<憑依>家出したお姉ちゃん~絆編~

”憑依”-
それにより、家出したお姉ちゃんを探すために奮闘した妹ー

そして、その先に待ち受けていた、未来ー。

姉と妹、その後の物語ー

家出したお姉ちゃんの後日談デス!
先に本編の方をご覧ください~!

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大学生 村瀬 静香(むらせ しずか)は
5年前に行方不明になった姉・文香(ふみか)の
身を案じていたー

文香は5年前、突如として豹変、
柄の悪い男たちとつるみだして、行方不明に
なってしまったのだー。

母親の光江(みつえ)は酷く落ち込むようになったー

父親である諭吉(ゆきち)は、既に離婚しており、
残ったのは、静香だけー。

静香は、母である光江を支えながらも、
”豹変して行方不明になった姉”を探し続けていたー

そして、
静香は”真相”にたどり着いたー

姉の文香が豹変する直前、
文香は怪しげなバンドグループ
”Romance Wave(ロマンス・ウェーブ)”に
絡まれていたー、ということを知った静香は
さらに調査を続けて、

やがてー
ロマンス・ウェーブのメンバーの一人に
姉・文香は”憑依”されて
身も心も乗っ取られてしまった状態であることを知ったー

しかもー
そのロマンス・ウェーブの背後にいたのは、
母・光江と離婚した元夫・諭吉ー
つまり、静香と文香の父親だったのだー

最終的にー
静香までもが、憑依されてしまったー

ロマンスウェーブのメンバーの一人であった
スキンヘッドの男に乗っ取られた静香はー
今日も荒々しい風貌で、ドラムをたたき続けているー。

金髪の髪にー
濃い化粧とメイクにー
派手なピアスー

もはや、そこに静香の面影は、なかったー

「--やるじゃん」
姉の文香が笑うー。

二人とも、ド派手な風貌で、元々の面影など、
どこにもないー

「--へへへ お前も、、いいや、お姉ちゃんも最高!」
興奮した様子で静香が言うと、
じゃらじゃらとアクセサリーをぶら下げながら、
他のバンドメンバーとゲラゲラ笑うー。

煙草に酒ー、
文香と静香の身体を、他の3人のバンドメンバーたちと共に
しゃぶりつくす夜ー。

「---ククク」
バンドグループ・Romance Wave(ロマンス・ウェーブ)の
プロデューサーである諭吉ー
文香と静香の父親は笑いながらその様子を見つめたー

実の娘たちが、憑依されて荒々しいことを
させられているー

そんな状況でも、諭吉は満足そうに笑みを浮かべていたー

”元妻”への復讐ー。
諭吉は、かつて浮気をし、光江を裏切ったー。

しかしー
自分で裏切っておきながら
文香と静香の親権を取られたことを、諭吉は恨んでおりー

こうして、自分の部下であるバンドグループの男たちに
憑依薬を提供しー
娘たちを乗っ取らせたのだー

「へへへ 静香と文香は俺好みにカスタマイズしてやったぜ!」

仲間たちと共にゲラゲラ笑う二人を見ながら
諭吉は嬉しそうに叫ぶー

「へへへへへ 娘は俺のもんだ!」
諭吉の言葉に、文香と静香は、酒を飲みながら
「プロデューサーも飲みなよ!」と笑みを浮かべたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

”わたしが、母親として足りなかったってことよね”

母親の光江は、失意のどん底に突き落とされていたー

光江は、”憑依”のことも
”ロマンスウェーブ”のことも知らないー

失踪した姉・文香のことを探していた妹・静香は、
”お母さんに心配をかけないように”と、
光江に対しては何も、説明していなかったー

結果的に、静香まで憑依されて乗っ取られてしまったことで、
静香の”配慮”は、”仇”となってしまったー。

”文香が憑依された”ことを、静香が光江に伝えていれば
静香まで失踪した=静香も憑依されてしまったかもしれない

そう、考えることができたかもしれないからだー。

「--文香…静香…
 ごめんね…
 ダメなお母さんでー」

光江は涙をこぼしながら、一人、そう呟いていたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「--へへへ マジっすか?」
金髪にサングラスの静香が、煙草を咥えながら笑うー

「あぁ、俺の元妻への復讐だー。
 娘ふたりを使って、あいつを地獄に落としてやる」
諭吉が言うと、
文香もゲラゲラと笑うー。

「-面白そうじゃん!あたしはやるよ」
文香の言葉に、静香は「へへ、じゃあ俺も」と笑ったー。

文香に憑依した男は、
既に女になりきっていて、基本的に
女らしい仕草や言葉で振舞うー

だが、静香に憑依したスキンヘッドの男は
静香の身体で平気で男のような振る舞いをするため、
もはや静香の面影はまったくない状態と言ってもいいー。

「クククー」
そんな二人を見つめながら、満足げな父・諭吉ー。

離婚した末に、光江に親権も取られてしまった諭吉の”復讐”

”乗っ取られた娘ふたりを使って、光江を追い詰める”

「--プロデューサーには世話になってるし、
 プロデューサーのためなら、あたしは何だってやるよ」
文香が笑うー。

「--へへへ 俺もだぜ」
スキンヘッドの男に憑依されている静香も
嬉しそうに笑うー。

「--ククク さすがは俺がプロデュースした
 Romance Waveのメンバーだ」

バンドグループのリーダー・アキラも笑いながら、
文香を抱き寄せて、プロデューサーである諭吉の方を見つめる。

「--俺たちは、何かすることはありますか?」
アキラの言葉に、諭吉は、「そうだな…」と
考え込む仕草をしながら笑みを浮かべたー。

自身の浮気が原因で、
妻・光江と離婚ー
二人の娘の親権を取られたことを逆恨みした
諭吉は、
娘ふたりを、自分が従えるバンドグループの男たちに
憑依で乗っ取らせて
自らの手中に収めー、
その上、その娘ふたりの身体を利用して、
光江に復讐しようとしていたー

「---さぁ、久々に”お母さん”に会いに行こうか!
 なぁ、文香、静香!」

乗っ取られた文香と静香の二人に向かって
ニヤニヤしながらそう宣言した諭吉ー。

文香と静香の二人も、
邪悪な笑みを浮かべて頷いたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

自宅で、寝込んでいる状態の光江は、
今日も”生きているのか、死んでいるのか”
分からないような、生気のない目で、
1日を過ごしていたー

何も、やる気が起きないー。

数年前に失踪した姉の文香に続き、
今度は妹の静香までー

”自分の育て方が悪かった”
”接し方が悪かった”

何度も、何度も、何度も、
自分を責め続けるー。

娘たちが”憑依”されたー
そのことを知らない光江は何度も何度も
自分を責め続けているー。

もしもー
今、光江がこのような状況に追い込まれていることを知ったらー、
次女の静香だったら、とても後悔するだろうー。

次女の静香は、お姉ちゃんである文香が憑依されたことを
“突き止めて”いたのだからー。
自分も憑依されてしまう前に、もしも母親にそのことを
相談していればー

母である光江は、ここまで自分で自分を
責めたりする必要は、なかったのかもしれないー。

けれどー
今更、もう、遅いー

ガチャー
玄関の鍵が突然音を立てるー。

「-!?」
茫然とした表情で台所のイスに座っていた光江が
驚いた様子で立ち上がるー。

「--誰?」
この家に入ることが出来る人間は、
娘の文香か静香しかいないー。

5年前に失踪した文香は
無くしていなければ鍵を今も持っているはずだし、
先月失踪した静香もそうだー。

「-ーー文香?静香?」
玄関の扉に向かって、不安そうな表情で
二人の名前を呼ぶ光江ー。

そしてー
玄関の扉が開いたー

玄関から入って来たのはー
ド派手な風貌で、もはや元々の面影などない、
文香と静香だったー

「-へへへへ、ババア、元気だった?」
サングラスをかけた静香が笑うー。
髪型もまるで違うー
髪の色も、まるで違うー。

「---ど、どちら様…!?」
光江は、あまりにも”豹変”してしまった
自分の娘たちの姿に、
それが、文香と静香であることにすら、
気づけなかったー

「はぁ~~~?あたしたちのこと、忘れたの~~?」
文香がガムを噛みながら笑うー

文香と静香に続いて、
バンドグループ、ロマンスウェーブのメンバーたちも
入って来るー

「へへへ ひでぇ母親だな。
 久しぶりに自分の娘たちが帰宅したのに
 どちら様ですか?なんて なぁ!ぎゃはははは!」

バンドグループのリーダー・アキラが笑うと、
文香を抱き抱えてキスをするー。

「--そ、、そんな…文香と静香なの…?」
絶望の表情で呟く光江ー

「-そうだぜぇ!!ぎゃははははは!」
静香は舌を出しながら狂った笑みを浮かべるー

”野蛮”
そう表現するにふさわしい状態になってしまった二人を見て
光江はその場にへなへなと座り込むー

もはや、母である光江は精神的にギリギリまで
追い込まれている状態だったー。

そんな光江を見て、静香と文香は
”とどめ”の言葉を口にするー

「--あんたの育て方が、悪かったのよ!」
「--お前の育て方が悪かったんだよ!」
文香と静香が同時に叫ぶー

そして、笑うー

「でも、そのおかげで今のあたしたちがいるんだけどねぇ!
 ぎゃはははははは!」
文香と静香の笑う姿に、
絶望の表情を浮かべて、涙を流す光江ー。

そこにーー
元夫である諭吉もやって来るー

「よぉ、久しぶりだなぁ」
諭吉を見て、光江は驚いた表情を浮かべるー

諭吉は、光江の返事を待たないうちに、言葉を口にしたー

「二人がさ、お前より俺のところで、暮らしたいって言うからさぁ…!
 お前、俺から親権を奪ったくせに
 二人の娘をこんな風に育てちゃって

 どうしようもねぇ母親だなぁ、ほんと」

諭吉が笑うー。

文香と静香も笑うー。

「--あんたより、お父さんのほうがずっとずっと、娘思いだわ!」
文香が言うー

「--このクソババア!」
静香がゲラゲラ笑いながら叫ぶー

「--だ・と・さ」
諭吉が勝ち誇った表情で言い放つー

光江は、もはや涙を流すこと以外ー
できなかったー。

「--ははははははは!
 二人の娘をまともに育てることもできず
 無様なババアだな!」

諭吉は笑みを浮かべたー

”元妻”への逆恨みによる復讐を果たしたー
諭吉は最高の気分に浸っていたー。

光江に近づいていくと、諭吉は笑みを浮かべたー

「--文香と静香が、どうして俺のところに急に来たか、知りたいか?」
小声で呟く諭吉ー

「---どうして…?」
光江が泣きながら諭吉の方を見ると、
諭吉は優しくほほ笑んだー

「今、教えてやる」
それだけ言うと、「おい!」と、
バンドグループ・ロマンスウェーブのメンバー・ジュンに声をかけたー

「--…おばさんの身体ですか…まぁいいでしょう」
理知的なインテリヤクザ風のジュンがそう言うと、
諭吉はほほ笑んだー

「--光江!文香と静香はなぁ…!」
諭吉が叫ぶー

ジュンが光江に近づいていくと、
そのまま光江にキスをしたーー

「--”乗っ取られてるんだよ”

 身体も、心もーーー」

その言葉が、最後に聞こえたー
光江は、ジュンに憑依されて意識が途切れる直前ー

確かに、その言葉を聞いたーーーー

けれど、もう、何もできなかったー

「--はぁぁ~~~年上に興味はないんですがね」
ジュンに憑依された光江がそう呟くと、
目の涙を拭きながら、ため息をついたー

諭吉は笑うー

「へへへへへ!これで俺たち、また家族だなぁ!」
諭吉はそう言うと、
乗っ取られた光江・文香・静香の3人を抱き寄せて

「これからまた仲良くやろうぜ!」
と、叫んだー

「ははは、プロデューサーは最低ですねぇ」
バンドのリーダー・アキラが笑うー。

その言葉を聞いて、諭吉は「最高の誉め言葉だぜ」と
叫ぶと、文香・静香・光江と共に、
大声で下品に笑い始めたー。

「中身は違えどー
 家族は、また、一つにー」

机の上に飾られた
憑依される前の母・光江と
二人の娘、文香・静香の幸せそうな笑顔の写真がー
虚しく、そこに佇んでいたー。

おわり

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コメント

元々救いのないバッドエンドが
後日談でさらにバッドエンドに…笑

お読み下さりありがとうございました~~!

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