<入れ替わり>未来からやってきた僕は彼女になっていた②~阻止~

3年後からやってきた「僕」は
彼女になっていたー。

3年後に起きる悲劇を阻止するため、
僕は未来の僕と共に、戦うー。

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未来の晴美(幸雄)から、3年後のことや、
この時代に来た目的を一通り聞き終えた幸雄は、
一旦家に帰る準備をしていたー。

大学のお祭りは1週間後ー。
”片倉”という中年男が、その時に晴美と会わないようにすればいいー。
今日は、とりあえず、もうするべきことはなかった。

「そういえば、どうして未来の僕は、こんな場所に?」
廃墟となった施設の一帯を見回しながら幸雄が言うと、
未来の晴美(幸雄)が首を振ったー。

「--だってさ、この姿で、その辺歩くわけにはいかないだろ?」
未来の晴美(幸雄)が笑うー。

「--昔の晴美がこの姿を見たら驚くだろうし、
 そもそも、この時代に僕の家はないし、
 2人で僕の家に帰るわけにもいかないだろ?」
未来の晴美(幸雄)の言葉に、幸雄は「そっか」と笑うー。

確かに、晴美が3年後の晴美を見たら驚くだろうし、
幸雄の家に一緒に帰るわけにもいかないー。
大学生の幸雄は、一人暮らしだが、
近所の目もあるし、万が一晴美がやってきたりしたら
パニック状態になってしまうー。

「--それに、”歴史”にあんまり関わりたく無いし」
と、未来の晴美(幸雄)は続けたー

あくまでも、3年後に起こる悲劇を変えたいだけだからー
”必要最低限”のことにしか関わらないようにしているのだと言う。

「--それにしてもやっぱり、3年後にタイムマシンがあるなんてなぁ~」
幸雄が言うと、
未来の晴美(幸雄)は、「色々苦労したんだよ、この時代に来るの」と、苦笑いする。

未来の晴美(幸雄)によれば、3年後に「誰でもタイムスリップできるように
なっているわけじゃない」のだと言う。

未来の幸雄が、何とか、晴美に一目ぼれした中年男・片倉による、悲劇の3年後を
なんとか阻止しようと、やっとの思いで
「機密事項」であるタイムスリップが可能になり、
この時代に来たのだと言う。

「--まぁ…そんなことはいいんだ」
未来の晴美(幸雄)は笑うー。

「とにかく、片倉が、晴美に接近するのを阻止しないといけない。
 付きまとわれてー、最後には、階段から転落して
 こうして入れ替わってしまうのを、阻止しないといけないー」

未来の晴美(幸雄)の真剣な表情に、
幸雄も頷くー

「もちろん…晴美が寝た切りになっちゃうなんて、
 絶対に阻止しないと」

未来の晴美(幸雄)と、幸雄は、色々、大学のお祭りの当日、
どうするべきかを改めて相談するー

”片倉さん”は、”まだ”何もしていないー
先に警察に通報したりすることは不可能だ。

だが、
未来の晴美(幸雄)は言うー。

”お祭り当日に”晴美”と”片倉”が遭遇さえしなければ”
片倉が晴美を付け回すようなこともなくなるはずだ、とー。

お祭り中に、片倉が晴美を見かけて
声をかけて来ることが”全ての始まり”-。
その”始まり”を、この時代で阻止することができれば
3年後の晴美と幸雄は、きっと幸せになれるー。

「--そういえばさ……あのさ…」
幸雄が顔を赤らめながら聞くー

「--そ、、その身体になって…何かしたり…したの?」
幸雄が気になっていたことを聞いてみるー

”入れ替わって女になるー”
正直、その話を聞いたときから、幸雄はドキドキしていたー。

特別、下心が強かったり、エッチではないものの
”自分が晴美と入れ替わった”なんて未来を聞くと、
やはりドキドキゾクゾクしてしまう。

「はははっ…!胸を揉んだり…女としてエッチしてみたり…
 もう、すっごいよ!最高!」
未来の晴美(幸雄)が表情を歪めながら言うー

「えっ!?!?ええ!?晴美の身体でそんなこと…!」
幸雄が顔を真っ赤にして言うと、

「なんちゃって~!そんなことしてないよ。」
と、未来の晴美(幸雄)が笑いながら言ったー。

「お風呂とか着替えとかはするけど、
 それだけだよ」

その言葉に、幸雄は「そっか…」と呟くー

”僕だったら…こっそり何かしちゃいそうな気もするけど…”と
内心で苦笑いしていると、
未来の晴美(幸雄)は、暗い表情でー
「正直、それどころじゃないよ…」と呟くー

入れ替わったことは確かに驚きだったし、
自分が女になった、ということに関しては
興奮もしたー。

でもー

「--僕の身体になった晴美は、寝たきりなんだ…
 晴美を助けることで頭がいっぱいでー
 他のことなんて、思いつかないよ」

未来の晴美(幸雄)はそう呟いたー。

「そっか…そうだよね、、ごめん」
幸雄は謝罪の言葉を口にするー。

”平和”な時に入れ替われば、
晴美に隠れてこっそり色々としてしまうー…
かもしれない。
多分、イタズラ好きな晴美も、幸雄の身体で
色々するはずだー。

でもー

”未来から来た僕は、そんな状況じゃないんだ”

と、改めて幸雄は思うー。

なんとかしてー
破滅の未来を変えないと、とー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

帰宅した幸雄は、未来の晴美(幸雄)とLINEで
情報交換をしながら、その日を終えたー

1週間後ー
晴美に学園祭に出ないように言うことは簡単だー。
学園祭に出なければ、その”片倉”にも会いようがないー。

よってー
”晴美がストーカーされる未来”は無くなるー。

だが、晴美は学園祭をとても楽しみにしている。

”学園祭に出ないで”などと言えるはずもないしー
”未来から来た僕がそう言ってた”なんて通用するはずがないー

やはりー
当日、なんとかするしかないー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー

晴美に学園祭の話を振ってみる幸雄ー

「-ほんと楽しみ~!お化け屋敷もあるみたいだから、
 幸雄も一緒に行こうね~!」
とても楽しみそうにしている晴美ー

改めて、そんな晴美の姿を見て、
”学園祭に来ないで”は、無理だと幸雄は思うー。

3年後の僕に、晴美を直接説得してもらうことは
できないだろうかー。
それも聞いてみよう、と思いつつ、幸雄は
晴美を見て少し顔を赤らめるー。

昨日のー
”3年後の僕”と入れ替わって男口調な未来の晴美を
思い出して、少しドキッとしてしまったのだー

「-あれ…?顔、赤いけど大丈夫?」
心配そうに言う晴美ー

「あ、、う、、うん!だ、、大丈夫だいじょうぶ!」
幸雄はそう言いながら
晴美から目を逸らしたー。

「--も~!変なの~!」
笑う晴美ー。

晴美のこの笑顔はー
必ず、僕がー
いや、”僕たち”が守るー。

幸雄は、そう決意して、
晴美のほうを見つめたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夜ー

昨日と同じ場所で未来の晴美(幸雄)と会うー。

未来の晴美(幸雄)はラバースーツ姿だったー。

「--…あ」
顔を赤らめている幸雄に対して
晴美(幸雄)は「動きやすい格好の方がいいかなって」と
苦笑いするー。

幸雄は”3年後の僕が直接、この時代…今の晴美に
事情を説明して、学園祭に来ないようにしてもらうこと”は
できないかどうかを相談したー。

だが、未来の晴美(幸雄)は首を振るー

やたら賞味期限が長いペットボトルのお茶を口にしながらー
”出来るだけ、歴史が変わるようなことに干渉したくない”と、
未来の晴美(幸雄)は言ったー。

「---僕が、未来から来た、って接触するのは、
 昔の僕だけにしたいんだ。

 何がこの後の歴史に関係するか分からないし、
 歴史が変わりすぎちゃったりすると困っちゃうから」

未来の晴美(幸雄)の言葉に、幸雄も「確かにそうだね」と頷いたー

とにかく、当日、片倉に気を付けるしかないー、と
未来の晴美(幸雄)が言うと
思い出したように、「そういえば、この時代の僕は片倉さんの写真、知らないよな?」と、
呟いたー

確かに、知らない。
幸雄はそう答えると、
未来の幸雄(晴美)が、”片倉さん”の写真を手渡してきたー

一見、冴えないおじさんに見えるが
強面の目つきの鋭い男だー。

「この男が…晴美に…」
幸雄がそう言うと、
未来の晴美(幸雄)は「あぁ」と、神妙な面持ちで返事をしたー

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学園祭当日ー。

”片倉が学園祭に向かったー”

未来の晴美(幸雄)からLINEで連絡が届くー
幸雄は、未来の晴美(幸雄)と連絡を取りながら
片倉が晴美に接近しないように、うまく移動していくー

”この時点”での片倉はまだ晴美のことを知らないー
偶然、出くわさなければ、3年後の未来で、
片倉に付け回されて、そして、階段から転落ー
入れ替わってしまった結果、幸雄の身体になった
晴美が、意識不明の重体になってしまうようなことも、ないのだ。

「--今度は、後輩の子のサークルの出し物見に行こうかな~」
晴美が言うー。

「--えっ!」
幸雄は戸惑うー。

”片倉”の現在地に近い場所に晴美が向かおうとしているー

「--あ、だ、、だめ、、え、、えっと」
幸雄は、なんとか晴美を止めようとするー

「え???だ、だめ…?」
晴美が戸惑う。

「そ、、その…えっと」
幸雄も戸惑うー。

未来から来た僕が…なんて話は晴美にはしていないし、
そんな話しても、信じてもらえないと思うー

一体、どうすればー

「--さっきから幸雄、誰かとLINEしてるみたいだけど…
 何かあったの?」
晴美が心配そうに言うー。

その時だったー

廊下の反対側からーーー
”片倉”が現れたー。

「--!」
幸雄は、晴美の手を咄嗟に掴んで、晴美を反対側に走らせるー。

”か、片倉が現れた!”
幸雄が慌てて未来の晴美(幸雄)に連絡を送るー。

未来の晴美(幸雄)が送ってきた場所と違う位置に
片倉が出現したのだー

”なんだって!? 
 くそっ!あいつめ”

未来の晴美(幸雄)から、GPSに気づかれて捨てられたのかも、
とにかく逃げろ!と連絡が帰って来るー

”片倉”が、幸雄たちの方に歩いてくるー

晴美は「え???なになに!?」と、戸惑うー

「と、とにかく、僕についてきて!」
手を引っ張って逃げる幸雄ー。

片倉は、明らかに幸雄か晴美を追いかけてきているー

”一体、どうして!?”
幸雄が戸惑うー

この時代の片倉はまだ、僕たちのことを知らないはずだー。

とー。

階段を慌てて降りていく幸雄と晴美ー

”ここで転んだら入れ替わっちゃいそうだなぁ”
などと一瞬思いながら、階段を下っているとー

「----きゃああああああああああ!」
「うわああああああああああ!」

「--!?」
幸雄と晴美が振り返るー

階段の上の方から悲鳴が聞こえたー

「---!」
幸雄が振り返るー

だがー
しばらくしても、片倉はやってこないー。

「--な、、なんなの…?」
意味が分からない、という様子の晴美ー

幸雄が「ここで待ってて」と悲鳴のしたほうに
階段を上っていくとー

幸雄たちを追ってきていた片倉が3階から2階に降りるタイミングで
躓いたのか、2階の部分に転落していて、
血を流していたー

「---!!!」

そしてーーー
病院に搬送された片倉は、そのまま死亡したー。

若干、事情を聴かれはしたもののー
”事故”として、片倉の死は処理されたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

後日ー

廃墟で、未来の晴美(幸雄)と”最後の別れ”の挨拶をしていたー。

「--ちょっと後味は悪かったけどー
 ありがとう、昔の僕ー」

未来の晴美(幸雄)が言うー。

幸雄は少しだけ複雑そうにしながらも、
「--これで、未来の僕と、晴美は助かるんだね」
と、微笑んだー

「あぁ。ストーカーになる男がいなくなったんだ…
 晴美がつけまわされることもないし、
 入れ替わることもないし、
 僕の身体になった晴美が重症になることもないー」

「そっかー」
幸雄は安心した様子で言うと、
未来の晴美(幸雄)と握手を交わしたー。

「--でもさ、3年後の晴美、まずます綺麗になってる気がするなぁ
 なんだか、ますます若くなった感じ」
幸雄が笑いながら言うと
未来の晴美(幸雄)は
「はは、それだけ晴美は可愛いってことさ」と笑ったー

時空の渦のようなものが出現するー

「--じゃ、僕は元の時代に帰るよ」
未来の晴美(幸雄)が言うー。

「--そういえば、未来ってもう変わったのかな?
 未来の僕、まだ晴美の姿のままだし?」
幸雄が言うと、
未来の晴美(幸雄)は「たぶん、僕が元の時代に帰れば変わってると思うー。
どんな風に変わってるか、ちょっと怖いかもだけど」と、苦笑いしたー。

”片倉が死んだ”
それが、未来に予期せぬ影響を及ぼす可能性も、0ではないー

「------ありがとう。」

「-----こちらこそ」

二人は、握手を交わしー
未来の晴美(幸雄)は、元の時代へと帰って行ったー

”いつかまた、会えるよねー”

”あぁ…未来で、会えるさー”

そんな会話を最後に交わしーーーー

幸雄は、満足そうな表情で、空を見つめたー

③へ続く

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コメント

ハッピーエンド!

…③も、何故かあるようですけどネ~(他人事)

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