バレンタインデー当日の突然の入れ替わり…!
ついに学校に登校した二人の運命は…!?
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「--で、告白したの?」
登校直後ー
亜梨花(幸矢)は、
亜梨花の親友である羽田 啓子に呼び出されていたー
「--え、、、え、、、あ、、、うん…いや、、、」
亜梨花(幸矢)は返事に困ってしまうー
この啓子も、まさか目の前にいる亜梨花が幸矢本人だなんて
夢にも思っていないだろうー。
”でも、まぁ、俺…本命チョコ、水澤さんの身体で
見ちゃったわけだし、告白されたってことでいいのかな…?”
亜梨花(幸矢)がそう思いながら
「う、、うん!」と答えると、啓子が笑ったー
「--はは!振られたんだね!」
とー。
「へ?」
”どうしてそうなるんだ?”と思いながらも
亜梨花(幸矢)が戸惑っていると、
「--あははは!大丈夫大丈夫!
昨日言ったでしょ?あたしなんて50回は振られてるんだから
全然問題な~し!
あ、そうそう、今日もさっき振られたから51回目!
記録更新だね!」
啓子はとても嬉しそうに強引に話を進めるー
そんなペースに飲み込まれてしまった亜梨花(幸矢)は
「あははは!そうそう、振られちゃった~!」と苦笑いしながら答えたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「-----…」
幸矢(亜梨花)は女子たちからバレンタインチョコを
貰って戸惑っていたー
”まさか、もらう側になるなんて・・・”
そして、教室に戻って来た亜梨花(幸矢)の方を見つめるー
”ってか、やっぱりわたしの身体の中身、幸矢くんだよね?
なんかクールな感じだし…
ってことは、わたしの本命チョコ見ちゃったんだよね…
どうしよう~”
幸矢(亜梨花)は、口をぽかんと開けながら
”でも、幸矢くん、変態みたいだし、やっぱ本命チョコ取り下げしたいなぁ~”と
考えるー。
「-あの…ずっと、好きでした!」
大胆に告白してくる女子ー
「--え‥・え~~え…」
告白してきたのは、
美空(みそら)という名前のクラスメイトで、
大胆な行動でいつも周囲を驚かせている子だー。
周囲の目線を一切気にせず、
ある意味天然な行動を繰り返す、
そんな子ー。
「---」
幸矢(亜梨花)は亜梨花(幸矢)の方をチラッと見るー。
亜梨花(幸矢)は驚いた様子でこっちを見ているー
”自分の身体”が告白されたことに驚いているのだろうー。
「----」
”どうするの!?”と、目で訴える幸矢(亜梨花)-
だが、亜梨花(幸矢)は目を逸らしたー。
”な~んで、入れ替わってないフリするの!?
もういいや!わたし、勝手に返事しちゃうよ!?”
亜梨花は不貞腐れた様子で、
美空に対して、勝手に”返事”をしたー。
「--じゃ、、じゃあ、よろしく」
とー。
「やったあああああああああああああああ!」
美空が喜ぶー
周囲の女子がどよめくー
イケメンで人気者の幸矢が、よりによって
何で美空に?とー
「--ちょ!」
亜梨花(幸矢)がたまらず駆け寄って来るー。
幸矢(亜梨花)の腕を掴み、
亜梨花(幸矢)は無理やり、幸矢(亜梨花)を
連れて行くー。
幸矢(亜梨花)は戸惑いながらもー
”美空ちゃんからの告白受けちゃったから
これで、本命チョコを見られていたとしても、
わたしは変態と付き合わなくて大丈夫だよね…?”と
心の中で思うー。
ようやく、亜梨花(幸矢)が立ち止まると、
周囲に人がいないことを確認してから口を開いたー
「--ごめん…俺…幸矢だよ…」
とー。
「--うん…なんで、入れ替わってないフリしたの?
電話の時も、朝も!」
幸矢(亜梨花)が、少し拗ねた様子で言うと、
亜梨花(幸矢)は
綺麗な黒髪をボリボリかきむしりながら呟くー
「ーーう~ん、あの、、なんていうかな…?
俺、咄嗟の出来事に弱くて…
つい、なんか咄嗟に嘘ついちゃって…
ほら、入れ替わりとか信じてもらえるかな、とか
本命チョコ見ちゃったけど、いいのかな、とか
本命チョコまっず!って思って吐いちゃったのとか」
弁明をする亜梨花(幸矢)-
しかし、
余計なことまで口走ってしまっていることに
本人は気づけていないー
「---ま、、まずか、、、え、、あ、、、そ、、そう…」
幸矢(亜梨花)がショックを受けると、
亜梨花(幸矢)が「だ~~~~!ち、、ちが、、あ、、え、ご、ごめん!」と
取り乱した様子で叫んだー。
時計を確認しながら、まだ授業前であることを確認すると
亜梨花(幸矢)が口を開いたー。
「---俺さ…実は全然クールなんかじゃないんだよ…」
とー。
幸矢(亜梨花)が「え…?」と首をかしげるー。
「--みんなは俺のこと、クールで何でもできて
かっこよくて…とか、思ってるんだろ?」
亜梨花(幸矢)の言葉に、
幸矢(亜梨花)は”自分でかっこいいとか言っちゃうんだ…”と
内心で思いながらも、話の続きを聞くー。
「--俺さ、、人と話すのがあんまり得意じゃなくてさ
必死に暗くならないように、ある程度明るく振舞ってはいるけど、
ちょっと取り乱したりすると、こうーなんか、
失言したり、訳の分からないこと言っちゃったり…
まぁ…色々とするんだ」
亜梨花(幸矢)の言葉に、
幸矢(亜梨花)は、少し考えたあとに「そっか」と頷いたー
イケメンで何でもできて、クール…
それは周囲が勝手に作ったイメージ。
確かに成績が良いのは事実だがー
周囲が必要以上に幸矢を持ち上げていて
それが幸矢にとってはプレッシャーになっているのかもしれない。
「----ほ、、本命チョコ…ありがとう…
ま、、不味いとか言ってごめん…
ちょっと、、口に入れたら…不味くて…」
亜梨花(幸矢)がそう言うと
「…まずいってそんな何度も言わなくても…」と
幸矢(亜梨花)が悲しそうに呟いたー
そして、口を開くー
「--じゃあ…黒野くんが失礼だから
わたしも失礼なこと聞いていい?」
幸矢(亜梨花)の言葉に、
亜梨花(幸矢)は「あ…あぁ…いいよ」と頷くー
幸矢(亜梨花)は、意を決して
気になっていたことを口にしたー
「黒野くんってさ…変態…なの??」
とー
「-----え?」
亜梨花(幸矢)が、”意味が分からない”という表情を
浮かべているー
本当に、意味を理解できていなさそうな顔だー。
「-⋯どういうこと?」
亜梨花(幸矢)が、心底”謎”と言わんばかりに聞いてきたのを見て、
幸矢(亜梨花)は事情を説明したー
妹らしきボサボサ頭の子に変態と言われたり、
罵倒されたことや、
部屋にエッチなものが隠されていたことをー
「---ははは、あぁぁ~そういうことか」
亜梨花(幸矢)が髪をかきながら答えたー。
「そうだなー
順番に説明していこうか」
亜梨花(幸矢)がそう言うと、
”事情”を説明し始めたー
ボサボサ頭の子は、妹の世恋ー。
現在は不登校になってしまっているー
そしてー
幸矢には、もう一人”兄”がいることー
兄は現在大学生で、1年前に家を出たが、
どうしようもない変態男で、
妹の世恋にも暴力を振るったり、
エッチなことを強要したりしていたのだというー。
「--…あの部屋は…」
幸矢(亜梨花)が言うと、
亜梨花(幸矢)は頷くー
「そ、俺の部屋じゃなくて、俺のアニキの部屋が
そのままになっててー…」
亜梨花(幸矢)はそう言うと、さらに付け加えた。
世恋は、幸矢の兄から乱暴されていたことで、
精神的に壊れてしまい、不登校になったー。
髪がボサボサになって、何も身なりを気にしなくなったのも
そのころからー。
今では”幸矢の兄”と”幸矢”の区別もつかないのか、
幸矢に対して「変態!」と罵倒してきたり、暴力を
振るってきたりするようになってしまったのだというー
「でさ、バレンタインの前日も、世恋の暴力が凄くてさー、
それで、世恋の部屋から一番距離のある、
俺のアニキの部屋で寝てたってわけ…
だから、、その、、、水澤さんが俺の身体で過ごした部屋は
俺の部屋じゃなくて、アニキの部屋だから…
その、、エッチなやつとかは、俺のものじゃなくて…」
亜梨花(幸矢)の言葉に
幸矢(亜梨花)は安心した様子で、「なぁんだぁ…」と呟いたー
「----てっきり、黒野くんが妹さんに
何かしてるんじゃないかって、そう思っちゃった」
幸矢(亜梨花)が言うと、
亜梨花(幸矢)は
「酷い言われようだなぁ~…」と苦笑いして
「まぁ、、アニキのせいだな」と呟くー。
「--俺は、、ほら、、今日、着替えるのもやっとでさ…
何にも怪しいことなんて、出来ないタイプだし」
亜梨花(幸矢)が照れ臭そうに笑うー。
「--目をつぶってなんとか着替えて来た感じ」
亜梨花(幸矢)の言葉に、
幸矢(亜梨花)は笑うと、
「--勘違いして、本命チョコ、取り下げちゃうところだった」
と、顔を赤らめながら呟いたー
「----」
二人は一息つくと、
「-元に戻れるかな?」と
幸矢(亜梨花)が不安そうに呟いたー
「とりあえず…一晩寝たら元に戻ったりしないかな…?」
亜梨花(幸矢)の言葉に、
幸矢(亜梨花)は頷くと、
”明日になっても戻ってなかったら、もっとちゃんと考えよう”と、
二人で結論を出してー
そのまま家に帰って行ったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
夜ー
亜梨花(幸矢)はLINEを受け取るー
お互いの連絡先は、元々知らなかったのだが
入れ替わったことで半ば強制的に
連絡先を知ることになってしまったー
”ねぇ…元に戻れたら、、チョコの返事…聞かせてくれる?”
幸矢(亜梨花)からの連絡に、
亜梨花(幸矢)は
”…わかった、わかったよ”と照れ臭そうに返事を送ると
”来年までに美味しいチョコ作れるように頑張るから!”
と、幸矢(亜梨花)から返事が送られてきたー
そしてーー
翌日ー
二人は、元に戻っていたーー
「--やったああああああああ!戻ってる!!」
亜梨花が思わず叫ぶと、
偶然、部屋の前を通りかかった弟が
呆れた表情でー
「昨日はお漏らししてたし、今日は奇声をあげてるし…
大丈夫?」
と、呟いたー
「え…?お漏らし?」
亜梨花は、びっくりして叫ぶとー
昨日の出来事を弟から聞かされてー
恥ずかしさのあまり弟の前から
逃げるようにして学校に登校したー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
なぜ入れ替わってしまったのかー
それは、分からないー
けれど、結果的に、本命チョコも渡せちゃった感じになったし、
思いも伝わったー
お互いが、相手のことを知ることもできたー。
朝ー
授業前に幸矢に呼び出された亜梨花は、
幸矢から”告白”の返事を聞かされることになったー
幸矢が笑うー。
「--水澤さんに告白されるなんて、思わなかったよー。
水澤さんは、中身もしっかりしてると思うし、
俺も嬉しい…」
照れ臭そうに言う幸矢ー
亜梨花は嬉しそうに幸矢の方を見たー
しかしー
「---俺、水澤さんとは付き合えないー」
「--え…え、、、どうして!?」
まさかの”振られ”に、
驚く亜梨花ー
「--水澤さんのせいだよ」
幸矢が少し困った様子で言うー
「え???」
亜梨花も困っていると、
幸矢は呟いたー
「--だって…水澤さんのせいで、俺、
彼女持ちに…」
ーと。
「--!?!?!?」
亜梨花が昨日のことを思い出すー
「-あの…ずっと、好きでした!」
「----」
”どうするの!?”と、目で訴える幸矢(亜梨花)-
だが、亜梨花(幸矢)は目を逸らしたー。
”な~んで、入れ替わってないフリするの!?
もういいや!わたし、勝手に返事しちゃうよ!?”
亜梨花は不貞腐れた様子で、
美空に対して、勝手に”返事”をしたー。
「--じゃ、、じゃあ、よろしく」
とー。
「やったあああああああああああああああ!」
美空が喜ぶー
「---あ」
昨日のことを思いだした亜梨花は、唖然としたー
「--俺……美空ちゃんの彼氏にさせられちゃったし…
1日で振るとか、やばすぎるし…
それに…美空ちゃん、一度付き合いだしたのに
やっぱりごめんなさい、昨日のは間違えでした、なんてやったら
ブチギレるタイプだろ…?」
幸矢は
”俺に浮気はできないよ…”と、
苦笑いすると、
亜梨花に対して「ホントはOKしたかったけど、、ごめん」と、
呟いて、そのまま教室から出て行ってしまったー
幸矢の言葉に、
一人残された
亜梨花は、がっくりして、「そんなぁ~」と
その場でうなだれるのだったー。
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
バレンタインデーは昨日、終わってしまいましたが、
今日が最終回でした~☆!
平和的に戻れましたが
結局、告白は失敗してしまいましたネ~!
お読み下さり、ありがとうございました!
コメント
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あらら。誤解も解けて元に戻ってハッピーエンドと思ったらこういうオチですか。まあ、一方的に変態扱いして保身に走った亜梨花の自業自得ですけどね。
でも幸矢はイメージと実態のギャップが激しいみたいだから、そのうち自然にフラれそうな気もするので、そしたらまた改めて付き合えそうな気もします。
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コメントありがとうございます~!
こういうオチでした~笑
相手の子も勢いで告白してそうな感じもありますし、
自然に振られそうな感じは確かにありますネ!