋敷の…辻村さんに会って来るよ」
”もし、娘とごみ屋敷のおばあちゃんが入れ替わっているのならー”
そんな、不安を覚えながら、亮人がそう呟くと、
莉子も、不安そうに頷いたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー
演歌の鼻歌を大声で歌いながら美海(梅子)は
濃い化粧で、学校に向かうー
学校でも孤立気味になっていたが、
美海(梅子)はそんなこと気にもせずに、
男子生徒の誘惑を続けていたー
あまりにも簡単にエッチなことをしてくれるためー
一部の男子からは人気急上昇の状態になっていたが、
親友の雅奈をはじめ、女子生徒から嫌われはじめていたー
「--ブスの嫉妬は見苦しいわよ?
ほら、わたしを見習いなさい」
ドヤ顔で言う美海(梅子)-
雅奈は美海(梅子)を睨むー
「ほんと、あの頭のおかしいおばあちゃんみたい」
雅奈はそう言い放つー
その言葉に、美海(梅子)はカチンと来て
当然雅奈に襲い掛かったー
「なんだって!?この若造が!もう一回言ってごらん!」
怒りの形相で襲い掛かって来た美海(梅子)に対して
雅奈が「なんなのよ!もう!」と怒りの形相で叫ぶと、
美海(梅子)を突き飛ばすー。
美海(梅子)が、何やら不満をブツブツと口にし、
雅奈が怒りの形相で何かを叫んでいるー。
美海(梅子)の孤立はますます深まりー
ますます美海(梅子)は男にのめり込んでいくー
エッチに狂った美海(梅子)は、
今日も放課後に先輩を誘惑して、
激しいエッチを繰り広げるのだったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「-------ふ~~~」
梅子(美海)は、梅子の家の大半を片付け終えていたー。
梅子が美海になってから、美海(梅子)は
梅子の家の前を通らなくなったー。
だから、梅子(美海)は、今、自分の身体がどうなっているのかを知らないー
けれどー
優しい美海は、身体を奪われてもなお、
おばあちゃんのことを心配し、
迷惑と思いながらも、嫌いだとは思いながらもー
こうして、ごみ屋敷の掃除をほぼ、終わらせたのだったー
”おばあちゃんが安心して暮らせる環境を作ってあげれば
身体を返してくれるかもしれないし、
周囲に迷惑をかけるような行為もやめてくれるかもしれないー”
そう、希望を抱いてー。
「------」
ザッ
背後から足音が聞こえて、梅子(美海)が振り返ると、
そこには父親の亮人の姿があったー
亮人の顔を見てー
梅子の身体で必死に頑張って来た美海は、
緊張感が一気にほぐれるような気持になって
目から涙をあふれさせたー
「--ほんとに、美海なのか?」
父の言葉に、
梅子(美海)は、今まで起きたことを全て話してー
そして、亮人に抱き着いたー。
「--辛かったな。気づくのが、遅くて、ごめんな」
亮人は、そう言うと、
今現在の美海(梅子)の状況を話したー
「---…」
梅子(美海)は少しイヤそうな表情を浮かべながらもー
「なんか、わたしがわたしじゃないみたい」と、
恥ずかしそうに笑ったー
「----美海もじきに帰って来るから、
一緒に話をしにいこう」
その言葉に、梅子(美海)は首を振ったー。
「え?」
戸惑う父親の亮人ー。
梅子(美海)はほほ笑んだー。
「あさってぐらいには、ここの掃除が終わるから、
それまで待ってもらえるかな?」
とー。
「--美海」
父・亮人は戸惑いながらも、
心優しい娘を誇りに思い、そして、頷いたー。
「わかった」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
昨日から、体調が悪いー。
そう思いながらも、梅子(美海)は、
梅子の家を完全に片づけたー。
「--」
梅子と、おじいさんが一緒に並んでいる
写真を机の上に優しく置くと…
梅子(美海)はその場で倒れてしまったー。
梅子の身体は、既に病魔に蝕まれていて、
限界だったのだー。
「----遅いな」
亮人が呟くー
”今日のお昼ごろ、掃除が終わるから連絡するね”と
言われていた亮人は、梅子(美海)からの
連絡を待っていたー
母・莉子も、不安そうな表情を浮かべるー。
「---」
美海(梅子)がそんな不安そうな両親を見つめながら
自分の部屋へと戻り、すっかりごみまみれになった部屋で、
髪を整え始めるー
「ひっひっひ…」
部屋の隅には叩き割られたスマホが転がっているー。
美海(梅子)が髪をいじっているとー
そこに、父・亮人が入って来たー
「--今すぐ、来い」
とー。
美海(梅子)はほほ笑むー
「どうしたの?お父さん?」
と、馬鹿にしたように笑うー。
「-ーー今すぐ、来るんだ」
美海(梅子)の手を引っ張り、
亮人はそのまま妻の莉子と共に車に乗り込んだー。
美海(梅子)は「え?なになに?二人でこれからラブホ!?」と
笑いながらはしゃいでいるー。
「--黙れ」
亮人は鋭い口調でそう呟いたー。
美海(梅子)の表情から笑顔が消えるー。
美海になりきるつもりはなかったから
いつかはバレるだろうとは思っているー
けれど、どうすることもできないはずだと
梅子は思っていたー
”身体が入れ替わってしまった”ことを知っても
どうすることもできないはずだー、と。
家族は信じても、周囲は入れ替わりなど信じないー
最悪、家を追い出されても
この若い身体があれば、いくらでも男とヤれるー。
クスッと笑う美海(梅子)-
車が梅子の家の前に止まるー。
「---!!!」
美海(梅子)は表情を歪めたー
美海の身体を奪ってから
梅子は自分の家の前を避けて学校に向かっていたー
だから、知らなかったー
梅子のごみ屋敷が、綺麗に、片付いているー
「--ちょ…!ごみじゃないのに!」
美海(梅子)が怒りの形相で叫ぶー。
父・亮人は”やはり入れ替わっている”と確信しながら
美海(梅子)の後を追い、家の中へと入り込んだー
するとー
そこにはーーー
倒れた梅子(美海)の姿があったー
「え…」
「お、、おい!美海!」
亮人と莉子が慌てて倒れている梅子(美海)に駆け寄るー
「----あ」
美海(梅子)は、唖然としたー
家の中が、本当に綺麗に磨かれていたー
心から、”この家を綺麗にしてあげよう”という気持ちの込められた
掃除っぷりだったー
そしてー
「----あ……」
美海(梅子)は机の上に置かれている
梅子の、夫との写真や思い出の品に目を向けたー。
梅子の身体で、この家を掃除した美海は
”思い出の品”をちゃんと判断して、全部残しておいてくれていたー
「----…う……う…うぅぅぅぅぅぅぅ」
憎まれているー
そう思っていたのにー
梅子になった美海は、
梅子の家をこんなに綺麗に掃除してくれたー
「--うううううううううう…」
自分はー
こんないい子の身体を奪おうとしていたー
そんな罪悪感に襲われて、その場に泣き崩れる美海(梅子)-
「--おい!救急車!救急車!」
亮人が叫ぶー。
莉子が救急車を呼ぶー。
病院に緊急搬送された梅子(美海)はすでに危篤状態だったー。
唖然とする亮人ー
そこに、美海(梅子)が駆けつけるー
「--ひとつだけ…ひとつだけ方法があるの…」
とー。
美海(梅子)の手に握られていたのは”入れ替わり薬”
まだ、残っていたのだー
梅子の身体が完全に死んでしまう前に、入れ替わればー
この身体を美海に返すことが出来るかもしれないー
とー。
「--今更、どういうつもりだ?」
亮人が言うと、
美海(梅子)はー
「美海ちゃんは…わたしの家を…あんなに綺麗にしてくれて…」
と、目に涙を浮かべたー
夫を亡くし、寂しさから奇行に走り、
闇に囚われていた梅子の心の氷が、美海のやさしさによって、溶けたー。
「--もう時間がないんじゃ!」
叫ぶ美海(梅子)-
慌てて入れ替わり薬を飲みー
そして、そのまま梅子(美海)にキスをしたーーー
その場に倒れ込む美海ーーー
その直後ーーー
梅子はーーー
心肺停止の状態になり、
そのまま息を引き取ったー
「------…!」
唖然とする亮人と莉子ー
そしてー
2人は「美海!」と叫んだー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あれから半年ー
美海は無事に意識を取り戻して、
元通り、生活しているー。
”ごみ屋敷のおばあちゃん”こと、梅子は
あのあと、そのまま息を引き取ったー
”早くしないと、梅子の身体が死んでしまう”という状況だったため、
改心した梅子と話をする時間はほとんどなかったがー
きっと、”ごみ屋敷のおばあちゃん”に、
美海の優しい気持ちが届き、
最後の最後で改心したー
そういうことなのだろうー。
父・亮人は、妻である莉子と共に穏やかな日々を送っていたー
「--ただいま~!」
美海が、手洗いとうがいを済ませると、
自分の部屋に上っていくー。
それを微笑ましく見つめる亮人ー
だがーーー
”時々”不安になるー。
”本当に、美海は元に戻ったのだろうかー”
とー。
振る舞いは、確かに美海そのものだー。
だがーー
あの時ーー
”本当に、間に合った”のだろうかー、と。
美海と梅子は、再度入れ替わることに成功したのだろうかー。
実際は、梅子の身体のまま美海は死んでー
梅子が美海のフリをしながら生きているだけなのではないだろうかー。
そう、不安になることもあるー。
「いやーーー」
亮人は、”そんなこと、ないよなー”と、自分で自分に言い聞かせながら、
「--大丈夫」
と、呟いたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
部屋に戻っていた美海は、
制服から着替えると、
机の上に飾ってある、両親と一緒に写った写真を見つめながら、
静かに呟いたー
”ごめんねー”
とー。
その言葉が”何”を意味しているのかは、
美海本人にしか、わからないー
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
ごみ屋敷のおばあちゃんとの入れ替わりでした~!
お読み下さりありがとうございました~!
(あえて多くは語らずに…笑)

コメント
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
投稿お疲れ様です
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
ありがとうございます~~☆!
これからも頑張ります!
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
推理小説では無いので、その言葉が”何”を意味しているのかは、
美海本人にしか、わからないと読者が考え無ければならないような考えてもわからないような結末に疑問が残るような終わり方はやめていただきたいです。
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
コメントありがとうございます~!
お話ごとに色々な結末があるので、
今後も、人を選ぶ結末や、
納得のいかない結末が出て来ることも、
どうしても出てきてしまうと思いますが
申し訳ありません!
今後も頑張ります~!
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
最後の美海の台詞からすると間に合わなかった可能性大ですね。
もし本当に美海ならごめんねとかいう理由ないですし。
美海の真心は届いて梅子は改心したっぽいので、せめてもの罪滅ぼしで美海として生きていくことにしたってとこですかね。
なんにしても美海には救いのない結末ですね。
それにしても入れ替わり物で年寄りとの入れ替わりって考え得るかぎり最悪のパターンですよね。例えブサイクな男と入れ替わっちゃったとしても、年齢に差がそこまでなければ元に戻れなかったとしても本人次第で前向きに生きていくことも十分可能でしょうし。
年寄りだとこの話みたいにそのまま死んじゃったりするので、エグすぎです。
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
コメントありがとうございます~!
一瞬にして何十年分も人生を失うようなものですし、
確かに最悪のパターンですネ…!
でも、美海の台詞の意味は
(色々心配かけて)ごめんね… かもしれませんネ!笑