姉と妹…
どちらかに憑依すると宣言した彼ー。
彼をいじめていた姉と妹は、困惑するー。
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「---…あ…ぁ…ひ…あ、、、…」
姉の静香は、恐怖におびえていたー
目から涙をこぼし、
ガクガクと震えて、義理の弟である朝芳を見つめるー。
「--さ、話し合って決めて。
どっちが僕に身体をくれるのか」
朝芳の表情は、狂気に染まっていたー
姉の静香と
妹の智里に嫌がらせを繰り返されてー
蓄積された怒りが爆発したのだー。
「---あ…わ、、わたし…今……あ…」
一時的に朝芳に憑依された静香は
震えていたー
自分の身体が、まるで自分のものじゃないかのように動きー、
完全に支配されていたー。
お漏らしさせられて、下着がスカートが
濡れていることも忘れるぐらいの恐怖ー
「お、、お姉ちゃん…しっかりして!」
智里が不安そうに静香の方を見つめるー
それでも、静香は震えたままー
完全に恐怖に支配されてしまっているー。
「---た、、たすけて……」
静香が泣きながら言うー
「たすけて…!」
智里のことなど、目に入っていないかのように、
静香は朝芳の方を見つめるー。
「--たすけて…わたし、、乗っ取られたくない……たすけて…!」
普段、冷静な感じだった静香が
数分憑依されただけで別人のように
怯えてしまっているー
朝芳は笑みを浮かべながら
「僕は姉さんを傷つけたりはしないよ」と、呟いたー。
「--姉さんの身体を乗っ取ることになったらー
僕、姉さんの身体、大事にするから、安心して」
朝芳の言葉に、
静香は、あまりの恐怖に青ざめるー。
数分乗っ取られたー
身をもって”乗っ取られる側”を経験した静香の恐怖は
計り知れないものだったー
「あぁ、大丈夫だよー
30分程度憑依し続ければ、意識も飛んで
完全に何も分からなくなるから、さー
怖がる必要なんてないよ。
夜眠ってる状態がずっと続くだけ」
朝芳が笑うー。
「--あ、、、あ…たすけて…たすけてぇ!」
静香が泣きながら部屋の外に飛び出そうとするー
しかしー
「--あっ…」
静香がビクンと震えて部屋の中に戻って来るー
「--お、、おねえ…」
智里が震えながら言うー。
静香は笑みを浮かべるとー
「逃げるなんて、ダメな姉さんだなぁ!」と、叫んだー
そして、
思いっきり壁に頭を打ち付けるー
「--へへ」
静香は狂気的な笑みを浮かべると、
再び「うっ…」とうめき、朝芳が起き上がったー
「--逃げようとしても、無駄だよ」
朝芳が脅すような口調で言い放つー
静香が意識を取り戻すー
妹の智里が静香に駆け寄り、
何やらこそこそと話すー。
静香は二度、憑依されたことによって
既に怯え切っていて、
まともに話をできる状況には思えないー。
朝芳は、二人を見下すような目で見つめ続けたー。
”何をしようと、無駄だよ”
そう思いながらー。
だが、次の瞬間ー
「うああああああああああああ!」
静香が泣きながら朝芳の方に向かってくるー
妹の智里も「あんた…ゆるさないから!」と叫びながらー
朝芳に向かってくるー。
「--へぇ、二人同時に僕に襲い掛かれば
”いつものように”数で僕を圧倒できると思ったんだ?」
朝芳がそう笑みを浮かべるとー
突然、ばたっと倒れたー。
「---!」
次の瞬間、静香が「甘いんだよ!」と大声で叫びー
智里が殴り倒されるー。
「ふぎゃ!」と悲鳴を上げて床に転倒する智里ー。
静香は、自分の顔を、自分の綺麗な手で思いきり
殴りつけるー。
そしてー
朝芳は再び静香の身体から抜け出して、
智里と静香の方を見つめたー。
「いたたたたたた…」
智里が頬を押さえながら朝芳を見つめるー
「--ひ…助けて…助けて…!お助け下さい!」
静香が、まるで王様に嘆願するかのように
土下座をするー
”いい気味だ”
朝芳は、自分をいじめていた姉と妹の様子を
見つめながら笑うー
「--じゃあ、どっちが僕に身体をくれるの?」
朝芳が、淡々と呟くー
静香と智里が青ざめるー。
”二人同時に立ち向かっても”
今の朝芳には、歯向かうことが出来ないー…
その”現実”を知ってしまったー。
「--僕さ、決めたんだ。僕をいじめる
醜悪な姉さんと妹のどちらかを乗っ取って
生きていくってさ。
僕の身体は死んじゃうけどさー
お前たちにいじめられているのを見て見ぬふりをしてた
父さんのことも僕は許せないんだー。
身体を奪って復讐ー
大切な存在を奪って復讐ー
実の息子が死ぬことによる復讐ー
僕は三人全員に復讐するんだー
さぁ、選んでよ。
どっちが僕に身体をくれるのさ」
朝芳が笑うー。
妹の智里が「アンタ…!きもすぎ!」と叫ぶー。
智里はまだ怒りを朝芳に向けているー
だがーー
「--ち、、智里を…智里の身体をあげるから…許してください!」
静香が泣きながら叫ぶー
「--え…??お、、お姉ちゃん!?」
智里が驚いた表情で叫ぶー。
「--智里…!ほら、、早く、早く、憑依されて!
わ、、わたしは、、わたしはまだ死にたくないの!!
助けて!」
静香は完全にパニックに陥っていたー
「--ほ~ら、はじまった」
朝芳は見下したように笑うー
「--仲良し姉妹なんて、偽りの姿さ。
お前たちの本性はー
醜いクソ女どもだ!」
朝芳が怒りの形相で、言い放ったー
「---智里…!お姉ちゃんの言うこと、聞けるよね?
わたしの代わりに、あいつに憑依されて!」
静香が泣きながら言うー。
妹の智里は
「ちょ、、ちょっと!?わたしは憑依されてもいいってわけ!?」
と、反論するー
「--仕方ないでしょ…!どっちか一人、、どっちか一人、身体を
あいつに奪われるんだから…!」
いつも妹を可愛がっていた静香が
自分が助かりたい一心で、そう叫ぶー。
「--ふ、、ふ、、ふざけないで!!
お姉ちゃんがあいつに身体あげればいいでしょ!?」
「--わ、、わたしの方が可愛くて、勉強も出来るんだから!
だから!」
静香と智里の言い争いー
朝芳は、悦に浸るかのように、その光景を見つめたー
「--10分」
朝芳はほほ笑むー。
静香と智里が表情を歪めながら
朝芳を見つめるー。
「--10分で、どっちが身体を僕にくれるか、決めて。
決められなかったら、僕は、両方の身体を”壊す”ことにするよ」
朝芳の容赦ない言葉に、
静香は叫んだー
「智里!いいから、あいつに身体を差し出して!」
とー。
「--はぁ~~~???ふざけんなよ!」
智里が怒りの形相で静香に言い放つー
静香と智里が、互いの髪を引っ張り合いながら
喧嘩を始めるー
朝芳は
「いいよ!!いいよ!!
僕をいじめる醜い姉妹の本性が良く出てる!」
と、嬉しそうに叫ぶー
「--あんた…妹でしょ…!
いつもいつも優しくしてあげたのに!
恩をあだで返すの!?」
「そんなこと言ってないじゃん!
なんでわたしを犠牲にしようとするの!?
お姉ちゃん、おかしいよ!」
静香と智里の罵倒は続くー
パニックから、完全に二人の仲に亀裂が
入っているー
朝芳は満足そうにその光景を見つめるー
「醜い姉妹だなぁ…!」
嬉しそうに拍手する朝芳ー。
「--姉さんと、妹ー
こんな醜悪な二人に囲まれてたなんて
僕は災難だなぁ!」
朝芳は笑いながら言うと、
「僕ならー
見た目通りのおしとやかな女の子として
振舞うことができるからさぁ~!
僕が、有意義にその身体を使ってあげるよ!
安心しなよ!」
朝芳の言葉も耳に入らない二人は
罵り合いを続けているー
「あとごふん~!」
朝芳が笑いながら、叫ぶー
「--ほら!はやく!あんたが…あんたが!身体を差し出して!」
静香が、キーキーと甲高い声で叫ぶー。
完全にパニックになっているー
「--ふざけんな!お姉ちゃん、、わたしを犠牲にして
助かろうとしてる!!
なんで!?どうして!?」
智里も、次第に取り乱してきているー
”醜い姉妹の争い”
その光景がそこにはあったー
「--はははははっ!ははっ!あはははははははっ!傑作だ!」
朝芳は、自分をいじめてきた2人の姉妹を見つめながら
大喜びで手を叩いたー
「--ほら~!話し合いじゃ決まんないならさ~」
静香と智里が泣きそうになりながら
朝芳のほうを見つめるー
「--殴り合ってでも、決めろよ」
朝芳が低い声で、脅すようにして言うー。
「--でないと、両方の身体を”壊す”ことになる」
朝芳が悪魔のような笑みを浮かべたー
朝芳はずっとずっと我慢してきたー
静香や智里からの嫌がらせをー。
もちろん、静香と智里にも言い分はあるのだろうー。
けれどー
親の再婚を面白く思わずー
その怒りを朝芳にぶつけるのは、的外れだー
少なくとも、朝芳はそう思ったー
純粋に、朝芳は、静香や智里と、
”最初は”仲良くしようと思ったー
「--仲良くしようと思ってたのに、
それを拒んだのは、お前たちだ!」
朝芳が憎しみを込めて叫ぶー。
別に、変な接し方をしたわけでもなく
下心があったわけでもないー
なのにー
この二人は、自分を拒んだのだー。
「--さぁどうする?あと3分!
決めろよ!ほら!早く!
僕に身体をくれるのは、どっちだ!?」
朝芳の言葉に、
静香が悲鳴を上げながら、智里を思いっきり押し倒した。
狂ったように智里を殴りつける静香ー
静香は普段、暴力など振るわないー
智恵とも仲良しだったー
その智里に対してーー
静香は今、グーでパンチを食らわせているー
「--わたしは…お姉ちゃんなのよ!!
あんたが、あんたがあいつに身体を渡すの!」
静香が狂ったように叫ぶー
朝芳は
「無様だなぁ!!!お姉さん!!!」と、
笑いながら拍手するー。
極限状態で、人間はいとも簡単に狂ってしまうー
「ーーこれが、姉さんの本性だ!あはははははは!」
朝芳が笑うー
智里が悲鳴を上げて泣きじゃくっているー
「いやだ!!いやだ!!!いやだ!!!」
智里も必死に反撃して、
可愛い姉妹同士の本気の殴り合いが繰り広げられているー
朝芳はまるで、
最高のショーを見るかのように、それを見つめたー
まるで、自分が神になったかのようにー
「さぁ~大人のお姉さんって感じの姉さんの身体かな~
それとも、元気な智里の身体かな~~
僕、楽しみだなぁ~~!」
時計の方を見つめる朝芳ー
あと2分ー。
「さぁ、どっちが僕に身体をくれるのかなぁ~!
ほら、早く相手に”わたしの身体をあげます”って
言わせないと!」
朝芳の言葉に、
静香が悲鳴を上げながら、智里を思いきり殴りつけるー
反撃をしようとしていた妹の智里がぐったりしたのを確認すると
静香は、智里の髪を思いきり引っ張ったー
「ほら、、智里、、あんた、、身体、、あげなよ!
ほら!」
「--いや…だ」
智里の言葉に、静香は、怒りの形相で智里の髪を
さらに力強く引っ張るー
智里がもがくー
目からは涙があふれだしているー
「--助かりたい一心でそこまでするかぁ~!
あははははっ!」
朝芳は笑うー
「--早く…早く言って!!
あいつに身体をあげるって!」
静香は泣きながら
もはや冷静さのかけらもなくなった状態で、
智里に向かって叫ぶー
智里がそれでも首を縦に振ることはなかったー
「あといっぷ~ん!」
朝芳がわざとらしく叫ぶー
静香は、鬼のような形相になると、
智里の頭を突然壁に打ち付け始めたー
「言え!!!
わたしがどれだけお姉ちゃんとして
あんたのために頑張って来たと思ってんの!
言え!恩返しをしろ!!言え!」
静香はパニックで”狂って”いたー。
智恵の頭を壁に打ち付けるー
悲鳴を上げる智里ー
「あはは…こりゃ地獄だな」
朝芳は、地獄のような姉妹の争いを見つめながら
静かに笑みを浮かべたー
③へ続く
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コメント
姉と妹、乗っ取られるのは…?
続きはまた明日デス~!
コメント
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これは見苦しい。特に姉の方が最低すぎ。人間は追い詰められた時にこそ本質が見えるものですね。
仮に朝芳が姉妹の体に憑依するのをやめたところで元の仲のいい姉妹に戻るのは絶対無理そうです。
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コメントありがとうございます~!
追い詰められて本質が…!
恐ろしいですネ…!
どのような結末が待っているのか、
ぜひ明日の③(完)もお楽しみください~☆!