<憑依>小心者が手にした憑依薬

小心者の男が「憑依薬」を手に入れたー。

”小心者”が憑依薬を手に入れたらを
描く、憑依モノ!

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「---ゴクリ」
男子大学生の里村 由太郎(さとなか ゆたろう)は
小心者だったー

小さいころから、とにかく小心者で、神経質ー
そんな性格ゆえに、友達は少なく、
彼女が出来たこともなかった。

そんな彼がー
”憑依薬”というものを発見したのだー

他人を好き放題できる薬ー。

由太郎には、好きな人がいたー。
幼馴染の鍵野 千佐江(かぎの ちさえ)-。

大学で偶然再会して、
何かと由太郎のことを気遣ってくれているー。

小さいころー
よく由太郎に良くしてくれた千佐江は
大学生になっても、”小さい頃のまま”
優しかったー。

由太郎は、そんな千佐江に恋をしたー。
だが、小心者の由太郎が千佐江に告白できるはずなどなくー
由太郎に出来るのは

”千佐江に話しかけて貰えるのを待つ”ことー

そしてー

「うっ…」

千佐江で”抜く”ことだけだったー。

そんなある日、
由太郎はオークションで
愛染 亮(あいぜん りょう)という人物が、
”憑依薬”なる薬を出品しているのを見つけたー

”フリマアプリじゃあるまいし、こんな子供騙しみたいなものを
 買う人なんているのかな…?”と
最初は鼻で笑いつつもー、
どうしても気になってしまいー
”愛染 亮”から、憑依薬を購入してしまったー。

「---憑依…薬…」
由太郎の心の中に、黒い感情が生まれるー。

「俺が…
 俺が、鍵野さんに…」
そう想像しただけで、ドキドキの感情で溢れそうになるー

自分が千佐江になるー
千佐江の身体であんなことやこんなことをしている場面を
想像するー。

「--あ…う…あ…え…あは…」
由太郎は激しく興奮して、ズボンを下ろして
その場で既に勃起している肉棒を触り始めてしまうー

「う…あ…あぁぁぁ…う」
由太郎は、軽く声を出しながら
千佐江の姿を思い浮かべるー

自分が千佐江になったらー
自分が千佐江になったらーー
何をーー
何をしちゃうだろうかーー

「えへ…えへへへへへへ」
由太郎は、笑みを浮かべながら、
千佐江に自分が憑依した場合の様子を浮かべたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

後日ー

「--!」
由太郎の自宅のポストにー
”それ”は届いていたー

憑依薬をオークションで出品していた男・愛染 亮から、
憑依薬が届いていたのだー

「ひ、、ひ、、ひ、、憑依薬!」
由太郎は震えたー。

もしー
もしも、もしもこれが本物なら、
由太郎は、千佐江に憑依できることになるー

千佐江の身体を自由自在に操ってー
千佐江で、あんなことやこんなことを
することができてしまうー

「はぅぁっ!」
由太郎にとっては
そんなことを”想像”するだけで
精神的にはじけ飛んでしまうそうなぐらいの
強い刺激だったー

自分が千佐江になるー
想像もできないー

「あぁ…だめだ」
ドキドキが止まらない由太郎は
自分の家に入っていくと、
そのままトイレに駆け込んで、
一人、抜いたのだったー

由太郎が愛染亮から購入した憑依薬はー
憑依した状態で、相手にキスをすることで、
相手に憑依できる、という憑依薬だったー

「き、き、、、き、、、キス…!?」
由太郎は同封された説明書を読みながら
震えていたー

千佐江に憑依するためには、
千佐江にキスをする必要があるー。

と、いうのだー。

出品者の愛染亮に、質問を送った由太郎ー

”千佐江の身体から出た時に、千佐江に自分が憑依したって
 ばれてしまうのではないか?”という
そういう不安だー。

小心者な由太郎は、気が気ではなくなったー。

だが、愛染亮はすぐに返事をくれたー

”その心配はありません”
とー。

愛染によれば、憑依した際に相手の記憶を
いじることもできるために、
憑依されている間の”空白の時間”に違和感を持たないように
することもできるし、
憑依前後の記憶をうまくカットすることもできる、のだと語ったー。

”やり方は、実際に憑依してみれば
 感覚として分かると思いますよ”
愛染は、そう追加でメッセージを送って来たー

”手を動かす方法”は
ほとんどの人間が知っているー。
だが、その方法を言語化することは難しいー
簡単だけど難しいー
僕が言葉で説明するよりも、実際に憑依してから
試してみるのが一番早いー

愛染は、そう説明したー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー

由太郎は、千佐江に憑依するためにー
憑依薬を朝一番に飲み干し、
大学にやってきていたー

あとは、千佐江にキスをするだけー。

ゴクリー
由太郎は、千佐江に憑依したあとの光景を思い浮かべるー。

「おはよ~!」
千佐江に声を掛けられた由太郎は思わず「ひっ!?」と声を出してしまうー。

「--お、、おはよう…」
振り返った由太郎が、千佐江を見るー
今は、千佐江と二人きりー。

ドクン
ドクン
ドクンー

心臓が破裂しそうなほどに高鳴っているー。
今、千佐江にキスをすればー
自分は千佐江になることができるー

「あ、うぁ…ひっ…、」
困惑の表情を浮かべる由太郎ー。

まるで、怪物を見るかのような目の由太郎に、
千佐江は「ちょっと~…?おばけを見るような目しちゃって~!」と
苦笑いするー

「わたしはお化けじゃないよ!
 ほら、足もついてる!」

千佐江が、自分のスカートのあたりを触るー

ゴクリー
あの綺麗な脚が、千佐江に今、キスをするだけでー
自分のものになるー。

そう思っただけでー

「---大丈夫?なんか顔が赤いけど…?」
千佐江が心配そうに、由太郎の顔を覗き込むー。

「--熱あったりしない?」
千佐江が由太郎の額を触るー

「--!?!?!?!??!?!?!」
由太郎は爆発しそうになったー。

千佐江の顔がすぐそばにあるー。
今、由太郎が千佐江にキスをすればー
千佐江はーーー

過激な服装を身に着けて、ポーズを決める千佐江の姿を
妄想する由太郎ー

「ぶふっ!?」
由太郎は思わず鼻血を出してしまったー

「--えっ!?ちょ!?里中くん!?」
千佐江が慌てた様子で、
由太郎のほうを見るー

キスをー
キスをするんだー!

由太郎は、自分の心の中で自分に向かってそう叫んだがーー

身体が、動かなかったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

”それでー?憑依薬を飲んだけど、
 憑依する間もなく、
 効果が終わってしまった…と?”

オークションの出品者・愛染亮から
メッセージが返ってきたのを確認して、
由太郎は”はい”と返事を送ったー

一度憑依してしまえば、その効果はずっと続くようだが
憑依薬を飲んでから憑依しないまま
過ごしていると憑依能力が1日で失われてしまうのだと言う。

「--もうひとつ、もうひとつ、憑依薬を下さい!」
由太郎はそうメッセージを送るー

”申し訳ないが、普通に有料になりますが、良いですか?”
愛染から返事が来るー

由太郎は迷わず憑依薬をもう1本購入したー

今度こそー
千佐江になるんだ!
と、思いながらー

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「---!ひぅっ!?」
千佐江がビクンと身体を震わせるー

「--……ふ、、ふふ…や、、、やった…!」
千佐江がガッツポーズをするー

さっきまでの怯えた表情が嘘かのようにー

「やった!俺が、俺が鍵野さんに!」
千佐江に憑依した由太郎ー

「はははははは!ははははは!これが、これが胸の感触…
 うあっ、、ははっ、、うひひひひひひひひ!」
千佐江が狂った笑みを浮かべながら胸を揉みまくるー

その日から千佐江は豹変したー

コスプレ狂になりー
自宅ではコスプレ姿で過ごすー
夜になると部屋から狂ったような喘ぎ声が聞こえてきてー

配信も始めた千佐江はネットで人気者になるー

「あはははははっ♡ わたしは千佐江!!最高、あははははははははは!」

千佐江になった由太郎はー
千佐江として、欲望のままにー

ーーーーー

ーーーーーーーーーー

「----夢か」
由太郎は真顔で呟いたー

千佐江に憑依した夢を見ていたー。

届いた憑依薬を見つめる由太郎。

夢じゃダメだ。
今度こそー

「俺は、、、俺は憑依王になるっっ!!!!!!!!!!」
由太郎が好きな漫画の台詞をもじった言葉を
口にすると、由太郎は憑依薬を飲み干したー

今日こそー
今日こそ、千佐江に憑依してみせるー!

憑依薬を飲み終えると「ふはは!」と笑いながら
由太郎は大学に向かう準備をする。

今日が勝負の1日だ。
千佐江に憑依して、
千佐江を意のままにしてやるー。

由太郎は笑みを浮かべるー。

鍵野さんになったらー
やっぱり、まずは家でエッチをしよう。

由太郎は、そんな風に考えるー

里村くん大好き…と、鏡の前で言わせてみようー
考えただけで興奮してしまうー。

いやー
里村くんだけではダメだ。
由太郎くんって呼ばせてみようー

「ふひっ」
由太郎は笑みを浮かべるー

実際に憑依したあと、
自分にそんなことができるだろうか、と
ふと不安を覚える由太郎。
自分はどこまでも臆病な人間だー。

千佐江の身体になっているのを自分が見ただけで
ドキドキして動けなくなる可能性もあるー。

いやー。
でも…それでもー

「--あぁぁ~鍵野さんになったら
 どんな服を着ようかな~」

セーラー服も来てみたいし
ガーターベルトとやらの感触も気になるし
メイド服やチャイナドレスも着てみたい。

ゴスロリスタイルで街を歩いてみたいし、
ドレス姿で女王様みたいに振舞ってもみたいー

SMみたいな格好もー

「やべっ!」
妄想で勃起してしまった由太郎ー。

ついに大学にたどり着いた由太郎はー

「おはよ~!」

ドキィ!?

背後から、千佐江に声を掛けられたー。

「---か、、か、、か、鍵野さん…!お、、おはよう」
由太郎は”勇気を出せーーーー!俺ーーーーー!!!”と
心の中で叫んだー。

そして、ついにー
千佐江を大学の建物脇に呼び出して
1対1になることに成功したー。

”俺…千佐江になれる…”

千佐江の人生を奪うー。
そのことに、もはや罪悪感すら感じないほどに
興奮した由太郎は、
「お話って~?」と首を傾げている千佐江に向かって叫んだー

「--鍵野さんの、、か、か、、から、、、から、、、からだ、、」

「--へ?」
千佐江が首を傾げるー

「鍵野さんの身体、、、俺がーーーー」

そう叫んで、千佐江に強引にキスをしようとしたその時だったー

「-----!?」

「-----!!!!」

千佐江の目の前にいた由太郎が、
突然”消えた”

「---え!?里中くん?」
千佐江が周囲を見渡す。
由太郎の姿が消えたー。

一瞬にしてーーー

「---え!?!?ちょ!?里中くん、どこ!?どこ!?」
千佐江が叫ぶー

だがー
由太郎は”二度と”見つかることはなかったー。

翌日もー
1週間後もー
1か月後もーー

いいやー
永遠にー

千佐江も、他の人間も、
由太郎のことを見かけることは、二度となかったー

何故ならー
由太郎は、キスをした相手に憑依してしまったからー。
キスをした瞬間に、霊体となって
その身体に憑依できてしまったからー。

憑依薬を売る売人・愛染亮の憑依薬は
”後戻りできない憑依薬”

由太郎はーーーー

あの時ー
千佐江にキスをしようとした瞬間にー
たまたま目の前に飛んできた、蠅が唇にあたってしまったー

それ故にーーー

「---(どうしてこんなことに…!!)」
由太郎は、蠅に憑依してしまったのだったー。

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

臆病でなかなか憑依できなかった故に、
運悪く、破滅することになってしまいましたネ…!

憑依薬を手に入れたら、皆様も慎重に~!デス(!?)

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小説
憑依空間NEO

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