「洗脳」初心者の男子ー。
せっかく手にしたその力をうまく使えない彼はー
とんでもないことをしでかしてしまう…!
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「----ほ、、本当に…?」
男子高校生の村野 不二雄(むらの ふじお)は、
戸惑っていたー
気弱で臆病な性格ー
学校でいじめは受けていないが、
友達は決して多くはないー。
そして、家では妹の美海(みみ)から、
煙たがられていて、
不二雄自身も美海に対して
良い印象を抱いていなかったー
そんな不二雄が、ある日の下校中ー
綺麗なお姉さんに声を掛けられたのだー。
”急に声を掛けて来るなんて怪しい”と思いながらも、
意外とエッチな不二雄は、そのお姉さんの綺麗さに
騙されるかのように、お姉さんの話を聞いたー
すると、お姉さんはこう言ったのだったー。
”他の人を自由に操ることのできる力…
思い通りにすることのできる力があったら、
キミは何をしたい?”
とー。
「--え…」
戸惑いながらも、不二雄は
自分の欲望をぶつけたー
生意気な妹を自分の思い通りにしたいー
クラスのあの子を、彼女にしたいー
いや、何ならエッチもしたいー
とー。
「--ふふ」
綺麗なお姉さんは笑うと、
”それなら”と、
”人を洗脳する力”を、不二雄に与えたのだったー
驚く不二雄ー
「----ほ、本当に…?」とお姉さんに聞き返すー
お姉さんは”洗脳したい相手を見つめながら念じれば、相手はあなたの意のまま”と
伝えたー
試しに道端を歩いている女子高生の方を見つめながら、
”笑え”と命令すると、
その女子高生は奇妙なことに、突然笑い始めたのだー
「--う、、うそ…すごい…!」
不二雄はそう呟きながら振り返るー
だが、振り返った時には
綺麗なお姉さんは、もういなかったー
・・・・・・・・・・・・・・
帰宅した不二雄は、戸惑いながらも、
”他人を洗脳することの出来る力”を
手に入れたことに感動し、
喜んでいたー。
この力があれば、僕の人生はバラ色になるー、
とー。
「--ちょっと!廊下でぼーっと立ってないで!
しかもニヤニヤしててマジでキモイ」
妹で、高校1年生の美海が、廊下でニヤニヤしていた
不二雄に対して、暴言を吐きながら
そのまま自分の部屋に戻っていくー。
不二雄は、自分のことをぞんざいに扱ってくる妹の美海に
対して、いつも怒りを感じていたー
毎日毎日、何かを言われるたびに”死ね!”と心の中で叫んでいるぐらいだー。
小心者の不二雄は、
それを口にすることすらできなかったが、
今日も例外なく、内心で”死ね!”と、美海のことを見つめながら
思っているのだったー
「---うん。わたし、これから死ぬね」
美海が、ふいにそう呟いた。
「--え?」
不二雄が、美海の言葉に耳を疑ったー
学校の鞄を部屋に放り投げると
美海は制服姿のまま階段を下りていくー
「え…??何してんの?」
不二雄が戸惑いながら言うと、
美海は台所まで歩いていきー
そして、包丁を手にしたー
「--ひっ!?!?」
不二雄は、”美海が自分を襲ってくる”のではないかと
身構えたがー
次の瞬間ー
「え…?」
唖然とする不二雄を前に、美海は自分の手に持った包丁を
自分に突き刺したのだったー
「--え…ちょ!?何やってるんだよ!?えっ!?」
不二雄が叫ぶー
美海が血を流しながら
「--わたし、、しななくちゃ…」と、
何度も何度もつぶやいているー
「--ちょ…いったーーー、、、!」
”いったい”と言いかけて
不二雄は、背筋が凍る思いをしたー
”洗脳したい相手を見つめながら念じれば、相手はあなたの意のまま”
お姉さんの言葉を思い出すー
不二雄は、美海から暴言を吐かれるたびに、
いつも”死ね”と美海に対して念じているー
まさかーー
美海を”洗脳”してしまったー?
「-ちょ!?美海、しっかりしろ!」
不二雄は叫ぶー
生意気な妹であっても、
本気で”死んでほしい”と思っているわけではなかったし、
何よりこれでは、自分が殺してしまったようなものだー。
「---わたし、、死ぬもん
わたし、、死ぬもん」
美海の顔色が悪くなっていくー
「--だ、、だめだ!だめだ!母さん!!母さん!」
別の部屋にいた母親を呼ぶ不二雄ー。
「--え?どうしたの…え!?
きゃあああああああああああああ!!!!」
母親が悲鳴を上げるー。
美海が弱っていくー
「--早く!早く!救急車を!」
不二雄は、そう叫びながら、スマホを手にしたー
だがーー
美海は助からなかったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
”僕が殺したんだ”
そんな自責の念に囚われる不二雄ー。
あまりの罪の意識に苦しむ不二雄ー
けれどー。
”僕は悪くないー
だって…僕が殺したなんて、誰も分からないしー
美海は、勝手に自殺したんだー”
やがて、不二雄は自分に都合の良いように
解釈を変えると、
そのまま、立ち直ったー。
そしてー
”彼女になれ”
クラスの人気者・莉子(りこ)を洗脳するー。
莉子に早速告白された不二雄は、
莉子を家に連れ込んだー。
「--不二雄が彼女なんて、びっくり!」
母親が戸惑いながらも、「いらっしゃい」と、莉子を出迎えるー
莉子は不二雄のことが大好きになっていたー
部屋で暮らすのかわいい子と二人きりー
”まさか、こんなことになるなんて…ふひっ”
「--まさか、こんなことになるなんて…ふひっ」
莉子が、笑みを浮かべるー
「--あ、ちが!これは、洗脳じゃなくて!」
不二雄が慌てて叫ぶー。
”うまくいかないなぁ”
不二雄は戸惑いながら、心の中で呟くー
「うまくいかないなぁ」
莉子がそう呟くー
「だ、だから違うんだってば!」
”相手を見つめながら念じる”
意外と、その洗脳が難しいことを理解する不二雄
”違う、僕はこう、もっとエッチなことを…
その、、なんというか”
莉子のことを見ながらエッチなことを妄想してしまう不二雄ー
すると、洗脳されている莉子が突然、
イヤらしい笑みを浮かべながら
スカートを脱ぎ始めたー
「ぶふっ!ちがう!まって!ちょ!」
不二雄が叫ぶー
タイム!
タイム!
心の中でそう叫ぶと、
莉子は、スカート脱ぎ掛けの状態で
固まったー。
だがー
重力に引っ張られてスカートは床に落ちるー。
「---え、、えっと…」
不二雄は、”脱いでる彼女を母さんに見られたら大変だ”
などと、焦りを感じるー
するとーー
莉子が服を脱ぎながら、部屋から外に出ていくー
「えぇっ!?なんで!?」
不二雄が叫ぶー
「--あ、やべっ!」
”母さんに見られたら大変だ”と念じてしまったため、
莉子が、服を脱いでいる姿を不二雄の母親に見せようとしているのだー
「--えっ!?」
不二雄の母が、首をかしげるー
息子の彼女が、服を脱ぎ捨てながら、
近づいてきているー
「えっ!?ちょ!?なに…?
不二雄!彼女さんと何してるの!?」
母親が戸惑いながら言うー
「ぎゃあああああああああ!」
不二雄は”既に手遅れ”なことを実感するー
これじゃー
”彼女を脱がせたやばい息子”になってしまうー。
不二雄はそう叫びながら
母親を見つめると”見るな!絶対見るな!”と念じたー
「---えっ…」
不二雄は唖然とするー
”うん。不二雄がそういうなら、二度と見ないようにする”
と言って、母親が、箸で自分の目を思いっきりーー
・・・・・・・・・・・・・・・
「-----」
不二雄は沈みこんでいたー。
「----洗脳…」
不二雄は頭を抱えるー
まさか、こんなことになってしまうなんてー。
「---不二雄くん…」
洗脳している莉子が、不二雄に心配そうに抱き着くー
ドキッとーーーー
している気持ちの余裕すらない不二雄は、
「ーー僕の前から消えてくれ」
と呟くー
「----不二雄くん…」
洗脳されている莉子は、どうしていいか分からず、困惑したー
「僕の前から消えろーーーーー!!!」
”消えろ”
”消えろ”
”消えろーーー!!!”
パニックを起こして、莉子のことなど、考える余裕も
まったくなくなってしまっていた不二雄は
心の中で「消えろーーー!」と叫んだー。
その結果ー
莉子が病院から立ち去り、”不二雄の前から消えるため”に
自ら命を絶ったと知ったのは、その数時間後のことだったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「はは…ははははははは」
不二雄は泣きながら自宅で笑っていたー
妹を殺してしまったー
母親を失明させてしまったー
憧れの同級生を殺してしまったー。
父親に”どうしかして母さんを助けて”と叫んだことで、
父親も洗脳してしまい、
高額な医療費で目を回復させようと暴走、
会社のお金を盗み出して、父親は逮捕されてしまったー
「はははは…ははははははははは!」
”力”は使いこなせば資産となるかもしれないー
だが、不二雄に、この扱いの難しい洗脳術を
上手く使いこなすことなんて、できなかったー。
「----あなたは…」
綺麗なお姉さんが姿を現すー
洗脳術をくれた女性だー。
しかしー
不二雄は、その女性を睨みつけたー
”お前のせいで、僕はー”
”--消えろ!死ね!!”
心の中で叫ぶ不二雄ー
「はい…」
綺麗なお姉さんをも洗脳しー
その命を奪ったー
不二雄は、この瞬間、”悪魔”と化したー
「はははははは!もう僕は戻れないんだ!
なんでもやりたい放題してやる!」
その日から不二雄は、他人がどうなろうとお構いなしに
洗脳を繰り返し、
学校では、まるでハーレムのような状態で、
女子に囲まれて、王様のような日々を過ごしたー
”僕を愛せ”
”僕に尽くせ”
”僕を気持ちよくしろ!!”
次第にエスカレートしていく不二雄ー
不二雄は同級生の中でもかわいい子を
自分の中で勝手に厳選し、
身体を密着させたり、フェラをさせたり、
女に自分を囲わせて、
狂ったように笑っていたー
男子と、不二雄にとって、眼中にない女子たちは
召使だー。
学校で”自らの王国”を作り上げて
不二雄は、妹や憧れの同級生の命を奪ってしまった
自責の念から逃れようとしていたー
やがて不二雄は、そんな状況にも満足できなくなりー
さらに”エスカレート”したー
”僕を愛せ!”
”もっともっと愛せ!”
”僕のことしか考えるな!”
「--あぁぁ~~不二雄様~♡」
生意気だった女子までもがー
不二雄に尽くしているー
メスのような顔をしてーー
不二雄は笑みを浮かべたー
”僕を殺したいほど愛せ!”
”僕をもっともっともっとー”
”殺したいほどにぶち壊したいほどに僕を愛してーもっt
「----え」
不二雄は表情を歪めたー
首に激痛が走ったのだー
「えーー…?」
何が起こったのか分からないまま、不二雄が隣にいた女子を見るとー
女子が顔を真っ赤にして興奮した様子でー
ハサミを手にー
それを不二雄に突き刺したー。
他の女子たちも、次々とハサミを持って
それを不二雄に突き刺すー
「えっ…ひっ…ぎ…!?!?」
「---あぁぁぁ、不二雄くん♡ 殺したいほど、愛してるぅ」
「--あぁああ…うふ、、、うふふふふふふふぅ」
不二雄は、
自分が洗脳を使いこなせないことを、理解したと同時にー
何も考えられなくなったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あ~~~あ」
研究室にいた男が呟くー
「--やっぱまだ、”制御”が難しすぎるか」
”洗脳術”の研究をしている研究所ー。
洗脳術は完成したがー
制御が難しいことが課題となっていたー。
そこでー
何人かに洗脳の力を与えて”テスト”したがー
不二雄も、他の”テスト参加者”も、
洗脳術を使いこなせずー
”自滅”したー
「---あ~~~あ、まだまだ、研究が必要だなー」
”綺麗なお姉さん”はこの男が一般人を洗脳して、
”洗脳の力”を運ばせていただけー。
綺麗なお姉さんは、不二雄に壊されてしまったが、
そんなことはどうでもいいー
「--もっと、制御力を高めないと、なー」
男は笑みを浮かべると、
再び洗脳術の研究に没頭するのだったー。
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
1話完結の洗脳モノでした~!
上手く制御できないと、大変なことになっちゃいますネ~…!
お読み下さりありがとうございました!!
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