バレンタインデー当日の朝に突然の入れ替わり…
困惑する二人の
ドタバタなバレンタインは続く…
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「----」
亜梨花(幸矢)は、”が、、学校に行かないと…”と、
制服を手にしながら、震えていたー。
幸矢は、学校ではクールなイケメンー
何でも出来るー!
などと、思われているー
だがーーー
「うぅぅぅぅぅぅぅぅ…」
顔を真っ赤にしてぷるぷる震えている亜梨花(幸矢)--
幸矢はーー
恋愛経験が全くなかったー
いや、むしろー
女子が苦手だったー
そんな自分が亜梨花になってしまったー
「---うあああああああああああああ!!!」
亜梨花(幸矢)は頭を抱えたー
本当の俺はクールなんかじゃない
ただのうっかりの多いドジ野郎だー
本当の俺はクールなんかじゃないー
女子が苦手で、クールに見えるのは
ただ、ビクビクして、そっけなくなっているからだー
俺は、みんなの思っているような人間じゃないー!
亜梨花(幸矢)はそんな風に思いながら
「で、、でも、学校行かないと…!」と呟くー
「---…」
服を着替えようとする亜梨花(幸矢)-
「だ、、だ、、、だ、、、だ、、、だめだぁぁぁぁぁ」
亜梨花(幸矢)は、その場にしゃがみこんでしまうー。
着替えれば当然下着が見えるー
その時点で、もうダメだー。
亜梨花(幸矢)は
”しかもさっき、咄嗟に入れ替わってないような演技しちゃったしなぁ…”
幸矢(亜梨花)からかかって来た電話を思い出すー。
亜梨花(幸矢)は咄嗟にパニックになって、
”入れ替わってません”というようなことを言ってしまったー
「ホント…どうすりゃいいんだ」
亜梨花の作った幸矢宛の本命チョコを
ガリガリとかじりながら亜梨花(幸矢)は呟くー
”どうするー?”
”考えろ…俺…”
”着替えずになんとか学校に行く方法”
「---」
パジャマ姿の亜梨花を鏡で見つめる
亜梨花(幸矢)-
着替えて下着が見えたら、おそらく、俺は死ぬ。
そんな風に思いながら、亜梨花(幸矢)は、
自分がトイレに行きたくなっていることに気づいたー。
「と、、トイレ…?」
亜梨花(幸矢)は震える…
「こ、、この身体でトイレって…い、、いったい、どうすれば…!?」
亜梨花(幸矢)は混乱しながらもー
次第に尿意を我慢できなくなってくるー。
まるで子供かのように、パジャマのズボンの上から
アソコのあたりを押さえてもじもじする亜梨花(幸矢)--
「くえぇええええええ!ダメだ!もれちゃう!」
”我慢の限界”状態に
なってしまった亜梨花(幸矢)は、そのまま
ひーひー言いながら、ようやくトイレに駆け込んだのだったー。
「---ふ~~~」
トイレにたどり着いた亜梨花(幸矢)は
”なんとか…見ないように…”
と思いながらズボンを下ろすー。
ドキッー
下着に手を触れたー
亜梨花の下着を触っている、と考えただけでー
”変態”
妹・世恋(せれん)のことを思い出す亜梨花(幸矢)-
「やべっ!!!水澤さんが俺の身体になってるってことは
世恋と…」
びゅっ!
あらゆる動揺
ドキドキー
そして、女の身体で立ったまましてしまったことによりー
”惨劇”がそこに生まれたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
幸矢(亜梨花)は「学校に行かなくちゃ」と、
思いながら、幸矢の制服を身に着けていくー
”イケメン”の身体を見て
一瞬ドキドキしてしまったものの、
すぐに、着替えることには成功したー。
「----これ」
幸矢(亜梨花)が戸惑いながら
ズボンのふくらみを見つめるー
幸矢のアレが膨らんでいるー
「これって……
興奮すると…ってやつだっけ…」
幸矢(亜梨花)は、そう呟くと、
「も、、もしかして、わたしが、幸矢くんの身体に興奮してー
そのせいで、幸矢くんが!?」
そんな風に考えた幸矢(亜梨花)は、
ズボンをぱんぱんに膨れ上がらせたままー
廊下を歩くーー
「---!」
幸矢(亜梨花)が、髪の毛がボサボサな妹らしき少女と
廊下ですれ違うー。
「は?」
妹らしき少女が呟くー。
「---え?」
幸矢(亜梨花)が戸惑っていると
妹らしき少女が叫んだー
「--この変態!!!!!」
とー。
「--ちょ、、」
幸矢(亜梨花)は、一つの疑念が生まれていたー
この妹らしき少女の目つきは普通じゃないー
髪もボサボサだし、学校に向かおうとする気配もないー。
何かー
何かがおかしいー
そして、このボサボサ頭の少女は
幸矢のことを”変態”と呼ぶー。
それもイマイチ、意味が分からない。
もしかしてーーー
「幸矢くんって…変態なのかな…?」
幸矢(亜梨花)はそんな不安を抱きながら
なんとかトイレを済ませると、部屋に戻ったー
部屋に戻ると、
ふと本棚の中に不自然な個所を見つけてー
そこの本をどかすー。
するとーー
「---!!!!!!!!!!!!」
幸矢(亜梨花)は、表情を歪めたー
本棚の裏側に隠されるようにして
置かれていたのはーーーー
大量の、エッチな本だったー
「あ、、あ、、、あ、、、あわわわわわ!?」
幸矢(亜梨花)は驚くー
「---」
慌てて本棚を元に戻すと幸矢(亜梨花)は
「ま、、まぁ…男子ってこんなものなのかな…」
と、深呼吸しながら、何度も何度も、
うん、大丈夫ー、と呟いたー。
何が大丈夫なのか自分でも分からないけれどー、
と、思いながら気になって部屋の中をさらに探してしまう
幸矢(亜梨花)ー
「---!!!」
”人の部屋を勝手に荒らすなんて”
と、思いながらも、亜梨花は”初恋の相手”のことが
気になって仕方がなかったー。
「---!!!!!!!!!!!!」
引き出しの奥に隠されるようにして置かれていたのはー
スカートや、ブラ…
「えっ…!?えっ…!?」
幸矢(亜梨花)は混乱するー
「---幸矢くんって…」
やがてー
色々な”ひみつ”を見てしまいー
幸矢(亜梨花)は、へなへなとその場に座り込んだー
「-----……へんたいだったんだ…」
自分は変態のことが好きだったのだろうか…
そんな風に思った亜梨花は、
恐怖すら感じ始めていたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あぁぁぁあ…」
トイレを汚して、服まで汚してしまった亜梨花(幸矢)-
最悪だー
最悪のバレンタインデーだ…
幸矢はそんな風に思いながら
”どうしよう…”と頭を抱えるー
”--姉さん!”
「---!!!!!!!!!!!!!」
亜梨花(幸矢)は、ひぇっ、と声を出しそうになったー
水澤さんには、弟がいるのかー、
と思いながら、
これはまずいぞ、と、頭をフル回転させるー
トイレにいるお姉ちゃんを弟が呼ぶー
ということは、おそらくこの弟は
トイレを使いたいのだろうー
「--え、、、え~っと、、、弟くん、トイレ?」
亜梨花(幸矢)が言うと、
「--弟くんってなんだよ?
そうだよ、トイレだよ!早く!」
と、弟がうんざりした様子で叫んだー
”そ、そうだ、弟くんとか、おかしすぎるだろ”
自分の発言を反省しながらも、亜梨花(幸矢)は
濡れたズボンと、濡れたトイレの床を見つめながら
頭を抱えるー。
”やばいぞ、このままじゃ、水澤さんが
トイレでお漏らしした女になっちまう”
どうにかーー
俺ーーー
考えろーーー
考えろーーーーーー!!!!!!!!!!!
幸矢は頭の中で必死に考えたー。
だがー
幸矢は自分の性格を忘れていたー
パニックになると、自分がとんでもない行動を起こしてしまう
そんなー
自分の性格をーーー
「--お、、お、、、お、、、お姉ちゃん!
お漏らししちゃったから待ってて!」
亜梨花(幸矢)は咄嗟にそう叫んだー
「--は?」
弟が、トイレの外で変な声をあげたー
「あ…」
亜梨花(幸矢)は、この状況を隠そうと頭をフル回転
させていたのに、
自分から言ってしまったことに唖然としながらー
観念して、トイレの扉を開けたー
「--…あは…あはははは」
亜梨花(幸矢)が、もはやどうすることも
できなくなって、濡れたズボンとトイレを晒しながら笑うー。
「---あはぁ…」
弟の”ばけもの”を見るかのような目つきが
忘れられないー
”水澤さん、、ごめん!”
亜梨花(幸矢)は、そう呟きながら
冷たい目の弟の前で、トイレを掃除し始めたー
「--いつも幸矢くん幸矢くんばっかり言ってるからだぞ」
弟が言うー。
「え…」
亜梨花(幸矢)は手を止めたー。
まさか、この弟は目の前にいるお姉ちゃんが、
その”幸矢くん”だとは、夢にも思っていないだろうー。
「---え、、、、、」
亜梨花(幸矢)が戸惑いながら弟の方を見ると、
弟は呆れ顔で亜梨花(幸矢)の方を見つめながら続けた。
「--いつも僕に”幸矢くん”の話ばっかしてくるじゃんか。
先週ぐらいからバレンタインは幸矢くんに~!ばっかだったし。
僕、幸矢くんとか知らないしさ。
そろそろいい加減にしてほしいよ」
弟が言うー。
「--え、、あ、、あはははは、なんか、俺のせいで、ごめん」
亜梨花(幸矢)がそう言うと、
弟は、きょとんとした表情を浮かべたー
”やべーーー!”
幸矢は、頭の中で叫んだー
つい咄嗟に”俺のせいで”とか言ってしまったー
い、、いったい、、いったいどうすればーー?
幸矢は取り乱すと、
訳の分からない行動を取ってしまう癖があるー。
今、ここでそれをしてしまうわけにはいかないー
何かー
何か方法を考えなくては…!
亜梨花(幸矢)は、咄嗟に、叫んだー。
「--幸矢くんが、いつもお世話になっています!!!」
とー。
「---」
「---」
亜梨花(幸矢)は、目をぱちぱちさせながら苦笑いしたー。
自分でも、自分の口から出た言葉が
どういう意味なのかさっぱりわからなかったし
もはや会話が繋がっていないー
「--え~~~~あ~~~~~~~~~~
あはっ」
もはや、笑ってごまかすことしか、亜梨花(幸矢)には
出来なくなってしまっていたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「-----」
二人は戸惑いながらも、学校に向かうー。
亜梨花になった幸矢は、
亜梨花の本命チョコレートを見てしまった件ー
しかもそれを捨ててしまった件ー
弟から「いつも幸矢くんばかり」と聞かされた件で戸惑っていたー
”どう、顔を合わせればいいんだ…?”
とー。
幸矢になった亜梨花は、
妹らしき子から「変態」と言われたことや、
部屋にHなものがたくさん隠されていたことから、
幸矢は変態だったのだと確信したー。
そんな変態に、自分の身体を使われている、とすればーー
「---あ」
「---え」
二人は、学校の正門付近で出くわしたー
「------」
「------」
見つめ合う二人ー
そもそも亜梨花になった幸矢は、電話で
「わたしはわたしです」などと、咄嗟に返事してしまったー。
電話の相手が幸矢(亜梨花)だから、隠す必要など
なかったのだが、咄嗟に隠してしまった。
「------あの」
幸矢(亜梨花)が口を開くー
「--……あの、、黒野くんだよね?」
本人の前では苗字で呼ぶ幸矢(亜梨花)ー
亜梨花(幸矢)は顔を真っ赤にしながらー
「--ち、、ち、、ちがいますぅ…」と
答えて、そのまま逃げ去るように、校舎の中へと入っていったー
「---え…」
幸矢(亜梨花)は唖然とするー
”わたしの身体に、幸矢くんが入ってるんじゃないのー?
違うとしたら、誰なの…?”
とー。
一方、逃げるようにして校舎に向かう亜梨花(幸矢)は、
”お、、俺、、なんで、、なんで、恥ずかしがって…くぅ…この!”
と、思いながら、顔を真っ赤にしていたー
”俺は幸矢だ”と素直に言えばいいのにー
何故か彼は、言えなかったー。
③へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
今日がバレンタインデーですネ!
でも、バレンタインデー入れ替わりの
お話は明日まで続きます~☆!
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