ドM男に身体を入れ替えられてー
男の身体で痛めつけられてしまった少女ー。
その少女が
”元に戻ったあと”の物語…!
※「俺は自分をいじめたい」の後日談デス!
↑の本編をお読みになってから、お読み下さい~!
※「入れ替わり」のその後を描く作品デス
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「-----」
智乃は、警察から釈放されたー。
哲弥の家に勝手に押し入り、
哲弥に突然暴行を加えたー。
とは言えー
哲弥側が、それほど被害を気にしていない様子だったことや、
智乃がまだ高校生であることからー
警察から一通りの取り調べなどを受けたあとに
釈放されたのだったー。
「--」
智乃は帰宅してからも、震えていたー。
「---智乃…どうしてあんなことしたの…?」
母親が戸惑った表情で智乃の方を見つめるー。
”あんなこと”とはー
男子大学生・哲弥の家に押し入って、
哲弥を散々痛めつけたことを言っているー。
だがー
真相はそうではない。
実際には、”自分が痛めつけられる”ことに快感を覚える
男子大学生の哲弥に、
身体を入れ替えられてしまい、
智乃は”哲弥”の身体で激しい暴行やこの上ない屈辱を味わったのだー
しかも、最後には身体を元に戻されて
”罪”まで擦り付けられてしまったー。
”なぜか”哲弥の隣の部屋の住人まで、
智乃が突然押し入ったと証言しており、
結果的に智乃は”男子大学生の家に押し入ったヤバい女子高生”という
レッテルを貼られてしまったー。
「ごめんね…智乃。
お小遣いなら、もうちょっと増やしてあげるからー」
母親が言う。
哲弥が智乃の身体になっている際にー
”「--おらあああああああああ!!!
わたしはお小遣いが欲しんだよぉ!
テメェみたいな一人暮らしの男を狙って、
金を奪って、欲しいアクセサリーとか買うんだよぉ!」”
と、智乃は叫んでいたー。
警察を通じて、その言葉が、母にも伝わったのだー
「お母さん…わたし…違うの…
身体を入れ替えられて…」
智乃が涙ながらに言うー。
「そう…大変だったわね」
だが、母親の言葉は、冷たかったー
完全に”失望”されているー
そう感じざるを得ない口調ー
「---智乃…疲れてたんだね
ごめんね。
気づいてあげられなくて」
母親が目から涙をこぼすー。
”何も悪いことをしていないのにー”
智乃は、思わずその場で泣き崩れてしまうー
親を泣かせてしまったー。
何も、してないのにー
智乃の心は、抉られるような思いで、
いっぱいになるー。
父親は、口を閉ざしたー。
智乃のことを、時々睨むようにして見つめるー。
怒っているのかもしれないー。
「----」
智乃は、部屋の中で、一人、泣き続けたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「---ねぇねぇ、やばくない?智乃、大学生の家に入って暴力ふるったんだって」
「--しかも、なんか、お漏らしもしてたみたいよ」
「やっば」
「----」
学校に復帰した智乃ー。
だが、クラスメイトたちの見る目は
”一変”してしまったー。
智乃のことをまるで”化け物”でも見るかのように
見るようになり、
友達も、何もかも失ったー
先生もどこか引いた様子で智乃に接するようになり、
智乃の部活ー
美術部の顧問は
智乃に「しばらく部活は休んで、気持ちを落ち着けなさい」と、
智乃が部活に出ることを許さなかったー。
「---ねぇねぇ、智乃!どうして、大学生を襲ったの?」
「意外と大胆だよね~!
どうして?教えてよ!」
友達が智乃の周囲に集まるー。
「----」
バン!
智乃は机を叩いて、立ち上がったー。
「--おい!やめとけよ!俺たちも殴られちまうかも!」
男子のひとりが笑いながら言うー。
「--いや、お漏らしするんじゃね?」
別の男子が笑うー
智乃は、目から涙をこぼしながら
そのまま教室から立ち去っていくー。
そしてー
智乃は、その日を最後に不登校になってしまったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一方の哲弥は、病院から退院して、
”あの時”密かに撮影した動画を見ていたー
智乃(哲弥)が哲弥(智乃)に暴行を加えている動画だー
「うっほ!!いいぞ、もっとやれ!」
哲弥は喜びながら、当時の映像を見つめているー。
自分が痛めつけられている姿を見るだけで
激しく興奮するし、
同時にゾクゾクもするー。
最高だ。
「ふひっ!へへへへへへへへ」
哲弥は思わずその時のことを思い出して
涎を垂らしてしまうー
”まだ”
入れ替わり薬は手元に残ってはいるものの
哲弥は”一旦休憩”をしていたー。
それは、何故かー。
また、哲弥が見ず知らずの女子からボコボコにされれば
さすがに警察も怪しむから、だー。
毎回毎回、同じ男子大学生が部屋に乗りこまれて
少女にボコボコにされていたら、さすがにおかしい。
自分が警察官だとしても、疑うだろうー
この前のように、智乃に罪を擦り付けるようなやり方は
”1回目”だからこそ、通用するのだ。
1回目だったからこそー
”智乃は頭のおかしい女子高生”という構図が出来上がり、
”頭のおかしい女子高生にボコされた冴えない男子大学生”という
筋書が出来上がったのだー
2回、繰り返せばそうはいかない。
”また同じやつがボコされていて”
”別の少女が、智乃と同じように”入れ替わって!”と叫ぶ”
そうなれば、
やっぱり「この男子大学生なんかおかしいぞ?」と、なるのは当たり前だー
故にー
今度は別の手段を考えるか、
しばらく時間を空けるかしなくてはならないー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「-------」
不登校になってしまった智乃は、
髪をボサボサにした状態で、
パジャマのまま、部屋に引きこもっていたー
今まで、いじめを受けたこともなければ
家庭環境に問題があったわけでもなく、
ごく普通の女子高生として
生活を送っていた智乃ー。
しかし、それが壊されてしまったー。
完全に、”崩壊”させられてしまったー。
「-----……」
智乃は虚ろな目で、机に向かって勉強しようとするー。
けれどー
「---うぅぅぅっ…」
涙が目からこぼれてきてしまって、何もできないー
両親すらも、そんな智乃のことを理解できず
頭を抱えー
母親は涙を流し、
父親は、智乃のおかしな態度に怒りをあらわにしたー。
それが、余計に智乃を追い詰めてしまうー。
「----うああああああああっ!」
ある日ー
智乃は泣きながら、部屋を滅茶苦茶にするまで暴れたー。
”自分は何も悪いことをしていないのにー”
どうして、こんな目に遭うの?
怒りー
悔しさー
悲しみー
焦りー
恐怖ー
あらゆる感情が混ざり、それが、爆発したー
泣きながら、発狂して、壁に頭を打ち付ける智乃を見つけた
両親はーー
”これはもうどうにもできない”と、
専門医に相談した結果ー
智乃は入院することになってしまったのだったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1年後ー
哲弥の父親が倒れたー。
その知らせを聞いて、哲弥は病院へと駆け付けたー。
「--父さん」
哲弥が呟くー
父親は「心配かけてすまんな」と、哲弥の方を見て
申し訳なさそうに、呟いたー。
大学生になった哲弥は、一人暮らしをしているが
両親との関係は、決して悪くはなく、
今日も、こうして父親の元にすぐに駆け付けたのだったー。
幸い、父親は命に関わるような病気ではなく、
過労と、かねてからの貧血気味な一面があり、
それが原因で倒れた、とのことだったー
「--少しはゆっくり休めよ?な?」
哲弥が言うと、
父親は「あぁ」と呟いたー。
「--葵は?」
哲弥の言葉に、父親は「後で来るそうだ」と、返事をするー。
「はは、そっか」
あれから1年が経過しても、今だにドMな哲弥は
今日も、葵に罵倒されることを
少し期待してしまっていたのだが、
葵とは鉢合わせすることはできなかったー。
「---(そろそろ、入れ替わり薬、使うかな)」
慎重な哲弥は、
智乃と入れ替わってから1年ー
まだー
入れ替わり薬を使っていないかったー。
智乃の時のような手段は、
そう何度も使えないー。
警察が、あの事件を忘れるぐらいでないとー
ダメだー、
とー。
だが、哲弥は最近になって、
”新しい手段”を思いついたのだー。
入れ替わったあとにーーーーーー
ドン!
父親の病室から出て、廊下を歩いていた哲弥は、
廊下を走って来た少女にぶつかられたー。
少女が、哲弥にぶつかったはずみで、転んでしまうー
「--ははは…大丈夫か?」
基本的に穏やかな哲弥は
その少女に手を差し伸べたー。
だがーーー
「---!!!!!!!!!!」
哲弥は表情を歪めたー
”この子はー”
「--えへへへ…ありがとぉ~♡」
その子はー
哲弥が1年前に入れ替わった相手・智乃だったー
だが、あの時とはまるで雰囲気が違うー
まるで、子供のような振る舞いー
「---ど~したの~?」
智乃が、哲弥の顔を覗くー
智乃は、哲弥のことも覚えていない様子だー
「--え、、あ、いや」
哲弥が目を逸らすー。
「--ど~~~したの~?」
智乃が心配そうに、さらに哲弥を覗き込むー
その時ー
病院の看護師が走って来たー
「すみません!ご迷惑をおかけして!」
そう謝りながら、智乃に「ほら!お部屋に戻りますよ!」と
語り掛ける看護師ー。
「--あの」
哲弥は、その看護師を呼び止めたー。
「--その子は…」
哲弥がそこまで言いかけて口を閉ざすと
看護師は笑いながら答えたー
「--この子…
心を閉ざしてしまっていて…
学校とか、ご家庭で色々辛いことがあって…
それで、病院に運ばれてきたんですけどーー…
これでも、だいぶ回復したんですよ」
看護師の人が言うー。
智乃は、入れ替わり後の過酷な出来事から
心を閉ざしー、
発狂しー
入院したー
そして、およそ1年が経過した今でもー
退院は出来ていないー
「---」
哲弥が智乃の方を見つめるー
智乃が無邪気に哲弥の方を見て手を振っているー
「えへへへへ♡」
まるで子供のような笑顔ー
哲弥はそんな智乃を見ながらー
”ここまでこの子を壊してしまった”
とー、
衝撃を受けていたー。
「---ーー」
智乃が看護師に連れられて立ち去っていくー
まるで子供のようにはしゃぎながらー
”あれ”でもー
智乃は、回復したのだというー
どれほど、自分が入れ替わったことで智乃を傷つけてしまったのだろうー。
そんな風に思いながらー
哲弥はー
歩き出した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
後日ー
あの子を傷つけてしまったー。
哲弥は、ゆっくりと歩いていたー。
あの子を、予想以上に傷つけてしまったー。
確かに、1年前、智乃に罪を擦り付けて、
入れ替わりドMごっこを楽しんだー。
だが、智乃という子にそこまでの
心の傷を負わせてしまう結果になるとは、
哲弥は、想像もしていなかったー。
こんなことになってしまうなんてー。
哲弥は、廊下を歩くー。
てっきり今頃ー
あの子は、すっかり普通の生活を送っているものだと、
そんな風に思っていたー
哲弥は、己を呪ったー。
”もっと早く、このことを知っていればよかったー”
もっと早く知っていればー
俺にも、できたことがあるはずなのにー
とー。
哲弥が、病室をノックして、智乃の病室に入るー
「----こんばんは」
哲弥が微笑むー
「あ、この前のおにーちゃん!」
智乃がまるで子供のように笑うー。
哲弥はほほ笑んだー
あぁぁぁーーー
ゾクゾクするーーー
自分のせいで、壊れてしまったこの子の側にいてー
しかも、この子に懐かれているこの現状にーー
とっても、とっても、ゾクゾクするーーーーー
”この罪悪感”
「---Mの俺に、よく染み渡るぜーー」
哲弥は歪んだ笑みを浮かべながら、
”もっと早く、この子がこうなってることを知ることができればー
もっと早くこの快感を味わえたのにー”
と、己を呪いー
”もう一度この子と入れ替わったら、どうなってしまうのだろうー?”
”この子に”俺があの時の大学生だよ”と伝えたらどうなってしまうのだろうー?”
そんな風に考えながら
これから始まる楽しい日々のことを
思い浮かべるのだったー
おわり
・・・・・・・・・・・・・・
コメント
入れ替わりの後日談でした~!
哲弥くんは反省する…のではなく
更なる好奇心が刺激されてしまったようですネ~!
コメント
SECRET: 0
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罪悪感すら快感だなんて、どこまで業が深いんでしょうね。
こんな変態のために人生を狂わせられてしまった智乃ちゃんは本当に不憫です。
SECRET: 0
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コメントありがとうございます~!
彼は、この先何があっても、
それを快感に変えてしまいそうですネ…!
智乃ちゃんはとても災難デス…!