”きみとひとつになりたい”
そんな狂気的な願望を持つ男に皮にされて
乗っ取られてしまった紗理奈ー。
彼女の、運命は…?
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「--おはようございます~」
コンビニにやってきた紗理奈ー。
男子大学生バイトの五十嵐 忠雄は、紗理奈を見て驚くー。
皮にされて乗っ取られてしまった紗理奈はーーーー
男を誘うような派手な格好にーーーー
ーーなったのではなく、
逆に、”超”がつくほど地味な格好になっていた。
今までの紗理奈は、ほどほどにおしゃれだったー。
しかし、髪は不潔にならないギリギリのレベルにボサボサで、
メイクも何もしておらず、
服装は地味なチェックのポロシャツにズボンー
と、普段、そこそこおしゃれな紗理奈からは
想像もつかない姿だったー。
「--な、何かあったの?」
男子大学生バイトの忠雄が聞くと、
紗理奈は不愛想に答えたー
「--守るため」
とー。
紗理奈は、コンビニの制服に着替えながら思うー。
”守るためー”
”僕以外の人間に、紗理奈を触らせるものかー”
紗理奈を乗っ取った彼はー
”紗理奈を他の男から守るため”
わざと地味な格好にしていたのだったー。
”きみとひとつになりたい”
そう思った理由は、紗理奈を守るためー。
紗理奈を守らないといけない使命感のためー
”紗理奈は、僕だけのものだー”
そんな思いから、紗理奈の姿を
”ひたすら地味”にイメチェンさせてしまったのだー。
「---ーーしかし、急に困ったものだよ」
コンビニのオーナーが控室に入ってきてため息をつくー
紗理奈に付きまとうコンビニの客・義康を注意し、
紗理奈を守っていたコンビニの店長ー
しかし、今日は、その店長が無断でコンビニを休み、
代わりにオーナーが急遽、店舗の方にやってきていたー。
オーナーと、バイトの忠雄が何やら話しているのを見て、紗理奈は笑みを浮かべるー。
紗理奈の意識を”あえて”一度戻すー。
「---あ……え…?」
控室の鏡に、地味になった自分の姿が映るー
”言っただろ?きみを守りたいって”
脳内に声が響き渡るー。
「ーーて、、店長は!?」
紗理奈が震えながらそう呟くー。
返事は返ってこないー。
”僕の邪魔をするやつは、さっき、紗理奈ちゃんの姿で始末してきた”
昨日、乗っ取られたあとに言われた言葉を思い出すー。
「ま、、まさか、、店長を…!」
紗理奈がそこまで言うと、
”すべてはきみを守るためだ”という言葉が響いてきてー
紗理奈の意識はそのまま途切れたー
「--さてと、バイトバイト」
紗理奈はそう呟くと、クスッと笑みを浮かべて
そのまま店頭に向かうー。
格好が地味な紗理奈は、
愛想もいつもより悪かったー
”必要最低限の愛想”
共にバイトとして働いている大学生の忠雄は、
すぐにその異変に気付くー
紗理奈はいつも、とても愛想がよく、
それ故に、義康のような”おかしなやつ”にも
付きまとわれてしまう結果となったー。
だがー
今日の紗理奈はまるで別人のようだー
機械的に
「いらっしゃいませー」を繰り返し、
レジ打ちの最中も、最低限の言葉しか口にしないー
「--何かあったの?」
お客さんが途切れたタイミングで、
忠雄が、紗理奈に声を掛けるー。
紗理奈は「いえ、別に」と愛想なく答えるー。
「--これが、紗理奈を…いえ、わたしを守るためですから。
わたしは、ぼく、、いや、わたしだけのものですから。
誰にも渡さない」
紗理奈の言葉に、
忠雄は意味が分からずに困惑の表情を浮かべるー。
「--ーーま、、まぁ…何か悩みがあるんなら、
俺で良ければ相談に乗るから」
忠雄はそう言いながら、戸惑った表情で
店内の整理に向かったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それから数時間が経過しー
今日のバイト時間も終わりが近づいてきたー
入荷した荷物を重そうに処理している紗理奈を見て、
忠雄はいつものように「俺が持つよ」と、笑顔で
代わろうとするー。
しかしー
紗理奈の手に、忠雄の手が、偶然触れた瞬間ー
紗理奈が急に大声をあげた。
「-勝手に紗理奈に触るんじゃねぇ!」
とー。
「---ひっ!?」
忠雄がビクッとして、紗理奈から離れるー。
「--わたしに触れるやつは、誰であろうと許さない」
紗理奈はそれだけ言うと、
忠雄を睨むようにして、そのまま店の奥の方に
立ち去ってしまったー
”勝手に触るんじゃねぇよ 馬鹿が”
紗理奈はそう思いながら、自分の綺麗な手をすりすりと触ってー
舌を出してペロリと舐めたー
「--紗理奈ちゃんは、僕だけのものー
誰にも、渡さないー
紗理奈ちゃんは、僕が、守るー
絶対にー
僕が守ってあげないといけないー」
歪んだ笑みを浮かべた紗理奈は、そのまま
届いた荷物をお店に並べ始めるのだったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「んふふふふっ…♡」
帰宅した紗理奈は高校の制服に身を包み、
メイクをして、
髪型も整えて、
甘い笑みを浮かべていたー
「--ふふふふ…紗理奈は、僕だけのもの♡」
紗理奈の声で、そう呟くー
そう”可愛い紗理奈”は誰にも渡さないー
自分は、紗理奈を守らなくていけないー
”自分以外のやつら”から、紗理奈を守らないといけないー
だからー
コンビニでバイトしている最中は
誰も寄り付かないように、ひたすら地味な格好をすることにしたー
紗理奈に近寄る虫は、1匹残らず、排除しなくてはならないー
胸を触ってニヤニヤする紗理奈ー
「胸の感触も、サイズも、この気持ちよさもー
何もかもしっておかないと…ふふふふ」
紗理奈を守るためには、
紗理奈の全てを知ることであるー。
紗理奈の髪から、
指の1本1本まで、
紗理奈の全てを知り尽くす必要があるー
髪をペロリと舐めてー
鼻をすりすりと触りー
唇をペロリと舐めるー
胸を触りー
指の1本1本を味わうようにして舐めてー
アソコの感触を確かめー
太ももやお尻を触るー
紗理奈のひとつひとつ全てを存分に堪能しー
そして、紗理奈は不気味な笑みを浮かべたー
「-----!!!」
紗理奈本人が意識を取り戻すー。
身体を慌てて動かす紗理奈ー。
紗理奈は、自分の意思で自分の身体を動かせる状況に
少し安堵を覚えながらも、
”まだ、中にいる”ということを悟り、
恐怖の表情を浮かべるー
”僕はただ、きみを守りたいだけだー”
その言葉に、紗理奈は「わたしから出て行って!」と叫ぶー
堂島義康を何とか追い出さないといけないー
紗理奈はそう思いながら、部屋の外に飛び出して
両親に助けを求めようとするー
しかしー
部屋の外に飛び出そうとすると、
その時点で意識が途切れてしまうー。
「--!!」
数秒後、再び意識を取り戻す紗理奈ー
”今は紗理奈ちゃんの自由時間だ。
でも、部屋の外に出るのは、危ないから、僕が認めない”
紗理奈は、その言葉に震えたー。
つまり、紗理奈が部屋の外に出ようとすれば、
紗理奈は乗っ取られて、部屋の中に戻されるー
それを、意味しているー
「--なんのために…!なんでこんなことをするの!」
紗理奈が泣きながら叫ぶー
”君を守るためだよ。
部屋の外は危ないー。
ちゃんと、部屋の中にいるんだ”
その言葉に、紗理奈は恐怖しながら、
今度はスマホで助けを呼ぼうとしたー。
けれどー
それすらも、阻止されてしまうー
”悪い子だな、きみはー”
紗理奈の右手が、紗理奈を殴るー
”君を守るための教育だー。”
紗理奈はどうすることもできずー
ただ、部屋の中で過ごすことしかできなかったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
数日後ー
再びコンビニのバイトで、紗理奈とシフトが重なった
忠雄は、紗理奈の様子を見て戸惑いの表情を浮かべたー
やはりー”地味”な格好ー
紗理奈の様子が明らかにおかしいー
しかも、店長とは連絡がつかないままー。
「--」
紗理奈が豹変した日ー
そして、紗理奈に付きまとっていた客・堂島義康が来なくなった日ー、
店長が行方不明になった日ー、
その時期が、全て一致するー。
男子大学生バイトの忠雄は、紗理奈の豹変に何か
関係があるのではないか?と考え始めていたー。
「--店長は?まだ連絡がつかないんですか?」
忠雄がオーナーに確認すると、
オーナーは困り果てた様子で頷いたーー。
「--ククク」
紗理奈が誰にも見えないように笑うー
”邪魔者はもう始末したよ”とー。
男子大学生バイトの忠雄は、
地味な風貌になって、愛想も悪くなった紗理奈を横目で見つめるー。
店長の失踪ー
紗理奈の豹変ー
そして、紗理奈につきまとっていた義康が来なくなったタイミングー
それらが、全て一致するー。
忠雄は、紗理奈が店内の方に向かったのを確認すると、
オーナーにそのことを打ち明けたー。
「----……」
オーナーが考え込むー。
直前に、紗理奈にしつこく付きまとう堂島義康に対して
店長が何度も注意していたこと、
そして、警察沙汰にもなっていることをオーナーに告げる。
「--でも、それはおかしくないか?」
オーナーが反論したー。
「-仮に、その堂島義康が、店長に何か仕掛けて
店長が行方不明になったのだとしたら分かる。
堂島義康が店長に何かをして
そのまま店に来なくなった、というのも分かる。
人を殺したりすれば、行方を晦ますやつは多いだろうからな。
でもー
それと紗理奈ちゃんの豹変に、何が関係あるんだ?」
オーナーの言葉に、
男子大学生バイトの忠雄は、推理を口にしたー。
忠雄の推理はこうだったー。
紗理奈につきまとう変態・義康を強く注意した店長ー。
義康がその店長を逆恨みして襲撃、
店長は恐らくもうこの世にいないか、身動きが取れない状態になっているー
その上で、堂島義康は行方を晦まし、その結果、店に来なくなったー。
紗理奈は”店長が巻き込まれたのは自分のせいだ”と
自分を責めて、結果、暗くなってしまっているー。
忠雄が、その推理を口にすると
オーナーは「確かに理に適っているな」と、呟いたー。
忠雄が「店長の住所、ご存じですか?」と口にするー。
オーナーは「もちろんだ」と頷いたー。
オーナーも”店長の無断欠勤が続けば、見に行かねばならない”と
思っていたー。
忠雄が「俺が見に行きます」と、オーナーに告げるー。
オーナーは「わかった」と、店長の住所を教えるのだったー。
「-------クククククク」
紗理奈が、Hな本の売り場で、Hな表紙を見ながら
ニヤニヤしているー。
忠雄とオーナーの会話を盗み聞きしていた紗理奈は
後頭部のあたりを触りながら、笑みを浮かべたー
”残念ーー
ちょっと違うんだよなぁ~”
とー。
「僕は、ここにいるんだよー ぐふふふふ」
紗理奈の顔が少しだけぱっくりと開きー
その中から、覗く目ー。
誰も”紗理奈が皮にされた”などと思うまいー。
”僕は、きみとひとつになりたかったんだー
きみを守るためには、これが一番の方法だからー。
きみは、ぼくだけのものだー”
紗理奈は笑みを浮かべると、再び皮をしっかりと着込んで、
そのままレジの方に向かって行ったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その夜ー
男子大学生バイトの忠雄は、
オーナーから教えてもらった店長の家を訪れたー。
そして、オーナーは
堂島義康が以前、コンビニで荷物の発送を依頼していたことを
思い出し、その時の伝票の控えを探しー、
そして、堂島義康の住所を突き止めたー。
当時から既に紗理奈に付きまとっていた堂島の住所を、
本来はいけないこととは言え、店長が控えていたのだー。
オーナーは、堂島義康の家に向かうー。
時同じくしてー
忠雄は店長の家のー
オーナーは義康の家のインターホンを鳴らしたー。
別々の場所で、それぞれ緊張する二人ー。
そしてー
二人は、同時刻、それぞれ別の場所でー
”ある光景”を目にすることになったー
③へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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狂気の変態男に皮にされてしまった彼女の運命は…?
次回が最終回デス~!
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