いつも自分のことを”僕”と言っている親友の悠ー。
小さいころは”異性”であることなど意識しなかったのに、
次第に意識してしまい、それを抑えられなくなった隼人は、
ついに、悠に憑依してしまったー
※昨日投稿した①が、途中から冒頭の文章に戻り、
同じ内容が繰り返される状態になってしまっていました。
申し訳ありません!
②投稿直前に、↑は修正いたしました!
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「わたしは、光川 悠ー」
「わたしは、光川 悠ー」
長い髪のウィッグを身に着けて
肩を見せびらかすかのような服装にミニスカート、
ニーソ姿の悠は、ゾクゾクしながら
「わたしは悠」と繰り返していたー
普段、”僕”と言っている悠が、
わたしと言っているー
それだけで、悠に憑依した隼人は興奮してしまうー
「--わたし…女の子だもん♡」
恥ずかしそうに悠にそう言わせてみるー
長い黒髪の悠は、いつもとは別人のように見えたー。
そしてー
隼人からしてみれば”滅茶苦茶かわいい”と、感じたー
「--あぁぁぁ…かわいすぎる…」
悠が、どうして一人称が僕なのか、
どうして制服を着ていなければ
男子だか女子だかわからないような中性的な雰囲気に
しているのかー、
それは隼人にはわからないー
けれど、とにかく、今、この状況に
隼人は興奮していたー
「---…あ、、あ、、あたし…悠だよ♡」
今度は”あたし”と言ってみるー
これもまた、ゾクゾクするーー
「--もぅ!わたしの身体で好き勝手して!
ぷんすかだよ!」
頬を膨らませて見せる悠ー。
普段の悠が絶対にしないような
女の子っぽい仕草をさせて、隼人は興奮するー
悠の身体を乗っ取っているから、
もちろん、興奮するのは悠の身体だー。
「うああああ……ああ…ダメだ…このままここにいたら
おかしくなってしまう…」
悠はそう呟くと、当初の予定通り
乗っ取った悠の身体で”お出かけ”をすることにしたー。
悠は、大切な親友だー。
高校で再会してからも、男同士のような、そんな感じの
友情が続いていたし、当然、隼人も悠のことは
親友だと思っているー。
だがー
小さいころとは違って、どうしても悠を異性として見てしまいー、
耐えられなくなって、先日、突然送られてきた憑依薬を使って
悠に憑依したー
こうして、女の子モード全開の悠を見るためにー。
ネットで注文して、悠の家に届くようにしておいた
口紅を唇に塗るー。
悠の唇が赤く輝き、普段見ないような妖艶な悠の姿が
鏡に映るー。
「--か~わ~い~い~!」
悠が普段出さない甘い声を出しながら
もじもじするー。
「あぁぁ…かわいい…マジでかわいい…」
悠は”普段の悠もこんなだったらなぁ…”などと
変な妄想をしてしまうー。
事前にネットで、なんとなく勉強しておいたメイクを終えると、
そこには悠であって悠はないようなー
女子高生の姿があったー。
この場でエッチなことを初めてしまいそうなほどに
ドキドキしたものの、親友の身体でそんなことを
するわけにはいかない、と、
ようやく深呼吸して、母親に見つからないように、
外に出かけたー。
親に見つかると、後で悠も困るかもしれないし、
出来る限りの配慮だー。
偽物とは言え、長い髪ー
それにスカートのこの感触ー
”あぁぁ…女の子してるって感じ~”
隼人はニヤニヤしながら街を歩くー。
普段、”僕”と言っている悠が
こんな格好で外を歩くことはたぶんないと思うー。
休みの日に一緒に買い物に行ったこともあったがー、
ズボンにポロシャツ姿の、男子のような姿だったー。
憑依する直前も、ジャージ姿だったし、
こういう服装で外に出ることは、おそらくほとんど
ないのだろうー。
「--♪~~」
最初にショッピングを楽しむ悠ー。
悠の身体で、エッチなことをしたり、
悠の身体で、男を誘惑したりー
そういうことをするつもりはないー
ただ、女子モード全開の悠を見たかっただけー
ただ、半日、悠になってみたかっただけー
「わ~~~かわいい~~~!」
わざと女の子っぽく、可愛いものを前に、
喜んで見せる悠ー
”かわいいのはお前だよ”
と、自分でツッコミを入れながら、
服の試着をしてみるー。
ちょっと欲望が出てきて
チャイナドレスを着てみたり、
メイド服を着てみたりしたー。
チャイナドレス悠も、
メイド服悠も、
ゾクゾクドキドキしたー。
悠がこんな格好をしてたら、隼人はもはや
理性を抑えられる気がしないー。
ぎゅっと、メイド服姿の自分を抱きしめて、
理性がはじけ飛ぶ前に、と、ショッピングを終える悠ー。
「--はぁぁぁ…ダメだ…悠ってこんなに可愛かったんだな…」
そう呟きながら、悠はファミレスに入るー。
女の子として昼食を食べるー。
「--(悠って普段、俺と同じようなもの食べるよな)」
そんな風に思いながら、悠は、パフェやサラダなどを
注文してみるー。
「-う~ん!おいしい~♡」
オーバーなリアクションを取ってみる悠ー
自分で悠にそう言わせているのだが
ドキドキが止まらないー
ゾクゾクが止まらないー
目の前にこんな女子高生モードの悠がいたら、
もう、悠のことを完全に親友として
見ることができなくなってしまうー
理性がはじけ飛んで、異性としてしか、
悠のことを見ることができなくなってしまうー
そんな風に思いながら
パフェを一通り食べると、
悠はある異変に気付いたー
「ーーパフェだけなのに、そこそこ満腹だなー」
そう呟く悠ー。
悠も普通に食べるほうなのだが、
隼人の感覚とは違ったー
大盛だったとは言え、パフェひとつを完食しただけで
悠の身体は既にある程度の満腹感を感じていたー
「--へぇぇ~…ってか、このサラダうまいな」
サラダを食べながら
野菜嫌いの隼人は思うー。
「あ~~~そっか、悠の口で食べてるから
味覚も違うんだな」
納得する悠ー。
”悠の口で”という響きに、隼人は少し興奮してしまったが
それを抑えて、ようやく昼食を終えたー。
「----」
レストランで会計を済ませようとした悠は、
「あ、やべ、トイレ行きたい」と小声で呟くー
(ん~~できればトイレは避けたかったけど…)
そう思いながら、”男子トイレに入らないように”と、
頭の中で考えて、ドキドキしながら女子トイレに入るー。
ちょうど、手を洗っていたOLと目が遭い、
悠は一瞬ドキッとしてしまったがー
”あ、今は女子高生なんだった”と心を落ち着けるー
自分が覗きをしているような罪悪感に襲われながらー
”いやーー身体は悠のものでも中身は俺だから結局、覗きか?”と
内心でツッコミながら、トイレに入るー。
「---え~っと」
女としてのトイレなど、当然、隼人は体験したことがないー
正直”座ってする”ぐらいの知識しかないー。
「--ん~~~~~」
”アレがないのってすげぇ変な感じだな”
と、思いながら、なんとか、服を汚さないように
トイレを済ませるー
”ここならエッチなこともできるんじゃないか”という
邪な感情があふれ出しそうになりながらも
それをなんとか我慢して、トイレの外に出て
今度こそ会計を済ませると、レストランの外に出たー。
スカートをふわふわさせながら、
街を歩く悠ー。
ゲームセンターによって、少し古びたプリクラの機械を使って
写真を撮ってみるー。
悠の”女の子モード”の写真を何枚も撮影していくー
超がつくほどかわいいー
隼人はそんな風に思いながら、すぐに、事前に用意していた封筒に
その写真を入れて、郵便物として、”隼人の家”に発送したー。
隼人が憑依から抜け出せば悠がこんな姿を見せてくれることは、
恐らくこの先も、ないー。
だからこそ、
この貴重な悠をいつでも見れるようにしておきたかったー。
「--あと1時間ー」
悠は時計を見ると慌てた様子で帰宅しー
悠の母親に見つからないように部屋に駆け込んだー
「名残惜しいけど…」
と、思いながら化粧を落としー
ウィッグを取りー
服を着替えて、
ウィッグや服、メイク用品などの隼人が用意したものは、
バレないように、ダンボールに詰め込んだー。
そして、コンビニに出向き、それを隼人自身の家に発送するー。
見つかったら女装趣味と勘違いされそうだが、
見つかる前に、処分すればいいー
「ふ~~~~~」
いつもの”ボクっ娘”な悠に戻った悠を見つめてー
隼人は「--やっぱこれが悠って感じだな」と呟くー
でもー
やっぱりー
”最後にもう一度ー”
と、思いながらー
「わたしは、悠ー」と、ニヤニヤしながら呟くー
悠の身体から出る最大限の甘い声を出しながらー
「わたし、、わたし、隼人のこと、好きなのっ♡」と
顔を真っ赤にして呟かせてみたー
「--はぁぁぁぁ…俺も大好きだよ…」
そう呟きながら、悠の姿を姿見で見つめながらー
隼人は、鏡に映る悠に、キスをしたー。
もう、時間がないー。
悠を驚かせないようにー、と
部屋の中を片付けてー
隼人が用意したものが、悠の部屋にひとつも
残っていないことを確認するー。
そして、憑依する直前に、漫画を読んでいた場所に
座り、漫画本を近くにわざとらしく落としー、
”漫画を読んでいる最中に、寝落ちしてしまった”
と、いう風を装ったー。
これで、完璧ー。
「---……じゃ、また来週ー」
明日は日曜日ー、
次に悠と会うのは、月曜日だー。
また来週、と呟きながら
隼人は悠の身体から抜け出したー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
月曜日ー
自分の身体に戻った隼人は、いつも通り
学校に向かう準備をしていたー。
憑依した状態の悠が送った
”悠を女の子モードにするグッズ”を家族に
ばれないようにちゃんと処分した隼人は、
あの日の悠のことを思い出しながら、
ドキドキするー
憑依している最中に撮影した
悠のプリクラを見て、ニヤニヤする隼人。
「おっと、いけねー!」
学校に向かった隼人は、
いつも通りの学校生活を送るー。
悠も、いつも通り男友達と雑談しているのが分かるー。
悩んでいる様子もなく、憑依から抜け出したあと、
”記憶が飛んでる!”ではなく
”漫画読んでる最中に寝落ちしちゃったのかぁ”と、でも
思ってくれたのだろうー。
だがーー
昼休みー
隼人は優に呼び出されたー。
「---話って?」
隼人がいつものように、悠に微笑みかけると、
悠は少しだけ笑って、
そして、悲しそうに呟いたー。
「--隼人は、僕のこと、そんな風に見ていたんだね」
とー。
「--え?な、なんのこと?」
隼人が言うと、
悠は口を開いたー
「--あの憑依薬を送ったのは、僕なんだ」
「---え」
隼人は唖然とするー
隼人が”性的な目”で悠を見始めていることに
悠は薄々と勘づいていたー
けれど、親友を信じたい気持ちもあったー
そこで、悠はネットで手に入れた憑依薬を
隼人に匿名で送りつけて”試す”ことにしたー。
隼人は、自分のことを親友として見てくれているのかー
それともー
それを”試した”かったー。
もしも隼人が、悠の想像以上に悪人で、
悠の身体を乗っ取って滅茶苦茶にするような人間ならー
その時は、自分の人生が破滅してしまっても構わない、という
覚悟をした上でー。
結果ー
隼人は、悠のことを”性的な目”で見ていたー
悠を乗っ取った隼人は、
悠の身体で、”悠”を否定したー。
「--そんなに僕に女の子みたいな振る舞いしてほしい?
こんな僕じゃ、イヤだ?」
悠が悲しそうに、隼人に対して言い放つー。
「--僕が、”わたし”って言えば満足?
僕が可愛いものに「きゃ~!」とか言えば満足?」
悠の言葉に、隼人は、「ご、、ごめ…俺…」と、
必死に言い訳を考えようとしたー
けれどー
「--ごめん…もう、僕ー今までのように
隼人と一緒に、楽しく過ごすことはできないよー」
悠はそれだけ言うと、
悲しそうに立ち去って行ったー
「---あ……ゆ、、悠…」
隼人は、言葉を失ってしまったー
まさかー
憑依薬は悠が送って来たものなんてーー
「--ち、、違うんだ…俺!」
隼人が悠を追いかけて、叫ぶと、
悠は、睨むようにして振り返ったー
「--何が違うんだよ!
僕に憑依して、僕にしたことが全てだろ!」
悠はそう叫ぶと、そのまま足早に立ち去って行ってしまったー
「ゆ、、、悠ーーー」
膝を折る隼人ー。
隼人はー
欲望に身を任せたことで、
大切な親友を失ってしまったー。
一生忘れることのできない”失敗”
隼人は、それを噛みしめ、己の欲望を只々呪うことしかできなかったー
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
親友を失う結果になってしまった隼人くん…!
悠がどうしてボクっ娘なのかは、ご想像にお任せします~!
お読み下さりありがとうございました~!
コメント
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とても悲しい結末…。
親友を失うのって心に大きな穴が開くほど悲しいよね
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コメントありがとうございます~!
この主人公の場合は自業自得な部分もありますけどネ~汗
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うーん?
悠は隼人が自分を性的に見てたと判断したみたいだけど、憑依されてる間の記憶があってそう判断したのか、それとも憑依したという事実だけでそう判断したんですかね?
それにしても悠は性同一性障害なのか、それとも他の何かの理由があるのか分かりませんが、そんなに性的に見られるのが嫌だったんですかね?
確かに隼人がしたことはあまり褒められたことじゃありませんが、悠の人生を壊す程の酷いことをした訳じゃないし、親友だろうと異性である以上、少なからず性的に見ちゃうのは仕方がないというかむしろ自然なことだと思いますけどね。
それに憑依薬を手に入れるまでは実際に悠に何かしたわけでもないのに、親友を試した悠も酷い気がします。憑依したのも悠が薬を送ってそう仕向けたせいでしょうに。
それにしてもこの話は色々と興味深い内容でした。
登場人物の性別を逆にしても面白くなりそうですね。
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コメントありがとうございます~!
文中で分かりにくくなってしまってましたが、
憑依されている間の記憶がある感じですネ~!
憑依されている間に自分の身体で何をされていたのか、
悠は理解している設定デス!
悠がどうして、性的に見られるのがイヤなのかは、
あえてぼかしてあります!!